おかあさん元気ですか? 転生者達は元気にやってます   作:肉球

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沢山の評価、お気に入り登録ありがとうございます。
正直受けると思ってなかったのでかなりびっくりしています。

今回の話は長めになってしまいほんとうに申し訳無いです。



5話

「あれ?健二まだ起きてんの?」

 

「おー明日の運動会の弁当のおかずよ。スマッホのストップウォッチで時間測りながら味付け検索してる。」

 

「何の料理?」

 

「ゆで卵」

 

「塩かなんか振って食うんか?」

 

「いや味噌で漬けてみようと思う。」

 

「そっかー楽しみ」

 

ゆで卵の茹で時間は硬めだと強火で10分その後流水で3分

アド街の久里浜編でやっていたものを何か覚えていた。

その方法は皮が非常に剥きやすいらしい。

味付けは電子レンジで煮切りみりんを作りたっぷりの味噌と共に

ジップロックに入れて一晩冷蔵庫で寝かすだけ。

 

醤油酒みりんでも麺つゆでも美味しいのが作れる。

その辺は完全に好みの問題だ。俺は味噌が好き。

 

「それにしてもお前随分運動会で張り切ってるな」

 

「俺は学校の行事は全力で楽しむタイプだ

合唱祭も楽しみだな。」

 

こいつ曲決めでも色んなの提案しまくるんだろうなぁ。

運動会の種目の選手決めの事を思い出す。

 

 

 

 

----------------^

 

 

 

「では運動会の選手決めをしましょう

希望のある方はいませんか?」

 

先生がそう発言し生徒達を見渡す。

 

いの一番に手が上がった、坊主頭である。

 

「はい先生!」

 

「では佐藤君」

 

「全部!」

 

大きな声で俺が全部出る宣言をする。ウケ狙いは外したな……

思わずため息を一つ吐き丸男の方を見る、大真面目な顔だった。

こいつ本気で全部出る気か……!?

 

「ごめんね佐藤君、全員が一回何かしらの種目に参加する事になってるから余った奴でいい?」

 

「そっかーなら仕方ないな」

 

でしょうね。

 

その後先生が一つずつ種目を述べていきそれに生徒達が希望する種目に手を挙げる挙手制になった。

一つまた一つと生徒達の名前が埋まっていく。

さて俺は何に出ようか?

リレーは責任重大だから嫌だし、玉入れはなんか味気ない。

となると残っているのは二人三脚のみとなる。

 

「丸男二人三脚行くぞ」

 

「おう!」

 

「では二人三脚に出たい方ー?」

 

はいっと4つの手が上がる。

 

4つ?

 

丸男と俺以外の手が上がってる方に顔を向ける。

この前の喫茶店にいたあの元気一杯金髪ガールとその相方が同じようにこっちを見ていた。

 

「出たわねー丸坊主!

ちょうど良いわ此処で会ったが100年目!勝負よ!」

 

「ふっふっふこの丸男、二人三脚で一度も負けた事がない男

この勝負既に決まったも同然」

 

「なにおーこっちにはすずかが居るんだからね!」

 

「あっアリサちゃん……」

 

お前それ絶対二人三脚に出た事が無いから負けた事無いってオチだろ。

因みに高町なのはさんは走るのが嫌だった為玉入れに

リレーは誰もやりたがらなかった事から自動的に丸男となった。

 

 

 

 

 

 

 

------------------^ω

 

 

 

 

 

 

 

「朝だぞ起きろ!働け!」

 

スマッホの目覚ましで目が醒める。

もうこれも慣れた、スマッホをブン投げる事もない。

つーかこの家で誰より働いてる。

 

顔を洗い冷蔵庫を開ける。

うん卵の色が変わっている、本当はもうちょっと寝かした方が味が染みてて美味しいけどそれはまあしょうがないだろう。

冷凍庫から冷凍唐揚げを出す。本当は手作りの物が良いが油物は火事になりそうで怖い。

油の処理もめんど臭いしまた今度だな。

 

ほうれん草はおひたしにするべきかそれともバターとベーコンで炒めるべきか?

あっさりのおひたしで行こうか此処は。

鍋にお水を多めに入れ塩を少し加える。

ほうれん草をそのまま茹で色が変わるまで少し待つ。

色が変わったら取り出しザルで流水に当て冷めたら包丁で食べやすい大きさに切る。

しゅうゆ洗いをして味を整えたらお弁当箱に詰め鰹節を乗せる。

 

味噌味のゆで卵、ほうれん草のおひたし、唐揚げか。

炭水化物はおにぎりで取るとしてもう少し肉と野菜が欲しいな。

サラダはスーパーで買ったお惣菜のポテトサラダを使おう。

レタスを洗ってちぎり皿とするその上にポテトサラダを乗せ、

ミニトマト、茹でたブロッコリーを添える。

 

うん見栄えも悪くない。

 

肉はソーセージでも入れようか。

フライパンに油を軽くひきソーセージを弱火でじっくり焼いて行く。

茹でても美味しいけど個人的に焼く派である。

色が変わったら取り出しケチャップとマスタードを添える。

 

さて次は炭水化物だ!

おにぎりの具材は焼き明太子、おかか、しそ昆布で行こう。

おかかは鰹節を醤油で和えるだけ、しそ昆布は市販の。

明太子は一個まるまるフライパンで焼く。

これがまた美味いんだよな、辛子明太子でもイケる。

 

出来たのを全部大きなお弁当箱に詰めて完成だ。

正直手抜き感が凄いが、小学一年生2人分だ。

多分これでも十分だろう。

 

さてまだ爆睡してるだろう丸男を起こすとしますか。

 

 

 

 

 

 

 

----------------^ω^

 

 

 

 

 

 

「今日天気は大丈夫なん?」

 

「1日晴れの夏日だってさ、水分補給はしっかりな」

 

「おう!」

 

クソ暑い日差しの中各色の応援団長の選手宣誓が行われた。

組は赤、青、黄で分かれていて俺たちのクラスは赤色に属して居る。

今日のプログラムの中で俺と丸男の出番があるのは

午前中の二人三脚

昼飯を食べて1発目のクラス対抗大縄跳び

最後のトリを飾る カラー対抗リレーの3つだ。

 

教室から運び出した椅子に腰掛け競技をボケーって見ながら出番を待つ。

中でも笑えたのは障害物競走をぶっちぎりの速さで隣のクラスの保坂くんが走っていたのにやけに優雅に吊り下げられたパンを食べてる事によりビリになった所だろうか。

 

目を閉じグルメリポートをしながら少しずつあんぱんを齧るその姿は大変面白うございました。

 

後は喫茶店の看板娘の高町さんをキャラ崩壊を起こしかけてる位熱心に大声で応援してる高町パパとかは見てて暇を潰せたと思う。

あの人あんなに熱血だったんだな、後その横で固く拳を握りながら同じように応援してるのは息子さんだろうか?遺伝って凄い。

カゴに向かって球を投げていた高町なのはさんは恥ずかしそうに頬っぺたを赤く染めてたのが可愛かった(文字通りの小並感)

 

『プログラム番号6番二人三脚です。選手の皆さんは入場口にお集まり下さい。』

 

おっ来たみたいだ。放送を聞くなり椅子から飛び出して行った丸男を追いかける。

入場口から行進してスタートラインのある所まで並ぶ。

丸男はウキウキしながら笑顔を見せてるが反対に俺は緊張で腹を抑えている。

 

「大丈夫!大丈夫!あんなに練習したんだから」

 

「お前が無理矢理特訓と称して夕方までグラウンドで走り続けただけだろうが! お陰様で夕飯が出来合いの物が増えたんだからな!」

 

「そーだな!でも練習は自信に変わるんだろ?

それにほらお腹痛く無くなっただろ?」

 

こいつは俺に緊張ほぐしの為に声かけたのか、全く逆効果になったらどうするんだ……ありがとな。

俺たちの前にいた組がパンと言う音と共に駆け出す。

それに伴い立ち上がった。相変わらず緊張はしている、でも……

 

大丈夫、練習は嘘をつかない。

 

「位置についてよーい」

 

パン!

 

まずは縄で縛った左足!次は右足!

下は一切確認しない、足を踏み出すタイミングは既に学習済みだ。

自由になっている腕をこれでもかと振り全力疾走する。

 

ゴールテープは俺たちが切った。

 

丸男は足の縄を外すとゴロンと横になる。

俺は息を荒くして膝に手を当てながら後ろを振り返る。

まだ誰もゴールしていなかった。

丸男もそれを見たのだろう俺たちは同時に笑顔になり、

思いっきり片手でタッチを交わした。

 

係に案内されながら1位のポールに集まる。

係の人達は涙目で片手に息をフーフー当てている俺たちを見て不思議そうな顔をしていた。

 

 

 

「不味いわよすずか、あいつら1位取っちゃったじゃない!

私達も1位取らなきゃ負けちゃうわ!」

 

「でも私達と一緒に走る人達は足が速い人が多いよ?」

 

「そうなのよ!だけど学年で一番早い貴方が本気を出せば多分1位を取れるわ」

 

「でもアリサちゃんに合わせなくて大丈夫なの?」

 

「そこは気合で何とかするわ」

 

 

 

 

 

「さてお手並み拝見とこうか」

 

取り敢えず1位を取ったことにより負ける事が無くなった丸男が

不敵に笑いながら立ち上がった彼女達を見つめる。

明らかに調子に乗ってんなこいつ

 

パン

 

各組が一斉にスタートダッシュをする。

うぉっ中々早えな。さて丸男君のライバルはっと

 

「ストップストップよすずか!」

 

「まだ!まだ行ける!もうちょっとで何か掴めるかも」

 

「今壁を越える必要は無いのよ!?」

 

紫色の髪の毛を風に任せ全力疾走する少女に引き摺られる様にして

堂々の1位をもぎ取っていた。

 

「見なさい!私達も1位よ」

 

「大丈夫?」

 

丸男は思わず素に戻って心配していた。

中々に衝撃映像だったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

ω^----------------ーー

 

 

 

 

 

 

さて待ちに待ったお昼だ。

 

人の合間を縫って木陰に座り弁当を広げる。

 

「おっ唐揚げじゃん、俺大好き」

 

「冷凍で悪いな」

 

「構わねえよ!まあ昔の冷食だから味は落ちるが」

 

うん丸男の言う通り前世の最新の冷凍食品と比べると味が少し悪いかな?

でもそれは恐らく冷食の味が進化しまくってた所為だと思うが。

 

ほうれん草のおひたしを箸でつまむ。

あっさりした醤油味、鰹節の旨味、ほうれん草の甘み

心が安心する味。

ホッと一息ついてすぐさま

 

ゆで卵にかぶりつく、たまんねえなぁ!?

ほんと好き大好きこの味!

味噌の風味と卵の濃厚な味が抜群に合う。

米だ!米を寄越せ!と脳みそが警報を鳴らす。

 

おにぎりの上の白米の所を貪る様にして食べる。

卵!味噌!米!

口の中で三種の神器が一堂に揃った。

 

「あぁ〜美味え」

 

「いいなそれ!俺も食う!」

 

丸男もガツガツと卵とおにぎりを食べている。

 

「明太子美味えな!」

 

「だろ?明太子は焼いても美味えんだ!」

 

おにぎりでパサパサになった口の中の水筒で潤していると

 

「あら?今日はあのお父さん居ないの?」

 

あさぎが話しかけてきた。

 

「元々海外で働いてる人だからな」

 

咄嗟に嘘をつく。

本当は絶対ブラボーブラボー五月蝿えから出さなかっただけだ。

 

「ふーん誰も居ないんだ?じゃあ私のとこ来る?」

 

丸男と顔を見合わせる、折角だから提案に乗ることにした。

ついていく為お弁当に蓋をする。丸男がか細い悲鳴を上げたが無視。

あさぎの後を追う。

 

「ここよー」

 

「あらあさぎのお友達?あさぎの母です、よろしく」

 

そこにはあさぎの父、母、小さな妹さんが居た。

 

俺と丸男もよろしくお願いしますと頭を下げる。

そしてブルーシートの上に靴を脱いで上がらせて貰った。

 

ふと気になって綾瀬のお弁当を観察。

 

向こうの方がお弁当が豪華だ……

こっちのお弁当を出すのが恥ずかしくなったが、

意を決して出して蓋を開ける。

 

「美味しそうなお弁当ね、お母さんが作ったの?」

 

「いえ自分が作りました。」

 

向こうのお母さんが驚いた顔をする。

 

「その年でそれだけ作れるなんて凄いわね〜

うちのあさぎはお手伝いしなくってー」

 

「ちょっとお母さん!」

 

褒められてちょっとニヤケてしまう。

こっちに来てから大人に褒められたなって初めてかも。

 

あったかい気持ちになりながら食事を再開しようと

先程褒められた弁当箱を見るとあさぎの妹であろう2歳くらい女の子が

手づかみでソーセージを食べて居た。

 

「こら!風香勝手に食べたらダメじゃ無い!」

 

「いえ良いですよ小さい子がした事ですから」

 

あさぎさんのお母さんが風香と呼ばれた子を叱る。

風香ちゃんは両手にソーセージを握ってご満悦の表情を浮かべて居た。

 

 

 

 

 

 

^-------------------

 

 

 

 

 

 

「あさぎの友達なら大歓迎よ!いつでも遊びに来てちょうだい」

 

こっち来てから他人の家なんか行った事が無かったので

このお誘いは非常に嬉しかった。今度お菓子持って遊びに行こう。

 

午後1発目は大縄とびだった。

これがなかなか苦戦した。

みんな腹一杯食べた後にジャンプしたからである。

全員腹痛と戦いながら縄を飛んで居た。

 

腹が一杯なのと疲れによる眠気と戦いながらうつらうつらしていたら

どうやら最後のトリのカラーリレーへとなっていたみたいだ。

向こうで丸男が手を振っている。頑張れと手を振り返した。

 

 

 

さて結果から言おう、第1走者の丸男は1位でバトンを渡して

そのまま赤組が1位をキープしたままゴールした。

 

閉会式と順位発表の時間だ。

赤組は優勝、割れんばかりの歓声が上がった。

被った赤白帽を宙に投げたの大はしゃぎだ。

 

「来年も勝とうな!」

丸男のそのセリフに応!と返す。

学校のイベントもそう捨てたもんじゃ無いなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

お母さん、勝ちました。




高町家を筆頭とする原作キャラがキャラ崩壊起こしてますが許して

後半駆け足になってしまったので多分後で手直しします。

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