最強の魔導師?そんなのいらないから飯をくれ!   作:白猫イチリン

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謎の遺跡と村の異変

こんにちは。ブルーです。俺は村長の家に向かっている途中で気になる点を見つけた。それは村人が俺を見ると何かをコソコソと話をしていることだ。そんなことを考えていると村長の家についた。

 

「やっぱり近くで見るのとさらに大きいな~」

 

そう言いながらドアをノックすると中からお爺さんが出てきた。

 

「何のようかね?」

 

「依頼を受けて来たのですが…此処で合っているでしょうか?」

 

俺がそう言うとお爺さんはひとつため息を吐いて俺を家の中に入れてくれた。家の中は藁が敷いてあり真ん中に吊るされているフックに鍋が掛けられている。

 

「どうぞ。お座りください」

 

そう言って村長は俺を藁の上に座らす。中々座り心地がよかった。

 

「依頼を受けて来たそうじゃな?」

 

「そうですね。ある遺跡を調査してほしいと依頼書に掛かれていましたがその遺跡とは?」

 

「…この村から北にある遺跡のことじゃ。あれが現れてもう…100年…いろいろなギルドの人が来ましたが見つけることが出来なかった…」

 

村長の話を聞いて少し引っ掛かる所が合った。

 

「見つけることが出来なかったとは?」

 

「我々村のものは遺跡を見ることが出来るが…他の人は見えないそうなのじゃ…それでギルドの人が来ても調査しないで依頼を放棄するのじゃ」

 

なるなど…村の人しか見れない遺跡か…何かあるのかな?

 

「一つ聞いてもいいですか?」

 

「なんじゃ?」

 

「その遺跡が現れて村に変わったこととかありましたか?」

 

俺がそう言うと村長は少し言いずらそうに俺を見る。そして覚悟を決めたように俺に話してくれた。

 

「この事を言うとギルドの人は病気と判断してしまうのであまり言いたくないのじゃが…この村ではたまにあることが起きるのじゃ。それは…」

 

村長が言おうとした瞬間に、村長の家のドアがバン!と開きある子供が入ってきた。

 

「ギルドの魔導師は居るか!」

 

そう言って子供は俺を見ると睨んで俺を指さす。

 

「どうせ!お前も他のやつと同じでこの村のことを見捨てるんだろ!」

 

それを聞いた瞬間、俺はイラッとしてしまった。そして子供は村長の近くに行く。

 

「お爺さんもそろそろ諦めて依頼をやめろよ!使えないやつばっかり来るんだからよ!」

 

この子は俺のことがそんなに嫌いか?指をさして睨むなんて失礼だろ。

 

「お爺さん!何とか言ったらどう…」

 

するとその子どもは急に力が抜けたように倒れようとしたが、村長が体を支えてくれたので地面に倒れることはなかったが…子どもはそれっきりピクリとも動かなくなった。

 

「まさか!おーい!大丈夫か!」

 

そう言って村長は子どもに呼び掛けるが返事はない…

 

「村長これは?」

 

「これが村では起きている…魂倒(こんとう)じゃ!」

 

「コントウ?」

 

「そうじゃなく魂倒じゃ。この魂倒は体から魂が抜けることじゃ…少なからず村のものはそう呼んでいる」

 

なるなど…謎の遺跡が現れてこう言う現象が起きているてことか…

 

「なんで?魂が抜けたことがわかるのですか?」

 

「それは我々が生ながら見えるのです…先程この子の体から白いモヤが抜けました」

 

「そうですか…」

 

「どうか!あの遺跡がなんなのか!そして魂が何処にあるのかを、調べてほしいのです!」

 

村人しか見えない遺跡…謎の現象…調べる価値はありそうだな…

 

「わかりました。調べましょう」

 

「おお!やってくれるか!」

 

「はい。ですが俺一人では難しいので村の人たちにも手伝って貰います」

 

「わかった。村で一番の狩人をつけよう」

 

「ありがとうごさいます。それでは行きたいと思いますので…」

 

俺は倒れている子どもを見て早く安全な所に運ぶように言って俺は村長の家を出る。

 

「さて…仕事を始めるとしよう」

 

そう言って俺は狩人とともに遺跡に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遺跡がある所に着くのだが、なにもない…村長が言っていたように村の人以外は見えないのは本当らしい…

 

「ここが遺跡があるところだが…見えるか?」

 

そう言って来るのは狩人のジバだった。ここに来る途中でこのジバと少しは仲良くなったような気がする。

 

「見えないな…」

 

「やっぱりか…」

 

「取り合えず遺跡の入り口まで案内してほしい」

 

「わかった」

 

そう言ってジバ付いていくのだが、やっぱりなにも見えない…

 

「ここだ」

 

「そうか…やっぱり見えないな」

 

それじゃあ…試してみるか…

 

「マジックバリア!」

 

すると、俺を包むように紫色の薄い壁が出来る。そして…

 

「やっぱりな…遺跡が見えたぞ」

 

俺がそう言うとジバは驚くさっきまで見えなかったはずの遺跡が見えるようになったからだ。

 

「本当か!」

 

「ああ。やっぱり魔法で隠していたようだ…」

 

そして俺は遺跡の中に入ろうとするが…

 

「ジバ…お前は村に帰れ」

 

「何でだ!」

 

「この遺跡は…危険だからだ」

 

「それは百も承知だ!」

 

「そうじゃない…お前たち村の人間が一番危険なんだ」

 

そう言って俺はあるものをジバに投げる。それは…

 

「おい!ブルーこれは!」

 

俺が渡したのは…魂倒していた村の人だった。

 

「そのやつだけじゃねぇ…俺の前には…」

 

俺の目の前にはたくさんの魂倒した人が地面に倒れている。

 

「この事を村長に伝えろ!」

 

ジバは頷いて村の方に向かった。それを見送って俺は遺跡の奥に歩いていく。

 

 


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