リディー&スールのアトリエ~ある男の不思議な絵の物語   作:テオにゃんX
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第二十二話 三つ目の不思議な絵へ

俺は不思議な絵を持ち込んだ人の噂話を聞くために、教会に来ていた。

 

コウキ「シスター!いますかー?」

 

コウキ「あれ、いない?」

 

???「グレースさんなら~今は留守よ?買い物に行ってるからね~」

 

コウキ「ぱ、パメラさん!?」

 

パメラ「あら~?コウキ君じゃないのぉ~!」

 

コウキ「なんでパメラさんがここに!?」

 

パメラ「えっとぉ…話すと長くなるんだけどぉ…いい?」

 

コウキ「は、はい…」

 

………

 

パメラ「ってことなのよぉ…」

 

コウキ「え?乗る馬車を間違えた…?」

 

パメラ「そうなのよぉ~だからまたお金をね…」

 

コウキ「は、はぁ…」

 

パメラ「しかし、コウキ君大きくなったわねぇ~あの時リディーちゃんとスーちゃんみたいに、こんくらい小さかったのに~」

 

コウキ「いや…そんな虫くらいに小さかったですっけ?俺…」

パメラ「それで~今日はどうしたのかしら?」

 

コウキ「えっと、それはですね…」

 

………

 

パメラ「大きな絵を持っていった人~?」

 

コウキ「はい、何か知ってますか?」

 

パメラ「う~ん…ごめんねぇ~わたしはわからないわ~」

 

コウキ「そうですか…じゃあそろそろ俺は帰りますね」

 

パメラ「じゃあねぇ~コウキ君」

 

コウキ「はいー」

 

………

 

王城前広場にて

 

コウキ「あれ?もういる!?」

 

リディー「あ、コウちゃん!」

 

スール「あたしたちも今着いたばっかだよー」

 

コウキ「すまん。こっちは情報得られなかったんだけど…」

 

スール「あたしはルーシャのとこ行ったけど、特になにもなかったよ」

 

リディー「私はリアーネさんのとこに話を聞いたら、その人はソレイユ通りにアトリエを構えてるって…ちなみに名前はアルトって言うらしいよ?」

 

コウキ「なんでリアーネさんそんなに詳しいんだろう…」

 

スール「じゃあ、ソレイユ通りでアルトのアトリエを探してみよう!」

 

リディー「うん!…そういえば、アルトってどこかで聞いたような…うーん、どこだっけ…」

 

コウキ「…?」

 

………

 

俺達はソレイユ通りを歩いていた。

 

リディー「ん…?」

 

スール「リディー、どうかした?まさか…絵の声が聴こえたとか!?」

 

コウキ「地下室のときも聴こえてたよな?」

 

リディー「…あはは、そうみたい…えっと、こっちの方から聴こえたような…」

 

スール「ふむふむ、ここだね。絵の声が聴こえたってことは、ここに不思議な絵があるのは間違えない…!」

 

スール「よし。…たのもーっ!」

 

コウキ「大丈夫かな…」

 

リディー「あはは…」

 

ガチャ

 

???「…ん?なんだ、君たちか。いつも元気でうらやましいよ、ははは」

 

コウキ「あれ?あのときの!」

 

スール「まさか、あなたがアルト…さん?」

 

???「うん?どこで聞いてきたんだ?…まぁいいか。君の言うとおり、ぼくがアルトだ」

 

アルト「それで…ぼくに何か用かな?」

 

リディー「あ、えっと、アルトさんが大きな絵を見つけてきたって聞いて…」

 

アルト「ああ、これのことか。さすがに運ぶのが大変だったよ」

 

スール「ねぇねぇ、アルトさん。この絵、あたしたちに譲ってくれませんか?」

 

スール「実はこれ、呪われた絵でですね。持ってると崇られてしまうっていう恐ろしい…」

 

コウキ「(さすがスー、嘘つくの上手すぎだろ!)」

 

アルト「ああ、譲るよ」

 

コウキ「そうですか…譲ってくれるんだ…って、ええ!?」

 

スール「いいの!?本当に!?冗談じゃなくて!?」

 

リディー「どうしてスーちゃんとコウちゃんが驚いてるの…?」

 

スール「だ、だって普通、こんな簡単に譲らないでしょ!あたしなら譲らないもん!」

 

コウキ「俺もだよ?こんな高そうなやつ、売ったらいい金に…」

 

リディー「それはダメ」

 

コウキ「ア、ハイ」

 

スール「コウキってば…どうせお金が欲しいんでしょー?」

 

コウキ「スーには言われたくないんだけどぉ!?」

 

アルト「ふっ、正直だね。もちろん、ぼくもタダで譲ったりしないさ」

 

アルト「絵を譲る条件はひとつ。…ぼくを絵の調査に同行させてくれ」

 

スール「…絵の調査?さて、何のことですかねー…」

 

アルト「しらばっくれても無駄さ、不思議な絵のことも、君たちが絵の調査をしていることもぼくは知っている」

 

アルト「君たちが今度、ぼくを調査に連れて行ってくれるなら、この絵を譲ろうじゃないか。どうかな?」

 

スール「…わかりました。それでいいです。別に、不利なことはないと思うし」

 

アルト「ふふ、助かるよ。この絵を修復するのは面倒だし、いろんな絵の世界に行ってみたかったんだ」

 

アルト「では、この絵はぼくが王城に届けておこう。それじゃあ…」

 

バタン

 

リディー「あはは、よかったね。結構あっさり譲ってもらえて」

 

コウキ「それにあの人実力はありそうだし、一緒にいてくれたら絵の調査も楽になるんじゃないか?」

 

スール「そうだね。じゃあ、修復の準備を進めなきゃ!」

 

リディー「うん!」

 

………

 

王城の画廊にて

 

アルト「来たね。これがぼくが見つけた絵、『アルフェル大瀑布』だ」

 

ミレイユ「まさか絵を見つけたのがアルトくんだったなんて、早く言ってくれればよかったのに…」

 

アルト「はは、その義務はありませんから。さて、二人とも。早速絵の修復を進めてくれ」

 

アルト「ぼくは修復が終わるまで、ここで待たせてもらおう。ふふ、よろしく頼んだよ」

 

リディー「はい。わかりました!」

 

スール「じゃあリディー、急いで修復するよ!」

 

スール「あ、コウキはみんなを呼んどいて?」

 

コウキ「わかった」

 

………

 

ガルド「お、コウキか。王城に用があったのか?」

 

コウキ「師匠!新しい不思議な絵が手に入ったんですけど、師匠も行きませんか?手掛かりがあるかもしれないので…」

 

ガルド「新しい絵?もしかして、誰かが持ち込んだやつか?」

 

コウキ「持ち込んだらしいですよ?名前はアルトさんっていう人です」

 

ガルド「やはりか。そいつとちょっと話がしたくてな、どこにいるかわかるか?」

 

コウキ「王城の画廊にいますよ?」

 

ガルド「おう。わかった」

 

コウキ「(話…?アルトさんのこと何か知ってるのかな…)」

 

………

 

ガルド「ミレイユの嬢さん」

 

ミレイユ「あら、ガルドさん?」

 

ガルド「いきなりで悪いんだが…新しい不思議な絵、手に入ったんだろ?行かせてくれてもいいか?」

 

ミレイユ「それは構いませんが…」

 

ガルド「修復は終わってるのか?」

 

ミレイユ「今双子ちゃん達が修復の準備をしてるわ」

 

ガルド「そうか。画廊に行って待ってるか…」

 

ミレイユ「ええ、わかったわ」

 

マティアス「そういえばガルドさん、あの可愛い子は?」

 

ガルド「可愛い子?」

 

マティアス「そうだよ。紫髪で黒い帽子を被った子だよ!」

 

ガルド「ああ…メルサのことか?なんだ?惚れたのか?」

 

マティアス「そうだ!綺麗で美人だったからな!」

 

ガルド「お前はあいつのことそう思ってくれるんだな。でもあいつは35歳だぞ?」

 

マティアス「35歳!?てっきり俺と同じくらいかと…」

 

ミレイユ「そう思ってくれるとはどうゆう…」

 

ガルド「いや、何でもないさ。じゃあな」

 

ガルドは画廊へと向かう。

 

ミレイユ「…?」

 

マティアス「だが!35歳でも諦めないぞぉ!」

 

ミレイユ「はいはい。さっさと行け」

 

マティアス「おうよ!」

 

………

 

ガルド「お前さんがアルトか?」

 

アルト「ん?君は…」

 

ガルド「俺はガルドだ。お前さんの名前はコウキと言う奴から聞いた」

 

アルト「コウキね。ふむ…何か聞きたそうな顔をしているね」

ガルド「あの時のことだ。お前さんを襲おうとした骸骨の魔物は何か言っていなかったか?」

 

アルト「『これがあればあの方を復活』…とか言っていたね」

 

ガルド「…!」

 

アルト「それを聞いてしまってね。そしたら人間だった姿が魔物に変わり…ぼくを襲おうとした…これが君の知りたかった事実だ」

 

ガルド「そうか。感謝する」

 

アルト「君も絵の調査に?」

 

ガルド「ああ。俺は傭兵であって、あの双子の護衛の仕事を頼まれているからな」

 

アルト「これからはぼくも同行するよ。よろしく」

 

ガルド「ああ」

 

………

 

スール「アルトさーん。修復の道具作り終わりま…って、ガルドさん!?」

 

ガルド「前回はすまんな。護衛についていけなくて」

 

リディー「大丈夫ですよ!コウちゃんとマティアスさんがいましたし」

 

ガルド「コウキ、やるじゃねぇか」

 

コウキ「あはは…でも師匠がいてくれたら俺も心強いです」

 

ガルド「ああ、任せときな」

 

ルーシャ「またいつものメンバーに戻ってよかったです」

 

マティアス「あれ?オレは褒められないのか?」

 

フィリス「あ、この間の!」

 

ガルド「ん?フィリスのお嬢さんじゃねぇか」

 

コウキ「え、フィリスさん、師匠のこと知ってるんですか?」

 

フィリス「うん!この前私に依頼してきた人だよ」

 

ガルド「あの時は助かった。ありがとな」

 

フィリス「はい!困ったことがあればまたいつでも!」

 

ガルド「ああ、頼りにしてるぜ」

 

アルト「さぁ、早く修復を済ませよう」

 

スール「わっかりましたー!」

 

フィリス「(あの人…気になる…うーん…)」

 

………

 

アルト「へぇ、こんな風に修復するのか、実際に見るのは初めてだな…」

 

アルト「それは後で資料にまとめるとして…これで絵の中に入れるようになったんだろう?」

 

リディー「あ、はい!これでバッチリなはずです」

 

アルト「そうか。なら、一刻も早く絵の世界を見てみたいんだが…」

 

フィリス「むー…」

 

アルト「…ど、どうかしたのかい?そんなに見つめられても困るんだけど」

 

フィリス「うーん…わたしたち、絶対どこかで会ったことあるよね…?」

 

アルト「いや、気のせいじゃないかな…少なくとも、ぼくには覚えがない」

 

フィリス「本当にぃ…?むー…あやしい…」

 

マティアス『こらこら、フィリス嬢、アルトが困ってるだろ、そのへんにしといてやれ」

 

フィリス「はーい…まぁそのうち思い出すだろうし、いいや、ごめんね?そろそろ出発しよう」

 

スー「わっかりましたー!では絵の世界へっ!」








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