チート能力者が戦国時代にタイムスリップしたようです   作:avis
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言い忘れていましたが
更新ペースは非常にゆっくりです
なので気長に待っていただけると幸いです


第五話 池の龍神とその正体

あれから馬に引きずられ数十分といったところか

 

俺は信奈たちに連れられ、山奥の池までやってきた

 

近くには村があったがその村はどうも様子がおかしかった

 

活気がないというか、何かに怯えているような人たちが多くいた

 

やはり時代が時代だから戦に巻き込まれるかもしれないという心配でもあるのだろう

 

「それじゃあサル。初仕事よ。この池の水を汲み取りなさい」

 

「どのくらいでしょうか」

 

「全部よ」

 

思わず絶句してしまった

 

今目の前にある池は小さいわけでなくそれなりに広いのだ

 

全部汲み取るとなると何人もの人がいて、それこそ可能だろうが

 

俺一人となるととてもじゃないが不可能だ

 

そう思っているのを察したのか信奈は俺に池の水を抜く理由を話し始めた

 

「この池には龍神が棲み着いてるという噂があるのよ。

 それでさっきの村の人たちが人柱として、乙女をこの池に沈めるってワケ」

 

なるほど。それでさっきの村には活気がなかったのか

 

「そんな迷信信じる人なんているんだな・・・」

 

「まったく、神だの仏だのなんているわけないのにね。

 そんなもの、人間の頭の中に棲み着いてるだけの気の迷い、要は幻じゃん」

 

「それで自分にこの池には何もいないということを証明しろ。そういうことですね?」

 

「そうよ。ほら、分かったらささっとやりなさい!」

 

ン~、理由がどうあれ、この量の水を抜くのは不可能だ

 

となるとできることは

 

「信奈様、村人をこちらに集めていただけないでしょうか。案があります」

 

「どするつもりよ?」

 

「いえ、要は龍神がいないことを証明すればよいのでしょう?

 それならわざわざ水を抜かずとも証明できますので」

 

信奈は俺の言葉を聞き少し考えてから

 

「いいわ。もし村人全員にそれを証明できたならアンタを足軽として雇ってあげる」

 

そういって信奈は家臣たちと一緒に村の人たちを集めに行った

 

 

 

数分後、俺の前には多くの村人たちが集まった

 

周りには信奈、それに家臣たちもいる

 

あまり人前で何かをするのは苦手だがこればっかりは仕方ないと割り切った

 

「えーっと、今日は忙しい中集まってくれてありがとう」

 

恒例のあいさつを言うと

 

皆、静かになり俺の方に視線を向けていた

 

「単刀直入に聞く。龍神の存在を信じている人は手を挙げてくれ」

 

俺のダイレクトな質問に戸惑う村人もいたがほぼすべての人間が手を挙げた

 

「ふーん。それじゃ龍神の姿を見たという人は手を挙げてくれ」

 

そう聞くと、さっきとは違い今度は誰一人手を挙げなかった

 

「へぇ・・・じゃあ今から俺があの池に潜ってアンタたちのいう

 龍神様を探してきてやるから少しばかり待ってろ」

 

そういうと村人は「馬鹿なことを」だの「罰があたる」だのぬかしている

 

頭の中に槍を思い浮かべると、例のごとく手に槍があらわれる

 

皆驚いていたがそんなことお構いなしに上に着ていた服を脱ぎ池に飛び込む

 

奥まで行くと何やら影が見えたので身構える

 

そして俺に向かって一直線に噛みつこうとしてきたので槍で一突きにする

 

池の龍神様の正体、それは池に棲むちょっと大きめの魚だった

 

池から勢いよく顔をだすと皆が慌てていた

 

恐らく魚から流れた血を俺のと勘違いしたってところだろうか

 

陸地に戻って魚を村人の前に見せる

 

「これがアンタらの信じてた龍神の正体だ。すごい勢いで噛みついてきたしな」

 

魚を見た人は「そんな馬鹿な」などと呟いているが

 

「いいか。龍神が死んだ今、もうこの池に生贄を捧げる必要はない

 だからもう二度と命を粗末に扱うんじゃないぞ。わかったら解散」

 

そういうとしばらく村人は動かなくなったが直にこの場からいなくなった

 

「アンタ無茶するわね」

 

信奈が俺にむかっていう

 

「別にほんとはもっと小さな魚でもよかったんですよ」

 

そういうと信奈は「どういうこと?」と首をかしげる

 

「この村の人間は誰一人として龍神の姿を見たことがありません。

 だから例え小さな魚だったとしても信じるでしょう。

 なにせ、見たことがないんですから」

 

きっと今俺はものすごく悪人面だろう

 

「まあここまで誰の反論もなく穏便にいくとは思いませんでしたけど

 恐らく、根っこから信じている人なんていなかったんでしょう。

 それに、今まで生贄になった人たちも恐らくその大きな魚によって

 食べられてしまったのでしょう。完全に自分を食う気で突っ込んできましたからね

 こいつが龍神の正体といっても過言ではないでしょう」

 

それだけ言ってって服を着て槍をミニバッグにしまい信奈たちに向き直るが

 

なぜか全員唖然としている

 

その中信奈が

 

「アンタ、一体何者なの?」

 

と聞いてきた

 

「まぁそれは追々話していきますよ。それよりもこれで俺は足軽になった

 ということでいいんですかね?」

 

すると

 

「え、ええ。いいわ」

 

こうしてやっと俺は正式に足軽として雇ってもらえることになった

 

そのあともいろいろ問い詰められたりしたが

 

落ち着いたらすべて話すというとなにも言わず引き下がってくれた

 

「ってこんなことしてる場合じゃなかったわ!」

 

信奈はそう叫ぶと案の定また俺に縄をかけ馬に乗った

 

そしてまた俺は走らされることになるのであった

 




次回 蝮の登場です







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