Re.Dive タイムコール   作:ぺけすけ

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第7話 ジュエルシードと休日と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

こんばんわ、ユウです。

 

今俺となのは、ユーノはジュエルシードの反応を確認して深夜の学校に来ている訳なんだが。

 

 

「ちょ、落ち着け!」

 

「なのは、落ち着いて!」

 

「にゃぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

ガイコツの模型に追いかけられています。

 

何を言ってんだ?って感じだが文字通り追いかけられている。

 

そして

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

どうやら俺が想像していたより遥かに怖いものが苦手だったなのは。

 

レイジングハートをぶんぶんと振り回しながら走っている。

 

 

「ユーノ、ジュエルシードの反応は?」

 

「この学校からってまではわかるんだけど、そこからは……」

 

とりあえずガイコツを巻き、まだ暴れてるなのはをどうにかしなければ。

 

「なのは落ち着け。大丈夫、大丈夫だから」

 

「うぅ……」

 

とりあえず撫でつつ泣きべそをかいてるなのはに目線を合わせて慰める。

 

ホントにこういうの苦手なんだな。

 

「ユウ、とりあえずは何もきてないよ」

 

「おう、ありがとうなユーノ」

 

俺がなのはを慰めている間、ユーノが辺りを見ていてくれる。

 

「……もう、大丈夫」

 

「お、復活したか?」

 

「…うん、ごめんなさい」

 

「気にすんな、ほれ立てるか?」

 

「うん、……あれ?」

 

立とうとするなのは。しかし立ち上がろうとしているのだが、どうも力が入らないらしい。

 

「腰、抜けちゃったみたいだな」

 

「うう、ごめん……」

 

「大丈夫だって、ほれ」

 

「え?」

 

「とりあえず、背中に乗っとけ」

 

そう言ってなのはを背負う。

 

「あ、ありがとう……」

 

「おう、気にすんな」

 

一丁前に照れてるのか?

 

まだ子どもなんだから気にする事なんて無いと思うけど。

 

「ユーノ、とりあえず探索してみよう」

 

「うん、なのは大丈夫?」

 

ユーノが気遣う様になのはに聞く

 

「うん、大丈夫だよ」

 

そう言って力無さそうに笑うなのは。

 

まったく……無理してるのがまるわかりだぞ?

 

「さて、この学校の異変はジュエルシードで間違い無いんだが、その本体とやらはどこにいるのやら」

 

先程から起きているこの奇々怪界な出来事は間違いなくジュエルシードの所為なのだが、肝心の使ったであろう核の部分が見つからない。

 

「一応、行けるところは殆ど行ったと思うんだけど……」

 

「うーん、なのは。ほかに行ってないとこってあるか?」

 

「えっと……」

 

うーん、なんて言いながら考えているなのは。

教室、職員室、理科実験室など思いつく場所は殆ど行ったはずだが……

 

「あ、そういえば」

 

「ん?」

 

「屋上は?」

 

「ああ、行ってないな」

 

屋上か、それは思いつかなかったな。

 

「よし行ってみるか」

 

「うん」

 

なのはを背負い直し、階段を登っていく。

こうやって背負うとホントに軽いな。

そんなことを考えながら階段を登る。

お、ここか?

 

「ここ?」

 

「うん、そこの扉の先が屋上になってるよ」

 

「何が出るやら……」

 

少し緊張しつつ扉を開く。

そこには……

 

 

「何だろコレ……」

 

「……きゅう」

 

「あ、なのはが気を失った」

 

まぁ気持ちも分からんでもないが……

何だこのデカイ幽霊みたいな奴は。

 

「ユーノ、これだよな?」

 

「うん、これが本体で間違えないと思うよ」

 

目の前で静かに佇む巨大な幽霊?を横目に見つつ扉の側になのはを降ろす。

 

「それじゃ、封印しなきゃな。ツァイト」

 

《ok.master》

【Are You Ready?】

 

 

「セットアップ」

 

 

 

《mode1・Blaster Nova》

【complete phase1】

 

「ぅ……やっぱりこの感覚はなれないな…」

 

今回でセットアップは2回目。

やっぱりまだ慣れない。

 

 

「ユウ、頼んだよ」

 

「ああ、いってくる!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「はぁ……っと。」

 

着地してあたりを見渡せばもう怪異は消え、不気味さだけが残る普通の学校へと戻っていた。

 

案外簡単に封印できたな?と目の前に転がる青い石、ジュエルシードを見ながらそう思う。

 

拾ったこれをどうするかと考え、とりあえずポケットに入れとくか?とそのまましまっておく。

 

 

「さて、ユーノどうだ、学校全体の様子は?」

 

「えっと……うん、魔力の反応とかも消えてるし、もう大丈夫だと思うよ」

 

「そっか、なら帰るか」

 

さてさて、お眠な姫さまを背負ってとっとと帰らんとまた怒られちゃうからな。

 

「セットアップ解除」

 

[Rifo mation]

 

 

ふぅ、と息を吐く。

 

やはりバリアジャケットを着ていると疲れるというか普段より少し体が重い気がするんだよなぁ……

 

「よっと……」

 

なのはを背負うと一定の安定した呼吸が聞こえる。

 

どうやらかなり疲れているみたいだ。

 

「ユーノ、少しなのはを休ませてやるのもいいんじゃないか?丁度明日は日曜だし」

 

「うん、それはボクも思ってたんだ。

最近のなのはは何というか焦っているというか……張り切ってるというか……」

 

「少し息抜きとかさせた方がいいよなぁ…」

 

 

ふと、俺の背中で眠るなのはを見る。

 

うーん、何かしてやりたいがどうしたらいいんだ。

 

……そういえば士郎さんが明日オーナーをやってる少年サッカーチームの試合に応援しに行くんだっけ?

 

なのはが楽しそうに"アリサちゃんとすずかちゃんといくんだー"って言ってたな。

 

 

「まぁ、せっかくの休日だし、英気を養ってくれればいいけどなぁ……」

 

「キュ?」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

今日は日曜、士郎さんと桃子さんがサッカーの応援の為翠屋は休みになっている。

 

つまり、俺も休み。そんなわけで……

 

 

「こんな感じですかね?」

 

「そうそう、上手じゃない」

 

 

桃子さんと一緒に朝食を作っていたりする。

 

とりあえず今はおかずを作っているのだが、何となく作り方もわかるんだよなぁ…

 

「桃子さん、お米炊けたんで蒸らしつつ回しておきます」

 

「あ、お願いね。それと卵焼きの方は…」

 

テキパキと作り、皿に盛る作業。

少し楽しい。

 

「おはよう桃子、ユウくん」

 

「おはようございます、士郎さん」

 

士郎さんがキッチンにやってきた。

丁度7時か。

 

「そろそろなのはを起こしてきますね」

 

「うん、お願いね」

 

さて、起こしてくるか。

階段を登り、なのはの部屋へ。

 

コンコンとノックする。

 

「おーい、なのは朝だぞ」

 

「………………」

 

「おーい?」

 

「……………」

 

「まだ寝てるのか?」

 

ここ1週間、ノック2回目あたりで返事はきこえてきたんだがな?

しょうがないか。

 

「開けるぞ」

 

ドアを開く。

やっぱりスヤスヤと気持ちよさそうに眠るなのはの姿。

………疲れてるんだろうなぁ、昨日も家についてやっと起きたくらいだし本当はこのまま寝かせてやりたいんだがな。

なのはの側にいきツンツンと柔らかいほっぺを突く。

 

「うぅ…ん……」

 

「………」

 

…………………ツンツン

 

「ふみゅ……」

 

………少し強めに突いてみる。

 

「むにゅ……」

 

なんだろう、このまま続けたい。

だんだんと楽しくなってきた。

 

 

「………ぅん?」

 

「あ」

 

 

なのはの目がパチリと開く。

 

 

「…………ユウ…さん?」

 

「あ、うん。おはよう」

 

どうやらまだ寝ぼけているようで俺をぼーっと見ている。

 

「………?」

 

「あー……なのは?」

 

「………?……!?」

 

あ、顔が一気に赤くなっていく。

これはーーー

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ですよねー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう!ユウさんのバカ!」

 

「すんません……」

 

プンスカと怒るなのはの前で俺はつい正座で弁解。

 

因みになのはのほっぺで遊んでいたのもバレた。

 

「普通に起こしてくれればいいのに……」

 

「ごめんて、機嫌直してくれよ……」

 

「……つーん」

 

「えぇ……」

 

どうしろって言うんだ……

うーん……

あ、そうだ。

 

「なぁなのは?」

 

「………何?」

 

おぅ、オコだ。

 

「その……あれだ。貸しひとつってやつ。それで今回のことは許してくれないか?」

 

なんと言うか少しベタだが、これが一番いい気がする。

 

子どもはこういうなんでもって言葉に弱いからな。

 

「……ホント?貸しって大きいんだよ?お父さんがいってた。」

 

ほれキタキタ。

 

「ああ。まぁ……何かしらを頼まれても俺に出来ることならって前提があるけどな」

 

「……なら、許してあげる」

 

やったぜ。

 

「ああ、それで俺は何をすればいい?」

 

「うーん……今はいいや。また今度!」

 

そう言って何かを思案するような表情をみせる。

 

少し嫌な予感がするが……まぁ、いいか?

 

「了解、それじゃ朝飯行こうか」

 

「うん! あ、それと…おはようユウさん」

 

「おう、おはようなのは」

 

 

 

ああ、それと。

 

「ユーノ、お前も起きろ」

 

「……zzz」

 

一番寝坊助なのはコイツか?

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「えぇ!!ユウさんは行かないの!?」

 

「お、おう」

 

「なんで!?」

 

 

状況説明。

 

朝食を取り、いざサッカーの応援に行くという時に俺が、玄関で見送ろうとしたらなのはに"ユウさん、早く行こう?"と言われ"いや、俺行かないぞ?"と返したらこうなった。

 

「なんでって言われてもな……」

 

「うぅ……」

 

「えっと、少し海鳴市の方の探索をしようと思ってたのが今日なんだ。その、色々しらべようとおもってだな……」

 

おぅ…なんか罪悪感が……

 

「うーん、どうしようかな……」

 

「そうねぇ……」

 

おぅ……士郎さんと桃子さんがこちらをチラチラ見ながら話し合ってる

分かりましたよ……

 

「わかった、調べ物が終わったらすぐに行くから……」

 

「ホント!?約束だよ!」

 

「ああ、だから行ってこい」

 

「うん!行ってきます!」

 

ふぅ……出来るだけ早く用事を済ませなきゃな

 

「ふふ、なのはに好かれてるのね」

 

「え?そうですか?」

 

「ああ、なのはがあそこまでワガママを言うのを僕たちも見たことがないよ」

 

どこか嬉しそうに話す士郎さんと桃子さん。

 

「本当は親の僕たちがワガママを聞いてあげたいんだけど……なのはは僕たちにはワガママを言ってくれないんだ」

 

「本当に申し訳ないんだけど、少しだけでもいいからなのはに付き合ってあげて」

 

お願い、なんてお世話になってる2人から言われたら無下にできる訳がなく……

 

「…了解です、出来るだけなのはと一緒にいるようにはします」

 

まぁこうなるわな。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

さて、とこんな所かな?

 

少しの探索と調べ物、まぁ本屋に行ったのだが収穫は特に無し。

 

しかし、タダで出るのも本屋に悪いと思い本を一冊だけ購入しもはや縁があるであろうあの公園に来る。

 

ベンチに座り本をペラペラと眺める。

 

ふと空を見上げれば青色の晴天で温度も24度くらいか?

少しの暖かな春の風と日差しが眩しい。

 

そんなひと時。

 

………そろそろなのはの所に行かないと怒られるかな。

 

そう考えつつぼーっとしていると。

 

 

「……?」

 

「あっ」

 

 

こちらを見ていた少女と目が合う。茶髪で肩まで伸びた髪。

 

車椅子で移動している最中だったのか、手は両手とも車輪の横の操作バーに掛かっている。

 

こちらと目があって少し驚いているのか、固まっている。……なんだろう、あの子。

 

なのはの始めて会った時の感覚に似ている。

 

今この瞬間始めて会ったはずなのに知っている。

 

「あ」

 

いってしまった。

 

うーん、話しかけるべきだったかな?

 

でも冷静に考えると今話しかけにいってたら完全に変質者だったよなぁ……

 

 

「……そろそろ行くか」

 

 

立ち上がり、ぐっと背筋を伸ばす。

 

ふぅ、行くか

 

 

 

 

 

 

 

おお、やってるやってる。

 

サッカーの試合と聞いていたが元気にボールを追いかけシュート。

それを見事に止めるキーパー。

 

割と本格的にやっているんだな。

 

河川敷の横には応援するなのはたちの姿。

アリサとすずがもいるな。

 

うーん、やっぱり友だち同士水入らずっていうか行かない方がいい気がするんだけどなぁ…

 

《go.master》

 

「……でもなぁ…」

 

ツァイトにまで急かされる。

 

うーむ。

 

「あ!ユウさん!」

 

行くか行かまいかで悩んでいると、こちらの方に気づいたなのは。

これは行くしかないか。

 

手をぶんぶんと振っているなのはに軽く振り返しながら河川敷の下の方に下がって行く。

 

 

「もう、遅いよ!」

 

「ごめんごめん、でもちゃんときただろ?」

 

「……まぁそうだけど…」

 

少し不服そうななのは。

 

「よ、2人とも」

 

「こんにちはユウさん」

 

「ユウも来たのね」

 

あれからちょくちょく翠屋に来ていた2人とはそれなりに話したおかげで緊張の類も抜けている。

 

「なのは、ユウが来ないから試合が始まる前までずっとまだ来ないとか遅い!って言ってたのよ?」

 

「ふふっ……なのはちゃんがこんな事言うの初めて見たからびっくりしちゃいましたよ」

 

そう言って耳うちしてくるアリサとすずか。

 

うーん、やっぱり来て正解だったか。

 

あそこで行かなかったらもっとマズってたかな。

 

 

「でも、ユウいつのまになのはとこんなに仲良くなったの?」

 

「あ、それは私も気になります」

 

「2人もそんなこと言うのか。俺からすると2人の方がよっぽどなのはと仲良くみえるけどな」

 

「えーでも…」

 

「うん、でも….ね」

 

「?」

 

「ユウさん?アリサちゃんとすずかちゃんも何してるの?」

 

おっと、お呼ばれしたみたいだ。

 

 

さてさて、試合の方は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果で言うと2-0で勝ったようだ。

その事でチームの子たちはもちろん、士郎さんも大喜び。

 

「いやー!よくやったなぁ!!」

 

この通りである。

そして

 

 

「それじゃ、勝ったのを祝して翠屋で食事会だ!」

 

の士郎さんの一言により今は翠屋で食事会となっている。

 

目の前ではなのは、アリサ、すずかが座りアリサとすずかにユーノがこねくり回されている。頑張れユーノ。

 

一瞬、2人がユーノの事を"普通のフェレットとちがうような?"なんて言われたりもしたが今はどうにか誤魔化せている様子。

 

「さて、そろそろ時間かな」

 

気づけばもうお開きにはちょうどいい時間。

士郎さんの言葉と同時に解散となる。

 

……近くにいた男の子、キーパーの子だったか?今何か……?

 

その子はマネージャーの女の子の方に行ったが……うーんなんかいい雰囲気だし、ここで水を刺すのも悪いか。

 

なのはも今の子が気になったのか目で追っていたが途中で辞めたようだ。

 

「あ、そろそろ私たちも時間」

 

「え、あっそんな時間だね」

 

「ん、2人も用事か?」

 

「ええ、それじゃまたねユウ、なのは」

 

「それじゃあね、ユウさんなのはちゃん」

 

「ああ、それじゃあな」

 

「うん!またね」

 

そう言ってユーノを手渡し帰って行く2人。

お疲れ様、ユーノと撫でてやる。

 

「さて、僕は一旦家にもどってシャワーでも浴びようと思うけど、なのはとユウくんはどうする?」

 

「うーん、ユウさんは?」

 

「俺も一度戻ろうかな」

 

「それじゃ私も一回帰ろうかな」

 

それじゃ、行こうかと士郎さんなのはと共に家に帰る。

少し疲れたかもな。

 

 

 

ふぅ……とベットの上に座る。

 

「ふぅ……疲れたぁ……」

 

そして俺のベットの上で寝転がるなのは。

……なんで俺の部屋?

まぁいいけどさ。

 

(お疲れ様、2人とも)

 

「おう、ユーノもな」

 

(あはは……ちょっと疲れたかな)

 

まぁ、かなりこねくり回されていたからな

 

「ねぇ、ユウさん」

 

「んー?」

 

少し伸びをしつつなのはと会話する。

 

「さっきのさ、キーパーの男の子から一瞬だけど魔法の気配がしたんだ」

 

「あ、なのはもか?なんか気になる気配がしたんだよなぁ……」

 

そんな事を話していると………

 

 

 

「!」

 

(ユウ!なのは!)

 

「…やっぱりか」

 

 

 

ジュエルシードの気配……!

 

「いくぞ!なのは、ユーノ」

 

「うん!」

 

少しの嫌な予感と後悔。

もし今考えてる事が合ってるなら……さっき俺たちはジュエルシードを見逃したことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 




原作にそって書いていますがかなりの長さ……
無印だけで結構話数を持ってかれそうで少しどうするか考えています。

感想ありがとうございます!
かなりの励みになります!まだ投稿し始めて1週間ですがこれかも頑張りますのでお付き合いのほどよろしくお願いします!

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