もしも呼ばれたのが   作:0302

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「最初はまたわしらのイベ(ぐだぐだイベント)かと思ってたんじゃが」
「そんな予想を軽々しく飛び越え始まるシリアス」
「いやほんとあの新キャラだけが救いじゃね?殺生院が仲間とかいつ後ろから腹に仕舞われるか」
「というか徳川こそ沖田さんの出番では?何故桜顔増えてるんです???」
「第三代だっつってんじゃろ」
「イベント自体は楽しいんですけどねー。AP1とロード時間が地味にうざくてですね・・・・・・」
「そしてそんなシリアスの中始まるエイプリルフール」
「沖田さんわりと序盤の敵なの納得いきません!星五のスーパー美少女セイバーですよ!?」
「ぬかしおる」
「は?」
「水着もこんくせになにイキってんだこの人斬り(どっ」
「それを言ったら戦争でしょうよ!!!!だから!今年こそ!待ってますから!!!」
「まあその前にあるGWコラボとサバフェスのせいで全国のマスターの資金は枯渇すると思うが。是非も無いね!」


絶対偶像崇拝 エリザベート・バートリー

「・・・・・・飽きたわ」

雨生龍之介のサーヴァント、ランサー・エリザベート・バートリーは、開口一番そう告げた。つまらなそうに瞳を伏せ、指先で少女だったものの肉塊を弄ぶ。

「えっ?」

「だから、飽きたの。どいつもこいつも同じようなことばっかり。『助けてください』とか、『死にたくない』とか。(アタシ)、もっと刺激が欲しいのよね。そう、例えば────野外でのビッグライブとか」

「・・・・・・ビッグライブかあ・・・・・・」

龍之介は遠い目をした。あのCOOL()な歌を野外で・・・・・・無差別テロかな?確かに阿鼻叫喚は龍之介も嫌いではない。嫌いではないが、恐らくそれでもたらされる地獄は龍之介の求めるところではない。

「野外ライブよ、野外ライブ!本来ならチケットを買わなきゃ聞けないような(アタシ)の素敵な歌声が誰でも聴けるのよ!豚どもに(アタシ)の素晴らしさを再認識させるの!」

「はぁ・・・・・・」

「なあに、リュウノスケ。なにか文句でもあるの?」

「いや、文句はないんだけどさ・・・・・・何処で?どうやって?機材とかどう用意すんの?」

龍之介の疑問に、エリザベートは待ってましたと無い胸を張った。相も変わらずスレンダーな体だ。鳴かせがいもないなぁと龍之介は考える。

「ふふん!当然、この(アタシ)に万事抜かりはないわ!・・・・・・ただ、野外ライブを開くのに魔力が足りないのよねえ」

抜かりあるじゃないか、とは言わない。あくまで一般人である龍之介は魔力というゲームでよく聞くような単語に首をかしげた。

「魔力?MPってやつ?」

「えむぴー?」

「あれ、ゲームみたいなもんじゃないの?」

「リュウノスケの言うゲームでどんなものが使われてるのはわからないけど・・・・・・魔力は魔力よ」

「ふーん・・・・・・とりあえず、また女の子を連れてくればいいわけ?」

「ううん、その必要は無いの」

そうして、『血の伯爵夫人』と呼ばれた反英霊は、瞳を妖しく光らせた。

 

 

「ねえ、リュウノスケ?────(アタシ)のために、ちょっと死んでくれない?」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁ?」

最期に、雨生龍之介が見たものは────切り落とされた己の右手と、それを嬉しそうに眺めるエリザベートの姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴女達も!増えたのか!サクラシリーズ!!

「は?」

切嗣のサーヴァント、アサシン・謎のヒロインXは開口一番そう叫んだ。舞弥が眉を(しか)める。

「マスター!これは由々しき事態ですよ!」

「いや・・・・・・なにが?」

「アルトリア、赤・青ランサーに次いでまさかのサクラまで増えてしまったのです!くっ、聖女シスターズばかりを注視していたせいですか・・・・・・!」

「いや、だから・・・・・・なんだよ、それ」

切嗣の困惑の声に、アイリスフィールと舞弥もコクコクと同意する。

「・・・・・・ふう。一から教授する必要がありそうですね」

やれやれと肩を竦めた謎のヒロインX。どこからともなくテレビのニュース番組で見かけるようなボードを出してきた。いや、割と真面目にどこから出したんだ。

「『うそ・・・・・・このサーヴァント、増えすぎ!?』ランキングー!!!(私調べ)」

「わー!」

アイリスフィールが割と楽しそうに拍手をする。箱入りお嬢様はこういう与太番組(?)に興味津々らしい。Xも満更ではなさそうだ。

「・・・・・・切嗣、何が始まるんです?」

「大惨事だ」

これから巻き込まれるであろう茶番に、舞弥と切嗣は揃って肩を落とした。

「栄えあるというか私の中でワーストな第一位!」

「ででん!」

「『アルトリアシリーズ』!」

アイリスフィールが合いの手をかける。ペリペリとXがボードをめくると、デフォルメされた大量のアルトリア顔が現れた。どうも手描きらしい。疲れ切った、しかしやり遂げたようなどや顔でXはサムズアップする。

「夜なべしました」

「聖杯戦争そっちのけでお前は何をしているんだ!」

「おやマスター。貴方がそれを言うんです?」

「は?」

Xはにこりと笑って、

「さくやはおたのしみでしたね」

「ぐぁっ!?」

謎のヒロインXのカウンター!切嗣にクリティカルヒット!切嗣は羞恥で蹲った!

「さくやはおたのしみ?・・・・・・ああ、ええ、とても楽しかったわ!この人ったらとても可愛いんだもの!」

「マダム・・・・・・」

切嗣は戦闘不能らしい。声にならない叫びを発しながら床を転がっている。こうなると舞弥が最後の砦(唯一のマトモ枠)である。

Xがつらつらと名前を挙げ始めた。

 

「アルトリア・ペンドラゴン・セイバー、アルトリア・ペンドラゴン・オルタ・セイバー、アルトリア・ペンドラゴン・リリィ・セイバー、アルトリア・ペンドラゴン・ランサー、アルトリア・ペンドラゴン・オルタ・ランサー、アルトリア・ペンドラゴン・アーチャー、アルトリア・ペンドラゴン・オルタ・メイド・ライダー、アルトリア・ペンドラゴン・オルタ・サンタ・ライダー、謎のヒロインX・オルタ、社長セイバー、マスターアルトリア、セイバーライオン、そして私、謎のヒロインXと謎のヒロインXXです!」

 

「多い!」

アルトリア・ペンドラゴンがゲシュタルト崩壊するような多さだった。

「まだまだ。これはあくまで『アルトリアシリーズ』ですから。『アルトリア顔』であれば不肖の息子や聖女シスターズだって入りますからね」

「なんて多さ・・・・・・っ!切嗣、どうやら私には荷が重いようです!早く戦線復帰してください!」

「続いて第二位!」

「ででん!」

「『サクラシリーズ』!あ、ここでのサクラシリーズはアルターエゴの話ではないので悪しからず」

「・・・・・・?」

ペリペリペリとボードをめくれば、またもや手描きらしき少女の絵が描かれていた。どことなくアルトリアの時よりも含みがあるような笑みなのは気の所為だろうか?

 

「間桐桜、間桐サクラ、黒桜、BB、水着BB、メルトリリス、パッションリップ、キングプロテア、ヴァイオレット、カズラドロップ、ブロッサム先生、サクライダー、パールヴァティー、カーマ!」

 

「サクラシリーズでいいんですか!?」

先程とは違い、『サクラ』という名前が全然出てこない。あといま同姓同名がいなかったか?

「桜とサクラは別物ですよ。漢字とカタカナですから」

「はあ・・・・・・」

妙なこだわり?があるらしい。というか、

「間桐、ですか?」

それは確か、他の御三家の名前ではなかったか。

「ええ、間桐です。・・・・・・そういえば。ギャグ時空ですと彼女はアレな子ですが、シリアスだとヤバい子でしたね・・・・・・」

「待て待て、間桐!?お前何か関わりがあるのか!?」

切嗣が復活した。己の恥辱よりも他陣営の情報が重要だ。

()はないですけど、別の私はあったようで」

「別のセイバー・・・・・・」

「はい。・・・・・・まあ、所謂『正しいわたし』ってやつです」

「・・・・・・意外だな」

「なにがです?」

「いや、お前がお前以外を『正しい』と認識するなんて」

「いやまあ、私は正しい訳では無いですしね」

「は?」

「私は真のセイバーであって、正しいアルトリアだとは一言も言った覚えはありません」

「・・・・・・お前と話してると頭が痛くなる」

「ひどい言われようです」

アルトリアは拗ねたように唇を尖らせ、しかしすぐに幼子を諭すような、優しい笑みを浮かべた。

 

「何が正しく、何が間違っているのか。何が悪で何が善なのか。その基準は人それぞれですし、見ている側面によっても大きく変わるでしょう。物事は一方的に決めつけるべきではありません。マスター、アイリスフィール、マイヤ。どうか、それをお忘れなく」

 

「セイバー・・・・・・」

アイリスフィールが感動したように声を漏らす。

切嗣と舞弥も、表には出さないながらその言葉を胸の内で反芻していた。まさか、このサーヴァントに諭されるとは。

しかして、その感動を裏切るのがセイバーもどきクオリティ。

 

「それはそれとして、私以外のセイバーは全て悪ですけどね!変わりようのない事実です!!」

 

きらりと光る歯。満面の笑み。ピンとたった親指。ご丁寧にウインクまで。

 

台無しだよ、舞弥までもが声を荒らげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい、リュウノスケ。でも、でも、ねえ、仕方ないわよね?」

「だって、だって(アタシ)、とってもとっても歌いたいんだもの。歌って、踊って、愛されて────それが、アイドルなんでしょう?誰だって、それだけで愛してくれるんでしょう?それだけで(アタシ)を許して、認めてくれるんでしょう?」

 

 

「だから、(アタシ)(アタシ)(ワタシ)────みんなに愛される存在(アイドル)になりたいの」

 































大奥たーのしー!わーい!
いやほんと、ぐだの精神力半端ないと思いますよ・・・・・・僕は一瞬で堕落してしまう気がする・・・・・・カーマ可愛い綺麗「光」に対して卑屈なのほんとお前・・・・・・あと新キャラさんもバブみ溢れていいと思います。カルデアでも甘やかされたいなでなでされたい・・・・・・ピックアップ2ありません?あってもキアラさんと柳生さん?そっかー。

ちなみに増えすぎランキング第三位はタイでエリザベートシリーズと聖女シスターズ。
エリザベートシリーズは
エリザベート・バートリー・ランサー、エリザベート・バートリー・キャスター、エリザベート・バートリー・セイバー、エリザベート・バートリー・バーサーカー、メイガス・エイジス・エリザベート・チャンネル、メイガス・エイジス・エリザベート・チャンネルⅡ号機、カーミラでした。水着増えていいのよ?

聖女シスターズは
ジャンヌ・ダルク、ジャンヌ・ダルク・オルタ、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ、ジャンヌ・ダルク(水着)、ジャンヌ・ダルク・オルタ(水着)、JKジャンヌ、神風魔法少女ジャンヌでした。
・・・・・・脳筋鉄壁の聖女、ツンデレ火力馬鹿、、幼女、姉なるもの、デレしか見えないツンデレ、頭悪い子、あざと犬耳・・・・・・これには座の本体も心労がマッハ。可哀想(こなみかん)
(ちなみに私調べですのであまりあてにしないでください)

それでは、今日一日、エイプリルフールを存分にお楽しみください。

何エンド?

  • 【T】皆の愛と勇気が冬木を救うと信じて!
  • 【T】ユニヴァースの力を見せてやろう
  • 【B】人類悪に勝てるわけ無いだろ!

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