初投稿の初心者ですが、よろしくお願いします。
「夢の終わりに」
_______夢を見ている。
それはなんて事ない「普通」の日常。
自分がいて、家族がいて。
それで、すこしだけ口うるさい上司との仕事。
上司の彼女たちは厳しいけど、それでも出来損ないの俺に少しずつ魔法を教えてくれて。
時折、「本当に私の事を覚えてない?」なんて、まだ出会って1年も経っていない間柄なのに。
彼女たちは「俺」と言う人間をよく知っていた。
苦手だったはずの魔法も、彼女が教えてくれた魔法は何故か使えた。だんだんとこの日常が楽しいと感じ始めた、そんな時間が愛おしく思えた。
そんな「夢」。
この日常はきっと美しい。
_________ああ、でも一つだけ。
夢のはずなのに、どうしてこんなにも懐かしい/悲しいのだろう……。
初めて彼と出会ったのは、まだ私が小さい頃。
初めて魔法に触れて、ジュエルシードを集め出して。
そんな新しい日常、魔法の世界を知ってから少し経った時だと思う。キミは覚えていないけれど……あの公園ではじめてあったよね?
何もわかない私に少しずつ魔法を教えてくれて、優しくしてくれて、少し無愛想で、時々意地悪で。
でもそんな日々が夢のようで。
もちろん辛い事時が無かったって言ったら嘘になっちゃうけど、それ以上に大切でしあわせな事ばっかり君は私にくれたんだよ?
最初の出会いはちょっと……かなり悪かったかな。
あの時の私は母さんに言われた事が絶対で、自分の幸せは母さんの幸せだって信じて疑わなかった。
でも貴方はそんな私を、本当の幸せを知らない私に一番大事なモノ/幸せをくれたよね?
今思い返すと、貴方にはあの頃からずっと助けてもらって、大切な事を教えてもらって。
ーーーーだけど貴方は自分の幸せを見つけられたの?
そうやなぁ、キミと出会ったのは公園のベンチやったっけ?
最初はボケーっと何もないとこばっか見とって、何してんやろって私が見てたら目が合って。
次の日にまた公園に行ったら座ってて、スルーしよ思ったのに、急に話しかけてきた時は正直ビックリしたで?
まぁ、それが私たちの出会いやったな。それからなんの縁かよく会うようになって。
でもヴィータたちはずっと警戒しとったよな。
……まぁ、最初に懐いたのもヴィータやったけど。
私の家によく来るようになってからはみんなとすぐ打ち解けて、家族みたいだって言ってくれて本当は凄いうれしかったんやで?
寂しい時はいっつも気づいたら側におってくれて、泣いてるとこ見られた時は恥ずかしかったけど、何も言わずに撫でてくれて。
本当に感謝しかないなぁ……。
もしも寂しくなったりしたらすぐに帰ってきてええんやで。いつまででも待ってるから。
始まりはいつも突然。この物語は、そんな時間旅行(タイムコール)の一欠片。
プロローグでした。
次回から本編に入っていきます。