ソードアート・オンライン~人生逆転ゲーム~   作:NEOマロ
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FILE127 超大型巨人戦決着!僕たちの戦いはこれからだ!

立木ナレ「吹き荒れる熱風!圧倒的巨体の転倒!動き回る球体!様々な窮地に見舞われながらも48人のレイドパーティーのメンバー達は第73層のフロアボス戦を順調に戦い抜き、ついに『スーパー・ジャイアント・ザ・ベルトルト』通称、超大型巨人を後僅かの所まで追いつめる事になった!超大型巨人の取り巻きモンスターである球体の巨人モンスター達もあらかた狩り尽くし、決着の時を迎えようとしていた!」

 

アスナ「最後のHPバーがレッドゾーンになったわ!焦らないで確実に止めを刺します!HPがグリーンの人達だけ攻撃に参加してください!」

 

指揮官のアスナは、勝利を目前にしても焦る事は無く、あくまで慎重に戦う事を進言するのだった。

超大型巨人の取り巻きモンスターである球体の巨人たちとの戦いでHPを消耗した者も多いが、既にその取り巻きの球体の巨人モンスター達もほぼ狩り尽くされたおかげで、存分にその場にたち尽くしている超大型巨人への攻撃に専念しやすかった。

 

ジュリア「いっくわよぉ!たあぁ――――!!」

 

ジュリアは両手斧ソードスキルの『トランプル・アクト』を放っていた。腕に力をチャージした状態で斧を叩き込む3連撃のソードスキルで、回避されやすいのが難点だが、たち尽くしたまま動かない超大型巨人に対しては難なく命中していた。

そこを更にスイッチでカルロスが入れ替わりに、ランク2帯刀術ソードスキルの『水影身(すいえいしん)』で右方向に移動しながら鞘で殴りつけて、更に即座にランク3の帯刀術ソードスキルである『昇竜氷舞(しょうりゅうひょうぶ)』で蹴り上げと同時に竜の形をした闘気を叩き込んでいた。

 

アギト「次は僕の番だ!」

 

更にアギトが片手直剣の2連撃ソードスキルである、『スネークバイト』で右への斬り、更に左への斬り返しを食らわせていた。

 

俺「今度は俺が……!」

 

レイナ「待ってオズマ!」

 

アギトに続き、俺もソードスキルを食らわせようと補足転移専用ソードスキルを使おうとしたが、レイナに止められた。

一体どうしたと聞こうとしたが、俺もすぐにレイナが俺を止めた理由に気が付いた、超大型巨人の全身から再び強力な蒸気が勢いよく噴き出し始めていたのだった。

 

キリト「熱風攻撃がまた来るぞぉ―――!!」

 

アスナ「皆、逃げて!退避!退避!」

 

キリトやアスナを始めとしたレイドパーティーの一部の者達がそう叫んですぐに、またしても超大型巨人の全身から凄まじい勢いの熱風が噴き出したのだった。

 

アギト「ぐわあぁ―――――――!!」

 

俺「アギト!?」

 

俺達のパーティーメンバーの中では丁度超大型巨人に『スネークバイト』を食らわせた直後だったアギトが、硬直によってすぐには動けなかったので逃げ遅れてしまい、熱風でこちらまで吹き飛ばされてきた。

 

アギト「ぐぅっ!くそ……!」

 

俺「しっかりしろ、HPバーがイエローになったから取りあえず回復POTを飲むんだ!」

 

壁に叩きつけられたダメージもあるので、アギトのHP余力を残したグリーンゾーンから大幅に減少していた。

 

レイナ「……今なら球体の巨人に襲われる心配も無いからゆっくりして大丈夫」

 

アギト「ああ……そろそろ倒せるはずだから、頼むよ」

 

アギトは自分から何とかアイテムウインドウを出して、回復POTをオブジェクト化させ、自力でHPを回復させていた。

それを見届けて俺とレイナは残り僅かとなった超大型巨人のHPバーを削り切る為に最後の勝負に挑むのだった。

 

立木ナレ「そしてついに……!激戦の末にソードスキルを浴び続けた超大型巨人の最後のHPバーが消失!そしてその直後、超大型巨人。正式名称『スーパー・ジャイアント・ザ・ベルトルト』のその途方もないまでの巨体は幾千幾万の硝子破片へと姿を変えて完全に消滅したのであった!第73層フロアボス戦、ここに集結!!」

 

 

※ ※ ※

 

 

第73層のフロアボスの部屋の大きさは今までのボス部屋と特に変わらない大きさであるはずなのに、それまでボス部屋の面積の大半を占めていた超大型巨人が姿を消したからか、妙に広々しているように感じられた。

少し前に、超大型巨人が発した熱風で吹き飛ばされた者達も既にそのほぼ全員が回復を終えて、立ち上がり、ボス戦に勝利したことに歓声が徐々に上がり始めていた。

 

キリト「良かった……今回も誰も死なずに勝てたみたいだな……」

 

俺「そんなに死人を出すのが嫌なら、もっと全力で戦ってみたらいいんじゃないか?何時までも切り札の出し惜しみなんてしてないでよ」

 

安堵したように溜息を付いて、その場に座り込んでそう言ったキリトに対して俺が少し遠回しに、二刀流スキルの事を指摘してそう言うと、キリトはワザとらしく俺から目を逸らしながら言った。

 

キリト「まぁ……本当に目の前で、このままじゃヤバイなって思ったらその時は形振り構ってられないかもな」

 

俺「ま、そんなヤバい事態はなるべく来ないに越した事は無いがな」

 

するとそこに、同じパーティーメンバーであるカルロスとジュリアとアギトも近づいてくる。

アイツらはキリトが二刀流のユニークスキルを持っている事を知らないのでこの話はここまでとするか。

 

カルロス「皆、お疲れ様。ナイスファイトだったよ、良いパーティーが組めて良かったと本当に」

 

ジュリア「アンタは基本、誰と組んでもそう言う事言うわよね。リップサービスにもほどがあるっての!」

 

カルロス「いやぁ~、僕は割と本気で今回のパーティーはよかったと思ってるんだけどね~」

 

口を尖らせるジュリアに対してカルロスは苦笑いしながら、両手を広げながらジュリアを宥めるような仕草を見せるのだった。

アギトも珍しく、楽しげに笑っている様子で、今回はこいつは血盟騎士団のアスナのパーティーからあぶれた為に、俺達のパーティーに入ったが、これからも機会があればまたこいつと組むのも良いかもしれない。

 

アスナ「皆さんお疲れさまでした!今回のボス戦も無事に犠牲者を出すことなく勝利する事が出来て良かったです!本当に良い戦いをしてくれましたね!」

 

アスナはパーティーメンバー全員に対して労いの言葉を述べたのだったが、クラインなどはそれだけでも至福の癒しにでもなったらしく、だらしなく笑みを歪ませていた。

 

俺「レイナ、お前もあんなこと言ってやったらどうだ?」

 

レイナ「……私は、人間の気持ちは余り分からないから、あんな気の利いたことは言えない」

 

俺「そうかそうか」

 

ひとまず、これから先は一旦73層の主街区に戻り休む者と、74層のアクティブゲートに向かう者で別れるだろう。

そろそろ移動の準備を始めようとした矢先だった、例のあの二人組は意気揚々と姿を現すのだった。

 

ガチャモン「いやぁ~、あんな馬鹿みたいに無駄にデカいフロアボスを倒すなんて、流石は攻略組の皆だね~!」

 

モック「まさに、身体の大きさの差が戦力の決定的な差ではないことを教えられた感じですな~」

 

ガチャモン「ぷぷぷ、モックってばどこかの赤い彗星みたいなこと言っちゃってる~」

 

相変わらず、フロアボス戦が終わるたびに姿を現すガチャモンとモック、毎度の事なのだが、正直出てこられても全くいい気はしないのだ。

 

アスナ「では、今すぐに74層のアクティブゲートに向かう方はそろそろ移動しましょう、回復を忘れないで下さい」

 

アスナも、ワザとガチャモンとモックの登場を無視して、先に進めようとするのがお決まりになりつつあった。

周囲のプレイヤー達もアスナに同意するように、その場からの移動を開始しようとしつつあった。

 

ガチャモン「いやぁ~、それにしても第一層から始まったこのアインクラッド攻略も、気が付けばもう73層までが攻略されちゃったんだね~」

 

モック「ゲーム開始からそろそろ2年が経とうとしていますが、すでに7割以上が攻略された事になりますですなガチャモ~ン」

 

無視されているにもかかわらず、ガチャモンとモックの無駄な小芝居は未だに続いていた。

というか、俺もいい加減にこれ以上聞くつもりなど無い。

俺はボス戦を共に戦った5人のパーティーメンバーたち全員を見渡して聞いてみる。

 

俺「俺は今日は主街区に戻ろうと思うけど、お前らはどうする?」

 

実は今日はエギルが計画していた、俺達が四つん這いの巨人からドロップしたS級食材のバターを使った食事会があるしな。

なので一緒に戦った、カルロス、ジュリア、レイナもそれに続くように口を揃えて主街区に戻ると言い出す。

 

キリト「俺も今日は一旦73層でやっておきたいことがあるから戻るとするよ」

 

アギト「僕は、これからは血盟騎士団の一員として74層のアクティブゲートに向かうよ、ぼやぼやしてるとアスナ副団長が先に行ってしまうからね、今日は一緒に戦ってくれて助かった」

 

アギトは俺達に一礼して、アスナ達の元に向かう小走りで移動し始める。一方で、ガチャモンとモックの小芝居は未だに続いている。

 

ガチャモン「確かに4000人にも満たない犠牲でアインクラッドの7割が攻略されたのはお見事だけどさ――――まだまだだよ!まだまだこれからぁ!!」

 

いきなり、ガチャモンは大きな声でまだまだだと言い張り、近くにいた何人かが思わずその声に反応して視線を向けていた。

そして、その視線を確認したかのようにガチャモンは次にこう言い放った。

 

ガチャモン「そう、僕たちの戦いはこれからだ!!」

 

モック「あの~、確かにそうかもしれませんが……僕たちではなく、彼らって言うべきじゃないですかね~?と言うか、どことなく言い方が漫画の打ち切り最終回みたいな台詞ですな~」

 

ガチャモン「ふふふ……」

 

モックに的確にツッコミを入れられたガチャモンだったが、余裕の笑みとでも言うべき笑い声を発した直後だった。

 

ガチャモン「まさにその通り!」

 

モック「え?」

 

ガチャモン「なんと!この『ソードアート・オンライン 人生逆転ゲーム』は今回を持って打ち切りとさせていただきます!!」

 

モック「え…………どえぇ――――――――――――!?どどど、どう言う事ですかガチャ――――――――――モン!?」

 

ガチャモン「だから打ち切りだよ打ち切り。僕たちの戦いはこれからだEND!とゆーわけで立木ナレさん、締めはよろしく!」

 

立木ナレ「こうして、攻略組によるアインクラッド攻略はこの日をもって第73層がクリアされたのであった。だが、アインクラッドは残り27層!これからさき、どんな強敵が彼らを待ち受けているかは未だ未知数!しかし、彼らは立ち止まるわけにはいかない!たとえその先に待ち受ける道がいばらの道だとしても付き進め攻略組!彼らの戦いはこれからだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ「って!冗談じゃないわよ!あんた達!な、なにを―――――何洒落にならない悪ふざけしてるのよ!?う、打ち切りとかあり得ないわよ!続くわよ!これからも!誤解を招くようなこと言わないで!ていうか、立木ナレまで何で付き合ってるのよ!?ナレーションまで共犯の盛大な嘘とかあんまりにも手が込み過ぎてて、一瞬真に受けちゃった人がいるわよ!」

 

立木ナレ「アスナ激昂!ガチャモンとモックの質の悪い打ち切りを示唆するようなドッキリに烈火の如く怒鳴り続ける!そして(わたくし)、立木ナレまで共犯扱い!今回は誠に申し訳ございませんでした!!」

 

それは、俺が今までに一度も見た事のない、というか恐らく、誰も見た事が無いであろう、アスナの凄まじいまでの狼狽えようだった。

これまでガチャモンとモックを徹底的に無視しようと決め込んだアスナも流石に見過ごせなかったようだ。

アスナとは第一層からアスナの血盟騎士団加入までコンビを組んできたキリトも興不振を感じているかのような引き攣った表情でかつての相棒を口を開けっぱなしで呆然と見ていた。

 

ガチャモン「良かった、アスナさんが僕たちの存在に気が付いてくれてさ、すっかり彼女の目には僕たちの存在が見えてないのかと思ってたよ~」

 

アスナ「気が付いてた上で無視してたのよ!!だからって質の悪い打ち切りドッキリなんて―――――ふざけるんじゃないわよ!!」

 

モック「あわわ……ガチャモンの悪ふざけのせいでアスナさんが過去最高に怖い人になっちゃったじゃないですか~、言っておきますけどね!私だって一瞬本当に今回で最終回かと思っちゃったんですよ!ガチャモンの冗談は本当に性質が悪すぎですって!」

 

ガチャモン「はいはい、と言うわけで、『ソードアート・オンライン 人生逆転ゲーム』はこれからも続行だよ~。それでは立木ナレさん、今度こそ今回のお話の締めをよろしくね~」

 

立木ナレ「第73層フロアボス撃破!そして、攻略組の面々は次なるフロアである第74層へ進撃!彼らの戦いは続く!――――――そう、いつまでも…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ「いい加減にしなさぁい!!」

 

俺「さっさと戻るとするか」

 

レイナ「……分かった」

 

キリト「あ、ああ……」




と言うわけで普通にこの作品はこれからも続きます。

そして次回から原作本編第一巻に相当する74層がようやくはじまります。







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