何回も転生した奴がありふれた世界に転生しました。   作:オット
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ホルアドに着きました。

ハジメが支部長室に無遠慮に入っていくのを見て天使組は胃がキリキリと痛む様な気がした。

 

「一応胃薬持って来たんだが・・・支部長に渡したら喜ばれるかねぇ?」

 

「どうだろうな、常備してそうなくらい迷惑掛けてると思うぞ。」

 

「というかあんたの親友でしょ?止めてきなさいよ。」

 

「無理だ、性格変わったから許容範囲がどのくらいか分からん。」

 

「あはは・・・案外変わってない気がするんだけどね。」

 

4人でこそこそと喋っているのが気になったのか秘書の人がこっそりと寄って来た。

 

「何を話されておられるのですか?」

 

「あ、これつまらない物ですが。」

 

「・・・ありがとうございます。」

 

秘書の人の目に涙がたまっていることに気付いた俺たちは全員遠い目をした。

 

「少なくとも風魔はそう思う権利は無いと思うよ?」

 

「桜、それは俺に効くからやめてくれ。」

 

そんな会話をしているうちにミュウちゃんは俺達とついてくる事になったらしい。

 

「パパ!」

 

何の話だ!?

 

天使組の総意である。

 

「いや待て!?もういい!お兄ちゃんでいいから!贅沢は言わないからパパは止めてくれ!」

 

「や!パパはミュウのパパなのー!」

 

「ああ、そういう・・・。」

 

話に置いていかれてたがどうにか現状を把握する。

 

桜は完全に目が垂れている、子供を見る目だ。心なしか微笑んでいる様に見える。

 

アッシュ達も2人で静かに笑いながら眺めている。

 

「風魔は!?風魔は何て呼ぶんだ!?パパに相応しいと思うのはむしろこいつだぞ!?」

 

「お兄ちゃんなの!」

 

「何故!?」

 

コント見てるみたいで面白いんだが。

 

というかハジメ、俺を巻き込もうとするんじゃねえ。

 

その後もハジメはパパ呼びをどうにかしようとしていたが出来なかった様だ。

 

最後は泣きそうな顔でこちらを見てきたが手を合わせて冥福を祈った。

 

その後ぶん殴られて喧嘩になったのは不可抗力だと思う。

 

というかその義手かなり痛いんだよ、止めろ。

 

ーーーーーーーー

 

「ヒャッハー!ですぅ!」

 

「おいシアさん!?そんなトロトロ走ってて大丈夫かぁ!?」

 

俺達の先ではシアとアッシュが競争している、競争というより両方とも好きな様に走っていると言った方が正しいが。

 

アッシュの後ろに乗っているミナが涙目で叫んでいるのが印象的だ。

 

ガチビビリなので大変喧しい。

 

ハジメは運転は俺に任せて後ろでユエとイチャイチャしている、というか無駄に日本の車を再現しやがって、ほぼ制限なんてないようなものだがウィンカーやミラーなども付いているあたり遊びまくっている。

 

「運転はどう?」

 

「それほど難しくはないな、制限が無いからかなり快適だ、多分桜も運転出来るくらいには操作できるんじゃないか?」

 

「それなら後で変わってみようかな。」

 

それがいい、後ろでイチャイチャしているハジメを尻目に俺達は喋っている、ミュウが不思議そうな顔で覗き込んだりしているが無視する。

 

「お兄ちゃんと桜お姉ちゃんは付き合ってるの?」

 

ミュウのその言葉に驚いて俺たちは固まった。

 

車が右へ左へとジグザグに進むことが無かったのは幸いだろう。多分そうなってたら事故ってた。

 

「つ、付き合っては無い・・・かな?」

 

「でもユエお姉ちゃんとパパと同じ感じがするの!」

 

止めて、運転が荒くならないうちに止めて!

 

俺の顔は真っ赤だろう、桜の顔は恥ずかしくて見れない。

 

「・・・はぅ。」

 

「ちょっ!?桜ぁ!?」

 

ハンドルから手を離せないので桜は恥ずかしさで気絶したままだ。

 

ミュウが桜のいる助手席に移動して桜と一緒に座って満足そうなのも見えない、その際に下着が見えそうになっている事にも見てないふりだ。

 

この時後ろでハジメ達がミュウはすごいなどと話していることは全く気付いてなかった。

 

ーーーーーーーー

ホルアドに着き、ハジメがフューレンで請け負った用事を終わらせるまでの間暇になったので街を歩いていると影が薄いことで有名な遠藤が俺の横を走っていくのが見えた。

 

俺は地球でもこっちでも空気の振動とかで感知しているので遠藤が見えている、少し気になったのでついていく事にした。

 

冒険者ギルドに向かっているようだったが、どういう事だ?

 

俺はついでに白崎との面談を設けてやろうと思っただけなんだが。

 

冒険者ギルドで新しく金の冒険者になった!と喜びを分かち合っているアッシュとミナは満足そうに互いを見る。

 

ミナの尻尾はピーンと立っておりご機嫌な様子だ。

 

「これで私達も金の冒険者よ!やったわ!」

 

「あんまりはしゃがない方がいいぞ、周りが見てるからな。」

 

桜も適当な席に座って微笑んでいる、桜に手を伸ばしている奴がいたので手を掴む。

 

「ちょっと、俺の連れに何か用ですかい?」

 

今の俺はローブを着ている為かなり怪しく見える、らしい、ハジメのおかげでどんな環境でも着用者を常温に保ち、勝手に修復され、血もすぐに落とせる高性能なアーティファクトに変化した、ハジメ様々だ。

 

「わ、悪かったよ。」

 

おっさんはバツが悪そうに手を引っ込めた。

 

「あ、風魔、かおりちゃんのところに行ったんじゃ無いの?」

 

「ああ、遠藤を見つけたんだ、かなり急いでるみたいだったからな、後をつけてきた。」

 

「そうなの?」

 

「ああ。」

 

そう言いながらハジメ達の真横で喜んでいたアッシュ達を見ると遠藤にまとわりつかれていた。

 

「すみません!俺の仲間を助けて下さい!お願いします!お願いします!」

 

「ちょっと、話が分からないわ、取り敢えず話を聞かせて頂戴?そうじゃないと助けるにしろそうでないにしろ判断出来ないわ。」

 

アッシュはなんとも言えない表情でミナを見ていた。

 

先程から何かを言おうとしてそれを先にミナに言われているのでそれ俺の台詞なんじゃという事だろう。

 

その様を見て驚いていたのはハジメだ。

 

「遠藤?」

 

そう呟いてしまうのも無理は無いだろう。

 

「ハジメか!?どこだー!ハジメ〜!」

 

「フッハハハハハハ!!おいハジメ!おまえ認識されてねえじゃねえかよぉ!?」

 

ハジメの頭に青筋が浮き出る。

 

遠藤は声を出した俺の方を向いて目を向いていた。

 

「秋月と結月さん!?何でここにいるんだ!?いや、ちょうど良い!お前等もすぐに来てくれ!みんなが危険なんだよ!」

 

「フフッまだ認識されてない、フハッ。」

 

「良い度胸だ風魔、表出るか?ああ!?」

 

「どうどう、落ち着け、良いな?ハジメ、遠藤が助けを求めている、言う言葉はわかるな?」

 

「・・・。」

 

「ほら早く言え、早く言えよ。」

 

「・・・だが断「はい、茶番はそれまでね。」そんなー。」

 

今のやり取りで白髪眼帯の義手を付けたハジメを遠藤は正しくハジメだと認識したようだ。

 

「さて遠藤、説明はしてくれるな?アッシュとミナも一緒に行こう、チーム組んでるんだしな。」

 

アッシュとミナと遠藤は同時に頷いた。




これがやりたかっただけである、魔人族戦は割とあっさりと終わるのではと考えております。




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