グレイトジェネレーション ゼロフォウルの野望   作:匠 良心

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ストライクウィッチーズ序章回 その1です。


ストライクウィッチーズ序章 醸下院の言葉

第501統合戦闘航空団 ストライクウィッチーズ

 

 

かつてブリタニアでネウロイの巣を撃破し一時解散という形になったがロマーニャに新たなネウロイの巣が出現し再び501が再結集し、これを撃破!だが、ある隊員を覗いてみな生還という形になった。

 

 

その隊員の名は宮藤芳佳

 

 

 

バン!

 

 

 

隊長室の机で強く叩くカールスラントのウィッチ、ゲルトルート バルクホルンが激しい剣幕で隊長であり仲間のミーナはそれを申し訳なく頷いた。

 

 

 

バルクホルン「ミーナ!あれから一週間だ!なぜ宮藤に関する情報があまりこない!」

 

そしてキッと上げた顔に激情を乗せ、感情のままに叫んだ。

 

 そんな彼女にミーナはゆっくりと頷いた。

 

 バルクホルン同様ミーナもまた情に深い性質であり、今回の事態にはひどく心を痛めて

 

いるのだ。

 

 

 

「トゥルーデ。宮藤さんの件については私達だけでなく、他のウィッチ隊や軍人によって捜索が続けられているわ」

 

「それはわかっている! だがミーナだって覚えているだろう、あの時のことを!」

 

「それは……」

 

 

 

 その言葉にミーナの脳裏にはオペレーション・マルスの結末が浮かび上がる。

 

 確かにあの作戦によってあのネウロイは撃破され、そしてロマーニャの空は解放された。

 

 しかしその代償として待っていたのは501JFW――ストライクウィッチーズ隊員一人宮藤芳佳が行方不明になったのであった。

 

 宮藤芳佳がロマーニャの空から消えて、今日で一週間になる。

 

 

 

「私は今でもあの時のことを夢に見る。なぜ宮藤一人に行かせたのか、とな」

 

「……トゥルーデ」

 

「あいつが見つからなければ、私は私自身が許せそうにない」

 

 

 

 私は無力だ、という小さな声が部屋に響く。

 

 両の拳を強く強く握りしめて、バルクホルンは吐き出すように言葉を紡いだ。

 

 そうでもなければ心がどうにかなってしまいそうなほど、今の彼女の精神は宮藤芳佳に対する罪悪感、そして自己に対する嫌悪感に苛まされていた。

 

 そんな彼女の姿にミーナの瞳が揺れ動く。

 

 

 

 ――バルクホルンにはたった一人、クリスティアーネという実妹が存在する。

 

 かつてその妹であるクリスを失いかけ、そのショックから自身の命をも投げ捨てようとした時にそれを助けたのが宮藤芳佳であった。

 

 それからバルクホルンは宮藤をまるで妹のように想い、不器用ながらも深い愛情を注いできた。

 

 思えばこの二人は部隊の戦友でありながら、年の離れた姉妹のような関係でもあった。

 

 ――であれば、今再び宮藤芳佳を失いかけているバルクホルンの心情はいかようなものだろうか

 

 

 それを考えると、ミーナは自身の心にじくりとした鈍い痛みが走るのを感じた。

 

 その痛みを深く飲み込んでミーナは唇を噛み締めた。

 

 彼女とて自身の悲しみのままに嘆き、内心を吐露したいという気持ちはある……しかし年長者として、そして何よりこの基地の指揮官として感情に流される訳にはいかない。

 

 

 

「……現在、この基地の士気はガタ落ちだ。リーネやサーニャなどは食事もほとんど取らずに宮藤の捜索に乗り出しているし、他のメンバーにしたところで大きく気を沈ませている」

 

「……彼女たちは特に宮藤さんと仲がよかったもの。無理もないわ」

 

 

 

 

 彼女達はみな、今は自身の疲れも気にならない程に宮藤の捜索へ力を注いでいる。

 

 そんな中で宮藤の消失によって最も心を痛めているのが。

 

 

 

 

美緒「ミーナ・・・・今回も駄目だったか・・・・」

 

 

 

ミーナ「美緒・・・・」

 

 

隊長室のドアから出てきたのは扶桑海軍所属のウィッチ、坂本 美緒少佐であった。

 

 

美緒「ミーナ・・・・私はあの時ネウロイに捕らえなければ宮藤はあのようなことはなかったと深く悩んでしまったよ・・・・本当に自分自身が嫌になる」

 

 

 

バルクホルン「少佐・・・・」

 

 

ミーナ「美緒・・・・」

 

 

 

ウィッチという少女たちの持つ魔法力は10代というリスクが伴っており、坂本美緒は20代を通り越し20歳になり魔法力は完全に無くなっていた。

 

 

 

美緒「ミーナ!頼む!私も宮藤の捜索に協力させてくれ!」

 

 

 

ミーナ「美緒!」

 

 

美緒「宮藤が消えてしまったのは私の責任!このままでは引き下がれん!」

 

 

美緒はすぐさま格納庫に行こうとしたが突然膝をついてしまう。

 

 

美緒「ぐっ!」

 

 

バルクホルン「少佐!無茶だ!!今のあなたはロマーニャの戦いの疲労がまだ残っている!」

 

 

美緒「だが・・・・」

 

 

 

ミーナ「美緒!」

 

 

 

ミーナが駆け付け美緒を抱いた。

 

 

美緒「ミ・・・・ミーナ」

 

 

 

ミーナ「宮藤さんのことは私達だって心配よ。だから冷静になって・・・・」

 

 

 

バルクホルン「少佐!宮藤の件もそうだが貴方がここで倒れてしまったらそれこそ501の名折れだ!」

 

 

 

ミーナ「だからお願い・・・・美緒」

 

 

 

美緒「ミーナ」

 

 

美緒は自分を心配する仲間を見て思わず力が抜けた状態になり落ち着いた・・・・時

 

 

 

 

 

パチパチパチ

 

 

 

ミーナ「え?」

 

 

 

バルクホルン「拍手?どこから」

 

 

 

?「流石 ミーナさん、歌も上手ければ演技もお上手ですね」

 

 

美緒「後ろだ!」

 

 

 

「「!?」」

 

 

二人は振り向くとそこにいたのは・・・・

 

 

 

 

?「どうも初めまして501のウィッチのみなさん・・・・私は醸下院 罰人でございます」

 

 

 

ミーナ「貴方!一体どうやってこの基地に!?」

 

 

 

醸下院「ふふふ さあどこにきたのでしょう?」

 

バルクホルン「しらばっくれる気か!ここで成敗してくれる!!」

 

 

 

怒りの剣幕でバルクホルンは固有魔法の怪力を発動し醸下院を殴り飛ばそうと拳を突き上げた。

 

 

バルクホルン「んおりゃああああーーー!!!!!」

 

 

ドォォォォーーーーーーーン!!!

 

 

 

バルクホルン「どうだ!」

 

 

 

だが・・・・

 

 

 

醸下院「いけませんね・・・・人を殴ろうとするだなんて」

 

 

 

バルクホルン「なっ!?」

 

 

 

バルクホルンの背後からいつのまにか醸下院がいることに全く気がつかなかった。

 

 

 

醸下院「カールスラントのウィッチが野蛮だと聞きましたがまさかこれほどとは・・・・」

 

 

 

バルクホルン「黙れ!」

 

 

ヒュンッ!

 

 

醸下院「ふふふ」

 

 

 

バルクホルン「何だこいつ?」

 

 

 

バルクホルンの裏拳を醸下院はテレポートでミーナと美緒のほうに瞬間移動した。

 

 

ミーナ「貴方は一体・・・・」

 

 

 

醸下院「いやーね今日は貴方方を視察しに来たんですよ」

 

 

 

美緒「視察だと?」

 

 

 

醸下院「はい」

 

 

 

ミーナ「そんなの認められないわ!ウィッチが異性との関係は厳禁です!今すぐここから立ち去りなさい!」

 

 

ミーナは激しい剣幕で醸下院を脅したが醸下院はそれを嘲笑った。

 

 

 

醸下院「くくく・・・・やっぱりミーナさんですか?こんな下らない規律を作ったのは」

 

 

 

ミーナ「下らない!?」

 

 

醸下院「そうです!もっとグローバルにいきましょうよ。貴女はそんな女同士の恋愛ごっこして恥ずかしくないのですか?」

 

 

 

ミーナ「なんですって!?」

 

 

醸下院「ミーナ ディートリンデ ヴィルケ、かつて貴女は幼馴染と共にウィーンで歌の勉強を企画していたらしいですがそれをネウロイによって壊され、貴女はウィッチとして軍に所属した。だが幼馴染であるクルトさんがまだ来ないことに不満感が溢れ、貴女はそれをなくすためにその規律を作った!貴女の姿を見たらクルトさんは悲しいでしょうねー」

 

 

 

ミーナ「クルトは関係ないでしょう!!」

 

 

 

ミーナは醸下院の言葉にクルトの名前を聞かれて激昂した。

 

 

 

醸下院「関係ない?本当に貴女は酷いウィッチですねー!貴女はこの501のウィッチ達を家族と呼ばれているのにそこで働く整備士さん達にとって貴女の目ではどう映っているんですか?」

 

 

 

 

ミーナ「そ・・・・それは」

 

 

 

醸下院「そしてバルクホルンさん」

 

 

 

バルクホルン「私?」

 

 

 

醸下院「貴女はカールスラントの戦いで妹のクリスさんが精神的なダメージを負ったじゃないですか?それなのに貴女は宮藤さんという少女がクリスさんと似ているからって勝手に自分の妹にするなんてよくありませんよー?実の妹のクリスさんが可愛そうですねー」

 

 

 

バルクホルン「なっなんだと!!」

 

 

 

醸下院「貴女方501のウィッチの罪はいずれ報いを受けることになりますよ?ねえーミー「パンッ!」え?」

 

 

 

醸下院の額に穴が出来てしまい醸下院は倒れた。

 

 

 

美緒「ミーナ・・・・」

 

 

 

ミーナ「いいの・・・・今は美緒、あなた「くくくく」え?」

 

 

突然、笑い声が耳に響き振り向くと、

 

 

 

ムクリ

 

 

 

ミーナ「え?」

 

 

 

バルクホルン「嘘だろ!」

 

 

 

ミーナの銃によって確かに醸下院の額に命中した。だが醸下院はそれをなんとも思わず立ち上がった。

 

 

 

醸下院「いけませんねーー?話は最後まで聞かなきゃ!」

 

 

 

ミーナ「そんな・・・・貴方は一体・・・・」

 

 

ミーナは醸下院という男に違和感、異形な存在を感じた。

 

 

 

醸下院「そんな銃で私の体には傷ひとつつかないんですよ私にはあの方がついているのだから・・・・」

 

 

 

 

バルクホルン「あの方だと?」

 

 

 

醸下院「でも今日は視察という形で来たのでここで引き上げるとしましょう・・・・さようなら」

 

 

 

 

バルクホルン「なっ!待て!」

 

 

 

バルクホルンは捕まえようとするが醸下院は周りを黒い穴を出現しそこを吸い込む形で入っていった。

 

 

 

 

バルクホルン「糞!逃がしたか?」

 

 

 

 

バルクホルンは舌打ちをし、拳を突き上げたが。天井から醸下院の声が聞こえた。

 

 

 

 

醸下院「坂本美緒さん、最後に貴方にいいことを伝えましょう」

 

 

 

美緒「いいことだと?」

 

 

 

醸下院「それは・・・・」パクパクパクパクパクパク

 

 

 

 

美緒「え!!?」

 

 

 

醸下院「それでは・・・・」

 

 

 

それだけ言い残し醸下院の言葉が聞こえなくなった。

 

 

 

 

ミーナ「何者だったのかしら?ねえ美・・・・え?」

 

 

 

ミーナは美緒を見ると美緒は両手を両腕に掴み上げブルブルと震えだした。

 

 

坂本美緒はエースと呼ばれいつもなら呵々大笑で笑うのだが・・・・何故か美緒は恐怖に怯えるかのように丸くなった。

 

 

 

 

ミーナ「美緒!どうしたの?美緒!」

 

 

 

バルクホルン「少佐!どうしたんだ!?」

 

 

 

 

美緒「あいつが・・・・・・・・あいつが・・・・」

 

 

 

 

そうかつて醇子や徹子と出会う前に彼女、坂本美緒にとってトラウマであり二度と思い出したくもないウィッチの話を聞かされたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロマーニャの基地の女神の像の上で突っ立っている醸下院は辺りを見渡しあることを考えていた。

 

 

 

 

 

醸下院「全く・・・・ウィッチと呼ばれる生き物は本当に救いようがない種族ですよ・・・・でもここから先」

 

 

 

 

醸下院は舌を出しそれをペロリと自分の顔を嘗めた。

 

 

 

 

醸下院「ウィッチには止まらない史上最大の世界大戦が始まる・・・・その時が来たときウィッチは恐怖と絶望に覆い尽くす・・・・そしてその先のシナリオは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

醸下院「勇者そして異世界の戦士対ゼロフォウル!この戦いにゾクゾクが治まらなくて待ちきれない!!」

 

 

 

 

醸下院は不気味な笑みを察し空を眺めた。

 

 

 

 

醸下院「さあ、来なさい。楽しいお遊戯が始まりますよ」

 

 

to be continued

 

 




次回 プリキュア回



アルカに訪れ総弩の家にお世話になるはなたちだが総弩は否定する!


なぜプリキュアは悪になったのかそれは黒き光の使者 キュアブラックにあった。

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