──覚悟は、驚くほどあっさりと完了した
「最終命令だ。総員撤退。以降の指揮は、薙沢彰磨に一任する」
「ま、待ってよ里見くん! そっちは、アルデバランの────」
「いいんだ。俺は、
「──うそ、まさか......!」
そのまさかだ。EP爆弾には、もう一つ起爆方法がある
簡単な話──衝撃を与える。それだけでいい
「お馬鹿! そんなことしたら......!」
「死ぬだろうな」
「そんなあっさり......! 真守くんに続いて、里見くんまで死んじゃったら、私は、延珠ちゃんは......!」
「............それでも、俺は行くよ」
「どうして!? 一度退きましょうよ! きっとまだ何か方法があるわ!」
「他の方法? 脳と心臓を同時に潰して、傷口を焼いて塞いでも再生するバケモノ相手に、他の方法だって? 馬鹿言うなよ、木更さん。そんなものがあるなら、人類はここまで追い詰められてねぇよ」
奴の体内深くまで衝撃を届けるには、通常兵器では荷が重い。だから、俺がやるしかない
「......里見、俺が代わろう」
「駄目だ」
「いや、俺の技は外道の技。金輪際封印しなきゃならん。死に場所としては、上等だ」
「いいや、彰磨兄ぃ一人であの包囲網を突破できるとは思えねぇ。さっきも見たろ? 俺には義足のスラスターと義眼がある。死ぬのは、俺一人でいい」
「いや」
「いや──」
「────あぁもう煩いですねっ! 要するに、誰も死ななきゃ良いんでしょう!?」
「......え?」
この、声は────
「だったら、
「ま、
死んだ筈の〝守護者〟が、そこにいた
「なんですか、その顔は。まるで幽霊でも見たような顔ですね」
「いや、だって、お前......! 全身の水分が吹き飛んだって、先生が......!」
「そりゃそうですよ。
「え......? ──あ」
── ネムリユスリカ
この虫は、クリプトビオシスと呼ばれる『乾眠状態』に入ると不死性を発揮する
いや、正確には────
「死ぬ直前に、フランがオレを
「はっ、ハハッ......! なんでもアリだなオイ!」
「はい。実はオレ、なんでもアリなんですよ──てなワケで、後はオレに任せてください」
こうして、最後は割とあっさり第三次関東会戦は終戦した────
次は一週間以内に仕上げます!(信用ならぬ)