境界線上の王と姫と龍神   作:龍姫の琴音

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第二十七話境界線上の王と姫と龍神

光に包まれ目を開けるとそこはモノクロの世界が広がっていた

そこには幼少時のトーリとホライゾンが馬車の目の前に飛び出したところで停まっている

 

「え、なんで私まで巻き込まれているの?」

 

触れたのはトーリのはずなのになぜかシュウもそれに巻き込まれてしまった

 

「久しぶりね琴音」

 

琴音の目の前に初等部の頃のホライゾンがいた

 

「本当に久しぶりねホライゾン。ども、どうして私がここに?」

 

「貴女に頼みたい事があるの」

 

ホライゾンからの頼みとなれば予想は出来る

 

「分かってるわよ。トーリの事でしょう」

 

「うん。これから先、きっとトーリは私のために一杯無茶して、痛いのも一杯我慢していくんだと思う。だから、トーリを守って琴音」

 

「分かっているわ。トーリは私たちの王様だからね。でもねホライゾン」

 

小さいホライゾンの目線にあうように膝を折り身を屈める

 

「私はホライゾンの事も守るわ。トーリも、ホライゾンも、武蔵も、全部守るわ。だから・・・安心してホライゾン」

 

「うん。きっと琴音なら出来るよ。だって琴音は私達を守ってくれる神様だもんね」

 

琴音の言葉を聞いてホライゾンは満足そうな顔をするとホライゾンの足が光となって消え始めた

 

「私の願いを聞いてくれてありがとう。大好きだよ琴音」

 

ホライゾンは最後に笑って消えていった

 

琴音は立ち上がり右腰に指している龍葬を鞘から抜くと刀身に力が収束されると琴音は刀を振り上げた

 

「私も大好きだよホライゾン」

 

琴音の1振りの斬撃は空間を斬り裂き世界を粉々に破壊した

 

世界を破壊した事により元の世界に戻ると分解力場壁が壊れホライゾンを抱きしめていた

 

「トーリ、ホライゾン」

 

「ありがとな琴音。おかげでホライゾンを救えたぜ」

 

琴音はトーリとホライゾンの前に膝まづく

 

「トーリ、ホライゾン。ここに誓うわ。これから先、どんなことがあろうと私は貴方達の味方になり守るわ。王、そして、姫」

 

王と姫に誓う龍神。これが王と姫と龍神の三人の新たな旅立ちになった

 

「あぁ、頼むぜ。琴音」

 

「jud。これからよろしくお願いします」

 

トーリが推薦入学の表示枠を取り出しホライゾンはそれを認証する

 

認証されると正純が表示枠を出す

 

正『三河君主ホライゾン・アリアダストは今、武蔵アリアダスト教導院の推薦入学を受けた。彼女の身柄は武蔵アリアダスト教導院生徒会・総長連合預かりとする。そして我々は今後全ての抗争の講和を後のヴェストファーレン会議に預けるものとする!!』

 

審問艦の上に輸送艦が現れハッチが開き直政がネットを引っさげて待機していた。

 

「撤収さね」

 

直政がネットを投げると皆が次々にネットに掴まり撤収する中トーリとホライゾンは教皇総長を追いかけていた。

 

「ちょっとトーリ!『淫蕩の御身』は無理だ。諦めなさい」

 

「今は琴音様に従うべきだと」

 

「そうか、御免な。淫乱にできなくて」

 

「そうじゃねぇだろう!」

 

みんなからのツッコミを受けると輸送管から正純が顔を出す

 

「どっちにしろ時間切れだ。琴音、二人を回収しろ」

 

「jud!」

 

琴音はトーリの体を掴み上げその場で回転する

 

「ちょ!琴音、待・・・」

 

「せいや!」

 

「あ~れ~!」

 

輸送艦に向けて投げ飛ばし輸送艦の中に押し込んだ

 

「見事なコントロールですね琴音様」

 

「じゃあ次はホライゾン」

 

ホライゾンをお姫様抱っこして琴音は輸送艦へと撤退した

 

一方その頃ロッツが倒れている場所ででは・・・

 

戦場で仰向けに倒れているロッツは琴音達が逃げる輸送艦を見上げていた

 

「はは・・・まさか本当に巣食っちまうとは」

 

「笑い事ではありません」

 

ロッツの元にボロボロになった天使のラナが現れた

 

「よぉ、今更来ても俺もお前もボロボロじゃ何にもできないぜ」

 

「えぇ、悔しいですが私も力が出ません。ですからお借りしますよロッツ」

 

「お前、まさか!」

 

ラナはロッツの懐からトールの雷を封じ込めた玉を取り出す

 

「やめろ!それは神の力だ。いくら大天使のお前でもそんなボロボロな体じゃ死ぬぞ!」

 

「いえ、死にません。絶対に逃がさない。神よ!私に力を貸したまえ」

 

雷の玉を握りつぶしラナは神の雷の力をその身に宿し琴音の元へと向かった


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