超次元ゲイムネプテューヌ- ゲイムギョウ界に迷い込む戦士と七つの龍玉 -   作:GPSA(´・ω・`)FB

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今回で決着にするつもりが、次回まで引き延ばす羽目になりました…(´・ω・`)
今回はアニメ中盤辺りの時間帯になっております。
オリ主のあの形態のご披露&戦闘回です。(´ω`)


第18話『迫り来るタイムリミット!キールの切り札超サイヤ人3!』

−−−−−

 

女神の力を模倣してパワーアップしたマジェコンヌ、そして、女神となった候補生達との戦闘がより激しくなっている最中、守護女神達を装置の監視を続けていたワレチュー。

戦闘の飛び火に巻き込まれる心配をしながらも、女神達を逃さないように装置が破壊されないよう監視していたのだ。

 

「まあ、予定通りっちゅかね。後はオバハンが上手くやれるといいっちゅが…」

「あ、あの~……ネズミさん?」

「ちゅ?ぢゅぅううっ!!?」

 

作戦の殆どが予定通りに終えているため、マジェコンヌが妹達を排除した後の事の為に準備に取り掛かろうとしていたのだが、声が聞こえてその方向を振り向くと、そこには自分の意中の人であるコンパがいたのだ。

 

「あ、あの……一緒にいっぱいお話しないですか?…あっちで。」

「おっぱ…!?おっぱいぃ話しっちゅかっ!?」

 

実は、戦闘の騒ぎに乗じてこっそり移動していたアイエフとコンパの作戦で、コンパがワレチューをおびき出して時間を稼ぐ為に呼び寄せたのだ。

そんな事とは知らず、わざわざ自分と話す為だけに来たのが信じられないワレチューは、普通の人ならドン引きされるような…空耳混じりで聞き返すものの、コンパはそんな空耳など気にも留めない様子で満面の笑みを浮かべて頷いていた。

 

「はいですっ♪」

「こっ…コンパちゅわぁ~んっ!!」

 

彼女の笑顔に射抜かれたワレチューは、作戦の事など明後日の方向に飛んだ勢いで、意気揚々とコンパに着いて行ったのだった。

物陰に隠れていたアイエフが、コンパを追うワレチューの死角を通って進んで行くとネプテューヌ達が捕まっている結界へと近づく事が出来たのだ。

 

「ネプ子っ!」

「…アイちゃんっ!」

 

結界に近付けば中で捕らわれているネプテューヌを呼んでみると、アイエフに気づいて喜びの声を上げた。

また、他の3人もアイエフの方を振り向いている為、全員に聞こえる事が確認出来た。

 

「イストワール様から伝言を預かってるの…聞いてもらえる?」

 

安心した最中、すぐさま問い掛けてきたアイエフの言葉に、ネプテューヌは真剣な表情になって迷わず頷いていく。

その様子を見たアイエフは、時間がない事も踏まえてすぐさま携帯端末を取り出すと、画面を操作して立体映像のイストワールを映し出したのだ。

 

『皆さん。大変なことが分かりました。アンチクリスタルの力は、シェアクリスタルから皆さんのリンクを邪魔するだけではないようです。』

「えっ…!?」

 

映像として現れたイストワールの唐突な言葉に、捕らわれているはネプテューヌ達は衝撃を受けてしまう。

 

『アンチクリスタルは、行き場の失ったシェアエナジーをアンチエナジーと言うものに変える働きもあるようで…密度の濃いアンチエナジーは、女神の命を奪うと言われています。』

 

アンチクリスタルの真の効力は、シェアのエネルギーをアンチエナジーと呼ばれる力に変わる事で自分達の命を奪うものだという事だった。

身動きが取れない状況で、生命の危機がすぐそばまで迫っている事に動揺しているのだ。

 

「それで、どうすればいいの!?」

『今の所、対処法は分かりません。せめて「みっか」あれば……』

 

流石に焦った表情を浮かべながらネプテューヌが打開策を訪ねるものの、申し訳なさそうな表情を浮かべるイストワールの言葉により不安と絶望感がその場を襲っていたのだった…

 

だが、絶望的状況を伝えるイストワールの言葉を遮るように、衝撃波と共に稲妻がネプテューヌ達を捉えている結界へと降り注いだのだ。

 

「なっ…きゃあっ!?」

 

直撃の際に凄まじい稲光と衝撃を発生させれば、近くにいたアイエフが吹き飛ばされないように身構えるものの、耐え切れずに尻餅をついてしまう。

稲妻が落ちた結界は傷一つ付かなかったものの、取り囲むように設置されている装置の結界には凄まじい勢いで稲妻が迸っていた。

 

「アイちゃん!大丈夫!?」

「え、えぇ…私は大丈夫よ。そっちは大丈夫なの!?」

「こっちも今の所は…それより、今のは一体……」

 

尻餅をついたアイエフを見ていたネプテューヌが、彼女が怪我していないか心配した様子で問い掛けるものの、アイエフはすぐさま起き上がって無事な事を話す。

稲妻の正体が何なのか分からない為、ネプテューヌ達は稲妻が降り注いできたであろう上空を見上げる事にしたのだった…

 

「ミラージュダンスッ!!」

「「アイスコフィンッ!!」

「エクスマルチブラスターッ!」

 

女神となった4人の候補生は連携を取って絶えずマジェコンヌへと攻撃を続けていく。

 

「レイニーラトナピュラ!!」

「「「「きゃあああぁっ!!?」」」」

 

だが、マジェコンヌとの戦闘経験の差が埋められず、軽くいなされた後、槍に変化した武器でベールの技を繰り出されて吹き飛ばされていた。

追撃を掛けようと手に持つ武器を再び達に変えれば、地上に叩き付けた4人に向かって加速しながらネプテューヌの技を放とうとする。

 

「クロスコン…うっ!?何だ今のは…な!!?」

 

しかし、直後に頭上から押し潰すような衝撃波に態勢を崩せば、そのまま着地して上空を見上げる。

 

「えっ…!?」

 

動きが止まったマジェコンヌの様子を見たネプギア達はすぐさま起き上がろうとしていたが、同じく視界に映ったある光景に気付いて硬直していた。

巨大な金色の気と絶えず激しく迸っている稲妻が空を覆い尽くしていたのだ。

それだけでなく、巨大な金色の光が発する圧が強過ぎる影響なのか、海は激しく掻き混ぜられるように荒れ、絶えず金色の気に迸る稲妻が地上に落ち、地形が変わる程のクレーターが幾つも発生している。

 

「あの金色の光って…キールの気…よね?」

「キ、キールさん…」

 

その場にいた者が全員動きを止め、上空を見上げている。

ネプギア達には巨大な光の正体が何なのか気付いた。

先程、ネプギアにマジェコンヌの相手を任せ、変身の為に上空へ上がったキールのものだという事を…

 

「う"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"ぁ"ぁ"っ!!!」

 

巨大な金色の気の中心点に位置する場所…

キールが上空に登って気を限界以上に引き上げ始めてから、既に約束の3分を大きく超えて5分が経過していた。

限界を超えて身体中の気を強引に引き出す為、無理をして全身に力を込めているのか、額やこめかみ、腕や脚、更には首など…身体中の至る所から血管が浮き出ている。

目を見開いて叫びながら気を激しく高めている姿は、どちらかといえば痛々しいものだ。

その光景は女神達の神々しいモノでもなく、マジェコンヌの禍々しいモノでもない…まるで自らの命を削っているようだった。

 

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"ぁ"ぁ"っ!!!」

 

しかし、その目に見える膨大な負荷と共に、キールの姿に大きな変化が現れていた。

逆立っているウルフカットの髪が腰の辺りまで伸び続けており、眼窩上隆起が起きて眉毛が消えていく。

腰に巻いていた黒色の尻尾も腰から解かれ金色に染まっている。

同じく大きく伸びた前髪は1束のみ垂れており、さらに緑色の瞳に瞳孔が黒く現れていく。

 

「はあ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"っ!!!」

 

やがて、激しく膨張していた気の光が爆発するように輝くと、キールのいる中心へと収束していったのだった…

臨界点を超えた余波で周囲に激しい気の圧が飛び交えば、真下にあるズーネ地区の至る所が亀裂が入ったりしていく。

地上から離れているにも関わらず、激しく押し寄せてくる気の圧にネプギア達やマジェコンヌもその場で耐える事しか出来ない。

 

「くっ…肝心の奴を忘れていたっ!」

 

やがて、気の圧が落ち着くとともに、上空高くからゆっくりと降りてくる金色の光に、焦りの表情を浮かべるマジェコンヌ。

女神となった妹達に気を取られていた事や、ネプテューヌ達に残された時間がもう無い事で勝ちを確信した慢心が、結果的とはいえキールの変身を許してしまったのだ。

 

「…時間が掛かって悪かったな。コイツが、超サイヤ人を超えた超サイヤ人を…更に超えた姿、超サイヤ人3だ。」

 

小さくなった金色の光が地上へ静かに降りてくると、腰辺りにまで伸びた金髪に、眼窩上隆起が起きて眉毛が消えた特徴的な変身形態…超サイヤ人3に変身したキールが降り立ったのだ。

 

「ネプギア、ユニ、ロム、ラム…待たせて悪かったな。ぶっつけ本番で変身に挑んだ分、予想以上に時間が掛かった。それと、よく頑張ったな。」

「う、うん…」

 

超サイヤ人、超サイヤ人2に変身した時のような余裕の表情は今の彼には無い。

だが、先程まで余裕な表情が消えたのはマジェコンヌも同じだった。

消え冷や汗をかいて焦りの表情を浮かべている彼女を見据えながら、ゆっくりと起き上がったネプギアと女神化する事に成功しているユニやロム、ラムを見て安心した様子で確認する。

ただ、眉毛が無くなった事とより鋭さを増した目付きのせいで悪人の顔立ちにしか見えない為、候補生達は若干怯えているような表情を浮かべていた。

 

「…コイツは俺が何とかする。ネプギア達はネプテューヌ達の事を頼む。」

「…あっ、は、はい!」

 

ネプギア達の無事を確認したキールは、すぐさまネプギア達にネプテューヌ達の救出を頼むと、マジェコンヌの方を再び見据えてゆっくりと歩き出していく。

キールの言葉にハッと我に帰ったネプギアはすぐさま頷いていけば、本来の目的であるネプテューヌ達を救出する為、急いで彼女達の元へ向かっていけば、ユニやロムとラムも、ネプギアを追うように向かって行く。

 

「あ、あれがキールさんの、本当の切り札みたいですわね。」

「あの姿、確かに凄まじそうだけど…そんなに長く持つものじゃ無い気がするわ。」

 

異様な程の変身を遂げたキールの姿を見ながら驚きを隠せない候補生達とはうって変わり、今までの変身とは違って時間が掛かっている事に四女神達は不安を募っていた。

女神化のようなパワーアップというよりも代償を顧みずに無理矢理強くなっている…ドーピングのようなものにしか見えないのだから。

 

「さて、選手交代だ。悪いが時間を掛ける訳にはいかないんでな…手早く片付けてやるよ。猿真似が得意な魔女野郎。」

「き、貴様ぁ…今更出しゃばって来たような分際が調子に…っ!?」

 

超サイヤ人3となったキールがマジェコンヌに対面すれば、只でさえ口調が悪くなる癖が余計に酷いものになっており、煽りを通り越して最早暴言のような口調になっていた。

そんな彼の煽りにカチンと来たのか、既に目的の殆どが達成されつつあるこの状況で出てきた事を棚に出して煽り返すように言い返すマジェコンヌ。

だが、黙って静かに身構えていたキールの姿が、視界の中から何時の間にか消えていたのだ。

 

「くそっ、奴め何処に…はっ!?」

 

まるで切り取られた映像のように消えた為に周囲を見渡すマジェコンヌだったが、死角から殺気を感じ取るとその方向に向かって剣を振り切っていた。

しかし、殺気を感じて放った剣は虚しくも漂っていた稲妻だけを切り裂いていた。

 

「な、何……ぐはっ!?」

「りゃああぁぁっ!!」

 

殺気感じた方向に何も居なかった事にマジェコンヌは驚愕するものの、態勢を整える暇もなく横腹に激痛が走る。

彼女の横腹目掛けて放たれたキールの横蹴りが命中したのだ。

そして、舞空術で浮きながらもう片脚を勢い良く振りかぶると、マジェコンヌの背中に向かって延髄蹴りが放たれた。

 

「ぐあああぁぁぁっ!!!?」

 

超サイヤ人2の状態とは比較にならない程のパワーとスピードを誇る超サイヤ人3の蹴りを続けざまに直撃したマジェコンヌは、いなす事も叶わず遥か後方へと吹き飛ばされてしまっていた。

そのまま廃棄物の山にマジェコンヌが衝突すれば、凄まじい轟音と共に廃棄物の山が崩れ落ち、大量の砂ぼこりが吹き荒れていく。

しかし、吹き飛んでから少しの間が空けば瓦礫の中からマジェコンヌが飛び出して上空へと飛翔していた。

対してキールは追撃を掛ける為に舞空術で勢い良く空へと飛んで彼女に向かって行く。

 

「おのれぇ!猿の尻尾が付いた貴様が猿野郎というかっ!!レイニーラトナピュラ!」

 

マジェコンヌが手にしていた獲物は剣から変化してリーチの長い槍になると、飛翔した勢いに乗って急降下しながら槍の連撃を繰り出していく。

だが、機動力も超サイヤ人2よりも跳ね上がっている為、キールは両腕を使って槍の軌道を逸らしながら距離を一気に詰めていく。

 

「ちっ…クソがっ!」

 

距離が詰まった所ですぐさま腕輪に得物を変化させ、エネルギー弾をゼロ距離で放つマジェコンヌ。

エネルギー弾が直撃して大爆発が起きるものの、勢いの止まらないキールが立ち込める煙から現れる。

 

「うおおぉぉっ!!」

「ごあっ!?がはっ…!」

 

同時に懐へと潜り込み、震脚による前方への重力移動とキール独特の体重移動による強力な片手突き…裂迅槍が命中し、マジェコンヌの腹部に突き刺さるように片手がめり込んでいた。

 

「はああぁぁっ!だああぁぁっ!!」

 

強烈な拳の突きに悶絶するマジェコンヌに対して攻撃の手を緩めないキールは、肘打ち、膝蹴り、水面蹴り、回し蹴り、裏拳と流れるような一連の動きで連打を叩き込んでいく。

 

「ぐああぁぁっ!…くっ!おのれっ!」

 

超サイヤ人3の火力と機動力に押され堪らず距離を離したマジェコンヌ。

反撃に出ようと身構えれば、ネプギア達に向かって放ったあの無数の黒いひし形の物体を繰り出してきたのだ。

その様子を見ていたキールは、すぐさま両手を前に構えた態勢を取ると、ビームのようなエネルギー弾を放つビットを冷静に回避していきつつ、両手の指先へと気を集中させていく。

 

「撃指雷煌閃!」

 

そして、技名を叫ぶと共に、指先から集まった気が閃光と共に大きくなると、まるで落雷で落ちてきた稲妻のように四方八方へと放たれたのだった。

 

「なっ……」

 

キールが放った稲妻状の気弾…撃指雷煌閃は一瞬にして限界射程に拡散する技である。

持続性は無いものの、彼を囲むように飛んでいたビットは稲妻の気弾に直撃して爆発していた。

その上、距離を詰めようと迫って来ていたマジェコンヌにも直撃した為、大爆発が起こって周囲に砂塵が吹き荒れていく。

 

「お、おのれえぇ…ん?」

 

結界の近くまで吹き飛んでしまったマジェコンヌ。

砂塵の勢いがおさまり、周囲の視界が良好になった所でボロボロの姿で起き上がる。

こんな僅かな時間で追い詰められている事に焦りの表情を浮かべるものの、周囲の状況と追い討ちを掛けに来ただろうキールの様子に気付く。

 

「ぜぇっ、はーっ、はあっ、はあっ…ちっ、まだ起き上がるのかっ……」

「…フフッ…クククッ、ハハハハハッ!!どうした!?さっきまでの勢いは何処に行ったのだ金色の戦士?」

 

まるで肩で呼吸をするように息を切らしているキールの様子を見たマジェコンヌは、疑問が確信へと変わって高笑いを浮かべる。

ぶっつけ本番で変身した超サイヤ人3の消耗が予想以上に激しかったのか、変身が解けて通常の黒髪の姿へと変化していたのだ。

異様な程のマジェコンヌのタフさがその膨大な負荷に拍車を掛けていた。

 

「(くそっ、タフにも程があるだろっ…このままだとこっちが先にバテてしまうっ…)」

 

形勢が不利に傾いてしまった状況に、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていたキールであったが、とある事態に気付いてその方向を向くと、更に表情が青ざめていた。

 

「なっ…!?」

 

ネプテューヌ達を捕らえているアンチエナジーが動き出し、ネプテューヌ達を引きずり落とそうとしているのだ。

しかも、シェアエネルギーを取り込む性質が災いし、女神に変身しているネプギア達の攻撃を結界が通さない為、装置が破壊出来ない。

 

「ベール!手を伸ばして!!」

「ネ、ネプテューヌ……」

 

まるで亡者のような腕を彷徨わせながら、濃いアンチエナジーの底に引きずり落とそうとするアンチエナジーに対抗するように、ベールはネプテューヌに向けて可能な限り手を伸ばす。

手を伸ばしされたネプテューヌも必死になって手を差し伸ばし、ベールの手を掴む事が出来た。

だが、手を掴めた事で気が緩んでしまったベールは力を使い果たしたのか、意識を失ったように目を瞑ってしまい、下から湧き上がってきているアンチエナジーに沈んでいく。

 

「ベール!?駄目えぇぇぇっ!!」

 

アンチエナジーに沈んでいくベールの様子に気付いたネプテューヌが、彼女を必死に引き上げようとするものの、アンチエナジーはまるで嘲笑うかのように緑の守護女神を取り込んで行った。

 

「ノワールッ…!」

「ブランッ…!」

 

更に、ベールと同じくらいの高さにいたブランもアンチエナジーに沈みながらも、ノワールの方へと可能な限りに手を伸ばす。

ノワールも拘束されている中でどうにか手を伸ばしてブランの手を掴むが、ブランもまたベールと同じように力を使い果たしてしまい、気を失ってアンチエナジーへと飲み込まれてしまった。

 

「「お姉ちゃん!?」」

「全然効いてない…どうして!?」

「私もやるです…っ!」

 

必死に結界を破壊しようと攻撃する女神候補生達に加勢するように、アイエフも銃を使って結界を発生させている機械を狙い撃つが、結界の効力内である機械に銃弾が届かず、破壊出来ないでいた。

コンパもワレチューのもとを離れ、巨大な注射器を構えてビーム弾を結界に浴びせるものの、ビームは結界に阻まれて消失していくだけだった。

 

「コンパちゃん…悲しいけどそれ無駄なのよねっちゅ。」

「っ!…ダメなんですか…?」

 

そんな候補生達やコンパの様子を見て、決着が着いた事が確信した様子で眺めていたワレチューが呟いた。

アンチエナジーの濃度が濃くなった以上、女神になった候補生の力でもどうしようもない事を…

 

「何なのよこれは!?なんで…」

 

結界に攻撃していた候補生達の表情も次第に変わり、絶望の表情を浮かべいく。

結界から少し離れているだけにも関わらず、黒い水のせいで姉の姿が見えないのだから…

 

「ネプ…テュー…ヌ……」

「ノワー……ル……ッ……」

 

もはや生き物のように実体を露わにした、無数の蛇のような姿のアンチエナジーに紫の女神と黒の女神は取り込まれていく。

それでもネプテューヌとノワールはお互いに手を伸ばし、絶対に離さないようにしっかりと握り合っていた。

自分達の命を奪う力に飲み込まれ、意識が解けてしまっていても手を離さずに…

 

「そんなっ…お姉ちゃん……嫌あああぁぁぁっ!!!」

「(4人の気が…消えていく……)」

 

ネプギアは呆然としながらその場に座り込んでしまい、泣き崩れた彼女の悲鳴がズーネ地区に響き渡っていた。

目の前に居たのに…助け出せれる状況になっていたのに助けられなかったのだから……

 

ネプテューヌ達の気が、まるで消えていく灯火のように急激に小さくなっていた。

原因は結界に満ちたアンチエナジーの力のせいだと確信するキール。

 

「どうやら、時間切れのようだな。アンチエナジーはああやって女神を殺すのだ!」

 

狂気じみた笑みを浮かべ、勝敗がついた事を確信したマジェコンヌが高らかに宣言していた。

彼女のその身には、女神達の命を吸い上げたアンチエナジーが極限まで満ちていた。

同時に、彼女達が囚われている結界のある方向が、禍々しいエネルギーと共に周囲がより暗くなっていたのだ。

 

「ネプテューヌ!!ノワール!!ブラン!!ベール!!」

 

キールが叫ぶも、その声は女神達に届くことは無かった。

守護女神の4人の気が消えていく事に気付いたキールは、マジェコンヌを倒せなかったせいでネプテューヌ達の救出が間に合わなかったのかと思えば、超サイヤ人3になってもマジェコンヌ仕留め切れなかった事に自責していた。

 

「(俺のせいだ…くそっ、くそっ!この魔女の違和感に気付いていたら……)」

 

そして、シェアエネルギーを取り込んだアンチエナジーによって、急激に戦闘能力が上がった事で、超サイヤ人3の猛攻にも耐えられたと言う事も…

しかし、悲劇はこれで終わりではない。

 

「安心しろ、貴様を葬った後に妹共も纏めて、小娘どもと同じ場所に送ってやろう!死ぬがいいっ!」

「っ!?」

 

ネプテューヌ達が消失してしまった事に気を取られ、マジェコンヌの方の注意を怠ったキールが、絶望と言う名の漆黒の光に掻き消されるように飲み込まれていったのだった……

 

−−−−−




次回はアニメ本編5話終盤の決着…及び、アニメ本編第6話の冒頭までの話になっております(´・ω・`)
ついでにオリ主に引き立て役になって貰いました…こんな調子で大丈夫かなと思ってますけど(´ω`)
他の方の作品を見たりしていますが、表現や発想が多いなと思って羨ましいと思ってます…自分の語学力の無さが憎い(´・ω・`)

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