何回も転生した奴がありふれた世界に転生しました。   作:オット
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日常編『王女さん、ようこそ。』

今日は王女さんが遊びに来る。

 

「この前も催促されたからなぁ、仕方無い。」

 

「お母さんの時?」

 

「あー、その後、ほら、隕石騒ぎあったじゃん?あの時。」

 

「あー。」

 

ガキ共は少しずつ起きてくる時間帯、少し早いが王女さんを迎えに行くならこの位がちょうど良いだろう。

 

「ちょっと行ってくる、そろそろ時間だ。」

 

「行ってらっしゃい。」

 

王女さんの主な仕事場、司令室に転移する、そして机に突っ伏している王女さんを見て苦笑する。

 

「王女さん、起きてくれ。」

 

「んにゅ?・・・!!?」

 

「徹夜するほど仕事が溜まってるなら言えば良かったんだがな。」

 

王女さんの書類は元々俺に回される書類なので俺がサインしても構わない、王女さんが持っている書類以外に軽く見てみるとヒュドラを配下に置き、パトロンとしてかなりの利益を奪い取った、遠藤のアビスゲートとしての仕事に支障の無いように経済的な支援など、雑事とも言える仕事が多く、わざわざ徹夜するほどの量は無かった。

 

なので俺が王女さんが身支度を終えるまでの時間中に一気に終わらせることにした。

 

俺に寝顔を見られたのが恥ずかしかったのかバタバタと部屋から部屋へと走り回っている王女さんを尻目に俺は眼鏡をかける。

 

異世界で身体は強くなったが目はすぐに悪くなるので保険として眼鏡をかけるようにと桜から言われてハジメと一緒に作った眼鏡だ。

 

瞬きするたびに目に回復魔法がかかるので目の古傷なども少しずつ治っていくデスクワークが多いこの仕事では手放せない物となってしまった。

 

因みにゲームする時にこれをかけると集中力がどうしても高くなるので封印している、俺らのスペックだと誰もついていけなくなるからだ。

 

実際桜がこの眼鏡をつけてFPSをしたら神反応に神回避に常にヘッドショットとちょっとチート使ってるみたいな動きになったので封印させた、本人はめちゃくちゃ渋ってたが。

 

というかそもそも桜の腕は尋常じゃ無いので更に強化されたら俺らがどう足掻いても勝てなくなる、なので絶対に渡さない。

 

話を戻そう。

 

王女さんが来るまでに書類仕事を全て終わらせ、支度が終わると王女さんは素朴な格好で出て来た。

 

「いつものドレスとかは良いのか?」

 

「子供達と遊ぶんです、汚れて泣かれでもしたら大事ですから。」

 

「そりゃ言えてるな、あいつらは迷惑をかけると過剰反応する奴も多いし。」

 

「でしょう?」

 

時間は7時、全員起きてるし今日は休日、王女さんが来る事は知らせてあるので待機しているだろう。

 

「では、俺らの家に行きましょうか、王女さん。」

 

「ええ、今日は遊び倒してやりますとも。」

 

王女さんは威勢が良いねぇ。

 

孤児院の前に転移するとすぐにガキ共が俺達に突撃した。

 

俺はすぐに横に移動したので被害は無かったが全く備えが出来ていなかった王女さんはもろに飲み込まれた。

 

あ、腹に良いの入ったな。

 

お腹を押さえて苦しそうに笑う王女さんを見て笑いを堪える。

 

「何で自分だけ逃げてるんですか・・・?」

 

「ちょっとしたドッキリだよ、あんまり迷惑かけんじゃねぇぞー!」

 

『はーい!』

 

「え?ちょっと?まだ私朝ごはんが・・・あ!まってぇ!」

 

王女さんはずるずるとガキ共に引きずられて何処かへ行った、きっと公園か河原にでも行ったのだろう。

 

「元気だね〜。」

 

「だな、あれだけ元気が有り余ってるならもう少しくらい勉強してくれとも思うが。」

 

「子供は遊ぶ事が仕事、でしょ?」

 

「分かってるって、母さんは?」

 

「今サンドイッチ作ってるよ、リリィに小腹満たしにって。」

 

「なるほど。」

 

母さんは実はガキ共に大人気だ、何でも料理がお母さんみたいらしい、中国圏のガキ共が泣きながら食べていたからきっとお袋の味、というものなのだろう。

 

そうでなくても仕事が絡まない母さんは・・・何というかふわっとしている、ぼうっとしているというか、近くに居て癒されるのだ、そんな空気を作るのに関しては完璧だ。

 

エージェント時代の写真は凛々しいとしか言いようが無いほどの雰囲気なのに責務が無くなると癒し系美人になる辺り中々ギャップがある。

 

「桜ちゃん、出来たよ〜。」

 

「はい!」

 

桜が母さんに呼ばれてキッチンへと歩いて行った。

 

なんだかんだで母さんと馴染んでいる桜は楽しそうだ。

 

「・・・今度母さんも実況に参加させてみようかな、ホラーで。」

 

2人で叫びまくってそうだ。

 

今は実況メンバーが増え過ぎたので幾つかのチャンネルを合わせて俺達の実況チャンネルとしている。

 

それに伴い、なし崩しに本名で呼び合っていた俺達の実況名も作られた、全員で考えた結果俺達最初の3人はそのまま本名で2つ名が頭に来るようになった、ハジメは魔王ハジメ、俺は覇王風魔、桜は天使桜、桜は不満な様で自分の2つ名を変える為に動画で募集していたが未だに変わらない。

 

ついでにユエ達やクラスメイトの数人もチャンネルを作って放送している。

 

そいつらも各自でファンなどが居て楽しそうだが規模が大きくなり過ぎて中々追いつけないという人もいるっぽいので悲しいところだ。

 

「風魔〜!みんなのところに行くよー!」

 

「分かった!すぐに行く!」

 

バスケットを持ったワンピース姿の桜が俺に早く来いと催促する。

 

俺が歩き出そうとするとキッチンの窓から母さんが小さく手を振っているのが見えた。

 

俺も小さく手を振って桜の所へ歩き出す。

 

「早く王女さんにそれ届けないとな。」

 

「うん、早く行こう!」

 

王女さんを追跡する為にまずは聞き込みを開始した。




書いてて某Vtuber達みたいになってきた実況チーム、最初は某兄弟の方をイメージしてたんですけどねぇ。

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