何回も転生した奴がありふれた世界に転生しました。   作:オット
<< 前の話 次の話 >>

121 / 187
帰還記念に。

俺達は泣き止んで改めて話をする事になった。

 

シスターも一緒に結月邸へいき、5人で話をした。

 

大雑把だが大変だったが何とか無事で帰ってきた、という事実にシスター達はずっと泣き止まなかった。

 

「取り敢えず、異世界に行った云々は置いておいて、向こうでも楽しい事とかはあったのね?」

 

シスターの確認に俺と桜は頷く。

 

「そう・・・良く頑張ったわね、お帰りなさい。」

 

シスターはもう一度抱き付いてきた。

 

今度は泣かない、代わりに苦笑する。

 

「そういえば言ってなかったな、ただいま。」

 

「ええ、ええ!良く帰って来たわ、バカ息子・・・!」

 

ゆかりさん達もすすり泣いている。

 

「今日くらいは休む、ゆかりさん、純さん、俺の部屋は?」

 

「大丈夫よ、問題無く完璧に掃除してあるわ、エロ本とかが見つかった時は風魔くんも男の子だったって思ったけど。」

 

「あ、多分それハジメのやつだ、そもそも他人の家にエロ本隠すとか度胸ありすぎでは?」

 

「えぇ・・・。」

 

ゆかりさんは信じられないという目で俺を見る。

 

その顔が桜には面白かったようで笑ってしまっていた。

 

「ちょっと!お姉ちゃんを笑うなんて許しませんよ!」

 

「あはははは!」

 

「ククッ、もう朝ですし、朝御飯くらいなら作れると思いますけど、どうします?」

 

「「食べる!」」

 

「なら純さん、シスター、手伝って下さい、食材はありますか?」

 

「なら孤児院で食べましょう?きっとあの子達もお腹を空かせているわ。」

 

シスターの言葉で孤児院の料理を思い出して久しぶりに作りたくなった。

 

「今から買い物して帰るとすると・・・ちょうど良い感じだな、よし、今日は俺が本気出します、豪勢にしてやりますよ。」

 

「やった!風魔のご飯!」

 

「桜!これは期待しても良いのよね?」

 

「バッチリだよ!お姉ちゃん!」

 

そして5人で朝市に出向き食材を吟味し、大量に抱えて教会横の孤児院に帰って来た。

 

懐かしい匂いがする、そしてもう何度目になるかも分からない帰って来た、という感覚に泣きそうになるもすぐに飯の支度をしなければと思い、台所に立つ。

 

「・・・ふうにい?」

 

「・・・!」

 

「風兄!」

 

その声で全員が飛び起きた様に台所を覗いてきた。

 

「全員起きたか?今から飯の準備だ、待ってろよ。」

 

『風兄!!』

 

「おいおい!抱き着くな!引っ付くな!危ないだろ!つまみ食いすんな!鼻水を俺の服で拭くな!ああもう!嬉しいのは分かったから離れろって!」

 

日常が戻って来た気がした、みんなたった一年でかなり大きくなって、それでも変わらない。

 

「風魔ー?わっ、いっぱいだね。」

 

「桜、ちょっとこいつらの面倒見ててくれないか?」

 

「桜おねぇちゃんだ!!」

 

『桜お姉ちゃん!』

 

今度は桜がチビ達に囲まれる番だった。

 

桜は笑いながらリビングへと誘導していく。

 

「大人気だな、風魔くん。」

 

「久し振りでした、でも・・・いえ、言わなくても分かりますかね、さ、一気に済ませましょう、7時まであと1時間、一気に済ませる。」

 

「手伝おう。」

 

そして出来上がったのはトータスでも滅多に出されないくらい豪華なものだった、と言っても食べきれない量ではなく、孤児院全員に満足出来るくらいの量だ。

 

「あっ。」

 

「何か不備があったか?」

 

「いや、1年前の感覚でいたせいで育ち盛りには足りないかなと。」

 

デザートとして何かを追加するか?

 

「ああ、それなら問題無いだろう。」

 

「何でです?」

 

「お前の仕切ってた組織全てにお前の帰還をお知らせしておいた、多分また大量に食材を送ってくるぞ。」

 

「あいつら俺の喜ぶもん分かってるもんなぁ・・・。」

 

そして一番最初に来たのはやはりハジメ達だった。

 

「風魔!来るついでにリンゴ大量に買ってきたぞ!」

 

「ナイス!おいお前ら!デザートはリンゴだぞ!」

 

『やったー!』

 

ガキ共はいつの間にかメニュー全てを平らげており、デザートを食べ始めようとする奴までいた。

 

早過ぎる。

 

そして満足そうに学校にいくガキ共を見て笑う。

 

そして休みを貰っている中学生くらいの奴らも手を振って出かけて行く。

 

高校生は今は俺と桜だけなので先輩は居ない。

 

全員ほとんど中卒で働き始めるからだ。

 

バイトで金を稼いだり俺が支援してアパートに住んでいる奴はいる、流石に1年程度ではそう変わらないだろうが。

 

そして全員が出かけて少しした8時頃、そいつらはきた。

 

『ボス!お帰りですか!』

 

近所のヤクザとチンピラ、肉とかクラッカーとか持って来た。

 

『隊長!今まで何処ほっつき歩いてたんで!?』

 

『社長!お帰りなさい!』

 

警備会社の面々。

 

酒類、シャンパンとか焼酎とかを持って来た。

 

「・・・アンタ、しぶとく生きてるな。」

 

「そっちこそ。」

 

戦場で雇っている傭兵達のボス、名前は無いらしいので俺も何も言わない。

 

こいつらは野菜や肉、発酵食材など加工品を主に持って来た。

 

「この一年で保護した奴は何人居る?」

 

「約二千人、子供だけならな、非戦闘員含めたら1万人ってとこか。」

 

「上出来だ、今後ともよろしく頼む。」

 

「ちょうど休暇の時に帰って来てくれて助かったぜ、戦場の悪魔さん。」

 

俺は笑いながら大声で叫んだ。

 

「お前ら!今から昼まで宴だ!飲んで食って楽しめ!」

 

『了解!』

 

ハジメがクラスメイト全員を呼んでその家族もその先の団体も引っさげてきていたからちょっとした祭りのようになった。

 

それを不思議がった近所の人々も巻き込んで本当の祭りになってしまったのには苦笑してしまった。

 

ここで八百屋や魚屋が売名目的という名の呑んべえ共が多かったおかげで食材には困らなかった。

 

その所為で裏方にいた料理人は俺も含めて疲労困憊だった、いい感じに酔った大人共が変に絡んでくる所為で面倒だったが楽しかった、ハジメの嫁達を見て血涙を流していた男共を見ていて大爆笑したのも忘れていない。

 

傭兵達からお嬢、桜とヤったのかという質問には魔法陣展開で答えた。

 

それを見てクラスメイトの親達も異世界に行ったという事実を理解したらしくまた大人達が泣き始めていた。

 

それの世話をするのは俺達なので面倒だったがそれでも全員が笑顔だった。

 

ハジメは八重樫と白崎の親に頭を下げて許可を貰い、それにヒューヒューとヤジになった奴等がふざけあったりもした、本当に楽しかった。

 

クラスメイトの中でカップルが幾つか誕生してもいた、お前ら俺らの陰に隠れてさりげなく付き合ってんじゃねえぞ・・・?

 

そして昼になる頃には全員が寝酒や眠気に負けて眠りこけていた。

 

よく布団があったものだと感心する。

 

「ガキ共が帰ってくるまでに片付けねぇと・・・。」

 

「うん、みんな酔ってたからね。」

 

「何人か吐きそうな奴いたからエチケットも用意だな。」

 

「ああ、えっと、ゴミ袋って何処だったっけ?」

 

「台所の二つ目の棚に入ってる、塊で持って来てくれ。」

 

「コレ祭り用のくそでけえ奴じゃねぇか、町内会とかでしか見たこと無いサイズだぞ。」

 

「嵩張るんだが持ってて損も無い。」

 

ゴミを全て入れてからシートを敷いてハジメと桜と俺で座る。

 

「流石にここじゃ未成年、酒は飲めねぇからオレンジジュースな。」

 

「ああ、問題ねえよ。」

 

「うん、大丈夫。」

 

コップを3つ持って来て三人で乾杯をする。

 

「異世界からの帰還記念に。」

 

「そして地球での生活再開祝いに。」

 

「みんなが笑顔で受け入れられたお祝いに。」

 

「「「乾杯!」」」

 

コップの中身をゴクゴクと飲む。

 

そして三人で他愛ない話をしていると眠気が襲って来た。

 

「・・・眠い。」

 

「ずっと動いてたもん、仕方ないよ。」

 

「俺はちょっとトイレ行ってくる、風魔は寝たらどうだ?ここなら樹のそばだし、ちょうどいいだろ。」

 

「そうする。」

 

そう言って寝転がろうとすると桜はにっこりと笑って膝を叩く。

 

「今膝枕かよ・・・。」

 

「どうぞ!」

 

「はぁ・・・。」

 

桜の膝に頭を置く。

 

桜は背を樹に預けているので膝以外はきつくないはずだ。

 

「ちょっと・・・寝る。」

 

「お休みなさい・・・風魔・・・。」

 

桜の笑顔はとても安心出来るものだった。

ーーーーーーーー

「マジで寝てるよ、この2人。」

 

ハジメの目線の先には樹に背中を預けて満足そうに寝る桜とその桜の膝で安心した子供のように寝る風魔の姿があった。




エンドスチル獲得(恋愛ゲーム感)

というのは置いておいて、ウェブ版を見て思ったのがですね、時系列順無理やこれ、という事でウェブ版の話数順で書いていこうと思います。

時系列が分かりづらすぎたんや・・・すまぬ。

感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。