何回も転生した奴がありふれた世界に転生しました。   作:オット
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本日2話目の投稿、前話から見てね。


全てが終わる。

「さぁ、最後の戦いを始めよう!」

 

『死に・・・たく・・・無い!』

 

空間を歪ませる触手が伸びてくる、触手のような者で構成された体はそのまま敵を殺す攻撃でもある訳だ。

 

ハジメがドンナーで銃撃を加えるも効果は無く、空間ごと固定する攻撃しかまともに攻撃が通らない。

 

「なるほど、ユエ!」

 

「ん!蒼龍。」

 

蒼龍はエヒトだった者を焼くがすぐに再生される。

 

「なるほど、時間でさえも狂ってんな!」

 

よく見ればボコボコと移動している体の隅の方に微かに焦げ付いている部分が見える。

 

ハジメはよくそんなものが見えたと思う。

 

なら空間ごと断ち切るか!

 

紅黒龍で切り裂くとエヒトはちぎれ飛びはしたもののすぐに再生する。

 

「端から削り出すしかないってのか!?」

 

「食らい付きなさい!」

 

夜月の空間から狼のような影が現れエヒトの体を喰らった。

 

身体は半分以上喰われたものの元気にボコボコと肉がせり出し始めている。

 

「チッ。こうなりゃ崩壊に巻き込ませるか!?」

 

「それだと地上がどうなるか分からん、やめたほうが良い。」

 

「だああ!めんどくせぇな!」

 

聞かないと分かっているが攻撃を加えて再生を止める。

 

「八方塞がりか?」

 

『くはははははは!!!オイオイどうした本体!そいつがエヒトかい?』

 

「は?おいちょっと待て!?」

 

「ちょっ、きゃあああああ!!?」

 

「グェッ・・・。」

 

崩壊して行っている景色の向こうからニセモノと桜、アッシュとミナが現れた。

 

『は!?』

 

俺ですら予想外な事をしやがったぞこいつ。

 

「おまっお前!あぶねぇだろうがこの野郎!」

 

「オイオイアッシュ君、そんなこと言うんじゃないよ全く、せっかくの決戦だ、精々楽しめ!」

 

「「出来るか!」」

 

「風魔・・・お腹痛いぃ・・・。」

 

「お、おう、大丈夫か?」

 

「大丈夫じゃないぃ・・・ウプッ。」

 

「ここで吐くとか止めろよ!?マジでやめろよ!?」

 

「んで本体、天使たち全員呼んできたぜ。」

 

「連れてきたの間違いだろうが!?ああもう!何で来やがった馬鹿野郎!」

 

「だってこっちに来いって言ってましたし?その経路出来ましたし?来るしかないっしょ。」

 

俺は今すごく渋い顔をしているのがわかる。

 

「何だその牢屋に入れられた囚人がレモン舐めたみたいな顔しやがって。」

 

「・・・まぁいい、ていうか、アッシュとミナがきた時点で勝ちが確定した、全員作戦を伝える!良く聞け!」

 

俺とユエ、そして夜月とニセモノの四人で作り出した結界を維持しながら全員に作戦をみんなに伝える。

 

「あいつは空間を歪ませる、だが穿ちで穴を開けることは可能だろう、その穴に桜のビットに乗った俺達が概念、神殺しの攻撃で怯ませて俺が神核を砕く、それであいつは消滅する。」

 

「それの成功確率は?」

 

「80パーセント。生き残れる確率は三割ってところか。」

 

「・・・他に高いのが無いってことだろ?仕方ねぇ、何、三割ありゃ全員生き残れるさ。」

 

「すまない。」

 

「何言ってんだ、親友だろ?・・・全員、準備は良いか?」

 

突撃する俺、ニセモノ、ミナが桜の召喚したビットに乗る。

 

ハジメはそれを見てから桜のビット達を解体して作った発射台を三つセットする。

 

「風魔。」

 

「何だ?」

 

「絶対、無事に帰って来てね。」

 

「分かってる、夜月、桜を頼む。」

 

「了解、頑張って倒したまえー!」

 

「・・・はぁ・・・。」

 

夜月の所為で緊張していたのに力が抜けた。

 

それは全員同じらしく気を引き締めるのに一役買った。

 

「3・・・2・・・1・・・GO!」

 

「穿て!」

 

アッシュがエヒトへの空間を穿ち、撃ち抜いた。

 

そこにあるのは神としての格を示す神核だった。

 

桜色のビットが三つ発射される、声は届かないので年話で指示する。

 

『あの虹色の結晶の周りを吹き飛ばせ!俺が破壊する!』

 

『了解!』

 

ハジメのミサイルが俺達を追い越しエヒトの肉を吹き飛ばす、ミナとニセモノが遠距離から攻撃し、ミサイルと共に肉を飛ばし始める。

 

だが奥の方から肉が結晶に纏わり始めた。

 

『風魔!今加速させる!』

 

「ありがたい!」

 

聞こえないだろうが感謝の言葉を呟く。

 

『桜花!』

 

紅黒龍が桜色のオーラのようなものを纏った。

 

これは・・・桜のか。

 

『これもやる!一気に決めろ!』

 

ニセモノから赤い刀身をした刀を渡された。

 

「こんだけお膳立てされて、決めない訳にはいかねぇよなぁ!」

 

神核に二つの刀で攻撃する、そして神核が壊れる感覚と共に弾き飛ばされた。

 

それで体が全く動かなくなってしまった。

 

「グレイプニル。」

 

俺の足に鎖が巻き付き、落下が止まった。

 

鎖は巻き取られ、ずるずるとみんなの居る場所へ引きづられていった。

 

「ナイスアタック。」

 

ハジメが拳を突き出してくる。

 

「あー体が全く動かねぇなぁ。」

 

「知ってる、ちょっと待ってくれよ本体。」

 

ニセモノの魔力が少しずつ流れてくる。

 

「あー電気風呂みたいなこの気持ち良さ最高ですわ〜。」

 

「取り敢えず、動くくらいは出来るだろう、俺の魔力を使って全員を地上に転移させる、夜月さんも協力して下さいよ?」

 

「何だろう、物凄い違和感があるね。」

 

まぁ姿一緒だからな、仕方ないわ。

 

「あー、私登場遅かった?」

 

「いやいや、バッチリだよミレディちゃん。」

 

「え、誰?」

 

「転生神夜月なのだよ、フッフッフッ。」

 

「あー、一応エヒトより権力的な意味で上の神様だ、俺の上司ってとこだな。」

 

「・・・うん、取り敢えず理解したよ。」

 

ひょっこり出てきたミレディは俺達が転移するのをじっと見ていた。

 

「おい、お前もさっさと乗れよ、帰るぞ。」

 

「あー私乗れないや。」

 

「は?何でだ・・・。」

 

俺達は転移した。

 

ーーーーーーーー

・・・よ?」

 

俺達がいるのは地上だった、マザーウィルが思いっきり壊れてる以外は見慣れた景色だ。

 

「ギリギリだったみたいだな。」

 

「おい、風魔、教えろ、何でミレディはあっちに残った?」

 

アッシュがそう聞く、さっきも乗れと言っていた以上情はあったのだろう。

 

「・・・あいつは反逆者だ。」

 

「それがどうした。」

 

「あいつは、本来ならば死んでいなければおかしい存在だった、記憶の殆どを無くしながら、それでも戦った彼女は、エヒトを倒した時点で役目が終わった、彼女の『人生』は、神話の時代に終わったんだ、あとは、静かに朽ちていくだけだ。」

 

「お前なら、どうにか出来るんじゃないのか?」

 

「俺は何にも出来ないよ、此処から先は神の領域だ、魂に付いた穢れを取り除き、記憶を保持させたまま転生させるのではなく、記憶ごとゴッソリ神格を落とし、唯の赤子として転生させる、それは転生神しか出来ないこと。」

 

「・・・だから転生神夜月をあそこに置いてきたのか。」

 

「ああ。」

 

「・・・クソッ!」

 

アッシュは怒りを抑えきれないとでもいう風に叫んだ。

 

「ミレディは、私達が子供の時、ライセン大峡谷に落とされて死にそうだった所を助けてもらったんだ。」

 

ミナがポツリと呟いた。

 

「成る程、親代わりか。」

 

「私、一度もありがとうって伝えて無い、お母さんって言ってないよ・・・。」

 

「何で何も言わずに転移させた・・・?」

 

「知らん、ニセモノの判断だ、俺には分からん。」

 

「・・・そうか。」

 

知っている、時間が無かった、ミレディが止めていたが進行は予想以上に早かった。

 

「見ろ。」

 

地平線に太陽が昇ってきていた。

 

「コレがあいつが見せたかった景色だ。」

 

ミナとアッシュは泣き始めてしまった。

 

「ハジメ、1日休んだ後はまた仕事だ、頑張るぞ。」

 

「一週間くらい休み貰えないか?」

 

「無理だろうな。マザーウィルも撃墜されてる、クラスメイト達は無事かも分からん、状況の把握に努めるぞ。」

 

桜は、俯いている。

 

頭に手を置いて頑張ったなと言うと崩れ落ちて泣いてしまった。

 

「まずは休め、それから食って体力の回復に努めなきゃ倒れるぞ。」

 

そう言って俺は歩き始めた。

 

ーーーーーーーー

「一緒に行かなくても良かったの?」

 

「ミレディ、結構ギリギリなくせに見栄張ってんじゃねえよ。」

 

魔力を分け与えると共に維持を継続させる。

 

夜月様は困った様に笑いながら佇んでいる。

 

「私、あの子達に、何も残せてない、親らしいこと、何もしてあげられてないよ・・・!」

 

「もっと、もっと一緒に居たかった、でも、もう魔法ですらどうにもならない!」

 

魂からの叫びが涙を流す。

 

「そうか。」

 

「教えてよ、今の私に、あの子達に何を残せるの?」

 

「あの世界を残せる。」

 

「残したところで、向こうの世界はあの子達には厳し過ぎるよ!」

 

「戯け!」

 

ニセモノの叫びでミレディは驚いた様で言葉が止まった。

 

「今向こうには俺の本体が居る、あいつらはちゃんとした奴の下で生きていける!生き残らせる為に今から何かをするんじゃない!お前があいつらの背中を押してやるんだ!良いな!」

 

ミレディはハッとした顔をした後に気を引き締めた様だ。

 

「・・・うん、私、頑張るね。」

 

「じゃあ、反逆者の全員で叶えた方が良いよね?」

 

夜月がそう言うと反逆者達の魂が出現した。

 

それは本物の残滓だ、風魔は天使達が輪廻の輪に乗れるように各地の迷宮にあった魂の残滓を保管していたのだ、それを夜月は権能を使って一時的に顕現させられるようにしたのだった。

 

喋れもしないし、触れもしないが、その思念だけは確実に伝えられる。

 

「・・・!」

 

ミレディは泣きながら術を発動する。

 

『みんな・・・ただいま・・・!!』

 

反逆者達は全員微笑んだ。

 

『おかえり!!!』

 

そしてミレディ達は消えた、全ての魂は夜月の手の中に戻り、天使としてではなく、現世を生きる赤子の一人として、その魂を循環させる。

 

「君は一緒に行かなくて良かったの?」

 

「・・・まぁ、本体のいる場所も気にはなるんですが、俺をもう一人の眷属にしてくれませんかね、転生神夜月。」

 

「君の記憶も何もかも無くなるけど、それでも?」

 

「今回で俺はちょっと考えたんですよ、魂ってのはどれだけ綺麗な光を放つんだろうって、そしたら、本体含めみんな良い顔ですげえ眩しい光を出すんですよ、だから、魂が無い俺も、魂を得たらどんな光を出すんだろうって思ったんです。」

 

「世の中は厳しい事だらけだよ?それでも?」

 

「だからこそでしょう、貴女は優しい、育ってからはともかく、最初のうちに厳しい世界は送らないでしょ?」

 

「仕方ないなぁ。」

 

夜月は笑った、それは了承の証だった。

 

「もう唯一じゃなくなるね。」

 

「それは・・・。」

 

「フフッ、ある意味君も彼の一部だから唯一っていうのは変わらないかも?」

 

ニセモノは困ってしまった。

 

「まぁそれは置いておいて、君を私の眷属にします、私の命令には必ず答えなければいけませんが、それでも私の眷属になりますか?」

 

ニセモノは跪いた。

 

「yes my master。」

 

ニセモノがそう言うとニセモノの身体は消え、一つの光となって夜月の手の中に入った。

 

「これから頑張ってね。」

 

夜月は何時もの、彼との仕事場所へとゆっくりと歩いて行った。




後日談というか、本編終わりは次の話、夜月は新しい天使を捕まえ、ミレディは救済された。

そして驚愕の事実ミレディ母親代わりだった。

尚二人が重力魔法を覚えたのは喧嘩で勝ってしまったからという理由。




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