我、剣の頂を目指し、悪を滅する者也   作:厨二虫

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今年は色々と良いものがたくさんあり嬉しい限りです
まぁとりあえず二話目といきましょう

その日、最強と過信した男は最恐に恐怖する



魚人達の悪夢

ーーココヤシ村、そこではまさに魚人達による蹂躙が行われていた

地は荒れ家は壊され、そして少なくない人が犠牲となっていた

そして、蜜柑が生い茂るこの家でも、また1人の犠牲者が出ようとしていた

 

「ナミ!ノジコ!私が居なくても良い子に育つんだよ!」

 

叫んだ女性はベルメール、元海軍であり血の繋がりは無いもののノジコそしてナミの義母をこの上なく努めている人である。

 

「シャハハ!お別れの言葉は済んだか?まぁ?テメェらが今からでも300万ベリーを払うんだったら?俺も鬼じゃねぇ、お前もその娘達も生かしてやるが?」

ベルメールに銃を突き付け最終通告を告げたのは通称『キリバチのアーロン』

人間に恨みを持ち、それ故に魚人の下等種族として軽蔑し己の野望の為に蹂躙を続ける許容出来ない『悪』である。

 

「はっ、それこそ死んでも・・ごめんだね」

 

アーロンの額に血管が浮き出る、それは下等種族に煽られたものかもあるかも知れないがそんなものは今考えたところで、無駄だと言うことをその場にいる誰もが感じた事だった。ーー何故なら彼女の死の運命が既に決まったも同然だと直感したからだ

 

「そうかよ・・じゃあ死ね」

 

「「お母さん!!」」

 

刹那、彼の持って居た銃は丸でそこに存在してなかった様に塵と消えた

 

 

ーー数分前

 

「ふむ・・蜜柑の良い匂いがしたと思って、寄って見たらどうやら随分なお祭りのようで」

 

そう「私」は考える。恐らくはナミの母が死ぬ出来事だと無意識に直感する。

俺は考える。これは紛れも無い『悪』であると。

 

「ならば・・偽善執行、殺しをするつもりはありませんが・・あいにく手加減など苦手な物で、死んでしまったら・・申し訳ありません」

 

そう眼前にいる約20の魚人に向かって告げる、激昂してきた魚人が群れてこっちに向かってくる。

それをーー唯斬る。

ある者は腕を、ある者は足を、目を、耳を、下半身を、殺しはしない今はまだ

殺すのは余りにも無残だ。

だってそれはきっとーー私/俺の仕事では無いだろうから。

 

斬りながら前を進むと蜜柑の匂いが強くなってくる、恐らくはナミの生家へと近づいているのだろう、他の人とは一段違う・・だけどどこまでも欲望にまみれた気配を見聞色で感知できる。

そしてもう1つ、今にも消えそうな暖かいーーもう俺が感じる事は無い気配を感じる

きっとその気配こそがナミの義母であるベルメールなのだろう。

だが、今のままでは確実に間に合わない。

だからーー間に合うように加速するだけ。

 

「・・縮地」

 

 

 

「・・あ?」

蜜柑の葉が舞う、その葉が1枚彼の頬に当たった事で彼は漸く自身の持っていた銃が失っている事に気付いた

 

「ふぅ、どうにか間に合いましたか」

 

眼前には刀を構えた子供、誰が見てもその子供が銃を斬った事と認識せざるを得ないだろう

だが信じられる筈が無い、何故ならそれは子供で尚且つ今正に死を迎えようとした人間と同じ女だからだ

そんな筈が無い、そんな事はあってはならない、下等種族ごときに俺たちが

 

ーー恐怖(・・)などする筈が無い

故に彼は吠える、船長として仲間に魚人としての誇りを今一度見せつける為に

 

「おいおい、餓鬼が・・まさかテメェがやったとか言うつもりはねぇよな?ん?」

 

「斬りましたよ?」

 

「シャハハ!そいつは良くねぇ冗談だ!仮にそれが本当でも嘘でも・・テメェを殺すってのは俺の中でもう決まったんでな、だがまぁ・・テメェ如き俺が殺す必要もねぇ、・・やれハチ、クロオビ」

 

「ニュ〜分かったよアーロンさん」

 

「という訳だ運が無かったな嬢ちゃん」

 

2人の魚人が少女に向かって迫っていく、それを黙って見ているベルメールでは無い、ましてや娘達と歳を近いと予想できる少女を殺させる訳には行かない・・!今多少驚愕した隙に腕から脱出し娘達の側に立った彼女は叫ぶ

 

「逃げな!こいつらはあんたが勝てる相手じゃない!」

 

「・・丁度良い、テメェに見せしめになって貰おうと思っていたが辞めだ

あの餓鬼には代わりになって貰うとしよう」

 

「っ・・!」

 

眼前にはアーロン、どうやっても彼女が助けに行ける隙は存在しない

だが・・

 

「いえ、貴女は娘達の目を塞いでいて下さい、少々残酷な物を見せるかもしれれませんから」

 

あっけらんと少女はそう告げる、もう死を覚悟したのかはたまたこの状況を打破できるとでもいうのか

ーー無理だ、無理に決まっている

ハチというタコは6の腕に剣を持ち、クロオビというエイは明らかに武道の心得があるとしか思えない身のこなしだ

いわば、数と技術の蹂躙、そんなものに多少の剣の心得しかないましてやただの少女が勝てる筈が無い!

 

ーーその考えはあっさりと崩れさる事になると知りもせずに

 

 

ーさて、どう勝ちを取るか

そう俺は考える

敵の数は2、腕は8、普通の人達が見れば明らかに自分が不利なのは当然だ

ーーだが、勝てる

先ず前提が間違っている、「私」がこの程度の人達に負ける筈が無い

これは慢心では無く確信だ、よし決まった

ハチには申し訳ないが一撃の下倒れて貰おう、クロオビは筋組織でも斬っていこう、これで決まりだ

 

「死ぬ覚悟は出来たか?」

 

「ええ、貴方達を斬る覚悟なら」

 

「ニュ〜俺の六刀流におめぇのその1本の刀で勝てる訳ねぇだろがァ!」

 

「六刀流!『蛸足奇剣 』」

 

「・・悪いけど、貴方」

 

ーーーもう斬っているのよね

 

鮮血が、ハチの体から飛び散った

 

 

「ハチ!貴様ァ・・ぬっ!?」

 

「貴方は油断し過ぎです、腕と足のどちらともの腱を断たせて頂きました」

 

「おのれェ!!下等種族風情がァ!!!」

 

「その下等種族に伏せられる気分はどうですか?お魚さん(・・・・)?」

 

「クソがァ!」

 

 

「もういい・・どけ」

 

「ァ・・アーロン・・さん」

 

「もう喋んなハチ、テメェの借りは俺が返す・・おい人間」

 

「なんでしょうか?」

 

「テメェは何者だ?」

 

「答える必要がありません、それに貴方には何を言っても変わらないでしょう?」

 

「・・ハッ、それもそうだなじゃあ死ね、下等種族」

 

「ええ、さようなら鮫さん」

 

キリバチを少女の頭上に振り下ろす、即座に切断される

キリバチを捨て、自身の最強の武器である牙で少女を食い千切ろうとする

避けられた上で腕の一本を持っていかれる

もう一度、今度は上半身を袈裟斬りにされる

もう一度、片腕を斬られる

もう一度、斬られる

 

三度繰り返した時には既にアーロンの脳裏にはある考えが浮かんだ

ーーもうこいつには敵わないのでは無いのか?

そんな筈が無い!!!あっていい筈が無い!!俺は選ばれた種族だ!あいつは選ばれなかった種族だ!そうじゃなきゃ俺は

ーータイの大兄貴の海賊から離れた意味がねぇ!!

 

もう一度、斬られる

もう一度、もう一度、もう一度

もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度

 

ーそう繰り返せば、既にアーロンという魚人の心は完膚なきまでに斬り伏せられていた

 

ーーもうやめてくれ、もう斬らないでくれ、死にたく無い、怖い、顔も見せずにだが確実に無で斬ってくる少女が怖くて仕方がない

 

「やめて・・くれ」

 

「なんです?何か、言いましたか?」

 

「もう・・斬らないでくれ」

 

「聞こえません」

 

「死にたく・・ない」

 

「そうですか、ではどうすればいいか分かりますよね」

 

振り向けば多くの魚人は消えていた、恐らく逃げたのだろう

当然だ、こんな奴がいるんだったらこの島になんて行きはしなかった

俺だってもう逃げたい、でももう逃げられない

だって、もううごけない、ち ですぎた

きづけば おれは たおれていた

 

「ごめんなさい」

 

そう いった の をさいごにおれはーーおれは

 

 

「なんなんだい・・あんた」

 

「唯の偽善者ですよ」

 

「助けて貰ったのは感謝してるさ・・けどここまでする必要があったかい?」

 

「・・恐らくありませんでしたね」

 

「ならっ・・「ですが」・・っ!」

 

「私はこうすることでしか貴女を助ける事が出来ないと考えました、唯倒すのでは無く、また彼が復讐に来る可能性を潰す為にもこうする必要があったのです」

 

「・・そうかい、ならこれは年長者としての忠告だ」

 

「なんでしょう?」

 

「あんた、今に破綻するよ・・気をつけるんだね」

 

「・・ええ、肝に命じておきます」

 

「後・・」

 

「?」

 

「助けてくれてありがとう」

 

「・・ええ、どういたしまして」

 

その瞬間強い風が吹いた、一瞬フードが取れベルメールが見た少女の顔は

ーーどこまでも綺麗な笑顔だった

 

 

ベルメールを除く全ての島民はこう思う

ーーあの少女こそ英雄(ヒーロー)

逃げた魚人達はこう思う

ーーあの少女は死神だ

そしてベルメールはこう思う

ーーあの子は、何処までも悲しい子だと

 

その後、海軍が到着しアーロン含む多くの魚人が逮捕されていった

その魚人達に特にアーロンは心身共に重傷を負い、今も牢獄の中で恐怖に

怯えている

その中でも特に海軍が気になった一言があった

ーー桜が襲ってくる、と

 

海軍は引き続きその正体を追っていく、名前も姿も解らないナニカを求めて

 

これが後に命名される

ーー『血の時雨』と呼ばれるようになる賞金稼ぎの最初の偽善である

 

 

 

 

 

 

 

 




今回のバタフライエフェクト
アーロン再起不能、人間に多大な恐怖を植え付けられる
ナミの目的が変更、1億ベリーから5千万ベリーへ島の復興金の為とあの時の英雄を探しに泥棒へ、麦わらの一味の加入が容易となる
ベルメール生存

最後まで読んで頂き有難うございました
感想批判等宜しくお願いします
次話投稿は不明ですが暇潰しに目を通して頂ければ幸いです
では

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