遠野物語(四季に憑依)   作:チョコラBB

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魔導書をセラエノ断章から象牙の書に変更しました。


第四次聖杯戦争終結(巻き風味)

原作通り大火災が発生した。

隠蔽班も大多数が殉職、きっといまも対処に右往左往しているだろう。

ただし俺が提出した書類などのおかげで正確には分からないが恐らく原作よりも死傷者が減っているようである。

偽善ではあるが一人でも多くの人が生きているのならばうれしい限りである。

 

さてそんなことを胸の内で語りつつ俺は現在何をしているか?

答えは簡単。

間桐家、すなわちマキリへの襲撃である。

なぜこうなったのか?

説明すると意外と簡単なことである。

大火災発生。

どさくさに紛れてアインツベルンとかケイネス先生の魔術的資産をネコババ出来ないだろうか?

→既に協会も動き出しており予想以上に警戒が強い、またはすでに確保済みのため無理。

→マキリは襲撃してもどこからも文句が来ないし、今なら聖杯戦争終わって油断してるのでは!?

→急な悪寒と共に意識が遠のく

→意識が戻ると間桐の地下室で火の海now!

 

どういうことだ!?まるで意味が分からんぞ!?

いやどうしてこうなったのか記憶はあるのだ。

確か・・・俺の目の前に象牙の書が浮かんでて・・・ダウトっ!!

原因が分かった。

俺はクソ魔導書によってSAN値が尽きて一時的発狂状態に陥っていたのだろう。

そして一時的に正気を失い、完全に反転した俺はそのまま間桐家へカチコミ。

魔術で間桐家の魔術的防衛処置をすべて無効化、地下室にて異能を今までと桁違いのレベルで発動させて全身をボロボロにしながらも共融により蟲共を喰らって肉体を補填しつつ、更に鬼の血がなせる業か自滅前提で炎を発生させて地下室そのものを火の海にかえた。

 

「そしてこうなるのか・・・。」

 

そして最後に俺から隠れ逃げようとしたゾウケンの身体の大半を燃やし尽くし、半死のアイツを象牙の書の力によって俺の使い魔にしてしまった。

ヤツは現在魂だけで俺の肉体に囚われているような状態で奴の魂に蓄えられた知識や技術が俺に流れ込んできている。

流石はゾウケン、腐っても鯛というべきか、方向こそ違えどロアに勝るとも劣らない魔術の知識である。

その優れた英知を全て絞り出しヤツそのものは完全に自意識を奪って俺の使い魔とした。

魂すらも俺に囚われているが特にこれ以上ジジイを苦しめるような趣味もないので眠らせた。

まあ、いつか俺が死ぬような目にあったとき、俺の致命傷を肩代わりして貰うその時まで俺の中で眠り続けてもらうとしよう。

 

意図したものの全く俺の意志とは関係ない過程を経てゾウケンを倒して使い魔にしてしまった。

・・・うん、どうしよう?

 

 

 

冬木の大火災が発生して、言い換えるならば第四次聖杯戦が終了して半年が経過した。

俺はというとあれから表向きには日守家に戻り、その後日守の分家として聖杯戦争時に使用した隣町の洋館を拠点として独立した。

その際に遠野四季から日守四季へと名前を改めて、正式に遠野の一族から除名されることとなった。

次に裏側ではクトゥルフ的手法によって使い魔にしたゾウケンに引き続き間桐を支配させて俺は基本的に表に出ず間桐の地下室を正式に俺の工房へと改装した。

何しろ工房としてみる限りは良質な場所であったし、同じ水属性魔術師の工房なのでよく俺に馴染んだ。

気味の悪い蟲も俺か、それとも魔導書の影響か形状が変化した。

なんというか男性器に似たR18的な形状が外宇宙的な意味でのR18G的な形状に変化してしまった。

これについてはまた詳細に説明する機会を設けるとしよう。

次にゾウケン。

命令を与えておけば今まで通りに思考し振舞うことが出来るが、命令しなければずっと座ったまま身動き一つせず置物のように停止している。

魂を俺に握られているので基本的に自由意志などなく反逆の恐れもない便利な駒扱いである。

反面、存在の根本を俺に抑えられて創造性や自律性が損なわれたが魔導書の魔力炉からの供給によって人食いの必要性が激減した。

まあ完全にゼロではないので偶に外道に堕ちた魔術師でも食わしとけば維持する分には問題ないだろう。

最後に間桐家と他の面々。

間桐鶴野と慎二は家を出て正式に一般人になった。

一応連絡を取り合っているが、生存確認程度である。

なお俺と間桐家の現状は鶴野には教えている。

最後に間桐桜は日守と間桐を行き来してまっとうに(?)魔術師としての道を歩ませている。

本人が拒否するのなら無理に魔術を教える気はなかったが、どうせこのままではほかの魔術師にホルマリン漬けにされるだけと説明して俺(ゾウケン)や日守秋星に魔術を師事している。

偶に遠野に連れて行ったりしたが琥珀、翡翠、秋葉、桜の四人が並んでいる風景は原作を知っている者からしたら、なんというか…名状しがたい気分になる。

 

他の面々は大体原作通りで武家屋敷には衛宮切嗣と士郎が住んでいる。

ウェイバー君とはコンタクトがついた。

大火災時に全裸の英雄王を遠めに見ながら被災者や彼を救助した際に初めて顔を合わせたのだ。

マッケンジーさんについての説明とケイネス先生の顛末を教えて連絡先の交換を行っただけであるが、まあ恩も売ったしファーストコンタクトとしては及第点だろう。

 

遠坂については原作と少し様変わりしている。

遠坂時臣は原作通り亡くなり、遠坂葵も廃人となった。

遠坂凛は原作通り気丈に母親の介護や魔術師としての鍛錬を行っているようだが原作よりもかなり経済状況が良いいようだ。

それは以前遠坂を訪ねていった日守弥一郎の影響である。

弥一郎は生前の時臣と親交を結んでいたようで独りになった凛の世話を何かと焼いていた。

どっかの愉悦神父と違い真っ当な人格者であるため二束三文で土地を売ったりせず素人ながらちゃんと資産運用をしていたからだろう。

原作とは比べ物にならないほど経済状況はいいようだ。

・・・まあ大半の資産は格安でゾウケン(俺)が買い取ったので、この事実を知った時の彼女のリアクションが楽しみでならない(愉悦)。

一応俺も弥一郎が旅に出る前に挨拶を行ったが、せいぜい自身の恩人の親戚で隣町を拠点にしている新米魔術師という認識だろう。

 

色々と思考していると脳裏に頭痛のような信号を受け取る。

俺は名前を遠野四季から日守四季に改めた。

正式に遠野から除名された結果、色々な方面からお客さんが来るようになったのだ。

遠野は一時よりはマシだが結構恨まれてるだろうし、現存する力ある混血とか魔術師連中からしたら恰好の研究対象だもんね、しょうがないネ。

今回も中々の実力者のようであるがロアの知識を基に俺が全力で構築した魔術工房で一部は魔導書により異界常識すら反映させているのだ。

例え封印指定でも殺せる自信がある。

・・・ホラコイツも変質した蟲に対処しきれず身体の自由を奪われた。

 

「さてまた侵入者を捕獲したな。魔術師か…どこぞの混血か…。まあ敵に対しては慈悲はない。奪えるものは奪って外道ならばゾウケンの餌にでもするか。」

 

まあ予想されたことだし敵対者は大概外道なので人道をあまり考慮せず対処できる。

奪えるものは知識はもちろん資産から、身体から、魔術刻印まで全てを奪いつくして有効活用してやろう。

逆に最近は質のいい生贄が多く来ることを祈るほどだ。

 

「クク、クハハハ、ハーハッハッハッハッハ!!」

 

これから侵入者から得られるだろう利益に心躍らせ、

間桐の地下工房に俺の嗤い声が響き渡る。

 

そしてそんな俺の嗤い声が落ち着いた頃、1階地上部分へと繋がる入口から

鈴のなるような可愛らしい声がかけられた。

 

「・・・あの、四季さんは小悪党っぽいので悪役ムーヴしても微妙ですよ?・・・正直少しキモいです。」

 

「アッハイ。」

 

ウチの桜ちゃんは声は可愛らしいけど辛辣です。

 




魔導書の封印がナチュラルに解除されました。
少し影響を受けていますが、強固な自意識でまだ大丈夫です。
ただしマイルールに抵触した相手(明確に敵対してきた相手)には一部名状しがたい外道行為の制限が解除されます。

ウチの桜ちゃんにはBBちゃんがインストールされ始めました。
計算式:桜+幼少時の虐待+外道風味小悪党系保護者+TOONO=BBちゃん

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