Re.Dive タイムコール   作:ぺけすけ

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第8話 《mode2・Saber Nova》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュエルシードの気配を感じ俺となのは、ユーノは走る。

何というか凄く嫌な感じがする。

さっきの子が持っていたのがジュエルシードなら次の核になってしまうのは……

余計な事を考える頭を思いっきり振り悪い考えを逃し冷静になる。

 

 

ジュエルシードが発動したであろう気配を追って走っていたが思わず俺の足が止まってしまう。

 

 

ーー最悪だ。

 

 

「ユウ!?どうしたの!」

 

「ユウさん!?」

 

なのはとユーノの声が聞こえるが俺は反応する事が出来ない。

 

……冷静になれ。

こういう状況なのだから寧ろ頭を冷やせ。

 

「ユーノ、なのは落ち着いて街の方を見るんだ」

 

「「え?」」

 

なのはとユーノは少し先にある街の方を見る。

 

「……うそ」

 

「こんなの……」

 

目の前に広がるのは巨大な樹木。

ソレは少しづつ地面を破り町に浸食して行っている。

 

「ユーノなのは、落ち着け。

まずは町に着いたらユーノは結界を。なのはと俺はセットアップだ」

 

冷静に自分たちの役割と出来る事を考え、計算する。

でもあの大きさなんてどうすれば良いのか。

俺の砲撃となのはの砲撃を合わせても多分………無理だ。

 

「とりあえず町まで行こう」

 

「うん!」

 

「急ごう!」

 

そして再び走り出す。

ユーノの言っていた"強い思いを持った人間が発動させた時、ジュエルシードは一番強い力を発揮するから"という言葉を思い出す。

本当に危険なものだと言う認識を改めさせられた。

 

 

 

「酷いな…」

 

既に町は巨大な木の根でめちゃくちゃになっている。

とりあえずユーノには結界を張ってもらい維持してくれるように頼む。

 

「なのは俺たちは……?」

 

「………」

 

「なのは?」

 

反応がない。

何かを後悔している顔だ。

しかし今はそれよりも先にこの状況をどうにかしなければいけない。

なのはを揺さぶる。

 

「え、あ……ごめん、ぼーっとしてた!」

 

「おう、それじゃ俺たちはアレを止めるぞ?」

 

「……うん」

 

「何かあったんだよな?後で聞くから今はコレを止める事を先に考えよ?」

 

こちらを見て少し気合を入れたなのは。

 

「うん!行こうユウさん!」

 

「よし、それじゃやるぞ」

 

「「セットアップ!」」

 

そしてバリアジャケットに。

さて、どうしたものか。いざ目の前にして止めると言ってもこの巨大な木をどうすれば止めれるのか検討もつかない。

 

「ユーノ、こう言う相手にはどうすればいいか分かるか?」

 

 

一番魔法経験があるユーノに聞くのが適切だろう。

ユーノは少し考え、

 

「封印するには元になった部分、核の部分を探さないといけないんだけど……範囲が広がりすぎててどうやって探せばいいのかボクにも……」

 

つまりピンポイントで核を見つけなきゃいけない訳だな?

"探索魔法"を使えばいい!

 

「なのは、探索魔法って使えるか?」

 

「え?えっと……」

 

《No problem》

 

レイジングハートが先に答える。

 

「よし、頼んだ。俺はーー」

 

 

と話しているとナニかが此方に攻撃してきた。

 

ヒュン!と鞭のようなしなる音と共に緑色のモノが飛んでくる。

 

「やっぱり攻撃もしてくるよな…!」

 

「ユウさん!」

 

「ユウ!」

 

どうやらこの巨大な木の根やツタで攻撃してくるようだ。

 

「こっちはなんとかするから元となった場所を探すんだ!」

 

と言っても俺のバリアジャケット、ブラスター ノヴァは遠距離の砲撃型。

完全に近寄られていて尚且つ相手は近距離有利だと避けるのも精一杯だ。

くそ、装甲が重い。

どうすりゃいいんだ……

 

《master》

 

「なんだよ!」

 

前と左斜めから飛んでくるツタを避ける。

くそ、砲撃もロクに打つタイミングがない…!

 

《I recommend the mode change》

 

モードチェンジを推奨?

 

「お前っ、そんな!ことも、できる、のか!?」

 

ツタやら根っこやらを避けながらツァイトに聞く。

 

《yes》

 

「もっと早く言ってくれ!」

 

《I copy that》

 

「それでどうすればいいんだ!早く!」

 

もうそろ限界。

どうすりゃいいんだ!

 

 

《mode2・Saber Nova》

【change・Rifo mation】

 

 

モードセカンド・セイバーノヴァ。

音声と共にまた"あの時"と同じで頭に情報が流れ込んでくる。

 

 

「ぶっつけ本番は上等!」

 

 

《phase2 shift ・Saber》

【Are You Ready?】

 

 

「モードチェンジ!」

 

 

 

剣を鍛えあった記憶。

 

ーーお前は剣で何を成したい?

 

ーー何を成すか……ですか?

 

ーーああ、ただ闇雲に殺生というわけではないのだろう?

 

ーー強くなりたい……じゃダメなんですか?

 

そういうと少し苦笑いする目の前の女性。

 

この人は誰だったっけ……

 

ーーその理由が見つかればお前は、■■はもっと強くなれる。今の私は家族を守るためにこの剣を振るう。

 

昔は少し違ったがと言いながら苦笑いする。

 

ーーなら

 

ーーん?

 

ーーなら俺も、

 

 

 

 

 

 

 

 

《mode2・Saber Nova》

【complete phase2】

 

 

モード2・セイバーノヴァ。

 

装甲はブラスターの1/3にパージされ薄くなったが推進力は3倍。

ツァイトの処理能力を使用者の脳内伝達部分とダイレクトに接続し反射力を常人の数倍に引き上げる。

メイン武装は腰に掛けている西洋剣風の武装一本。

ツァイトライザー、出力は自身の魔力によって決まり外部から魔力を吸収も可能。

装甲はブラスターモードのリメイクの様な感じ。

あちらは歩く戦車の様だったが、此方は騎士の様。

 

ーーー行ける!

 

 

「なのはユーノ!そっちは任せた!」

 

「うん!……って何そのバリアジャケット!?」

 

「姿が変わった!?」

 

「あとで説明する!!」

 

 

この姿の、セイバーフォームの使い方は……わかる。

 

先程まで早すぎて苦戦していたツタも

 

「はぁ!」

 

一閃。

このフォームなら避けるより切った方が早い。

次々に迫り来るツタを右、左とスパスパと切っていく。

 

身体が軽い。

ブラスターは強力で一撃一撃の威力が強みだが、このセイバーは完全にスピード特化と言った感じだ。

 

「ユウさん!核になった2人を見つけた!」

 

「よし、封印できそうか!?」

 

「やってみる!」

 

なのはのレイジングハートの姿も変わっていた。

……すごい魔力だな。

 

「ユウ!核の2人を守る様に装甲が!」

 

やっぱり簡単には封印させてくれないよな。

 

「それは俺に任せろ!いくぞ、ツァイト?」

 

 

《Ok, master》

【Load now…… Crashes Streamer】

 

 

「クラッシュ・ストリーマ!!」

 

剣に自分の魔力を収束させ、巨大化。

そのまま一気に収束させた魔力を解放しながら切り裂く。

 

緑の装甲は紙のように切り刻まれる。

 

 

「なのは!」

 

「うん!行くよディバイン・バスター!!!!」

 

なのはのレイジングハートから巨大な魔力の本流が放たれる。

ーー綺麗な桜色。少しだけ見惚れてしまった。

 

なのはの放ったディバインバスターが巨大な木にぶつかる。

 

爆発音と共に世界から色が消えた。

 

 

 

光が開けると目の前の木は消え、町も元に戻っている。

 

「ふへぇ……なんとかなったかぁ……」

 

一気に緊張が解けた。

 

「なのは、お疲れ」

 

「……うん、核の2人も大丈夫だってユーノくんが」

 

「そっか」

 

なら安心だな。

 

「ユウさん、私ね…多分気づいてたんだ、あの男の子がジュエルシード持ってたの…」

 

「…うん」

 

「ホントはこんな事になる前に止められたかもしれなかったんだよ」

 

「ああ」

 

「あの時、私が止めていれば……」

 

そう言って落ち込んでしまうなのは

 

「なのは」

 

頭を撫でながら話しかける

 

「実はな?俺もあのキーパーの子とすれ違った時、微かに魔法の気配を感じたんだ」

 

「…え?」

 

「だから俺もあの時止められなかったから……そのなんだ、俺も悪い」

 

「そ、そんなこと!」

 

「あーもう!2人で反省して次から。

こんなことないように頑張ろうぜ?起きた事をずっと後悔するのは悪いとは言わないけど、前に進めない。

だからこれからのジュエルシード集めは俺たちの精一杯で頑張ろうぜ?」

 

まぁ、これも誰かの受け売りだった気がするけどな。

 

「ユウさん……」

 

「ユーノもお疲れ」

 

「うん、ありがとう」

 

「それじゃ、帰るか」

 

よいしょっと立ち上がる。

 

「背中、のるか?」

 

「……うん」

 

全く、甘えん坊なお姫様だな。

 

今日の事は俺の反省もある。

あの時、少しの違和感だったがあの子を止めるべきだっただろう。

 

少し考えることが増えたなぁ……

 




こんにちは、ぺけすけです。
今回は原作無印の3話の終わりまでですね。

次回は原作4話に入る前に少しだけユウの休日のお話。
この騒動の次の日にあたるお話になると思います。

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