日々司令としての仕事に追われる菊月桜花だが、彼が日々の生活に耐えれるのは訳がある。
それは吹雪、雷電姉妹との時間…だけでなく秘蔵のコレクションのおかげだ。
性帝幼女寮、かつて有志のロリコン達が築きあげようとした
そこにあるのはかつてロリコン達が共有しようとしていたお宝…そう、つまりは彼もまたロリコンなのだ。
「ンマッァアアアアベラス!エクセレンッ!!ああ…ここだけがロリコンとしての私を晒け出せる!」
これが彼の知られてはいけない楽しみの時間…なのだがそこに忍び寄る人影があった。
「総司令…ちょっとがっかりだね…いやまあ都合がいいのは確かなんだが…」
知られてはいけない楽しみ、それを暴いたのは…ネバダだった。
「何故ここに!」
「あたしは運に自信があるんだ、こっちに来たら目的が達成できる気がしてね」
それが確かならネバダは桜花に対して何か要求があったという事、そして今、脅迫のネタを持ったネバダに対して桜花は無力だ。
「何が望みだ」
「なに、簡単な事さ…少しあたしにつきあってくれ!」
「グボァ!!」
付き合うの意味が出かけるというのはわかっている、それでもそのワードへの抵抗感ゆえに血反吐を吐いたロリコンを責められる人がいるだろうか、いやいない。
その日、コータは戦慄した。
総司令、菊月桜花さんは吹雪、雷電姉妹の3人を侍らせたハーレム系主人公のロリコンにして、どう考えてもロリではないが、既にエンプラさんとバディを解消するなんて考えられないコータにとって複数の女の子と関係を結んだ理想であり目標であるロリコンのはずだった。
その彼が…ネバダと歩いていたのだ…
「司令はロリコンだと…信じていたのに…」
「コータ、それは勝手な妄想が過ぎるだろう。それにそんなに落ち込む事なのか?」
落ち込み下を向くコータも、コータを慰めるエンプラさんも、桜花さんの顔色が今にも死んでしまいそうなほど酷い事に気付かなかった。
街に連れてこられた桜花は地獄を見ていた、艦娘だけでは外出できないためバディもおらず、仲のいい指揮官候補もいないネバダは街に来れていなかった。
そして今までの鬱憤を晴らすように彼女は…少年に声をかけまくっていた。
あまりに行動力のありすぎるショタコンの暴走に付き合わされ、はぐれる訳にもいかずたまに腕を組まれては吐きそうになる気持ちをこらえて桜花は地獄のような時間を過ごしながら吹雪と雷電姉妹に何かプレゼントを買っていこうかなんて考えていた、紳士だ。
ロリコンであっても彼は気遣いのできる紳士だ、決してネバダに思考を割かないためでは無い、彼は紳士なのだ!
そんな彼の思考を邪魔するように怒号と甲高い音が聞こえる。
「火事だあああああ!!!」
叫び声の方を振り向くと小さめのマンションが燃えている、消防士では無いが人を守る仕事をしている彼らは駆けつける。
「司令!緊急事態だから堅いこと言うのは無しだぞ!中から声が聞こえたらぶち破る!」
「責任取らされるのも書類書くのも慣れてる!人命救助が優先で!」
「任せな司令!じゃあ行ってくる!」
一人で行こうと考えているネバダに桜花は獰猛な笑みを浮かべる。
「舐めるなよ?ロリが危険に晒されてるかもしれないんだ、僕だって変態四天王に匹敵する
「司令!恐れずにどんどん進むのはいいぜ!行こう!」
「ロリは任せろ!」
その後、艦娘であり人間とは隔絶した身体能力を持つネバダと、変態性で人間を半分辞め、身体能力を得た桜花により激しい出火ながらも死者0の偉業を成し遂げ、後日母港の方へ感謝状が贈られる事になった。
「司令、今日は災難だったな、服も所々焦げてるじゃないか」
「災難なのは住む場所を奪われた人たちで僕じゃ無い、どちらかといえばロリを救けるヒーローになれて幸運だったくらいだ」
「司令は女の子達に生活の足しにしなさいって時計とか渡してたな!いいのかい?連絡先教えなくて」
「彼女たちが幸せになれるならそれでいいんだ、そういう関係には…なれたらなれたで嬉しいけど吹雪や雷、電がいるからな…」
「ほほーう…3人と関係を持ってるのか…やらしーねー司令」
「なんせバディを越えて結婚までしてるからな!」
結婚…戦いに身を置く艦娘にとってそれは得難い幸せ、ネバダもまた少年とそのようになれたら…とは考えている。
だが今日ばかりはショタコンのネバダも人命救助に奮闘した桜花をカッコいいと思ったのだ。
「このくらいなら浮気にはならないだろ」
吹雪と雷電姉妹の可愛さを語るのに夢中な桜花に近づいたネバダは、桜花を抱き寄せディープな方のキスをたっぷり行ってから、完全に呆けた桜花を残し先に母港へと帰った、その頬は赤く染まっていた。
残された桜花は絶望に打ちひしがれ、しばらくしてから溢れ出る涙を抑える事ができず、なんとか母港に帰った後も数日間は夢にネバダが出てくる恐怖に悩まされ続けたとの事だ。