何回も転生した奴がありふれた世界に転生しました。   作:オット
<< 前の話 次の話 >>

82 / 161
メルツィナ大迷宮攻略

俺が魔法陣を全て消すと青白く発光していた視界が消え、かなりスッキリした。

 

「ふう、お疲れさん。」

 

「・・・ごめんなさい。」

 

桜は感情が反転したときのことも覚えている様でかなり落ち込んでいた。

 

「気にすんな、大迷宮の試練だ、気にしてもしょうがない。」

 

「風魔はすぐに克服?してたのに。」

 

桜にデコピンを食らわせる。

 

桜は少し痛そうにしながらも俺を見た。

 

「全部俺並みにしなくても良いんだよ、俺は万能型、お前らは特化型で充分だ。」

 

「でも私だって自衛武器くらい欲しいよ。」

 

「なら、ビット兵器辺りを作ってやろうか?ハジメと一緒にだけどな。」

 

「うっ、アレを何回もするのは・・・ちょっと嫌かな。」

 

「安心しろ、さっきみたいにいきなり数千も渡したりしねえよ。」

 

「・・・せめて十で。」

 

「了解、設計図を書いておく。」

 

ハジメ達は次の部屋に向かう様だ、ついていこう。

 

次の部屋は神代魔術を与える部屋の様で木の人形が何かを言っている、昇華魔法がどうとか、本質が分からねえけどステータスプレート見たらわかんだろ、多分。

 

ハルツィナから羅針盤を貰い、地球に帰れる目処がついた。

 

だが、ハジメ達はこれで帰るとしても俺と桜は残らなくてはならない、アッシュ達と共にエヒトを抹殺しなければならないからだ。

 

最悪は桜だけでも返してもらうか。

 

「何辛気臭い顔してるんだ?」

 

「いや、全員が喜んでる、だけど、大元の目的を忘れちゃいけない、特に俺達天使は。」

 

「・・・こんな時くらいまで仕事に追われちゃダメだろうが、要領がいいお前らしくないな。」

 

「・・・はぁ・・・答えは出さないとなぁ。」

 

「え?何、なんかあったのか?」

 

ハジメが一瞬でニヤニヤし始めた。

 

それを見ないように桜を見る。

 

「あ!風魔!ショートカット開いたよ!」

 

「・・・ああ、今行く。」

 

やっぱり、嘘はいけないよな、夜月。

 

俺は、桜の事が好きだ。

 

ーーーーーーーーーー

翌日、フェアベルゲンで朝を迎える前に目が覚めてしまった。

 

一応睡眠出来るハーブを焚いておいたんだが、あまり効果は無さそうだ。

 

1時間もあれば朝日が昇るくらいの時間なのでそんなに苦労はしないだろう。

 

「・・・少し、動くか。」

 

刀を持って庭に出ると八重樫が鍛錬を積んでいた、時折太刀筋が鈍くなるのは何故だろうか。

 

「八重樫。」

 

「きゃあ!?」

 

「・・・はぁ、少し休め、そんなに汗かいてたら鍛錬にもならん。」

 

「・・・あ、秋月君、ええ、お言葉に甘えさせてもらうわ。」

 

宝物庫から俺がいつも使っているタオルの予備を渡し、俺も刀を構える。

 

八重樫の使っている剣術ではなく、居合の類だが、俺の一番得意なこの構えが一番集中出来る。

 

目を閉じ、音で空間を把握する。

 

木の葉が落ちてくる。

 

射程距離内ギリギリ、1メートルほどしかないが、やれるか。

 

目を開ける、極度の集中によって時間が止まったとさえ思えるようなゆっくりとした動きで木の葉は落ちていく。

 

刀が鞘から飛び出してくる、俺はそれと同時に一気に踏み込み、木の葉を体の目の前で一回、すり抜けざまに一回、そして納刀の際に一回切り、刀は鞘の中に戻る、カチンという音と共に世界の動きが早くなり、普段の速度と同じになる。

 

地面に落ちた木の葉は綺麗に6枚に分かれていた。

 

「・・・すごい。」

 

「大した技でもないさ、同じような事は魔法を使えば出来る。」

 

「それでもよ、あなた、自分の能力だけでそれをしてるじゃない。」

 

「これは刀じゃなくても出来るんだがな、まぁ、いつもはハジメとかと訓練をしてる。」

 

「それは・・・地球で?」

 

「両方だ。」

 

長くても30秒もかからない、両方の読みと行動の選択肢が多すぎて集中力が持たないからだ、地球ではそうでもなかったがこっちに来てからはありえないほど時間が濃密になった。

 

「・・・なぁ、八重樫、お前はメルツィナでどんな夢を見たんだ?」

 

「いいいいいきなり何よ!?」

 

「何、少し気になっただけだ。」

 

八重樫の反応からして恥ずかしい類なのだろうが、まぁ聞くだけ聞いてみようか。

 

「・・・恥は掻き捨てともいうし・・・いえ・・・でも・・・。」

 

「決めたらすぐだぞ。」

 

「分かってるわよ!」

 

数分間悩み、俺に打ち明けた。

 

「私がお姫様になって、隣の国の王子様に助けられる夢よ。」

 

予想外過ぎて苦笑してしまった。

 

「お前らしいというか何というか、何ともメルヘンで・・・。」

 

「何よ、悪いの!?」

 

「悪くないさ、ただ、その隣の国の王子様とやらは心当たりがあるがな。」

 

「・・・そうよ、ハジメ君よ。」

 

「ハハッ、まぁ、あいつを狙うなら頑張れよ、あいつはフラグメーカーだからな、ずるずると飲み込まれて行きそうだ。」

 

「そんなんじゃないわよ!」

 

「少し寝る、あんまり寝れてないし、誰か来たら起こしてくれ、と言いたいが、お前も寝ておけ、こんなところで寝てたら俺やハジメならともかくお前は風邪を引きそうだ。」

 

「え、でも。」

 

俺は近くにある大木に向かって飛んで近づいて行く。

 

「この辺りで良いかな。」

 

人一人が寝られるくらい大きな枝に寝転がり、睡眠の姿勢を取った。

 

・・・暫くしてハジメから銃撃され、安眠妨害された俺と起きて悪戯(本人談)をしたハジメの砲撃戦が始まったのだが割愛しよう。




慣れない携帯で少しずつ文字数を増やしていった結果、1週間に1話って、畜生。







感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。