何回も転生した奴がありふれた世界に転生しました。   作:オット
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暗い花より明るい花を

周りから色々な音が聞こえてくる。

 

風魔が居なくなった、私の目の前で、すり抜けて、迷宮の意思かは分からないけど、きっと試練の1つなんだと思う。

 

あの時はまだ理解出来てなくて錯乱した、きっとハジメが眠らせてくれたんだと思う。

 

目を開ける、アッシュさんの背中に私はいた、アッシュさんはミナさんと一緒に周りから飛んでくる攻撃を捌いている。

 

「アッシュ・・・さん。」

 

「・・・起きたか、自分の状況は?」

 

「・・・分かってるつもりです。」

 

「そうか。」

 

「・・・私はまだ、戦えます。」

 

なら、目標は1つだけ、この攻撃は全部無視して良い、あそこで俺たちに身体を向けているゴーレムだけを倒せ、あれが試練の標的だ。

 

「分かりました。」

 

ビットを大量に放ち、ゴーレムに攻撃を加える。

 

いくつものビームが飛んでゴーレムに当たるがあまり効果は無いようだ。

 

「レーザーじゃダメ・・・なら、貫く。」

 

物理的な攻撃を加えるために剣を装備しているビットがある、数はかなり少ないが風魔が作ってくれたものの中でも特に攻撃力が高いもの。

 

「私は・・・風魔を探さないと。」

 

それにビームビットをブースター代わりに取り付けて即席の銃弾が出来る。

 

「だから、そこを退きなさい、人形。」

 

ゴーレムは最初こそ避けていたが一度当たるとそこからは風穴を増やしていった。

 

もう外側しか残って居ないゴーレムは遂にその動きを止めた。

 

「お疲れ様!次もこの調子で行きましょ!」

 

「はい。」

 

「・・・もう、笑顔でいなきゃあの覇王様を安心させられないわよ。」

 

「・・・はい。」

 

「・・・行きましょうか、きっとハジメ君が見つけてくれるわ。」

 

「はい。」

 

ミナさんは少し悲しそうだったがそのままハジメのところへ向かった。

 

他のみんなもゴーレムを倒したようで既に何人か休んでいた。

 

「桜、起きたか。」

 

「うん。」

 

「必ず見つけるぞ。」

 

「うん。」

 

ハジメと私は感情をかなり排した会話をしていてシアちゃんが少し怖がっている。

 

笑いたいけど、そんなのが出来るような状態じゃないから、心の中で謝っておく。

 

「時期に全員揃う、それまで出口が現れないみたいだから休んどけよ。さっきの魔力からしてダーツを使ったな?」

 

「・・・。」

 

「疲れを取るくらいはしても良いはずだ。」

 

「分かった。」

 

「アッシュとミナは桜の護衛だ、次の場所によっては無理なんだろうが、念の為にやっててくれ。」

 

「「了解。」」

 

「あと来てないのは勇者と脳筋だな、まぁすぐに来るだろう。」

 

風魔に会いたい、寂しい、安心したい、怖い。

 

膝を抱えて自分の殻に閉じこもろうと丸くなる。

 

『おい、その辛気臭いツラはお前の標準装備か?新人。』

 

初めて風魔に声を掛けられたあの日から、私はずっと助けられて来た。

 

いつも大丈夫だって言ってなんとかしてくれて、私を守るって言ってくれて。

 

嬉しかった、今までそんな事一度も無かったから。

 

『ごめんなさい・・・マジで。』

 

だから倒れた時は本気で怒った、私だって役に立ちたいと言った、そしたらある程度話してくれるようになったけど、それでも大事な場所は全部風魔がやってて。

 

私って、そんなに力になれないのかなぁ?

 

そりゃ風魔と比べれば小さいけど、それでも、信じて欲しかった。

 

普通じゃないから手伝わせないとかの理由なら本気で怒る。

 

私はその普通じゃない所が好きだから。

 

今はそれだけじゃないけど、きっかけはその普通じゃないところに惚れたから。

 

だから、無事で居て、誰もいないところでひっそりと死ぬなんて止めて。

 

風魔が死ぬなら・・・私も。

 

「おい、桜。」

 

急に声をかけられてびっくりした。

 

「次に行くぞ。道が出来た。」

 

「・・・うん。」

 

待ってて、私が見つけるから、そして今度こそ、相談してくれるまで一緒に居るから。




ヤンデレとヤンデレがくっついたら砂糖まみれになるのは当たり前ではなかろうか。




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