その男の名は「ヤン・ウェンリー」   作:第2戦闘団

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待たせたな!(割とマジで)

本当に申し訳ない(博士並み感)

事故と花粉とインフルのお陰で喉と頭と鼻が死にそうでした





第5話 転進

1941年 12月1日

 

ヘルシンキは晴れている。が、気温は反して全くといっていいほど温かくない。前日まで降雪だったのもあって車両は出せず、仕方なくウォルターは除雪の済んでいる歩道を歩いている。

防寒具類と靴は予備を持って来たが、初日で靴を予備も含めて全てダメにしてしまった為、長靴を借り、駐屯地を離れ買いに来た次第である。

 

「雪を甘く見過ぎた、私の落ち度かもしれんな」

 

想像していたより雪に水気があり、代わりがわり使う予定だった靴が濡れて、新しく購入する羽目になり、仕方なく ヘルシンキの中央街に赴いている。

 

「やっぱり長靴だと濡れはしないけど、冷たくてしょうがない。凍傷になりそうだ」

 

除雪がされているとは言え、雪は残っており、足を進めるたび、冷たさが伝わってくる。

 

「ひ〜冷たい冷たい。こんな事になるんだったら、しっかり準備するんだったなぁ。さっさと済ませて、帰らねば」

 

他人に頼みたかったが、シェーンコップ以下連隊員は順応期間としてユバスキュラに訓練として赴いており、残っているのは事務仕事に追われるウォルターと一部の整備員だけで、こんな事に権限を使うのはあれだとの事で、結局自分で買いに来ているのである。

 

「車を頼もうにも、通る道がこれだし、頼んでもスリップして事故るなんてのも困るからなぁ。結局自分で歩いた方が早いか」

 

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それから三日後に連隊のいるユバスキュラに順応訓練として赴こうとしたが、四日前の降雪によって積もった雪の雪崩により、鉄道が使えないとの事でヘルシンキにとどまって書類始末に明け暮れている。やってもやっても出てくる書類は減る事は無いが増える事も無いので、苦には思ってはいない。

しかしこんな状況が何日も続くと、精神的にストレスが溜まってくるので、たまに上官(特に空軍省と陸軍省)の名前が貼ってある的に、気がすむまで射撃場で撃ちまくっている。

尚、ウォルターが射撃場に入ってくると利用者はこぞって出て行く。表向きは上官命令で退去しろだが、当事者は「言い表せないほどの憎悪を感じた」「あの中将とあそこにいると身体が異常をきたす」と散々な言われようだが、ウォルター自身としては、勝手に場所を開けてくれるので気にも留めていない。

 

 

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それからしばらく 12月29日 深夜

 

 

ウォルターside

 

今日は私の誕生日だ、クリスマスが過ぎた後だが。それに今は忌々しい上官がいない。

 

クリスやジョン達が居ないのがキツイ。話し相手がいないっていうのは、中々に酷な事だ。

 

「はぁ、ジョンだけでも連れてくればよかったかな……しかし、どうしたものか」

 

独り言は別に他人に聞かれてもいいが、うっかり軍事関係の事を口に出してしまうかも知れんしなぁ。

 

それにこうして気分展開で出かけているが、寒いし暗いし雪は降ってるしで、散策には全く向いてないが、まだ明るい内だから大丈夫だろ。

 

「すいませ〜ん!」

 

ん?この服装は確かカールスラントの…私何かしたかなぁ?

 

「あぁ、すまないが何かしたかな?」

 

「いえ…やっぱり大佐ですか!自分はクルト・フラッハフェルト、階級は上等兵です!」

 

私を大佐と呼ぶと……あの時の旅団に所属していたのか。

 

「となると、ウィルフェムスハーフェンの防衛戦の時のか」

 

「はい!大佐の旅団に急遽組み込まれる形になりましたが…そのおかげで生き延びることができましたがね」

 

「それは、私が下した撤退命令か?」

 

「いえ、それもありますが、私が所属していた航空基地に攻撃が直撃して、壊滅したんです」

 

なるほど思い出したぞ、確か撤退させる部隊にクリスを預けた時、彼に任したんだ。確か整備兵だったはず。

 

「確か整備兵だったかな、以前は何を?」

「ストライカーの整備をしておりました、今は交代で歩哨をしています。それと大佐。もしミーナ中佐に会っていらしたなら、様子を聞かせてはもらえませんか?」

 

そう言えば、彼は中佐の思い人だったか。音楽の事になるとよく話していたな。となると彼と中佐の夢は音楽家か?

 

「音楽の話になると、君の話はよく聞かされていたよ。それと、私は大佐ではなく中将だ」

 

「師団長クラスじゃないですか!」

 

「最も、なりたくてなった訳じゃないがね」

 

うちのお偉いさんが珍しく酒場に誘ったと思ったら、酔わして本音を喋らせやがったからな。あの時は、「殺してやろうか?」と思ってしまったよ。

 

階級上げて師団預けて、その上面倒ごとまで押し付けて来るんだからな、何度辞めようと思ったか。

 

「そうですか。では中将、気を付けてください。最近まで物資不足だった為、追い剥ぎやら通り魔やらが出ていましたから」

 

「じゃあ、そこまで付き添ってくれないか?」

 

おいおい初耳だよ。何?そんな治安悪いのか?そんな事、上の連中一言も口にしなかったぞ。

仕方ないから、そこまで付き添ってもらうか。

 

「いいですとも。少しの間ですが、任せてください」

 

くそぉッ!大人しくしろ!

 

んーー!

 

………まじか………

 

「……事案発生だな」

 

「……中将、戦闘の方は?」

 

「格闘は常人、射撃は上人」

 

「……行きますか」

 

聞こえたからには、知らない振りするのもあれだし、行くかぁ。

 

「……そうだな」

 

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???side(?のあまり意味は無い)

 

「しー!静かにしろッ!」

 

「んーー!」

 

「馬鹿、暴れんな!」

 

こいつラァ!本当ニ何なんだヨッ?!いきなり人ヲ路地裏に連れ込ミやがっテェ!!

 

「クッソ!これ以上暴れると喉掻っ切るぞ?!」チャキッ

 

「んッ?!」

 

「やっとか、手こずらせやがって」

 

「もういっそ、殺すかぁ」

 

なんなんだヨ……クソガァ!人ヲ物扱いしやがっテェ……!!

 

「よし、じゃあ……」

 

ダァンッ!!

 

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ウォルターside

 

「おっいた」

 

「遠目ですが…あれですよね、完全に」

 

街灯の光で余計暗くなってるが、よく見れば気付くレベルだな。

しかし時間が時間だからな、周りに誰もいない。

 

「赤十字の募金集めてるわけでも無いし、あれだな」

 

「どうします?」

 

何かあってからじゃ遅いし、射殺も考慮しておくか。

 

「私が気を引こう。その間、気付かれず出来るだけ、近づいてくれ。ただ暴漢が危害を加えようとしたら、発砲する」

 

「被害者に当たりませんか?」

 

「大丈夫、そこまで」

 

こちとら、ストレス発散で射撃場にこもってたんだ。そこらの人間よりは、心得てるよ。

 

「じゃ、行動開始で…」

 

ん?あれってナイフ……はぁ。

 

「…作戦変更、強襲だ」スッ

 

「え?「ダァンッ!!」うあっ?!」

 

「1人は腕に当てた。後は誰かさんを、押さえつけてる方だけだ」

 

「撃つなら言ってください!それより行きましょう!!」

 

仕方ないだろ?あいつら、刃物っぽいもの出して、何か切ろうとしてたんだから。

 

「もう1人は私が、中将は被害者を!」

 

「任された」

 

気分転換で出かけてたけど、どこ行っても不祥事に巻き込まれるとは、私も付いてないな。

 

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???side(あまり意味はre)

 

「アァァァァァァアア!?!!?!」

 

「!?なんだ!」

 

「んむっ?!」

 

?!な、なんダ!?今の殺気ハ?!

 

「死に晒せえぇぇぇええ!!」

 

「ぶぐぅっ!??!!」

 

「ぷハァッ!!」

 

た、助かっタ!

 

「中将!被害者を!!」

 

「分かっているよ。ちょっと失礼」

 

「え?あっ?!」

 

ちょ、ちょちょちょっト何やってんだヨ!?デリカシーって物ハ無いのかヨ?!!これって、おおオオお姫様抱っこだヨナ?!!

 

「い、いイいきなり何やってんだヨ!?」

 

「言ったろ?失礼すると」

 

「お、おおお下ろせえー!!」

 

「ほら、下ろすから落ち着いてくれ。首の傷が広がるぞ」

 

あ、本当ダ。なんか痛イと思ったけド、あの時のが当たったのカナ?

 

「ほら、傷口を見せてくれ。手当てする」

 

「あ、あア」

 

やっぱり男の人ノ手は大きいナ。あと結構器用なんだナ。

 

「あ〜…大丈夫かね?」

 

「ん?あ、あぁ大丈夫…ダゾ?」

 

女性の扱いは全然だけド。

 

「中将ー!」

 

「ん、どうだった?」

 

「1人は逃げられましたが、もう1人は負傷しているので手当てして拘束しときました」

 

「仕事が早いのは助かる」

 

ん?中将……………ハ?

 

「中将ぉ?」

 

「どうした、そんな抜けた声出して?」

 

「え?いやだって……」

 

「そんな事はいいんだ、重要な事じゃ無い」

 

は?何言ってんだヨそれ事実なら私凄い失礼なことしてたんだゾ?!

 

「で、でも…」

 

「フラッフェルト上等兵、彼女を駐屯地に連れってくれ、後は憲兵にでも任せよう。じゃ、私はここでおさらばだ」

 

「来ないのですか?」

 

「気分転換が目的だし、後口外しないでくれよ?じゃ、また今度」

 

………本当に中将なのカ?でもなんなんだったんダ?一瞬物凄い殺気ガ…

 

「私はクルト・フラッフェルト上等兵すいませんが、姓名と所属を名乗ってはもえませんか?」

 

「あ、あぁ。エイラ・イルマタル・ユーティライネン、スオムスの飛行曹長ダ」

 

「ではユーティライネン飛行曹長、駐屯地にご同行願います」

 

こいつなら知ってるカナ?なんか話し方が知り合いぽかったシ。

 

「な、なぁ。さっきの男は一体…」

 

「中将の事ですか?それを話すと長くなるので、駐屯地で話しましょう。後のことは憲兵の仕事ですので、早い所行きましょうか」

 

やっぱり中将だったのかヨ……でも、何か隠してそうなんだよナ……占ってみるかナ。

 

 

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2時間後

 

「あ〜やっと帰ってこれた〜」

 

あれから迷い迷いで自分の宿舎に戻ってきた。土地勘がない&時間が時間で人通りが少ないので同じ箇所をぐるぐるしている内、なんとかたどり着いた。

 

「硝煙の臭いが染み付いてるからさっさと洗わねば。まぁ射撃場に行ってたとか言えば済む話だが、万が一があるし」

 

ウォルターが使っている護身銃はAuto Revolverで、ブリタニア軍の将校用として製造された反動利用式自動回転式拳銃である。

取り回しのしやすさと安定した射撃が行える為、スポーツ用としても好まれていた。

しかし精密部品と複雑な構造で泥や雨に弱く、前線では扱いにくいとの評判だった。しかし安定した射撃ができるので市街地に行く際、ウォルターは大体Auto Revolverを持って行く。

前線ではなく市街地で使う分には泥や雨は関係ないので、遺憾なく性能どうりの扱いができる。ただコッキングの際、撃鉄を親指ではなく片手で銃を保持し、もう片方の手でフレーム全体を交代させなければならない点が、ウォルターを悩ませている。

 

しかし、今は一人でいる事に困っている。

 

「しかし、やっぱり一人でいるのは辛いな。ジョンを連れてくるべきだったか…でもこの前からなんか避けられてるんだよなぁ」

 

人数分の書類を作成するのが面倒過ぎたとの事で連隊と自分以外に誰一す人連れてこなかった。所有している大型機を持ってくるだけでもブリタニアで一ヶ月ほど書類と対面したので、これに他の人数分の書類を加えると恐ろしい事になりそうなので、やめた。

 

「あ〜、さっさと寝よう。明日は午後に司令部に出頭するとかいう、面倒な事しなきゃ…」

 

そんな事をぶつぶつと言いながらシャワーを浴びて寝間着を着る一連の行動をして、ベットに吸い込まれる様に入っていった。

 

結局、翌日の司令部への出頭は三時間程遅れた。

 




書く気力が…HOIに…吸われる()

途切れることは無いのであしからず。週一ペースは保ちたいと思いまする。

ミーナ中佐には幸せになってほしい……だからクルトは生かした。後悔はない(曲げぬ信念)


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