仮面ライダークローズ  ~episode Cinderella~   作:巌窟王蒼魔オルタ

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半年近くあいてしまい大変申し訳ないです。
モチベがあがらず…極力あけずに投稿して行けたらとおもいますん。(誰も待ってないって? 答えは聞かないけど)


Ciao by石動惣一

深夜 カフェ『nascita』の出口から不審な人影が出てきた。 左手には銀色のジュラルミンケースを下げ右手で頭の麦わら帽子を押さえ、まるで顔を隠すかの用に走って行く。

 

「こんな夜更けに何処に行くんだ…マスター?」

 

『nascita』の入口から出て来た万丈が不審な顔をしながらマスターと呼ばれた男 石動惣一に声をかける。 カフェの休業に伴い泊まり込みで片付け等の作業を行っていた為深夜にもかかわらず家ではなくカフェにいるのだった。

 

「万丈か。  いや、明日の朝食の買い出しに行くんだよ。 お前も食うだろ?」

 

 

「……なぁ、マスター、買い出しに行くなら何でそんな大層なケースがいるんだ?」

 

惣一の手に下げられたケースへと視線を落とし再び問いかける万丈。 しかし惣一は質問に答えることは無く万丈に背を向け走り出した。

 

「まて、マスター!!」

 

慌てて惣一を追いかける万丈。 つかず離れずの距離を保ちながら公園に入っていく惣一。そろそろいい歳のはずなのに無駄に運動能力の高い惣一に驚きながらも公園に入ったところで足を止めた。

 

視線の先には花壇の縁にへたり込んでいる惣一の姿があった。

 

 

「俺には壮大な計画があってね、やむを得なかったんだよ。だから見逃してくれない?」

 

 

息をきらしながら尚も軽い調子で言う惣一に万丈が問う。

 

「片付けの時に見つけてさ…何か間違いとか思いたかったんだよ…    何であんたがフルボトルを持ってるんだよ マスター!?」

 

 

「…薄々気付いてるんだろ?   こう言うことだよ」

 

『コブラ!』

 

ケースから取り出した銃のような形のもの…トランスチームガンにコブラフルボトルを装填する。

 

「蒸血」

 

『ミストマッチ…! コッ・コブラ…!コブラ…!ファイヤー! 』

 

惣一を銃から噴出されるスチームが覆うとその周囲に火花が散り始める。

 

スチームが晴れるとそこにいたのは…

 

『と言うわけで 俺がブラッドスタークだ。 いや、お前にはこっちの声の方が馴染み深いか?』

 

喉の辺りを弄ったかと思えば一瞬にしてマスターの声は以前と同じブラッドスタークの声へと変貌する。

 

「何でだよ… 何であんたが…」

 

薄々覚悟はしていたもののやはり受け入れられない万丈は唇を噛みしめながら俯く。

 

『さっきも言ったろ? 俺には壮大な計画があるんだよ。 そのためにこのフルボトルが必要なんだよ』

 

ブラッドスタークがケースを開くとその中には様々な色のフルボトルが20本入っていた。

 

『悪いがこれで失礼するぜ?』

 

「…ふざけるなよ  ふざけんな!!」

 

『ドラゴンゼリー!  潰れる! 流れる! 溢れ出る!』

 

『ドラゴンインクローズチャージ!!  ブラァ!!!』

 

クローズチャージに変身するやいなやブラッドスタークへと殴りかかる。

 

「てめぇのせいで文香や奏、飛鳥達が危険な目にあってるんだぞ!?  人間が怪物になってるんだぞ!?」

 

すれ違う寸前にスライディングで躱すと蛇のような柔軟な動きで万丈の背後に回る。

 

『それはまぁ、あれだな仕方の無い犠牲ってやつだな』

 

その一言で完全にブチ切れた万丈は振り向きざまにアクティベイトレンチを下げる。

 

『スクラップブレイク!』

 

足にエネルギーを集めライダーキックを放つ。

 

『その技はもう知ってるぜ?』

 

僅かに横に体をずらすとスレスレでキックを躱し

 

『それじゃあ万丈、Ciao』

 

『アイススチーム』

 

スチームブレードによる一閃。

 

背後で崩れ落ちる万丈を尻目にケースを拾うと歩き出す。

 

「ま…て……」

 

意識を失ったのかそのまま万丈は動かなくなった。スタークは振り返ること無く闇の中へ姿を消していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ったか?」

 

「あぁ、上出来だ。」

 

気絶していたはずの万丈は起き上がり物陰から出て来た氷室幻徳に声をかける。

 

 

「すぐに気付かれるだろうがやつの持っていたフルボトルは回収出来たぞ。」

 

幻徳の持っていたケースをあけると中には先程スタークが持っていたフルボトルが詰まっていた。

 

「しかしお前も無茶をする。 すり替えるための隙を作るためとはいえ、スタークの攻撃をモロに受けるとは…」

 

「筋肉舐めるな筋肉! 筋肉があればどうにかなるんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー都内某所  ファウストアジト内ー

 

『ははははっ こいつは一杯食わされたな』

 

アジトに戻ってきたスタークがケースをあけると中には色とりどりのTシャツが詰まっていた。

 

威風堂々  親しみやすさ  本日のシェフ 等ダサいTシャツであるが…

 

 

 

『良いぜ 直ぐに取り返してやる』

 

 

そう言い残すとスタークはどこかへと消えて行った。

 

 




赤いマフリャー  やつは反則だろ?

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