pipi……pipi……
久しく聴いていなかった電子音で意識がゆっくりと覚醒していく。
少し残った疲れと睡眠から目覚めたとき特有の気だるさ、そして何よりも太陽の光がどこか心地いい。
ぼーっとしている頭を振り体を伸ばす。
この部屋で迎える朝がなんだかとても久しく感じてしまうのはそれだけここが居心地がよかったという事だろう。
「6時か……」
この時間なら桃子さんは起きて朝食の準備を始めている頃のはずだ。
せっかく目も覚めた事だし久しぶりに手伝おうかな。
そう考え、部屋のタンスから黒いジャージを取り出し着替える。
この行動は十日前なら当たり前のようにしていたがこれまた久しく感じる。
ふと窓から外を見れば小鳥が鳴き朝を告げていた。
早々に着替えが終わり、下の階に降りて行く。
俺がジャージを好むのは脱ぐのも着るのも手軽に素早く出来るのと動きやすいという点が好きだから……だと思う。
下に降りキッチンに入ると丁度よく桃子さんがエプロンを結んでいるところで俺と目が合い、
「あらユウくんおはよう」
「おはようございます、手伝いますよ」
「まだゆっくり寝てていいのよ?疲れてるでしょうし……」
そう言って気遣ってくれるがここは俺のワガママを通させて貰おう。
「大丈夫ですよ、昨日ゆっくりさせてもらいましたし何より俺が桃子さんの手伝いをしたいんです」
久しぶりですしと言うと少し狐につままれたような顔をした後、笑顔になり
「なら一緒に作りましょうか」
と言ってくれた。
さて何を作ろうかな。
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朝食を作り始め少しすると士郎さんに恭也、美由希の順番で起きてくる。
これもいつも通りだ。
この後俺がなのはを起こしに行き全員で揃ってから朝食の時間になる。
「そろそろなのはを起こしてきます」
「ええ、お願いね」
残りの調理を一旦桃子さんに任せエプロンを外し二階に登る。
そしてなのはの部屋のドアをノックする。
「おーい朝だぞー」
…………やっぱり起きてないか。
もう一度ノックし一応断りを入れてから部屋の中に入る。
中に入ると予想どうりの光景が目に入ってくる。
スヤスヤと安定した呼吸音と暑かったのか少し布団が落ちていた。
少し申し訳ないが起こさないとな。
「なのは朝だぞー」
「んぅ……」
ベットの上で少しねじれながら瞼を開く。
少しぼーっとしているようで起き上がり自分の部屋をキョロキョロした後、帰ってきてたんだっけと呟いていた。
どうやら朝の俺と同じ感覚になっているみたいだ。
「目、さめたか?」
「あ、うん。おはようユウさん」
「おはよ、朝飯もうすぐ出来るから着替えちゃえ」
「はーい」
よし任務完了、下に戻って手伝いの続きかな。
その後降りてきたなのはを加え朝食を取る。
久しぶりと感じることばかりだな今日は。
しかしいつまでもこの時間が続くわけもなく、それぞれの出勤時間や登校の時間になる。
「そろそろバスの時間じゃないか?」
「あ、ホントだ。ご馳走さま」
そう言って食器を流しに運ぶ。
さて俺もなのはを送ってからの事を考えなきゃな。
そのまま玄関までなのはと歩いて行くと士郎さんと桃子さんが見送りに来てくれる。
「それじゃいってきます」
「ああ、いってらっしゃい」
「気をつけてねー」
「……まぁ俺はすぐに戻ってきますけどこのままお店に行ったほうがいいですか?」
色々考えたがやる事が思い付かずやはり働いた方がいいという結論に至り士郎さんに提案してみるがすぐに笑いながら首を振られてしまう。
「なんならこのまま何処か出かけてきてもいいよ?せっかくなんだから」
「あー……わかりました。夕方には戻ります」
うん、いってらっしゃいと言われてしまい俺の方が折れてしまう。
そのまま玄関から出てなのはと通学路を歩きながらどうしたものかと考える。
「うーん……」
「行きたい所とかないの?」
あまりにも何も思い付かない俺に気を遣ってくれたのかなのはが聞いてくる。
「全くないんだよな、ぶっちゃけ翠屋の手伝いする気満々だったし」
「私としてはユウさんにはゆっくりしてて欲しいんだけど……」
そう言ってくれるのは嬉しいがかなり休ませて貰ったし、このままでは体がなまってしまうかも知れない。
うーん……何かないかな……。
「あ」
あるじゃないか、今の時間帯でも行けてなんなら魔法の訓練が出来る上に相手もいるかもしれない場所。
それに調べ物まで出来る万能な所、アースラが。
「決まったの?」
「ああ、今日はそこで過ごそうかな」
さて決まったら即行動だ。
時間は有限だし、なのはを送ってそのままクロノあたりに連絡を取ればすぐにでも行けるだろう。
そう考えているとなのはから何やら疑うような視線が。
「なんだ?」
「危ない事、しちゃダメだよ?」
少し黒いオーラを出しつつ笑顔で念を押される。
なんかこの感覚に覚えがあるような……ないような?
まぁ別に危ない事はしないし大丈夫だろう。
…………とは思ったが一応気をつける事にしておこう。
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なのはを見送った後、歩きながらクロノに連絡すると構わないと連絡がきてそのままの流れで転送してくれる場所の公園に向かう。
この道を歩くたびに思い出すのはこの場所での最初の出会いであり俺の始まり。
あの公園で初めて目覚め、気付けば魔法使いになってた……だなんて思い返して見ても不思議な事ばかり起きたものだとしみじみと思う。
魔法なんて何処かロマンチックな響きだが実際に使ってみれば危ない事が多かった。
でもこの出会いが無ければ今の自分がいないと思うとそれもまた考え深い。
「そういえば……」
ふと思い出すのは始まりのジュエルシード。
あの時なのはの話によれば俺がいた場所にはジュエルシードがあり、それが突然光出し収まるとジュエルシードの代わりに俺がそこに倒れていたと言っていた。
「……ならそのジュエルシードは何処にあるんだ?」
今更考えてみればみる程、今の俺のこの状況は可笑しなことばかり。
冷静に今自分が自分に対して疑問を覚えていることを考えて行く。
そもそも俺は何処から来た?俺は何をしていた?何故魔法が使える?
ポケットから取り出したデバイスを見つめる。
そして何故デバイスとメモリのみが手元にあった?
思考するが今欲しい答えは見つからずこれ以上の思考は無駄だという結論に至る。
「まぁ……しょうがないよな」
そう考えはするが何処か気持ち悪さは俺の心の端に残っている。
ふと気付けばもう公園は目の前だった。
……深く考え過ぎて周りが見えなくなるのも俺の悪い癖だとよく言われるし直す努力しなきゃいけないなぁ……はぁ……
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「あ、ユウくんお疲れ様ー」
「お疲れ様、エイミィ」
アースラに乗り込み最初にエンカウントしたのはエイミィだった。
「何かあったの?まだ休暇中でしょユウくん」
「何というか色んな人の好意のおかげでやる事がなくなったというか……」
と少し省きつつ説明して行く。
簡単にまとめるとバイトするつもりだったが休みになったので魔法の訓練に来たと伝えた。
するとエイミィが少し苦笑いしつつ、
「もう、それじゃ休みにならないんじゃない?」
「って言われてもなぁ……昨日もゆっくりさせてもらったし、何ならもう3日は魔法も使ってないから鈍ってるか心配なんだよ」
「焦る気持ちもわかるけど……クロノが多分ダメって言うんじゃない?」
「そうか?」
そういうとエイミィが何かを考えるようにじーっと俺を見てくる。
なんだろうか?
「アレだね、ユウくんって誰かからの好意とかに鈍いタイプだね」
「そんな事無いと思うけど……」
「更に付け足すとかなり損するタイプかな」
"私はそう言う所好きだけどね"、そう言って笑いながらブリッジに一緒に歩いて行く。
うーん……別にそんな事無いと思うし何ならそう言うものには割と敏感だと思っていたら少し驚いている。
「あと気になってたんだけどさ、ユウくんってこの事件の後どうするかって決めたの?」
「……まだかな、正直選択肢が広がり過ぎてるのもあるけど何より俺って割と優柔不断みたいだ」
「ふーん……私としてはユウくんと管理局で働けるのは楽しそうだしこのままアースラに来てくれたらなーなんて思ってたり、ね?」
もちろんなのはちゃんたちと!なんて人懐っこい笑顔を向けられながら言われる。
確かにその選択肢も惹かれていないといえば嘘になるがまだ先の事だ。
今は目の前の事件を解決する方が先決だと思っている。
と、気付けばブリッジの前まで着いていた。
エイミィに続き中に入るとクロノが軽く手を挙げてくる。
「お疲れ様、クロノ」
「ああ、そっちもなユウ」
軽く挨拶を交わす。
何だかんだと周りの局員の人たちも声を掛けてくれるあたり心配してくれていたみたいだ。
「それで突然どうしたんだ?まだ休暇中だろう」
「ああ、ちょっと訓練施設を貸して欲しくて」
そう言うと少し驚いた顔をしつつ溜息を吐くクロノ。
………よく分からんが何か失礼なことを思われてる気がする。
「全く……ホントにキミは……」
「ふふ、ね?言った通りになったでしょ?」
先ほどエイミィが言っていたのと全く同じ言葉をクロノが発する辺りここまで予測できていたのであろう。
そんなに俺ってわかりやすい?
「キミはまだ病み上がりだろう?少しは大人しく休んだり出来ないのか」
「いや……なんか鈍りそうで……」
そう言うと更に深い溜息をつかれた。
解せぬ。
しかしその後、苦笑いしながらしょうがないなと訓練に付き合ってくれることに。
「あまり無茶な事はしないでくれ、それと何か身体に異変があればすぐに伝える事を約束してくれ」
「ああ、了解した」
そのまま2人で訓練室Aと書かれた扉をくぐると前の測定した所より少し広い場所に出る。
「で、何をするんだ?」
「とりあえず一通り使える魔法を試すのとバリアジャケットも使い回してみようと思ってる」
「ならどれだけ回復したか測る必要があるか、この前の測定器を使うか?」
そう言って測定器を何処から取り出すクロノ。
ちょっと待ってくれ、今何処から取り出しんだ?
「む?キミのデバイスにもあるだろう、ストレージが」
「ストレージ?」
はて、聞いたことのないものだが?
そう聞き返すとクロノが少し苦笑いしつつ教えてくれる。
「簡単に説明するとユウのデバイスにはモノをしまっておける機能があるということだ。
使ったことないなら試しに開いてみたらどうだ?」
「へぇ……そんなのあったのか」
試しにツァイトに聞いてみると画面に一覧表のようなものが表示される。
あれ?俺は使ったこと無いはずなんだが何か入ってる。
「なぁクロノ、コレって……」
「多分、キミが以前記憶を無くす前に入れていたモノじゃないか?そこにモノを仕舞うのは例外を除いてマスター以外には出来ないはずだ」
「例外?」
「例えばそのデバイスが作られた時からずっと入れられているモノだったりだ。
まぁとりあえず何か記憶のヒントになるかもしれないなら出してみればいいんじゃないか?」
ふむ、確かに。
ならとりあえず1番上の所からでいいか?
1番上に表示されているものをタップしてみるとそのまま俺の手元に生成される。
何だこれ?
青と白のメタルで出来たツァイトと同じ形のケースのようなモノ。
というかピッタリとハマりそうだ。
「何だろうコレ」
「さあ?キミのものだろうそれも」
クロノとと2人で見回すが特にケース以上の役割を見出せない。
何か気になる点があるとすれば裏側にあるいつもメモリを挿入する部分の横に何かスイッチのようなものがあるくらいだ。
「試しにキミのデバイスをはめ込んでみたらいいんじゃないか?
取り外す事も出来そうだし」
「そうだな、やってみる」
クロノに言われた通りデバイスをはめてみる。
ケースの横のレバーを倒しスライドする感じで差し込む。
そのまま上にもスライド方式で入れれば真っ黒だった俺のデバイスが全く別物に見える物に仕上がった。
そしてツァイトを起動してみると……
「お、何か表示されたな」
「僕にも見せてくれ」
画面に【Awakening】 と表示され新しい物がダウンロードされ始めていた。
「コレはキミたちが話していた新しいバリアジャケットが解放されるときの物に似ていないか?」
「そうなんだけどこの"Awakening"の表示は俺も初めてみるぞ」
「そうなのか?……なら少し気になるな」
じーっと画面を見つめていると下に何か新しい表示が出る。
これは……
「あー……クロノ?」
「……まぁ君たちに聞いてた通りといえばその通りだが……」
ダウンロードにかかる時間が表示されているがその……かなり長い。
終わるのは明日の昼前くらいか?
「まぁ気にはなるがしょうがないだろう」
「だな……」
何となくガッカリしてしまう。
なんだかんだと新しい物がみれるかもと少し期待していた分かなり時間がかかるのは何だかもどかしい。
クロノもそれなりに気になっていたのか少し残念そうだ。
男というのは何だかんだ"こういう"ものに弱い生き物だからなぁ。
と後ろから誰かが入ってくる音がし、クロノと2人で振り返ると苦笑いしたエイミィが居た。
「えっと、何してるの?その端っこの所で」
え?と思いクロノと顔を合わせお互いの状況を確認すると広い訓練部屋でわざわざ男2人で角の方に身を寄せ合い何かを隠しながら残念がっているという奇妙な、それでいて何処か勘違いを生みそうな状況なことに気がつく。
「あ、いや違うんだ!少し事情があって」
「ああ、別に怪しいことはしてない」
「へー……まぁ深くは聞かないけど一応ここ訓練する場所だから使わないなら他の人に代わってあげてね」
それじゃーと言って出て行くエイミィを見送りつつ少し溜息を吐くと隣いたクロノと被る。
そのまま顔を見合わせ苦笑い。
「特訓するか」
「ああ、付き合おう」
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あれから2時間ほどクロノに付き合ってもらい身体の確認と魔法がどの程度使えるか試してみたが基本的には完治していた。
ただOver Driveに関しては少し怖かったので試していない。
それとあのケース、名前をエクステンション(Extension)というものらしい。
ストレージの名前一覧にそう表示されていたので多分間違いないはずだ。
「にしても意外としっくりくるもんだな」
エクステンションを付けてから何となく違和感があるのでは?と思っていたがそんな事も無くむしろツァイトの演算力が速くなったりセットアップまでのスピードが上がったりと良いことしかなかった。
もちろんスタンバイモードの時も違和感なく重さも少し重くなったくらいで特に気にならない。
「これならもっと早く見つけておけばよかったな」
アースラの食堂でコーヒーを飲みつつ手で少し新しくなった自分のデバイスをくるくると回しながら観察する。
なんとなくフォーミュラーノヴァの外装に似ている気がして気に入ってたりもする。
なんならブレイズフォースの方のカバーもあればなぁ……
「む、まだ食べてないのか?」
「クロノ」
俺の前に座るクロノ。
どうやらお昼ご飯らしくお盆を2つ持っていた。
というかその量を1人で食べるのか?
「あー……よく食べるな?」
「バカもの、1つはキミのだ」
そう言って溜息を吐きながら俺の前に1つ置いてくれるクロノ。
「おう、サンキュー」
「気にしなくていい、冷めないうちに食べよう」
なんだかんだと1番気を使ってくれてるのはクロノかもしれないな。
というか他の局員の人に言われたのだがクロノがここまで人に気を使うのはあまり見た事がないらしく驚いていた。
……気になるし少し聞いてみようかな?
「なぁクロノ?」
「ん?」
もぐもぐとパンを齧りつつ何と質問するのがいいか少し思考する。
別にストレートでいいか?
「どうしてここまで俺に良くしてくれるんだ?元々そういう性格じゃないんだろ?」
「……誰かから何か言われたな?」
「ん、まぁそんな感じだ」
「はぁ……」
大きな溜息。
やっぱり俺の自惚れか?
「まぁその……僕もユウのような奴は嫌いじゃないって事だ。何となくほっておけなくなる」
「えっと……ありがとう?」
思っていた答えのどれにも当てはまらないもので少し返事が遅くなってしまう。
「僕が勝手にやっている事だ。もし迷惑なら言ってくれ」
「いや寧ろ助かりまくってて俺の方が申し訳ないというか……」
「ならそれこそ気にしなくていい、僕が勝手にしている事だ」
そう言って食事に戻る。
むぅ……クロノは俺のことを気に入ってくれてるらしいが俺なんかの何処を気に入ってくれたんだろうか?
そんな事を考えていると今度はクロノ方から声をかけられる。
「せっかくだから聞いておきたい事があるんだ」
「ん?」
「ユウ、キミはどうして人を助けるんだ?」
少し何かを躊躇ってからそう聞いてくるクロノ。
しかし俺にはどういう事かわからない。
「えっと……どういう意味だ?」
「そうだな……例えば僕たち時空管理局の局員はそういう"仕事"だからと言う理由で人を助ける者もいる。
他にも何かしらの利益があるからこそ誰かを助けると言うのが人の在り方だと僕は思っているんだ」
ふむ、つまり何かしらの自分への得があるから人は人を助けると言いたいのだろうか。
「だけどキミは……ユウは何の為に見ず知らずの他人を助けるんだ?少しの時間しか過ごしていない僕にでもわかるくらいキミは人を沢山助けているが、僕が見ている限り何も得がないように見えて仕方ないんだ」
何処か確かめるように、そして見定めるように俺に問いを翳してくる。
「それで戻るが、キミは何の為に人を助けるんだ?」
それは……何でだろうか?
俺自身、意識して誰かを助けた事なんてもしかしたら無いのかも知れない。
いつも誰かが困っていたり助けを必要としている場面に遭遇すると気づけば体は動いていた。
もちろん優先順位はあるだろう、赤の他人か何か恩のある人なら俺は恩のある人を助ける事を優先するだろう。
だけど、もしも手が届くならもう一つの方も助けたいと思ってしまう。
なら俺の答えは。
「多分、俺が人を助ける理由は無いんだと思う」
「無い?」
「ああ、損とか得とか考える前に誰かが困ってたら体が動いちゃうんだよ。まぁ損するタイプだってよく言われるけど俺自身はそう思った事ないけどな」
「………僕には理解できないな」
そう言って笑うクロノ。
俺自身、言ってる事が常人のそれとは違うというのは理解しているがそれが俺の"在り方"何だと思う。
何処かで俺はこの生き方に憧れた。
その誰かの事は思い出せないけど、きっとその人は強く、どんな時だって諦めずに色んな人の手を取っていた……気がする。
「だけど、その行動の理念はきっと綺麗な物だと僕は思うよ」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
「まぁあまり気張らず少しは自分の身も考えられるようになったらいいがな」
それを言われると倒れまくってる俺には耳が痛い……
「せっかくの休みなんだもう少ししたら戻ったらどうだ。そろそろいい時間だろう?」
そういえばもう15時前か?
ならもう少ししたら海鳴の方に戻ろうかな。
「ああ、ありがとう。また特訓とか必要になったら頼むよ」
「ああ、連絡してくれ」
そう言ってブリッジに戻るクロノ。
色々と考えされる質問だったな。
なんで俺が人を助けるか、か。
きっとそれは何も無い俺が初めて自分からすべき事と認知したからなんだろうけど。
その生き方をしていたのはどんな人だったんだろか?
ここまでお疲れ様でした。
次回から戦闘パートに入ると思います。
評価、感想お待ちしております。