神撃ノ物語 其ノ輝キノ神々タチヨ   作:仮面ライダーイグジテス
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絶望を希望に変えるものたち

「フ、フハハハハ!!これが、黄金の果実!その禁断の力か!」

 

謎の男、キリストは、仮面ライダー鎧武・葛葉紘太から奪い取った【極ロックシード】を取り込み、新たな力を感じていた。

 

「これで、計画を第2段階に進めることができる!」

 

高笑いしながらキリストはエニグマの内部に入り、端末を操作する。

数々のデータが写り、その中から4つのデータを抜き取り閲覧する。

 

「クク……奴らの絶望に沈む顔が楽しみだ……!」

 

それは、力を求めた地獄(ヘルヘイム)の魔王。

 

それは、天罰を断つ勇ましき銀の刃。

 

それは、生と死を超越する自由意思。

 

そしてそれは、罪の業火(魔女狩り)に身を焼かれる少女たちの明けない夜。

 

 

 

 

 

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【???】

 

「さぁて、鎧武が言ってたのは……うん、ここだな」

 

とある場所、その男は手に持っていたドーナツを一旦袋に入れ、右手に謎の指輪を取り付けて腰の“掌”を模した部分に翳す。

 

《フォ-ル!!プリ-ズ!!》

 

すると魔法陣が生成され、地に着いた魔法陣から下が空洞となる。

空洞は地下深くまで続いており、中を覗き込んだ男が面倒くさそうに頭を掻く。

 

「あ、結構深いな、これ。面倒だから変身するかぁ……」

 

男は右手に腰のバックルと同じ模様の描かれた指輪を取り付け、翳す。

 

《ドライバァ-オン!!》

 

するとみるみる内にバックルがベルトとなり、バックルを左にスライドされて、男もまた左手に紅い指輪を取り付け、掛け声をかけて変身する。

 

《シャバドゥビタッチヘンシ-ン!?シャバドゥビタッチヘンシ-ン!?》

 

「変身」

 

《フレイム・プリ-ズ!!ヒ-!ヒ-!ヒ-ヒ-ヒ-!!》

 

指輪を翳した左から紅い魔法陣が出現し、それが男を貫通する。

その瞬間、男の身体が黒いローブに包まれた、さながら“魔法使い(ウィザード)”とも思える姿に“変身”した。

 

「フゥ……とっととやっとくか」

 

変身したウィザードは右手の指輪を付け替え、付け替えた指輪の力を発動する。

 

《ルパッチマジックタッチゴ-!!ルパッチマジックタッチゴ-!!》

 

《ドリル!!プリ-ズ!!》

 

軽快なリズムの音声の通り、ウィザードは高速回転しながら地下を進んでいく。

しばらく進んでいくと、薄暗い駐車場のような場所に着いた。

そして、その中央に真紅の自動車、『トライドロン』が鈍く輝いていた。

ウィザードはトライドロンに乗り込むと、カーナビと思わしき光を発さないベルトのバックルのようなものを見つける。

 

「目的のモノ発見……と」

 

もう言わずともわかるだろう、ウィザードは指輪を交換して効果を発動させる。

 

《ウェイクアァップ!!プリ-ズ!!》

 

小さな魔法陣を召喚し、それがカーナビのようなバックルを包み、その瞬間バックルに光が灯される。

そして、目覚めたバックル……『ベルトさん』は、トライドロンの座席に脚を組んで座っている来訪者に声を掛ける。

 

「ム?君は確か……」

 

「仮面ライダーウィザード“操魔晴人”。アンタを起こしたのは、俺の魔法さ」

 

「フム……私が起こされるとは、何か良からぬ事が起きているようだね…!」

 

Exactly(その通りでございます)!ってコトで、アンタも力を貸してくれ」

 

「ならば、進ノ介の元へ急いでくれ!彼は必ず力になってくれる」

 

「はいはい、魔法使いにお任せあれってね」

 

《テレポ-ト!!プリ-ズ!!》

 

ウィザードはベルトさんを抱え、トライドロンと共にワープする。

 

 

 

 

 

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【見滝原市】

 

一方で、見滝原市。

 

“巴マミ”、“佐倉杏子”、“百江なぎさ”の三人の少女は、数分前に“美樹さやか”からのメールが送られ、ワルプルギスの夜の使い魔が蔓延る街で合流していた。

その手には、それぞれの色を模したような美しい宝石、『ソウルジェム』が握られていた。

神妙な面持ちで待機していた三人だが、さやかと“鹿目まどか”が到着し、一斉に駆け寄る。

 

「来たわね、鹿目さん、美樹さん……」

 

「すいません、マミさん、みんな……こんな時間に」

 

「ところで、やっぱりみんなも?」

 

肩で息をしながら走ってきたまどかとさやかは、確かめるようにマミ達に問いかける。

 

「はい、なぎさ達も、この世界が構築される前の記憶もちゃんと取り戻しました!」

 

「アタシたちの記憶が戻ったってことは、ほむらの奴になんかあったってことだろ?」

 

「それに……鹿目さんの力も」

 

かつて、魔法少女はその成れの果てである魔女と戦い、絶望が絶望に還元する連鎖の中でゾンビのように生きていた。

しかし、“暁美ほむら”の時間逆行能力でさやか、マミ、杏子、そしてまどかを中心とした幾多もの時間軸移動を繰り返し、その末にループの中心であるまどかに因果律が集中し、数え切れない時間逆行の結果、全てを覆すほどの力がまどかに集結した。

そしてまどかは「全ての魔女を生まれる前に消滅させる」願いと能力を得てこの世界の根源から全ての魔法少女の絶望を受け止め、世界は書き換えられる結末となる。

ただ一人、それは全知全能たる神としての遊び心か、または情のためか、ほむらだけがその事を認識し、それを忘れないために、心からの友達との繋がりを確かめるために、ほむらはインキュベーターにそれを伝達した。

 

してしまった。

 

魔法少女=魔女を作る保育器であるインキュベーターは、“円環の理”として存在だけを認識していたまどかを直接的に接触することを求め、魔女化したほむらを絶望だけの世界へと閉じ込めた。

円環の理としてのまどかの救済により、インキュベーターから解放されたほむらだったが、円環の理に接触した瞬間にその力を「人間としての鹿目まどか」と「神としての円環の理」へと分散し、見事に悪魔となり世界を自身の好きに構築してみせた。

 

だが、突如現れたキリストの「捻れた赤の槍」の力で神の力を無効化され、キリストの起動させたエニグマの次元同士を結ぶ力でほむらの構築した世界は不安定となってしまった。

結果、ほむらの支配から解放されたまどか達は、その力と全ての記憶を取り戻したのだ。

 

「はい……全て思い出しました。力も含めて、多分、この世界の“核”に近いほむらちゃんに何かあったとしか……」

 

「アイツの事ですし、大丈夫ではあると思いたいんですが……この異変を見る限り、事態は深刻みたいです」

 

さやかはそう言うと空を見上げ、ワルプルギスの使い魔が支配する街を見渡す。

辺り一面使い魔だらけで、何故か本来持たない“魔女の口づけ”の能力を使い、見滝原の市民を洗脳している。

その光景を確認し、全員に目配せし、さやか達はソウルジェムを構える。

 

「話してる時間はそろそろ無いのです!」

 

「なぎさちゃんの言う通りね……行きましょう!」

 

「ま、随分忘れてたからな……アタシたちの責務ってやつ」

 

「まどか、ほむらの無事を知る手掛かりはきっとある。だから、今はこいつらをなんとかしよう!」

 

「うん、さやかちゃん、みんな!行こう!」

 

ソウルジェムから眩い光が放たれ、それぞれ違い輝きを纏い、魔法少女へと変身する。

全員が変身を完了し、マミがキメるように言い放つ。

 

「久しぶりに行くわよ、ピュエラマギ・ホーリークインテット!!」

 

「なのです!」

 

「え?」

 

「あ……」

 

「はぁ?」

 

マミだけが寂しくポーズを決める中、まどかとさやかと杏子は微動だにせず、マミだけが寂しくポーズを決める光景。

シーンと静まり返り冷え切った空気に耐えられず、顔を真っ赤に赤面させながらマミが弱々しく三人に同意を求める。

 

「……あれ?何で、みんな……」

 

「マミとなぎさ以外誰もやってないです!なぎさは前は仲間はずれだったからやってみたのです!」

 

「あぁ……いや、マミさんを尊敬していない訳じゃあないんですよ?本当に」

 

目を泳がせるさやか。

 

「あの……ウェヒヒ」

 

乾いた笑いで言葉を濁すまどか。

 

「いや、だってあんなこっぱずかしいポーズとダサい名前叫びたくないし……」

 

そしてついに包み隠さずぶちまける杏子。

ズドン!!と効果音が聞こえるほどにマミに三人の言葉が重くのしかかる。

涙目の顔を真っ赤にしながら、羞恥心でうずくまってしまう。

 

「ちょっ、杏子!もうちょっとオブラートに包んで言いなさいよ!?」

 

「杏子ちゃん、ちょっと今のは酷いよ」

 

「はぁ!?何でアタシだけなんだよ!?」

 

「マミの顔真っ赤っかなのです!」

 

「ちょっともぉ……穴があったら入りたいよぉ……!」

 

真っ赤になった顔を抑えながら静かに啜り泣くマミ。

その光景を見て焦るようにさやかたちが杏子に謝罪を促す。

 

「ほら!マミさん泣いちゃってるじゃん!」

 

「ちゃんと謝らないとダメだよ杏子ちゃん!」

 

「いや、だからなんでアタシだけ!?」

 

ここは使い魔たちの支配する最前線での光景だ。グダグダとかそういうレベルではない。

こんなところで女子中学生あるあるなトークをしている場合ではない。使い魔の攻撃がまどか達に襲いかかる。

攻撃を確認し、マミが涙を拭いて完全にかつての戦いの時のようなキリっとした目つきへと変わり、全員使い魔の攻撃を回避して各々で反撃を繰り出す。

 

「っと!こんなん話してる場合じゃあなかった!」

 

「早くほむらと合流し、異変の元を突き止めるのです!」

 

サーベルの二刀流でさやかは押し寄せた使い魔の大群を一刀の元に斬り伏せ、かつての汚名返上と言わんばかりの斬撃のラッシュでどんどん溢れかえる使い魔を横薙ぎに割く。

なぎさはトランペットのような武器からシャボン玉を大量に発射し、小さな使い魔はその中に取り込まれ圧死、他の使い魔にもシャボンの弾ける衝撃でダメージを与える。

一気に制圧したさやか達は、背中合わせの円陣を組んで作戦を立てる。

 

「ここらを一気にお掃除して、暁美さんのところへ向かいましょう!」

 

「街の方はなぎさとマミが守るのです!さやか達はほむらのところへ急ぐのです!」

 

「大丈夫なのか?」

 

「佐倉さん、貴女に魔法の使い方を教えたのは私なのよ?少しは後輩達にカッコいいところ、見せたいの!」

 

杏子に余裕を見せるかのようにウィンクを見せつけ、マミがマスケット銃をガンスピンさせる。

 

「さっきまで恥ずかしいところを見せてたから、尚更なのです!」

 

「……頼みました!行こう、杏子!まどか!」

 

「うん、さやかちゃん!」

 

「……マミ!必ず帰ってくるから、またケーキ作ってくれよな!」

 

「ええ!存分に暴れてあげるわ!」

 

「なぎさも頑張るのです!」

 

走り去っていくまどか達を尻目に、マミとなぎさは使い魔の群れに一瞥し、マスケット銃の発砲音の瞬間、戦闘が始まる。

マミはマスケット銃を次々に召喚しながら的確に使い魔たちを撃ち抜き、接近してくる個体には華麗な足技を放ちながら跳躍、空中で色とりどりのリボンを放ち使い魔を吹っ飛ばしながらそのリボンで超巨大なマスケット銃、もといこのサイズならば大砲と言っても差し支えない。

マスケット砲を構成し、それを一気に放出する。

 

「ティロッ・フィナーーーレ!!」

 

究極の1射を意味するマミの必殺技【ティロ・フィナーレ】は使い魔の軍団を一気に木っ端微塵にし、華麗に着地を決める。

 

「やっぱりマミは凄いのです……!」

 

目をキラキラと曇りなく輝かせながら、なぎさはマミの元へ駆け寄る。

 

「まだまだ沢山居るわ、なぎさちゃん、頼りにしてるわ!」

 

「マミがなぎさを頼りに……?じゃあなぎさも沢山頑張るのです!」

 

まだ小学生だけに小さな体格のなぎさが興奮して飛び跳ねる。マミは一瞬安心したような顔を見せ、またマスケット銃を構えて走り出す。

 

「さあ、来なさい!今の私は、もう何も怖くない!!」

 

 

 

 

 

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一方で、深淵のごとき暗闇の中。

闇がその内部を支配してはいるものの、下には白骨化した頭蓋骨がグロテスクに散乱していた。

L.C.Lの凝固した生臭いフィールドで、一人の少女が一糸纏わぬ姿で歩いていた。

美しい水色の髪色、透き通るような白い肌、アルビノを思わせる血のような紅い瞳。

端正に整っているが無表情の顔。その少女は、一歩一歩確かな足取りで歩んでいた。

その時、天井から破壊音を発しながら、巨人が降りて来る。

巨人の名は【エヴァンゲリヲンMark.9】。一つ目のカメラアイは少女を捉え、ボロボロに砕けた腕を差し出し、騎士が姫に跪くようなポーズを取る。

 

少女……“綾波レイ”は、巨人に命令する。

 

「碇くんのところへ……連れて行って」



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