この腐った世界に救済を!   作:しやぶ

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今回は次の話の繋ぎなので、山なしオチなしです。


第9話 復活:蓮太郎視点

──覚悟は、驚くほどあっさりと完了した

 

「最終命令だ。総員撤退。以降の指揮は、薙沢彰磨に一任する」

 

「ま、待ってよ里見くん! そっちは、アルデバランの────」

 

「いいんだ。俺は、()()()でいい」

 

「──うそ、まさか......!」

 

 

そのまさかだ。EP爆弾には、もう一つ起爆方法がある

 

簡単な話──衝撃を与える。それだけでいい

 

 

「お馬鹿! そんなことしたら......!」

 

「死ぬだろうな」

 

「そんなあっさり......! 真守くんに続いて、里見くんまで死んじゃったら、私は、延珠ちゃんは......!」

 

「............それでも、俺は行くよ」

 

「どうして!? 一度退きましょうよ! きっとまだ何か方法があるわ!」

 

「他の方法? 脳と心臓を同時に潰して、傷口を焼いて塞いでも再生するバケモノ相手に、他の方法だって? 馬鹿言うなよ、木更さん。そんなものがあるなら、人類はここまで追い詰められてねぇよ」

 

 

奴の体内深くまで衝撃を届けるには、通常兵器では荷が重い。だから、俺がやるしかない

 

 

「......里見、俺が代わろう」

 

「駄目だ」

 

「いや、俺の技は外道の技。金輪際封印しなきゃならん。死に場所としては、上等だ」

 

「いいや、彰磨兄ぃ一人であの包囲網を突破できるとは思えねぇ。さっきも見たろ? 俺には義足のスラスターと義眼がある。死ぬのは、俺一人でいい」

 

「いや」

 

「いや──」

 

 

「────あぁもう煩いですねっ! 要するに、誰も死ななきゃ良いんでしょう!?」

 

 

「......え?」

 

 

この、声は────

 

 

「だったら、()()がやるしかないでしょう!」

 

 

「ま、()()!?」

 

 

死んだ筈の〝守護者〟が、そこにいた

 

 

「なんですか、その顔は。まるで幽霊でも見たような顔ですね」

 

「いや、だって、お前......! 全身の水分が吹き飛んだって、先生が......!」

 

「そりゃそうですよ。()()()()()()()使()()()んですから」

 

「え......? ──あ」

 

 

 ── ネムリユスリカ

 

 この虫は、クリプトビオシスと呼ばれる『乾眠状態』に入ると不死性を発揮する

 いや、正確には────

 

 

「死ぬ直前に、フランがオレを()()()()()()()んですよ。んで傷を再生して、雨から水を吸収して、地面から這い出しました。室戸先生のドン引きした顔が面白かったですマル」

 

「はっ、ハハッ......! なんでもアリだなオイ!」

 

「はい。実はオレ、なんでもアリなんですよ──てなワケで、後はオレに任せてください」

 

 

 こうして、最後は割とあっさり第三次関東会戦は終戦した────

 

 




次は一週間以内に仕上げます!(信用ならぬ)

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