運命を変えるべく   作:黒猫サニア
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第24話 秘密基地

「ん~~今日もいい天気!」

 

ある日の朝、私はダダン一家の家の前で、大きく伸びをしていた。

 

「あっ!ミシェルちゃん!」

「へ?」

 

声がした方に顔を向けると、若い女性と年配の男性の姿が。

あの二人は……!

 

「マッキー!!村長!!」

 

私は山道を上がって来る2つの姿に声をあげた。

 

「マキノー!」

「ルフィ!!」

 

玄関から飛び出したルフィがマキノのもとへ走っていった。ダダン達も出てきた。

 

「元気そうじゃのう!全然戻ってくる気配がせんから心配して様子を見に来た」

「おお!村長!!」

「ガープさんには内緒よ?」

 

マキノは人差し指を口に当ててそう言った。

 

「じゃが本当に山賊と暮らしてるとはのぉ」

「文句あんのかい」

「大アリじゃい!!山賊風情が偉そうにすんな!!」

「何だとー!?フーシャ村の連中はこんなのばっかりかい!!」

 

ダダンと村長の言い合いを他所に、私とルフィとマキノは話していた。

 

「ふふふ、久しぶり、大きくなったねミシェルちゃん、ルフィ」

 

マキノに抱きしめられ、私とルフィは笑い声を上げる。

 

「プレゼントがあるの!ガープさんこういうのきっと気にしないだろうって思って……」

 

何やらカバンをゴソゴソしているマキノ。

 

「じゃーん!新しい服よー」

「おおー!すっげぇー!!」

「やったー!」

 

マキノの手には綺麗な新しい服があった。

 

「喜んでくれて良かった!!丈を合わせるから“あなた達”もいらっしゃい?」

「「え??」」

 

マキノが物陰から様子を見ていたエースとサボに声をかけた。

 

「ね?」

 

そう言ってマキノは笑顔を浮かべる。

 

「……フンッ」

 

エースはそっぽを向いた。

 

「えへへ!」

 

対してサボは笑顔で走って来た。

 

「あ!!おいっ」

「君も」

「……チッ」

 

ほんのり顔が赤くなっているエース。しぶしぶこちらへ歩いて来た。……ツンデレは相変わらずのようで。

 

 

 

 

 

 

「エース君はやんちゃだって聞いてたけど意外といい子なのかな?ふふっ」

 

マキノは丈を合わせながらエースに問いかける。

 

「! そ、そんな事……」

 

明らかに動揺しているエース。

 

「ふふふっ。お兄ちゃんったら……」

「照れてらぁ」

「真っ赤だぞエース」

 

そんなエースに私達は陰でコソコソ笑いあう。

 

「……っ!お前ら!!」

「ああ、ほら!動いちゃダメ!」

「……後で覚えてろよ」

 

 

「「「アハハハハ」」」

 

 

顔を赤くしてこっちを睨んでエースは言った。

 

お~恐い恐い……。相変わらずツンデレで。

 

その呟きが聞こえたのか、私は後でエースに追い回される羽目になった。

今日は宴会だ!と騒ぐダダン一家の横で、村長から小言を貰っているルフィの嫌そうな顔に思わず笑みをこぼす。

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

「お待たせしましたー!」

 

「「「「「うおーー!!」」」」」

 

私とマッキーが作った宴会料理にみんな一斉に食らいつき始めた。

 

「ミシェルちゃん腕上げたね」

「まーね!」

 

マッキーの褒め言葉に思わず頬が緩む。

 

「うめぇ!!」

 

ルフィは、エビフライを一口で食べた。

 

「おかわりはいっぱいあるからね~」

「おかわり!!」

「は~い!」

 

私はルフィの口にエビフライを投げ入れる。ツルンっと、エビフライはルフィの口に吸い込まれていった。

 

「ルナもいるー?」

(じゃあ、唐揚げ!)

 

ルナに唐揚げを手渡し、私も自分の口に唐揚げを放り込む。

 

「やっぱ航海にうまいメシは欠かせねぇよな!海に出たらまず1番腕のいい料理人を仲間にするぞ!」

「おれが最初に海賊になるからそいつはむりだ」

「んだとぉ!?」

「ずるいぞ!!おれが一番に海賊になるんだ!!」

 

睨み合う3人を見て思わず笑みをこぼす。

 

「ルフィ!エビフ…………あ、」

 

エース、サボ、ルフィの背後に目をギラッと光らせた一人の男が立っていた。

 

「「「「「ぶーーーっ!!!」」」」」

 

山賊達が色んな意味で吹き出した。

 

「「「ん?」」」

 

「ウオッホン!!」

 

大きく咳払いをする男。

 

それを聞いた途端、一気に青ざめるエースとルフィ。

 

「まぁだそんな事を言っておるのか……」

 

「「ぶーーーっ!!!」」

 

来訪者は海軍の英雄ガープこと、おじいちゃんだった。

 

「お前らがなるのは、海兵じゃというのがわからんのかぁああ!!」

 

ゴンッ!!

 

おじいちゃんのげんこつをくらい、エースとルフィの2人は倒れる。いったそ~。

 

「ダダン!!」

「はい!!ガープさ…」

 

ゴンッ!!

 

ダダンさんにも拳骨投下……可愛そうに。

 

「何故あたしまで……」

「ガキ共の教育がなっとらんようじゃな」

「おじいちゃん……久しぶり」

「おおミシェル、久しぶりじゃな。元気にしとったか?」

「……うん。おじいちゃんも元気そうで……何より」

「ぶわっはっは見ての通り元気じゃ!」

 

そう言って力こぶを作るおじいちゃん。それをスルーして私は口を開く。

 

「あ、おじいちゃん。()()、買って来てくれた?」

「おぉ、もちろんじゃ」

 

差し出された紙袋を受け取り中身を確認する。よっしゃ。ちゃんと入ってる。おじいちゃんに頼むのは、ちょっと心配だったんだよね………。

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

「そう言えば、坊主…お前も海に出るとか抜かしておったな」

 

サボを見下ろすガープ。サボは真っ青な顔でガープを見上げている。

……ってあれ?おじいちゃんとサボ兄ってまだ初対面だっけ?……あ、そう言えばサボ兄はおじいちゃんが帰ってくる度に隠れてたんだっけ?すごいね、サボ兄。良く今まで気が付かれなかったね。(孫の可愛さに周りなど全くもって見てなかっただけのガープである)

 

「坊主じゃねぇ!!サボだ!!!おれ達は一緒に兄弟の盃を交わして海賊になるって誓ったんだ!!」

「……また余計なことを」

 

ルフィの言葉に呆れ顔でエースはそう言った。

 

「ほォ……そりゃつまり、わしにしごいてほしいバカモンが"4人"に増えたという事じゃなァ?」

 

…………ん?4人? ………え?私も含まれてる!?

 

「お、おじいちゃん!!私は海賊になるなんて一言も言ってな…ヒィッ」

 

すごい形相で指をボキボキと鳴らすおじいちゃん……。私達は青ざめ、冷や汗をかく。

 

「「「「うわああああああ」」」」

 

「逃がさんぞぉお!!」

 

「「「「ぎゃぁぁあ!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ……」

「良かったわね、ルフィ。二人のお兄さんと一人のお姉さんができて…」

 

そう言ってマキノと村長は笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその夜、4人はボロボロになって帰ってきたらしい。

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

「うひょー!不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)もフーシャ村も東の海(イースト・ブルー)も全部見えるぞー!!」

 

基地の中に入って一人外を眺めるルフィ。

 

ガープからの追撃をかわすため、私達はダダンに独立宣言した。

 

清水が沸く水場に近い巨木へ引っ越してから、毎日がいつもよりも短くなったように感じる。秘密基地はガープに見つからないための隠れ家だったが、いつの間にか暮らすための拠点にもなった。

 

「そんなの別に珍しくもないだろー?」

「ここから見るのがいいんだ……!!」

 

ルフィの言葉に首を傾げるエースとサボ。

 

でも、私にはルフィの言っている意味、何かわかる気がする……!

 

「私も行こっと!!」

「あ、ミーシャ!」

 

タンっと私がルフィの元へ向かうと、失うからエースとサボも追いかけてきた。

 

「うわあー……!!」

「綺麗……!!」

「確かに……違うな……!!」

 

そこには雄大な海が広がっていた。気持ちの良い風が体をすり抜けていく。

 

もう言葉はでない……。

 

そして3人は何を想像しているのか、すっかり自分達の世界に浸っている。

 

「はァーいいなぁ、これ……」

「あァ、サイコーだ」

「シシシ!おれ達の秘密基地だー!!」

 

3人は同時に寝転んでそう言った。

 

「ふふ…なんか……幸せそう……」

 

今日は“秘密基地できたよ記念”だな……。

 

「あ、そうだ!3人にお願いがあるんだけど……」

 

「「「?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─幸せな時間は駆け足で過ぎてゆく─

 

 

 

春から夏へ、夏から秋。季節は静かに、それでいて目まぐるしく移り変わる。

 

 

ダダンの家から不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)へ向かうよりも、秘密基地からの方が断然早い、とサボは言っていた。

 

なにかと都合もよかった。食事や風呂は変わらずダダンの家で取っていたが、寝るときは拠点へと戻る。

 

ダダンの家では、ルフィが大人顔負けの食欲を見せたり、今まで逃げてばっかりだった、森の主でもある熊や虎とは引き分けるまでになってゆく。

 

あの因縁の虎さんに、ドォーンと拳を一発叩き込めたのは良い思い出。ふふふ。ザマァだぜ。

 

来る日も来る日も繰り返していた獣達との対決が、兄弟全員の力を底上げし、凶暴さに磨きをかけてしまったのだが、それは不可抗力だと諦める事にした。

 

 

そして、私は()()()()()を勉強し始めた。

 

きっとこれから、必要なことだから……。

 

 

 

そして今日も1人辺り50試合。ルフィには相変わらず"×"しか付いていなかった。

 

 

 




この間のアンケート結果~!!

1、海兵に! →2票

2、1人旅withルナ →10票

3、ルフィと出航 →2票



と、いうわけで2になりました!







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