白竜に憑かれた少女も異世界から来るそうですよ?   作:ねこです

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第2話

 夕暮れが過ぎ、夜の帳が下りる時間。

 弥白とレティシアは飛鳥の事を探し回っていた。

 

「………見つからないか?」

 

「駄目ですね。飛鳥の足ではそう遠くまでは行けないはずですが」

 

 小型の自動人形をばら撒き、空から飛鳥を探す2人だが未だ発見できていない。レティシアの表情には焦燥の色が見え隠れし始めていた。

 

「くそ、私の失態だ! いくら飛鳥でも北寄りの土地でこの時間帯に1人は危険すぎる」

 

 巨大なペンダントランプや数多の光で街を照らそうと、夜の時間帯はいやが上にも魔性を高めてしまう。

 レティシア曰く、北側の悪鬼羅刹には夜に活動が活発化する者が数多く存在しているらしい。この付近の鬼種や悪魔に食人の気があるものは少ないものの、拉致して売り捌かれたりする事は少なからずある。ましてや身分を証明出来ない立場である以上、人攫いには一層の警戒が必要なのだ。

 

「ふむ、仕方ありません。少し数を増やしましょう」

 

 そう呟き、弥白は髪を引き抜く。それを宙に撒くと、髪を核に結晶が生成され鳥型の自動人形となった。

 即席で製造された自動人形達が地上に向かっていくのを見た後、レティシアは困惑を隠しきれない様子で弥白を見つめる。

 

「………やはり弥白も大概おかしな事をやっているな」

 

「そうでしょうか? 十六夜ほどじゃないと思いますが」

 

 首を傾げながら答える弥白。確かに山河を砕く程の身体能力を持ちながらギフトを無効化、破壊する十六夜の異常性と比べれば大したことはないだろう。比較対象が悪すぎるともいうが。

 その後、レティシアの何か面白い展示物が公開されている場所に居るのではないか、という閃きを頼りに、2人は展示物が多く飾られている境界壁の麓に向けて飛んでいく。

 

「なるほど。確かにこの中なら空から探しても見つかりませんね」

 

「ああ。もしかしたら此処に」

 

 2人が境界壁を掘り進んで作られた洞穴の展示会場に下りると、

 

「―――ぎ、ぎぁああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

 劈くような悲鳴が聞こえた。

 突如、展示会場の洞穴からわらわらと参加者達が逃げ出して来たのだ。

 逃亡者の1人である犬耳の男の胸ぐらを掴み、レティシアは事情を問いただす。

 

「中で何があった⁉ 答えろ!」

 

「か、影が………! 真っ黒い影と紅い光の群れが………!」

 

「影だと?」

 

「そ、そうだ。その影が長い髪の女の子と小さな精れ―――」

 

 そこまで聞いて、弥白はレティシアを置いて洞穴の中に飛び込んでいく。黒ウサギから逃走した時以上のエネルギー放出の余波をもろにくらったレティシアと犬耳の男は、体勢を崩して尻もちをついた。

 

「痛ってぇ」

 

「弥白⁉ 待て!」

 

 慌てて弥白を追いかけようとし、異変に気付く。

 

(………⁉ なんだ、この音は………⁉)

 

 衆人の悲鳴に次いで不協和音が響き、不快そうに耳を塞ぐ。

 ペンダントランプの陽炎が不協和音の波で揺らめく中、何らかの異常事態が発生している事を確信したレティシアは翼を広げて回廊を突き抜けて飛んだ。

 

 

 

 

 

 ―――境界壁・舞台区画・暁の麓。美術展、出展会場。

 時は少し遡る。

 とんがり帽子の精霊との追いかけっこを制した飛鳥は、赤窓の歩廊を抜け境界壁の真下にまで走って来ていた。捕まえた精霊に餌付けをし、懐いた精霊を連れ洞穴の展示会場を見て回っている。ちなみに、このとんがり帽子の精霊は「らってんふぇんがー」と名乗っていた。コミュニティの名前らしい。

 様々な展示物が並ぶ中で、飛鳥は歩くキャンドルスタンドを作った〝ウィル・オ・ウィスプ〟製の銀の燭台を眺めながら、魔王から旗印を取り戻す為に気合を入れ直していた。

 その後、飛鳥と精霊の2人は展示会場の奥へと進み、大きな空洞に出る。会場の中心にあたる大空洞には、今までの展示品とは比べ物にならないインパクトがある紅い鋼の巨人が飾られていた。目測でも9mはある巨躯に人間の倍はあろうかという巨大な拳と足、太陽の光をモチーフにしたと思われる抽象画を装甲に描いた姿は圧巻である。

 飛鳥がその巨人を唖然として見上げていると、とんがり帽子の精霊が瞳を輝かせ、肩から飛び降りる。

 

「す、凄いわね。一体何処のコミュニティが………?」

 

「あすか! らってんふぇんがー!」

 

 確かに展示品の看板には『製作・ラッテンフェンガー 作名・ディーン』と記されていた。

 

「まさか、貴女のコミュニティが作ったの?」

 

 今度こそ驚いたように声を上げた飛鳥の言葉に、えっへん! と胸を張るとんがり帽子の精霊。

 もう一度、『ディーン』と名付けられた鉄人形を見上げながら飛鳥は呟いた。

 

「そう………凄いのね。〝ラッテンフェンガー〟のコミュニティは」

 

 よほど嬉しかったのか、にはは、とはにかんで笑う精霊。

 

「軽く見た感じだと、この紅い巨人だけじゃなく、大空洞に集められた展示品がメインの扱いみたいね。貴女達のコミュニティがギフトゲームの勝者になるかもしれないわ」

 

 はしゃいでいるとんがり帽子の精霊を摘まみ上げ、肩に乗せると飛鳥は他の展示品を見て回ろうと足を運ぶ。

 

 ―――異変はその直後に起きた。

 

「………きゃ………⁉」

 

 ヒュゥ、と大空洞に一陣の風が吹き、数多の灯火を一吹きで消し去る。堪らず小さな悲鳴を上げる飛鳥。

 他の客人達も同様に声を上げ、混乱が広がる。

 

「どうした⁉ 急に明かりが消えたぞ!」

 

「気を付けろ、悪鬼の類かもしれない!」

 

「身近にある灯りを点けるんだ!」

 

 闇に閉ざされた大空洞の中で、人間の叫び声だけが不気味に反響する。

 飛鳥は咄嗟に傍にあった燭台を握り、備えられていたマッチで火をつけた。

 

『ミツケタ………ヨウヤクミツケタ………!』

 

 直後、大空洞の最奥に不気味な光が宿り、怨嗟と妄執を交えた怪異的な声が大空洞に反響する。

 危機を感じ取りながらも、犯人の居場所を特定しようと必死に周囲を見渡す飛鳥だが、声が反響して居場所は分からない。仕方なく、飛鳥は力を込めて叫ぶ。

 

「この卑怯者! 姿()()()()()()()()()()()()!」

 

 飛鳥の支配力のある声が大空洞に響くが、犯人からの反応はない。

 代わりに五感を刺激する笛の音色と、怪異的な声が響き渡った。

 

『―――嗚呼、見ツケタ………! 〝ラッテンフェンガー〟ノ名ヲ騙ル不埒者ッ‼』

 

 その大一喝は大空洞を震撼させ、一瞬の静寂を呼ぶ。

 次の瞬間、ザワザワと洞穴の細部から何千何万という紅い瞳の、大量の群れが襲い掛かってきた。 

 

「ね、ねず………ネズミだ⁉ 一面全てが、ネズミの群れだ‼」

 

 誰かの絶叫が響く。大空洞の一面を埋め尽くす蠢く影、その全てがネズミだった。

 地面を覆いつくす程のネズミの大行進。これには流石の飛鳥も背筋に悪寒が走る。

 

「で………出てきなさいとは言ったけど、いくらなんでも出すぎでしょう⁉」

 

 とんがり帽子の精霊が悲鳴を上げる中、飛鳥は何万匹というネズミの波に背を向け、一目散に逃げだす。他の衆人達も狭い洞穴を所狭しと走り大パニックとなっていた。

 このままでは大惨事になると悟った飛鳥は1人、踵を返してネズミの波に立ち向かい、叫ぶ。

 

「も、もういいわ! ()()()()()()()()()()()!」

 

 再び支配のギフトを使うが、ネズミの群れは止まる気配を見せず突進する。

 支配出来ずに焦る飛鳥にネズミの群れが飛び掛かる。咄嗟にギフトカードを取り出し、〝フォレス・ガロ〟と戦った時に手に入れた白銀の十字剣と弥白から貰った鳥型の自動人形を召喚した。

 

「こ、このっ………! ()()()()()()()()‼」

 

 眼前に迫ったネズミを剣でなぎ払い、自動人形に指示を出す。

 結晶の鳥達は光線を放ちネズミの群れを屠っていくが、やはり数が違いすぎる。まだまだ何万匹残っているのか数える事も出来ないネズミの群れは、天井を伝って既に前方にも回り込んでいた。

 飛鳥は構わず進もうとするが、天井から飛び掛かったネズミがとんがり帽子の精霊を襲う。

 

「ひゃ」

 

「危ない!」

 

 飛鳥は堪らずに飛び下がる。支配出来ないのでは後退するしかないが、出口は大混乱で出るに出られない状態だ。我先に逃げる衆人が悲鳴を上げて犇めき合っている。

 

「どけえええッ!」「きゃあ!」「ど、どどうなってるっていうんだ⁉」「お、俺が先だ! 邪魔すんじゃねえ!」「押すな押すなどけ!」「駄目だ、もうすぐそこまで来てる! にげられな」

 

()()()()()()()()()()()()()()()!!!」

 

「「「「「わかりましたッッ!!!」」」」」

 

 怒りと焦りから出た大一喝。混乱は一瞬にして静まり、一糸乱れぬ動きで洞穴を爆走していく衆人達。

 飛鳥も最後尾に続きながら、敵の実体を訝しむ。

 

(支配するギフトが無くなった訳じゃない………! どういうことなの………⁉)

 

 恩恵も持っていても飛鳥の身体は只の人間であり、その速力は一般参加の獣人達にも劣る。自動人形の攻撃を意にも介さず、ネズミの群れはまもなく飛鳥の背中に襲いかかる位置まで迫っていた。

 

(まさか………この子が狙われている………⁉)

 

 頭上から降りかかるという奇妙な襲撃方法から、ネズミの狙いに気が付く飛鳥。

 とんがり帽子の精霊は飛鳥の肩にしがみ付きながら泣きそうな顔で怯えている。手のひらサイズの彼女にしてみれば、ネズミは自分以上のサイズの大型獣なのだ。

 

「………っ」

 

 ネズミの狙いが飛鳥の予想通りなら、精霊を肩から振り落とすだけで難を逃れる事が出来る。しかし、そんな事は彼女の誇りが許さなかった。

 脆弱な意思を振り払い、服の胸元を大胆に開いた飛鳥は精霊を中に押し込む。

 

「むぎゅ⁉」

 

「服の中に入っていなさい。落ちては駄目よ!」

 

 意を決し、ネズミで埋まった地面を全力で走り出す。飛鳥の手足はネズミに噛まれ所々出血し始めていた。

 

(出口までもうそんなに距離はないはず………!)

 

 出口に向け必死に走る飛鳥。追い縋る魔性の群れ。

 しかし次の刹那、よく知っている人物の初めて聞く声音の叫びと、視界を埋め尽くす程の白霧が正面から迫った。

 

「―――飛鳥ッ!」

 

 迫ってきた白霧は洞穴内を駆け巡り、それを浴びたネズミ達は一瞬にして結晶化し砕け散っていく。

 

「今のって………あの数を一瞬で………⁉」

 

 飛鳥や展示物に傷一つ付けることなくネズミの群れを一掃した声の主は、ほとんど飛び掛かるような勢いで飛鳥の前に降り立ち抱きついた。

 

「飛鳥! 大丈夫ですか⁉」

 

「え、ええ。おかげさまでね」

 

 不安げな表情で見つめてくる弥白。こんな顔も出来るのね、なんて事を思いながら飛鳥は返事をする。

 

「2人共無事だな⁉ ―――術者は何処にいるッ⁉ 姿を見せろ‼ このような往来の場で強襲した以上、相応の覚悟あってのものだろう⁉ ならば我らが御旗の威光、私の牙と爪で刻んでやる! コミュニティの名を晒し、姿を見せて口上を述べよ!!!」

 

 次に飛鳥の下に来たのは、真紅のレザージャケットに拘束具を彷彿とさせる奇形のスカートを履いた妖艶な香りを纏った女性。声からレティシアだと分かるが、2人はその姿の変わりように絶句していた。

 美麗な顔を怒りで歪ませ獰猛に牙を剥いて叫ぶレティシアだが、返事も無ければ気配もない。どうやらネズミ共々術者も逃げ去ったらしい。

 息を呑み、言葉を失いながらも飛鳥は激変したレティシアの背に話しかける。

 

「貴女………レティシアなの?」

 

「ああ。それより飛鳥。何があったんだ? 多少数がいたとはいえ、鼠如きに後れを取るとはらしくないぞ」

 

「私は………その」

 

 レティシアは振り返り普段の口調で問いかける。その問いに俯いて言葉を濁す飛鳥。

 

「あすかっ!」

 

 キュポンッ! と飛鳥の胸元からとんがり帽子の精霊が飛び出し、半泣きになりながら飛鳥の首筋に抱き着いて歓喜の声を上げる。

 

「あすかっ! あすかぁっ………‼」

 

「ちょ、ちょっと」

 

「やれやれ。すっかり懐かれたな。日も暮れて危ないし、今日の所は連れて帰ろう」

 

「そ、そうね」

 

 飛鳥は躊躇いながらも頷き、出口に向かおうとする2人に弥白が待ったをかけた。

 

「戻る前に軽く傷の手当だけしてしまいましょう。この程度ならすぐに済みます」

 

「え? してもらえるならありがたいけど、出来るの?」

 

「まあ見ていて下さい。―――『治癒』」

 

 弥白が飛鳥に手をかざして呟くと、飛鳥の身体が淡く光りネズミに噛まれた傷が跡形もなく消え去る。その劇的な効用に飛鳥は驚嘆の声を上げた。

 

「凄い………。もう痛くもないわ」

 

「それは良かったです。それじゃあ帰りましょうか」

 

 弥白の言葉に頷き、3人と1匹の精霊は朱色のランプが照らす街を進み〝サウザンドアイズ〟の店舗に戻る。その道中、弥白は飛鳥にくっついたまま離れないとんがり帽子の精霊を不機嫌そうに見ていた。

 

 

 

 ―――境界壁の展望台・サウザンドアイズ旧支店。

 現在、飛鳥と弥白は清めの手ぬぐいを一枚だけ渡され、露天風呂のように空が見える湯殿で唖然としていた。

 店に着くなり、いつもの女性店員に半ば無理やり服を剥ぎ取られ湯殿に連れて行かれたのだ。

 

「………。まあ汚れていたのは確かだものね」

 

「そうですね。飛鳥に抱きついたのは失敗でした、別に服が汚れた事自体はどうでもいいのですが」

 

 泥とネズミの返り血、女性店員に店が汚れると怒られるのも無理はないだろう。この扱いに曲がりなりにも乙女の飛鳥は少しだけ傷ついていたが。

 嘆息を漏らしながら飛鳥は掛け湯を繰り返して身を清め、2人で肩まで湯殿に浸かりゆっくりと体を休ませる。

 飛鳥が少し寂しげに夜空を見上げる中、弥白は先ほどの襲撃の件について考えていた。

 

(あの襲撃者、一体何の目的で飛鳥を襲ったのかは知りませんが、次会った時は確実に始末してやります。可能であれば生きたまま捕らえたいですが。………それにしても、なぜ飛鳥はネズミ相手にあそこまでしてやられたのでしょうか。飛鳥の〝威光〟ならあんなもの脅威にならないはずですが)

 

 そこまで考えてふと思い出す。以前、飛鳥は〝ノーネーム〟の工房に眠る宝剣・聖槍・魔弓といったギフトを支配しようとしたが出来なかったらしい。

 

(飛鳥のギフトは格上相手には効果がない。となると、襲撃者は笛の音色でネズミを支配していて、なおかつ飛鳥より格上といった所ですか)

 

 そう結論付けた直後、ドボン! と飛鳥が深く湯に沈んだ。

 

「………飛鳥?」

 

 不審に思った弥白が飛鳥に近づくと、唐突に飛鳥が湯から頭を出し―――ゴンッ! とお互いに頭をぶつけた。

 

「っ痛ったいッ‼」

 

「―――ッ⁉ ――――――ッ‼」

 

 飛鳥は涙目になりながら頭頂部に両手を当て、弥白は額を抑えながら声にならない悲鳴を上げて悶える。脱衣場が騒がしくなったのはその直後だった。

 体を手ぬぐいで隠し、黒ウサギはウサ耳を逆立てながら湯殿に勢い良く飛び込む。

 

「飛鳥さん! お怪我の程は大丈夫でございますか⁉」

 

「待て待て待て黒ウサギ‼ 家主より先に入浴とはどういう了見だいやっほおおおおお!」

 

「きゃぁあああああ‼」

 

 白夜叉に背後から強襲された黒ウサギは悲鳴を上げて湯銭にダイブ。バシャン、ズゴン‼ と余りにも致命的な音を立てて黒ウサギは湯銭の底に頭から突っ込んだ。

 

「ちょ、ちょっと黒ウサギ! 大丈夫⁉ 湯銭の底に頭が突き刺さってるわよ貴女!」

 

「だ、だびぼぶでごばいばぶ! あぶばばんごどきぶはだいぼうぶでぶが⁉」

 

 慌てて駆け寄る飛鳥。泡を吹きながらも飛鳥を心配する黒ウサギ。頭突きのダメージから回復した弥白はその光景をうわぁ……、と声を漏らしながら見ていた。

 はしゃぎながらも白夜叉は黒ウサギのウサ耳を掴んで勢い良く湯銭から引き抜く。

 

「てい!」

 

「フギャア‼」

 

 引き抜かれた黒ウサギは半泣きになりながら、飛鳥の肩を掴んでボディチェックをし始めた。

 

「き、傷は大丈夫でございますか? 細菌は問題ないですか? 乙女の肌に痕が残るようなものは御座いませんか? やせ我慢していませんか? 本当に大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫よ。傷は望月さんに治してもらったもの」

 

 無遠慮に身体をまさぐられ飛鳥が困ったようにしていると、まじまじと白夜叉が飛鳥の素肌を上下に見つめる。

 

「………ふむ。飛鳥は15歳とは思えん肉付きだの」

 

「は?」

 

「飛鳥の身体は鎖骨から乳房まで豊かな発育をしているのに乳房から臍のボディラインには一切の崩れが無くされど触れば柔らかな女人の肉であることは間違いなくしかも臀部から腿への素晴らしい脾肉を揉みほぐせば指と指の間に瑞々しい少女の柔肌が食い込むのは確定的に」

 

 スパァーン‼ という小気味良い音と共に木製の桶が2つ、白夜叉の顔面に直撃。

 頬を真っ赤に染めながら、まるで生ゴミを見るような冷えた瞳で白夜叉を見下す飛鳥。

 

「………え、何? 白夜叉ってこんな人だったの?」

 

「ええ、まあ。凄い人ではあるのですが。それ以上に残念な御方なのでございます」

 

 そう、と飛鳥は冷たく相槌を打つ。

 その後、黒ウサギに続いて湯殿に入ってきた耀、レティシア、とんがり帽子の精霊と共に、今日の事や明日の予定を話し合うのだった。

 

 

 




 相変わらず話が進まない。そして耀の出番が全然ない。
 『治癒』とかいうゲーム中じゃまず使わない魔術ですが今回は役に立ちました。つまりフロムはダクソの二次小説が書かれるのを予想していた………?
 それと、普段作ってる自動人形には髪は使ってないです。あれは製造に必要な工程を全てすっ飛ばして自動人形を作るために必要なだけです。
 なんとか耀の出番を増やしたいですが、さてどうするか。

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