何回も転生した奴がありふれた世界に転生しました。   作:オット
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俺は孤児でした。

俺は転生した。

 

名前は秋月風魔(あきつきふうま)だ、俺は捨て子らしい。

 

目が覚めたら教会の前で毛布に包まれてんの、ああ、捨てられたなと思ったね。

 

それでどうしようもなく泣き声あげてたらシスターさんが出てきて中に入れてくれた。

 

そんな事があって3年くらい経つと俺はいつの間にか秋月風魔という日本人として日本のど真ん中にある教会、というか孤児院で暮らす事になっていた。

 

やのつく人が金をせびりに来るとかそんな事もなく3年暮らして来たわけだが里親とかそういうのは居ないのだろうか。

 

俺は黒髪だけど目が赤いしどう考えても混血なわけで、他の小さい子供達もいる中でシスター含め数人だけで回している現状はいくら何でも辛いだろう。

 

「コラ!教会にも行かずにサボってるなんて許しませんよ!」

 

「シスターだ!逃げろ〜!」

 

そんな事を言ってる間にもガキどもが騒いでるし、注意しようにも三歳の体じゃ動き回るのが限度、一応筋肉を鍛える意味でも結構な時間を運動に使っている。

 

俺が賢いという事実を植え付けるために本を読んだりしゃべったりもしてるが正直そんなに面白くもない話を延々と読むなんて苦行以外の何物でもない。

 

「・・・公園行くか。」

 

ふと呟いたが案外良い案なのでは?

 

「シスター、公園に行ってきます。」

 

「あら?行ってらっしゃい。5時には帰って来なさいよ。」

 

「分かりました。」

 

さてどうするか。

 

何となくで公園まで来てみたものの、正直子供達と遊ぶなんて考えづらいしな、そんなことして現実逃避できる期間もとっくのとうに過ぎた。

 

そんな事を思っていると近くのベンチに座っている女の子を見つけた。

 

その女の子は夏なのに帽子を深く被っていて髪も顔もよく見えない。

 

良く見てみると天使の気配がしたので新人かと思い当たる。

 

「おい、その辛気臭いツラはお前の標準装備か?新人。」

 

「え?」

 

新人は顔を上げた。

 

新人の顔はかなり可愛い部類に入る顔で俺は思わず目を逸らした。

 

「あの・・・だれ・・・ですか?」

 

「・・・ぶっ・・・フフッ。」

 

「笑うのは・・・酷いです。」

 

「すまん、そうだったな、自己紹介がまだだった、俺は秋月風魔、お前は?」

 

「私は・・・きさ・・・結月桜(ゆづきさくら)です。」

 

前の名前が如月あたりか?

 

「さて新人、暫くは平和なこの世界で暮らす事になるわけだが、召喚されるときに俺たちだけとは限らない、身近な人が召喚されるリスクも考えておけよ。」

 

「・・・そうですか、それは別に平気です。」

 

「親が毒親?それともヤーさんにでも睨まれたか?」

 

「いえ、家族はいます、今は兄と姉が居ますけど・・・忙しそうですね。」

 

「親が死んだってところか、その2人は何してる?」

 

「2人とも声優を、でもそんなにお金がもらえる仕事でもないので・・・。」

 

「生活は苦しい?」

 

「・・・違うんです・・・苦しそうな2人を見たくない・・・でもどうしようもなくて・・・。」

 

桜はそういうと泣き出してしまった。

 

肩を叩きながらどうしようかと悩んでいると周りのガキ共が近づいて来ていた。

 

「・・・厄介そうだな、ちょっと場所を移動するぞ、歩けるか?」

 

「あ、はい・・・歩けます。」

 

そう言いながら手を引いて歩く。

 

そのまま孤児院に連れて帰るとシスターはびっくりしていた。

 

「風魔?その子は誰?」

 

「桜、泣いてたから連れて来た。」

 

「えぇ・・・。」

 

困惑しているシスターに桜を預けて部屋に戻る、女児が何人かいたが構わずに隅の方で考える。

 

兄姉の2人は声優、という事は仕事がある・・・でも家のローンやら土地やらを含めると休める場所が欲しいはず、孤児院で働かせる?人手不足だし良いかも、だがその場合のメリットとデメリット、体を壊したら本末転倒、ならどうするか。

 

そんな事ばかり考えながらじっとしているとシスターがやって来た。

 

「風魔、この子寝ちゃったわ、近くに居てあげて。」

 

「分かりました。」

 

「また敬語・・・もう、タメ口で良いのに。」

 

「そうですね、でも変える気は無いですよ、今はね。」

 

「・・・そう?」

 

「・・・いや、良いかもしれないな。」

 

「え?」

 

「シスター、 人を雇える金はありますか?それか人を学校に通える程度に養えるくらいのお金。」

 

「無いことも無いけど・・・どういう事?」

 

なら、交渉次第で・・・いや交渉なんてさせるか、絶対やってやる。

 

「・・・ねぇ、ちょっと?どういう事か説明して?お願いだから。」

 

「シスター、すみませんが、巻き込まれてくれますか?」

 

「許可取る気ないわよね?」

 

「無いですね。」

 

「取って、お願いだから。」

 

シスターは少し涙目であった。




シスターの年齢は現時点で30歳位のイメージ




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