問題児達と花弁の転生者が異世界から来るそうですよ?   作:酔生夢死太郎
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書いててどうにも安定しない今日この頃です。頑張って投稿したいな…


第4話 〝サウザンドアイズ〟白夜叉との遭遇!!

あれから一悶着あって、僕たちは黒ウサギの紹介でギフトの鑑定をしてもらいに〝サウザンドアイズ〟に向かっていた。

その途中、道沿いに咲く街路樹を見て久遠さんが不思議そうに呟いた。

 

「桜の木……ではないわよね?花弁の形が違うし、そもそも真夏まで咲くはずがないもの。」

 

「いや、まだ夏になったばかりだぞ。初夏なら気合の入った桜が咲いててもおかしくはねぇだろ。」

 

それに対して十六夜が反論した。

 

「……?今は秋だったと思うけど…?」

 

「この服装からご察しの通り、冬本番だったけどねぇ?」

 

そう言いながらコートの裾を翻して見せる。

 

「どうなってやがんだ?俺たちは時系列もなにもかもバラバラってワケか?」

 

「全員別々の世界…僕たちは俗に言うパラレルワールドからやってきたのかもね。」

 

「司さんの推理は近いデス。正しくは立体交差並行世界論というものなのですけれども……コレの説明は一日二日で終わるようなものではないのでまたの機会に、ということで。」

 

そうこう駄弁っているうちに目的の店、〝サウザンドアイズ〟に着いたらしい。その店の旗には青地の生地に向かい合わせの女神が写っている。

見ると割烹着を着た女性が看板を下ろそうとしている。すかさず黒ウサギが滑り込んで待ったを…

 

「待っ」

 

「待ったなしですお客様。うちは時間外営業は行なっておりません。」

 

…物の見事に一蹴された。早速出鼻を挫かれたようだ。成る程、話を聞くに大手の商業コミュニティらしい。

普通ならここで引き下がるのが世間一般の常識だが…

 

「なんって商売っ気のない店なのかしら。」

 

「ま、全くです!閉店時間五分前に客を締め出すなんて!それでも商人ですか!」

 

そんな抗議の声に対して店員の出した答えは…

 

「文句があるならどうぞ他所へ。あなた方御一行は今後一切の出入りを禁止いたします。端的に表すと出禁です。」

 

「で、出禁!?これだけで出禁とかお客様舐めすぎでございますよ!?」

 

容赦のない出禁の二文字だった。

当然納得のいかない〝ノーネーム〟御一行はワーワーギャーギャー言って抗議する。

 

 

「なるほど、確かに“箱庭の貴族”であるウサギの御客様を無下にするのは失礼失礼にあたりますね。それでは中で入店許可を致しますので、コミュニティの名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

 

「……うぅ……」

皮肉を込めた返答に対して言葉を詰まらせる黒ウサギ。

〝ノーネーム〟つまり名無し。旗印を奪われたコミュニティというのはここまで社会的に弱く、他者からの侮蔑を集めるのだろう。

 

「俺たちは〝ノーネーム〟ってコミュニティなんだが?」

 

十六夜がなんの躊躇もなく言い放つ。

 

「ほほう?ではお聞きしますが何処の〝ノーネーム〟様でございましょう。よろしければ旗印を確認させていただいても?」

 

…完全に莫迦にしてるね。彼女もその程度の人間ということか。

 

「……その…あの…私達に旗は…ありま」

 

黒ウサギが途切れ途切れに言おうとしたその時だった。

 

「ぃぃぃいやっほおォォォぉ!!!久しぶりだ黒ウサギイィィいぃぃ!!!」

 

「え?キャァァァァーー!!!」

 

……なんか白髪和装の幼女が轟音を立てながら黒ウサギに飛びつき、そのまま黒ウサギごと街道の傍にある用水路に突っ込んでいった。

十六夜たちは驚いた表情をしているが店員は反対に頭を抱えていた。

 

「成る程、〝サウザンドアイズ〟の問題児枠か…。」

 

「おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?それなら俺にも是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

問題児こと十六夜が元気にコントを繰り広げている。その横では…

 

「し、白夜叉様!?どうしてあなたがこんな下層に?」

 

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろに!フフ、フホホフホホ!やっぱりウサギは触り心地が違うのう!

ほれ、ここが良いか?ここが良いか!」

 

「白夜叉様!ちょ、ちょっと離れてください!」

 

…おっさんだ、アレ。歓楽街でベロンベロンに酔っ払ってセクハラしてる典型的なダメなおっさんだ。

黒ウサギはそんなおっさん(見た目幼女)の頭をむんずと掴み、僕たちの方に投げつけた。

幼女はそのまままっすぐ十六夜の方へと飛んで行き、十六夜に蹴り飛ばされ僕の方へと来た。

 

「てい」

 

「ゴバァ!」

 

「なんで僕?」

 

そのまま着物の襟を掴んでキャッチする。野良猫とかを捕まえてる感覚だね。

 

「お、おんし!飛んできた初対面の美少女を足蹴にするとは何様だ!おんしもその掴み方はなんだ!私は野良猫か何かか!?

こんな美少女が飛んできたら優しく受け止めるものだろう!」

 

「逆廻十六夜様だぜ。以後よろしくな和装ロリ。」

 

「残念だけど最初の登場時点で残念度が振り切れちゃってるからねぇ…」

 

「あ、貴女はここのお店の人かしら?」

 

一連のコントに対して唖然としていた久遠さんが問いかける。

 

「おお、そうだとも。この“サウザンドアイズ”の幹部様で白夜叉さまだよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年齢のわりに発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ?」

 

「オーナー、それでは売上が伸びません。」

 

ごくごく冷静なツッコミを受ける。

 

「ふふん。お前達が黒ウサギの新しい同士か。異世界の人間が私の元に来たということは………遂に黒ウサギが私のペットに!」

 

「なりません!どういう起承転結でそうなるのですか!」

 

ウサ耳を逆立てながら怒る黒ウサギ

 

「まぁ、冗談はさておき話があるのじゃろ。話があるなら店内で聞こう」

 

「よろしいのですか?彼らは旗も持たない“ノーネーム”のはず。規定では」

 

「“ノーネーム”だとわかっていながら名を尋ねる、性悪店員に対する侘びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任を取る。いいから入れてやれ」

 

店員の反論もどこ吹く風で僕たちは中に入れてもらえることになった。まぁラッキーといったところかな?

 

 

 

 

 

 

「生憎と店は閉めてしまったのでな。私の私室で勘弁してくれ」

 

僕たち御一行が通されたのは白夜叉の私室。

個室と言うにはやや広い和室の上座に腰を下ろす白夜叉が。

 

「もう一度自己紹介しておこうかの。私は四桁の外門、三三四五外門に本拠を構える“サウザンドアイズ”幹部の白夜叉だ。

この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ。」

 

「はいはい。お世話になってますよほんとーに。」

 

どこか拗ねた調子で返す黒ウサギ。その隣で耀が首を傾げて問う。

 

「その外門、って何?」

 

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若ければ若いほど都市の中心に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです。

箱庭の都市は上層から下層まで七つの支配層に分かれており、それに伴ってそれぞれを区切る門には数字が与えられています。

ちなみに、白夜叉様がおっしゃった三三四五外門などの四桁の外門ともなれば、名のある修羅神仏が割拠する人外魔境と言っても過言ではありません。」

 

「おんしも恩人に対してよういうな。」

 

白夜叉は紙に大まかな略図を描いて僕たちに見せる。

 

「……超巨大タマネギ?」

 

「いえ、超巨大バームクーヘンではないかしら?」

 

「真ん中ほど高くなっているからタマネギじゃないか?」

 

「バームクーヘンかな?」

 

白夜叉は面白そうに笑いながら頷いた。

 

「ふふ、うまいこと例えるが、私はバームクーヘンに一票だ。その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな。

更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる。

あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ?その水樹の持ち主などな」

 

白夜叉は薄く笑って黒ウサギの持つ水樹の苗に視線を向ける。

彼女がが指すのはおそらくだが、あの時独断専行して世界の果てとやらに行った十六夜が戦っていた蛇神のことなのだろう。アレに勝ったのか。なかなかにすごいね。

 

「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」

 

「知り合いも何も、あれに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話だがのう。」

 

ほぼ無いに等しい胸を張り豪快に笑う白夜叉。

 

「そもそも神格ってなんだ?」

 

「神格とは、生来の神そのものではなく種の最高のランクに体を変化させるギフトのことだ。

人に神格を与えれば現人神や神童に。

蛇に神格を与えれば巨躯の蛇神に。

鬼に神格を与えれば天地を揺るがす鬼神と化す。

更に神格を持つことでその者が持つ他のギフトも強化される。コミュニティの多くは目的のために神格を手に入れるため、上層を目指して力をつける。」

 

「へぇー。そんなもんを与えられるってことはお前はあの蛇より強いのか?」

 

「ふふん、当然だ。私は東側の“階層支配者”だぞ?

この東側の四桁以下にあるコミュニティでは並ぶ者がいない、最強の主催者だからの。」

 

その発言に十六夜たち問題児は一斉に目を輝かせた。

 

「そう…ならつまり貴女に勝つことができれば

私達〝ノーネーム〟は東側最強のコミュニティになる、ってことになるのかしら?」

 

「まあ、そうなるのう。」

 

「そりゃあなんとも都合の良い話だ、探す手間が省けた。」

 

三人は野心と闘争心を込めた視線を眼前の白夜叉に向ける。

 

「抜け目のない童達だ。依頼しておきながら私にギフトゲームで挑むと?」

 

「え?ちょ、ちょっと御三人様⁉︎」

 

「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている。」

 

「ノリがいいわね。そういうの好きよ。」

 

「ふふふ、そうか。それでおんしはどうする?」

 

白夜叉が僕に問いかける。

 

「うーん…ゲームの内容次第かな?あまり時間のかかる者だと面倒極まりないからね。」

 

僕の返答に対し、白夜叉はニヤリと笑うと一言

 

「その前におんしら、ゲームの前に一つ確認しておく事がある。」

 

「なんだ?」

 

白夜叉は着物の裾から向かい合う2人の女神

〝サウザンドアイズ〟の紋章の入ったカードを取り出し、不敵に笑うと

 

 

「おんしらが望むのは"挑戦"?—————もしくは、"決闘"か?」

 

その瞬間、僕たちの視界は大きく変貌した。




ギフト名迷うな…いい感じにできたらなぁ…





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