何回も転生した奴がありふれた世界に転生しました。   作:オット
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なるほど。

「桜!今からちょっと出かけるからガキ共頼む!」

 

「え?どこ行くの?」

 

「ちょっと今度外国行くから手続きをしに行くんだ、結構早いが早いに越した事はないだろ。」

 

「ふーん、私も行ったほうが良い?」

 

「いや、俺の公務みたいなもんだから参加は無しでお願い。」

 

「分かった、でも帰って来たら・・・ね?」

 

「・・・分かってる。」

 

さっさと帰ってやらねぇと、ガキ共が腹減らしたりするからなぁ。

 

そう思いながら扉を開けようとするとインターホンが鳴った。

 

「俺が出るよ!」

 

「はーい。」

 

変態でも対処出来るだろうと玄関の扉を開ける。

 

「はいはい、どちら様・・・。」

 

「あぁ!会いたかった!」

 

いきなり抱き着かれた。

 

いきなりの事で驚いて対処出来なかった。

 

「・・・とりあえず、離れて下さい、事情を聴きましょう、上がってください。」

 

ポケットから携帯を取り出して会社の方に連絡する、予約は此方でしておきますという王女さんの言葉に安心しながらリビングに女性を案内させる。

 

「桜、ちょっとすまん、予定変更だ。」

 

「子供達を移動させるんでしょ?」

 

「頼む。」

 

桜は微笑みながら全員を移動させた。

 

そしてその光景をじっと見ている目の前の女性を見て椅子に座って問いかけた。

 

「さて、貴女が誰なのか、教えて貰いますよ。」

 

目を細める、彼女の姿はこの前の俺達を調べていた女性と同じらしかったからだ。

 

「私の名前は櫻井叶(さくらいかな)、貴方の・・・母です。」

 

そう言う女性、叶さんは俺に向かって微笑んだ。

 

「・・・。」

 

少し考える。

 

叶さんは俺の母親である、なら俺の写真を見て泣いたのは何故だ?何故今になって出てきた。

 

「何故今出てきた?もっと昔に会えたはずだ。」

 

「貴方が生きているとは思っていなかったの、ごめんなさい。」

 

・・・まぁ妥当なところか、俺は捨て子だった、何故分かったのか。

 

「どうして俺があんたの息子だと分かる?十数年前だ、面影すら変わるだろう。」

 

「・・・顔が、似ていたのよ、私の夫に。」

 

なるほど、叶さんは美人と言える顔付きだからまぁ転生先としては選ばれるか。

 

「そうですか、では、その夫はどちらに?」

 

「・・・夫は、私を置いて何処かへ・・・。」

 

蒸発してるし、全く、あほくさ。

 

「そうですか、アンタ、何がしたいんだ?」

 

「また一緒に暮らしたい、私と貴方で。」

 

「・・・親子として・・・か。」

 

反応を見る、これは・・・危険だな。

 

「今日のところはお引き取りを、せめて事前に知らせて下さい、急な来客は此方としても都合がつかない。」

 

叶さんは俺の言葉に頷き謝ってきた。

 

玄関は台所の隣にある、それに急に予想外の展開が起きて俺も動揺していたのだろう。

 

「あ、お茶用意したんだけど、遅かった?」

 

台所には桜がお茶をトレーに乗せているところだった。

 

「ああ、今日のところは顔合わせだから。」

 

後ろにいる筈の叶さんは桜をじっと見ていた。

 

「もてなしもできなくてごめんなさい。」

 

桜は頭を下げて叶さんに挨拶をした。

 

「え、えぇ、構わないわ、いきなり押しかけたのは私なのだし。」

 

雰囲気が少し変わったか。

 

はぁ・・・面倒なことになった。

 

叶さんを玄関まで送り桜と2人で挨拶をする。

 

叶さんは普通に帰っていき、手を小さく振っていた。

 

「すまんな桜、変な気使わせた。」

 

「ううん、大丈夫だよ、それより・・・。」

 

「ああ、これは少し、面倒な事になりそうだ。」

 

「一度ハジメとも話しておくべきか?」

 

「やった方がいいと思うけど、多分私が囮になった方が・・・。」

 

「ダメだ、危険過ぎる。」

 

「・・・もう私は守られるだけじゃないのです、それにポッドのステルスモードを使えば警備くらいは出来るでしょ?」

 

「それは・・・そうだが・・・。」

 

「心配してくれてありがと、でも私も自分の身は自分で守る、出来るようになりたいから。」

 

桜は笑いながらそう言った。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「ダメ?」

 

「・・・・・・・・・本っ当に・・・頼むぞ?」

 

桜は俺の顔を見てころころと笑った。

 

「心配し過ぎだって、私だって上手く出来るってところ、見せてあげるから、ね?」

 

そう言って俺の頬にキスをした。

 

「うぇい!!?」

 

「だから、ちょっとだけ我慢して?」

 

桜の悪戯が成功した顔を見て俺は多分一生勝てないと思った。




余裕が出来たら煽るのは当たり前だよなぁ?







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