旧・東方神零録   作:異山 糸師

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今月は東方をちょっと頑張ってみますか。


月ってカジノか何かなのか?

「ただいま~」

「あ、零さんお帰りなさい。どうでしたか?」

「お邪魔してるわよ、零」

「す~…す~…」

 

家の中に入るとルーミアが寝ていて、幽香とアマテラスが話していた。

 

「ああ、幽香、これ返すわ。サンキューな」

「別にいいわよ。それよりアマテラスの事なのだけれど」

「アマテラスか?話は聞いた?」

「ええ、本人から聞いたわ。それにしてもこんな美人がこの世に居るなんてね…驚いたわ」

 

傘を幽香に返してから寝ているルーミアの頭付近に座る。その際スカートが盛大に捲れていたので戻してやる。

ドロワーズじゃなくて普通の下着だからな。危ない。

ていうかなんで寝てるの?

 

「私が幽香さんに説明している間に寝ちゃったんです」

「なるほど」

 

長い話は嫌いだもんな。しょうがない。

 

「んぅ~………」

 

ルーミアが小さく唸りながら頭を動かして俺の膝に乗せてくる。そこで落ち着いてまた寝だした。

凄いな、起きてもないのに無意識で俺を感知して的確に膝枕になる様にしてくるとは。

あどけない寝顔をみて苦笑しながら頭を撫でてやる。心なしか、顔がふにゃっと弛んだ。

 

「「いいなぁ~………」」

「ん?なんか言ったか?」

「「なにも」」

「ふ~ん、それでだな、アマテラス。今夜輝夜と話をするから着いて来るか?」

「ええ、勿論行きます!」

 

じゃ、決まりだな。今夜にでも再び会いに行きますか。

それより、俺ってやっぱり死んだことになってるのか?でもあの三馬鹿が俺を結果的には神にしようとしたんだよな?もし生きていたら神になったことで不老不死となり、何れまた会う事が出来るとでも思ってのだろうか。

元々不老なんだけどね。なら輝夜はさぞ驚いたことだろう。

会いに行った時の反応が楽しみだ。

 

あと、アマテラスは幽香にも教えたし別に神にばれない限り気にしなくてもいいか。

 

「そろそろ飯でも作ろうかね。幽香も食べていくだろう?」

「ええ、お願いするわ。零のご飯は物凄く美味しいものね」

 

何度か来ているときに食べて帰っていた。ん~、みんなでつつける鍋にでもしますか。

 

その後、ルーミアも起こして鍋を食べた。途中で紫が来てアマテラスの事を説明しておいた。ただ、アマテラスを見てフリーズしていたな。初対面はいつもこうだから仕方ない。

そんな感じで時間を過ごして行くうちにとっぷりと日が暮れた。二人は既に帰ったけど。

 

「早速行きますか」

『ええ!行きましょう!』

『テンション高いわね。まあ、私も気になるけど』

 

二人は俺の中から見てるってさ。別にそれでいいならいいけど。

 

今回は空間と空間の距離を消して直接輝夜の所に行く。余計な心配をしなくて済むしな。

目の前の空間が裂け、人一人が通れるくらいの広さになる。裂け目の向こうは既に輝夜が見える。驚いてる驚いてる。

 

庭に下り立って空間を閉じる。

 

「こんばんわ、輝夜。ご機嫌いかが?…なんてな」

「ええ、こんばんわアマギ様。驚きの連続で心臓がどうにかなりそうです」

「くはは、そいつは重畳。そんな刺激も偶には必要だろう」

「本当に偶にでいいですよ」

 

静かに笑いながら、輝夜が腰かけている縁側の隣に座らせてもらう。近くで見ると確かに美人という事がよくわかる。月明かりに照らされた艶のある黒髪が輝いて見える。

 

「さて、自己紹介と行こうか。ああ、お前はいいよ、知ってるから」

「それもそうですね」

「さて、改めて……俺の名前は天城零だ」

 

名前を言うと、輝夜は小さく、やっぱり……と呟いた。これを見るからに俺の事は知っているらしい。

 

「俺の事をどこまで知っている?」

「えっと……月神様で永琳の旦那様という位しか。あと、月に移住する際に妖怪に襲われたのを一人で食い止めた……位です」

「まあ、そんだけ知っていたら十分か」

 

ていうか、永琳の旦那様って!まだその話生きてたんだ。もうこの話無しに出来なさそうだし指輪でもあげてみるか?

 

「それより敬語使いにくいだろ?普通に話してくれて構わないぞ」

「え?ですが神様ですし……」

「いいから。命令な」

「そうですk……そう。分かったわ」

 

よし。親しい者に敬語とか使われたくないしな。

 

『御主人様って神様だったの!?』

『そうですよ。ちなみに私の主に値します。太陽神の長ですかね?』

『それよりも!!旦那ってどういうことなのよ!結婚してたの!?』

『はっ!?そうですよ!私の知らない話が多々あります!というか結婚ってなんですか!!!』

 

え?いやまあ……お前らに会う遥か昔に住んでいたところでちょっとな……気づいたらそうなっていた。

月にも人が住んでいるんだが……その移住するときに妖怪がかなり邪魔してきてだなぁ……俺が一人残って食い止めた。人妖大戦と呼ばれているぞ。

暇なときに詳しく話してやるよ。

 

『『絶対です/よ!!』』

 

あ、ああ………………。

 

「どうしたの?」

「いや、何でもないさ。それよりなんで地球にきたんだ?」

「ああ、そのことね……」

「月は居心地が悪いのか?」

「いえ、すごくいいわよ?貴方の事を皆が信仰していて治安も良く、犯罪が一切ない。それに貴方の事を信仰し初めたとある三人と永琳が……アマギ神様はつまらないことが嫌いだ。これからは面白おかしく暮らそう!!って言い出したから娯楽が凄いのよ」

「へ、へぇ……それは凄いな…うん」

 

何だろう、心当たりがありすぎて困る!絶対ゲンとかシュウだろ!しかも皆さん信仰しすぎじゃない?

 

「ただ、どこにでも腐った連中は居てね。私が不老不死になったのをいいことに実験をしようとする輩がいるのよ。私はそれから逃げてきたの」

 

なんか知っていた知識と結構違うんだな。俺が神になったことで大幅に物語が変わったのだろう。

追放が逃げてきた、になってるし。犯罪が一切なく、娯楽が日々進化して楽しく暮らせているようだし。結構いい方向に行ってないか?

 

「まあ、私が此処に居る間に一掃されているでしょう。近いうちに迎えが来るらしいし」

「ふ~ん……帰るのか?」

「帰らないわ。ここが気に入ったのよ。住む宛てもあるし、のんびり暮らすわ」

 

ああ……ここから蓬莱ニートになるんだな。ま、別にいいが。

 

「それにしても驚いたわ~。まさか死んでるかも知れなかった貴方に会えるなんて!永琳に話聞かされてからずっと思ってたのよ、実際に会ってみたいって」

 

ん~っ、と伸びをしている輝夜。俺の知らなかった物語、変わってしまった物語……それがこんないい感じの話になっているとは、中々どうして面白い。俺でも知らないことは星の数以上にあるのだ。

全知使えば分かるけど、それは味気ないだろう?

 

事実、月でそのようなことになっているなんて知らなかったし、身近なようで身近じゃない話は聞いていて面白かった。

 

「ずっと暇だったのよ。来るのは気持ち悪い貴族ばかり。気が滅入る一方で、ホント面白くないわ」

「そうか……何て言うか、お疲れさん」

 

隣でぐでーっとしていた輝夜の頭をよしよしと撫でて慰める。気持ちは分からんでもない。あの気持ち悪い貴族共の相手をするんだ、ストレスも溜まってくるだろう。

 

「ッ!?」

「どうした?嫌だったか?」

「そんなことない!」

「おぉう、いきなりどうした?」

「……///(永琳の話を聞いていて会ってみたいという思いは募る一方だったけど、実際に会って話してみたら凄くいいわね…)」

「お~い?」

「(凄く落ち着くし、兄って感じかしら?)」

 

あっれ~?返事が無い、ただの屍のようだ。

 

でも顔が赤いし、上目遣いでじっと見てくるから生きてるんだろうね。

 

「あ、あのさ………」

「ん?」

 

やはり生きてたみたいだ。不老不死だから死にはしないだろうけどね~。

 

「また…会いに来て話し相手になってくれるかしら?」

「なんだ、そんなことか。勿論いいぞ。じゃあ、今夜はもう遅いし帰ろうかね」

「ええ、待ってるわ。お休みなさい」

「ああ、お休み」

 

どうやら暇つぶしに話し相手が欲しかったようだな。言われなくてもまた来るさ。

 

そうして来た時と同じように空間をいじくり家に帰った。部屋に入ると二人が出てきてすかさずくっ付いてくる。

 

「どうした?」

「結婚していたなんて知らなかったわ………」

「そうですよ……」

 

ああ、そういう事か。この二人俺の事本当に大好きだもんなぁ……嫉妬か。

 

「細かく言うと結婚した訳じゃないがな」

「それでもです……この気持ちを抑えるためにも今夜は付き合ってもらいますから!」

「寝取りってやつね?ふふ……御主人様?今夜は寝かせないわよ?」

「え?ちょっ、待っ…………」

 

何時の間にか布団が敷いてあり、問答無用で押し倒された。

寝る時間が無い?大丈夫、どうせ気絶させられるから寝られるさ。

 

まあ、結論――――――女の嫉妬って怖い。

 

ちょっ!激しッ……アッ――――――――!!

 




多分、取るに足らない話ばかりになりそう。

面白く書きたいんですがねぇ……中々東方では難しい。

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