メニュー44 海鮮寄せ鍋とオジヤ
夕食の時間に雪崩れ込むようにやって来たガゼフさんとモモンガさんとナーベラル。そして10数人の若い兵士達、その嵐のような時間さえ乗り切れば、後はのんびりとしたものだ。クレマンティーヌとシズの夕食を終えて、1度ナザリックに帰してから、俺はぺテルたちの合格祝いの準備を始めた。鶏挽肉に塩を入れて粘り気が出るまで混ぜ合わせ、長ネギ、卵、しょうがの絞り汁、醤油、片栗粉を加えて更に練る。
「良し、これくらいだな」
丁度良い粘り気が出てきたら、柔らかくなり過ぎないように注意して、酒を加えてもう1度混ぜ合わせ。1口サイズに丸めてバットの上に並べ、冷蔵庫の中に入れる
「うん、良い匂いだ」
モモンガさん達の夕食の間に水出しし、煮込んでおいた昆布と鰹出汁。それを布を引いたざると鍋の上で引っくり返せば、出汁も完成だ。海鮮系を切り分ける前に白菜はざく切り、白ネギは斜め切り、人参は輪切り、しいたけとえのきは石突と根元を切り落とす
「豆腐美味いんだけどなあ」
どうもこの世界の住人にあんまり豆腐は受けが良くないので、豆腐はいれずに野菜の下拵えを済ます
「次はっと」
海老の頭と尾を残し、殻を剥いて、背ワタを取り除き、殻を剥がしたホタテと牡蠣はしっかりと水洗い、やや小さめの蛤は海水程度の濃度の塩水につけて塩抜きしておく。この世界では海鮮は極めて貴重品と言うので、昇格祝いに海鮮鍋を作ることにした
「鮭と金目鯛とタラ」
魚は脂が多く食べ応えのある物を選び、1口サイズに切り分けから塩を振って水を出した、90℃くらいのお湯を上から掛け、直ぐに氷水に浸して取り出す。これで魚の臭みも取れる。丁度ここまで下拵えを済ませたら、ガラっと店の扉が開く音がする
「いらっしゃい」
ぺテル達が食堂に入ってくる。だがその服装は冒険者としての格好ではなく、ベストやジャケットと割とお洒落な服装をしていた
「どうもカワサキさん、失礼します」
「むっちゃ楽しみにしてたから昼飯食って無いんですよー。もう出来ます?」
「残念もう少しだ」
えーっと言うルクルットにダインがちゃんと食事をしないから悪いと笑い、最後に入ってきたニニャは
「ど、どうも」
男装をやめたのか、膝丈のスカートに赤いブラウス姿だった。素朴な感じの美少女と言ったところだろうか、ペロロンチーノが好きそうなタイプだと思う。しかし男装をやめたのは金級になって何か思うことがあったのかな?と思いながら、出汁を土鍋に入れて火に掛けながら醤油、酒、塩、みりんで味を調えて、蓋をして俺は土鍋を手にして厨房を出るのだった
ずっと男装してきたが、金級になった事で皆に打ち明けたのだが、ぺテル達の返答は「知ってるよ」だった
「水浴びの時とか絶対近くにいないし」
「夏場でもしっかりと服を着こんでいたであるからなぁ」
「バレバレだったぜ?ニニャ」
私としてはかなり勇気のある決断だったので、知っていると言われて力が抜けてしまった。男装をしていた理由……貴族に攫われた姉さんを捜していると言う事も打ち明けた
「そっか、だから男装してたのか」
「大変だったであるな、ニニャ」
「俺達も力になるから、お姉さんを見つけようぜ。あ、ちなみにお姉さんって美人?」
軟派な事を言うルクルットの脛に蹴りを入れる。ずっと騙していたのに、優しく受け入れてくれたぺテル達。私は仲間に恵まれたと心から思った。そして今、金級に昇格したお祝いにカワサキさんの店に夕食に来た
「おおー来たきたぁ」
昼食を食べていないルクルットが一際喜ぶ中。カワサキさんは実はまだ調理の段階だと笑い、手にしていた鍋の蓋を開ける。調理の段階と言う事でそこにはスープしか入っておらず、ルクルットが大きく肩を落とす
「ここまで来れば殆ど出来ているような物だから、もう少し待て」
私達の前でカワサキさんが調理を始める。鍋の中に葉野菜をたっぷりと入れ蓋を閉める
「カワサキさん。これは一体なんと言う料理なのですか?」
「寄せ鍋って言うんだ。仲間内で分け合って食べたりする、寒い時期の定番だよ」
寒い時期なので温かい料理なんだ……でもあんまり見たことの無い形の鍋だなと思う。カワサキさんは席を立って、再び厨房に入り、食材を運んでくる。
「おお……それはまさか……全部海の食材であるか!?」
「マジで!?こんなに用意してくれたのか!?」
「海の……信じられない」
カワサキさんが持って来てくれたのは見たことも無い食材の数々だった。ダインがもしかして海の食材であるかと尋ねるとカワサキさんは正解と笑う、海の食材で料理をしてくれると聞いていたが、まさかこれほど沢山振舞ってくれると思っていなかった
「良し、良い具合だ」
蓋を開けそこに食材をどんどん入れて行くカワサキさんは、茸と魚を少し残して、再び蓋をする
「カワサキさん、本当に銀貨で良いのですか?」
鍋を煮ている間ぺテルが気になったのか、カワサキさんにそう尋ねる
「銀貨8枚だって言っただろ?心配するな、それ以上取る気は無い」
そう笑ったカワサキさんは蓋を開けて、中央に魚の切り身と見たことの無い丸い何かを中央に並べ、茸は鍋の縁の方に入れる。
「後もう少しで完成だ」
目の前でコトコトと煮られる鍋。そこから漂ってくる香りに口の中に唾が溜まって行くのが判る
「お待ちどうさま、海鮮寄せ鍋の完成だ」
私達の取り皿に鍋の具材を盛り付けてくれるカワサキさん。2杯目からは自分達でな?と笑う
「フォークとかはないんでしょうか?」
「フォークだと食いにくいからな、これを使ってくれ」
差し出されたのは2本の棒。モモンさんやナーベさんが使ってるのと同じ物だ
「いや、俺らはそれは無理だと」
「大丈夫だって、使ってみな」
そう言われて棒(箸)を手にすると、持ち方なんて知らないはずなのにモモンさん達と同じように持つ事が出来た
「俺のスキルでな、ちょいちょいっとな?」
スキル……武技とは違うんですよね。南方の技術なのだろう、なんにせよこれで食べることが出来ると安堵し
「「「「いただきます」」」」
海の食材がたっぷりと使われた寄せ鍋を前に、全員で手を合わせていただきますと言うのだった……
目の前でくつくつと音を立てて煮られている鍋。その熱が机の周りに広がり、やや寒い時期だが暖かいと思える。取り皿に入っているスープを口にして、大きく目を見開いた
「ん、美味しい……こんな味初めてだ」
「本当であるなあ、肉のスープとも、野菜のスープとも違う……これが海の食材であるか」
なんと言えば良いのだろう?味がとても複雑なのだ、旨味に満ちている。これはスープだけでも十分なご馳走だ
「ふーふー……あひひ!ほほーっ!あちゃちゃ」
昼食を口にしていないルクルットが丸い肉団子を口にして、熱い熱いと悶えていると、カワサキさんは4つグラスを持ってくる
「ぺテルとダインとルクルットはビール、ニニャは成人して無いからジュースを持って来た」
ビール……エールとは違うのだろうか?と思いながらグラスを受け取る。ルクルットはグラスを受け取ると直ぐに口をつける
「ん!んっ!カーッ!うまあっ!なんだこれ!エールと全然違う!」
そんなに?と思いグラスに口をつける。最初に感じたのは冷たさとエールとは違う鋭い味わい
「確かにこれは美味いのである」
「本当ですね」
熱い料理を食べながら、冷たいビールを飲む。火照った身体に冷たいビールが染み渡っていくようだ
「あ、美味しい。葡萄ですか?」
「おう、葡萄ジュースだ。美味いだろ?」
ワインのような色合いだが、酒が飲めないニニャが美味しいと言うだけあり、酒では無いのだろう……しかしどんな味かは気になるな
「はふはふっ!美味い!このオレンジ色の魚は一体なんであるか?」
「それは鮭って言うんだ、川と海を行き来する魚でな、脂がたっぷり乗っている」
川と海を行き来する魚……その鮭という魚を箸で摘まみ頬張る。口の中でホロリと解け、濃厚な脂とスープの味が口の中一杯に広がる
「この赤い……なんだろう?虫?えっと「それは海老。むちゃくちゃ美味いから食べてみろ、頭は外せよ?」
見たことの無い生き物なので少し怖いと思いながら、手で頭を千切って赤と白の身に齧りつく、プリッとした独特の食感と味わった事の無い風味が口の中一杯に広がる
「これは美味しいですね。なんとも言えない、この食感が最高です」
私が食べてからルクルットとダインも頬張り、美味いと喜ぶ。ニニャはふーっふーっと野菜に息を吹きかけ、美味しそうに食べていた。魚などばかりを食べているが、野菜もたっぷり入っているのだ。ここで1度野菜を食べてみよう
(甘い!それに野菜にもスープがたっぷり染みこんでる)
野菜と言えば保存食と言うイメージがあるが、これは全然違う。海の食材の味がたっぷりと染み込んでいて、めちゃくちゃ美味い
「うまっ!これだけ旨かったら野菜も食べやすいなあ」
「食べやすかろうが、お前は野菜嫌いである」
ダインの鋭い突っ込みにうむうっと唸るルクルットに思わず噴出してしまう。仲間で分けて食べると聞いたが、このわいわいとした空気の中で食べると言うのは本当に良いものだ
「この硬い殻があるのはなんですか?」
鍋の中に入っている。ちょっと変わった丸い形をしているものはなんですか?と尋ねるとカワサキさんは嗚呼っと頷き説明してくれた
「蛤って言う貝だ。海の砂の中で暮らしてる生き物なんだが、それも美味いぞ」
殻は食べれないから、このボウルの中に入れてくれと言われ、箸で貝の中の身を取って頬張る。
「「「「美味しい」」」」
これもなんと表現すれば良いのか判らないが、独特な食感と歯応え。そして濃厚な旨味がある……初めて食べると言う事もあるが、どれもこれも本当に美味しい
「この貝みたいのも美味しいですよ、外のひらひらは歯応えがあって、真ん中はほろほろと口の中で解ける感じがします」
「いやいや、この赤い魚である!鮭よりも脂が乗っているであるが、上品な味がするのである」
「はふっ!あひっ!中から熱いスープが……あふふうう!あ、でもうめえ!」
これで沢山食材があればみんな好みの食材と言うのがある。私は笑いながら
「私はこの白い魚、これが美味しいと思いますよ」
赤い魚と鮭ほどの濃い味はしないが、さっぱりとしていて口の中で解ける食感。これが美味しいですよとルクルット達に勧めた
「あ……」
誰が言ったか分からないが、悲しそうな声がする。いや、もしかすると私だったかもしれない、あれほど沢山はいっていた食材は既になく、スープだけが鍋に残っていた。少し物足りないなと思っているとカワサキさんが無くなったかと笑う
「じゃあ最後のしめだ」
最後?私達が見ている前でカワサキさんは手にしていた白米を鍋の中に入れ、火を弱くしてくつくつと煮る
「それはなんであるか?」
酒に弱いのに、ビールが美味いと言って飲んでいたダインがやや据わった視線でカワサキさんに尋ねる
「鍋の後は雑炊で〆るのさ、少し物足りないだろ?」
あ……わざと物足りない量で作ったのだと、カワサキさんの笑顔で理解した
「さてと仕上げだ」
卵を2個私達の前で割り、箸でといて鍋の中に回しいれると火を止めて蓋をする。また待つのか……だけどこの待ち時間も楽しいと思えるから不思議だ。ただ贅沢を言えば
(もう少し飲みたかったか)
ルクルットとダインが出来上がってしまったので、1杯で止めにした。ビールをもう少し飲みたかったかな?と思うが、ニニャ1人に酔っ払い3人は無理だと思い我慢する事にしたが、やっぱりもう少し飲みたかった。今度夕食の時に来たら、ビールを飲めるか頼んでみようと思った
「良し、もう良いだろう。雑炊の出来上がりだ」
私に雑炊の入った皿を差し出しながら笑うカワサキさんから、皿を受け取る。ふわりとした卵の香りに思わず笑みを浮かべてしまうのだった
鍋を食べ終え、少し物足りないと思った所にカワサキさんが作ってくれた雑炊。米を鍋のスープで煮たそれは米が柔らかく煮られていて、ほんの少し物足りないと思っていたお腹には丁度良く
「卵がふわふわで美味いなあ」
「本当である、鍋の味が米に染み込んでいて味わいも別格であるな」
麦などで作るオートミールに似ているのは外見だけで、味も食感もまるで別物だった。何よりも少しだけ鍋に残っていた鳥団子や野菜、それに魚が少しだけ入っていると何か少し得をした気持ちになる
「「「「ご馳走様でした」」」」
食べ終わり手を合わせて言う、いや本当に美味しかった。お腹だけじゃなくて、気持ちまで満たされた気分だ。カワサキさんが鍋と食器を厨房に運んでいるのを見ながら、そろそろ帰った方がいいとわかっているのにお腹が満腹で少し休みたい気分だった
「カワサキさん、本当美味しかったです。あの海老って奴が好きになりそうです」
「そうかい、じゃあ今度はエビフライでも作ってやろうか?ちゃんとメニューにはあるんだぜ?」
むしろ鍋の材料は一応料理のメニューに使う物で、海老もホタテも鶏団子も全てちゃんとメニューに入ってると言われ、今度食べに来る時は、もう少しメニューを見て頼んでみようと思った
「ところでさ、カワサキさん。ニニャがスカートを穿いてる事に何も言わないのか?」
「ちょっと!?」
ほろ酔い気分のルクルットがカワサキさんにそう尋ねる。カワサキさんは、ん?と首を傾げながら
「クレマンティーヌが女の子って教えてくれてたから別に何も」
……最初から知ってたんだ。と言うかクレマンティーヌさんか……冒険者ではないみたいだけど、凄腕の戦士と言うのは良く判っている。もしかして歩き方とかでバレたのかな?
「目標でも達成したのか、それとも新しい目標が出来たのかって思ってるくらいだ、そういうのは結構見てる」
まあ、男が多いから、髪を切ったとか、剣を新調したとかって昔は良く聞いたなとカワサキさんは笑う
「ニニャは貴族に攫われた~姉を探しているのである~」
「ダイン!?」
そんな話をされてもカワサキさんも困るだろう。私がカワサキさんに視線を向けると顎の下に手をおいて
「そういう話なら王都にも知り合いが居るから話を聞いてみても良いし、モモンにも話を通しておくよ」
「い、いえ!そこまでして貰わなくて」
ああ、どうしてこんな事に……カワサキさんに申し訳ない気持ちになりながら、そんなことをしなくても良いと言ったのだが
「何、困った時はお互い様と言うだろう?だから気にしなくて良いさ、それになによりも」
そこで言葉を切ったカワサキさんはにこやかに笑いながら
「姉妹は一緒に居る方が良いと思うからな」
嫌な顔をせずに笑顔で言ってくれたカワサキさんにお礼を言って、私とぺテルは酔い潰れかけているルクルットとダインを連れて、カワサキさんの店を後にするのだった
「という訳で、協力してやろうと思うんだけどどう?」
「……まぁ余計なお世話かもしれないけど、どうもね、あれに関係ありそうだよ。王国の犯罪組織の八本指」
なおナザリックから戻ってきたクレマンティーヌとシズに相談し、やや呆れられながらも人攫いとなると八本指が関係しているという話になり。一応調べてみると言う流れになったのだが
「……カワサキ様。お怒りに任せて暴れたりしないでくださいね?」
「……うん。判ってる」
シズの言葉に気まずそうに返事を返すカワサキと、そんなカワサキを見て笑うクレマンティーヌ。カワサキは年下に怒られると素直に言う事を聞くとクレマンティーヌが悟った瞬間だった……
なおカワサキが年下に弱いのはロリコンなどではなく、純粋に年下に心配を掛けると言うのが情け無いと言う良心に突き刺さるタイプだからである
シズちゃん お料理挑戦記 その1 炒飯
カワサキ様が料理を教えてくれると言う事になった。その理由は最近店のお客さんが増えてきたので、私とクレマンティーヌも簡単な料理を覚えておくといいと言う事だった
「あっちゃあ……」
「火加減を間違えたな」
1番簡単で見た目もそれなりに良く出来ると言う事で炒飯と言う料理を教えてくれていたんだけど、クレマンティーヌは失敗してしまったようだ
「じゃあ。次はシズやってみるか」
「……はい」
カワサキ様がくれたエプロンを首から下げて、材料を見る。
(お米とネギと卵とハム、味付けは塩と胡椒と醤油……)
カワサキ様が見本で作ってくれたのをしっかり見ていたので、問題なく出来るはず
「……まず、具材を切る」
火が通りやすいようにハムとネギを細かく切る、だけど食感も大事らしいのであまり小さく刻み過ぎないように注意する
「……卵は割って、良く解き解す」
カワサキ様は片手でやっていたけど、私は無理そうなので、両手でしっかり持って小皿の中に割りいれる。それをお箸で解き解したらフライパンを手に取り、加熱する
「……多分これくらい」
フライパンが良く温まったらサラダ油を少し多いかな?と思う量入れて卵を入れてしゃもじでかき回す
「……えい」
ある程度卵が固まってきたらお米とネギとハムを入れて、良く掻き回す。
「……焦げそう……」
火が強いと焦がしてしまうと仰っていたので、火を少し弱くしてから醤油と塩、胡椒を入れて炒める
「……出来ました」
火を止めて、フライパンをコンロの上からどかして、お皿に盛り付ける。見た目は綺麗に出来ている……と思ったんだけど
「ちょっとべちゃついてるな」
「……すみません」
カワサキ様が炒飯にスプーンに入れてそう呟く、焦げ付かせないようにと思ったんだけど、その分火の通りが甘かったみたいだ
「いや、でも初めてでここまで出来れば上出来上出来。味付けも良く出来てるよ、後はもう少し思い切りだな。クレマンティーヌは思い切りがよすぎて焦がしたけど」
「いや、しっかり炒めるって言ってたから……」
焦がすのが怖いと思って炒める時間が短かった私と、焦がしても良いやと思ってしっかり炒めたクレマンティーヌとどっちが良いんだろう?と思わず思ってしまった
「クレマンティーヌはサンドイッチからとかだけど、シズは火を使う料理を覚えても良いかもしれないなー」
カワサキ様は楽しそうに笑う。そして今日から時間を見て、カワサキ様が私とクレマンティーヌに料理の作り方を教えてくれるようになるのだった……
「……失敗してます」
「いや、初めてなら上出来上出来」
カワサキ様の炒飯と比べるとべちゃっとしているし、味もどこかぼんやりとしている。同じ作り方をしたと思うんだけど、私とカワサキ様の料理の作り方、どこが間違っていたんだろう?と思いながら私は自分の作った炒飯とカワサキ様の炒飯を食べ比べるのだった……美味しいはまだ判らないけれど、自分の炒飯が美味しくないと言うのは分かり、少しだけ悲しい気持ちになるのだった……
メニュー45 パエリアへ続く
鍋だから料理描写なども少なかったので、今回は短めとなりました。でも寒い時期なので鍋は美味しいですよね、次回はレエブンを出して行こうと思います。その次で青の薔薇かリグリットさんですかね、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
やはりカワサキさんがオラリオにいるのは……
-
間違っている
-
間違っていない