バトルスピリッツ 欠落   作:えむ〜ん

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大変に長らくお待たせしました!最新話です。更新がかなり遅れてしまい本当に申し訳ない…リアルが本当に忙しくて執筆出来る時間がなかったのが主な理由です。
まぁこれは言い訳になっちゃうんですけどね。
とにかく、失踪せずに最後まで書ききりたいと思います。では14話をどうぞ!


Turn-14 運命のイタズラエンジェル

6限目が終わりSHRも終わらせた俺は早速部活見学に行きたいと思っていた。

鞄に今日持ってきた教科書、ノートなどなどを入れて机に忘れ物がないかをチェックする。準備は出来た。

 

美弥「詩姫部見学の人こっちに集まってくださーい!」

 

HR後の教室に美弥の声が響いた。

なぜこのような行動をとるのか、ここに来たばかりの生徒が一人で部活の見学先の現場に行くとなると迷子になることがある可能性があるからだ。

なので、同じ部活に見学者同士で一緒に現場に行こうとマギサ先生が言ったのだ。

教室の生徒達は同士を見つけ集団を作り上げていく。俺も美弥の所に行くか。

俺は手を振っている美弥に近づく。

 

美弥「あ、駆君!駆君は詩姫部見学するの?」

 

近づいてくる俺に気づいたのか美弥が声をかけてきた。

 

駆「あぁ、結局は目星のものが見つからなかった。だから君の提案に乗ったんだ」

 

俺は美弥の質問に答えた。美弥はそうだったんだ!と納得していた。

そこに一人、同じクラスの女子がこちらに近づいてきた。もしかすると詩姫部を見学しようとしているのか?

 

???「ねぇ!詩姫部の見学グループってここであってるかな?」

 

とその女子は俺と美弥さんに聞いてきた。

やはり、詩姫部を見学する予定だったか。

 

美弥「うん!ここだよ」

 

美弥が頷くと女子はホッと胸をなで下ろした。そこから俺がここに居るのに彼女はつっこみ始めた。

 

???「あれ?なんで入試6位で有名の天童君がここに居るの?」

 

駆「…い、言いにくいのだが、実は俺も君と同じで詩姫部を見学しようと思っていたんだ」

 

俺はその女子から目を逸らしながら理由を答えた。

しかし、今目の前にいる女子、金髪でロング、赤い宝石の様な髪留めが2つ…そしてどこかシャイニング・ドラゴンを彷彿させる見ための髪飾り、どこかで見たような気がする。

そう言えば俺は目の前の女子の名前を知らない。なんて言えばいいのか分からないのでまずは名前を聞くことにしよう。

 

駆「いきなりだが君、名前を教えてくれないかな?」

 

レイ「私?私はレイ・オーバ!もしかして自己紹介聞いてなかったの?」

 

目の前の女子は自分の想像を絶する名前を言った。

その名前は俺の居た世界では人ではなくカードだったからだ。レイ・オーバ…それは龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイを擬人化した系統詩姫のスピリットカード。バトルスピリッツの公式の背景世界では戦国フェスにシャイニーハーツのメンバーとして参加。バトスピユーザーではかわいいという評判で人気を誇るキャラクターだ。そんなことよりも俺はカードが実体化してこんな所に居ることに疑問を抱いている。もしかしたら、詩姫のカードは全て目の前のレイ・オーバの様に実体化して日常を過ごしているのかもしれないという考えが脳裏をよぎる。

 

駆「……あぁ、すまない。オーバさん」

 

とにかく俺は自己紹介を聞いていなかったことを反省し、レイ・オーバに謝罪をする。

 

レイ「大丈夫だよ?それにオーバじゃなくて、レイって呼んで欲しいな!」

 

この世界では人を姓で呼ぶのはあまり好まれていないのか…?

仕方はないので名前で呼んであげることにしよう。

 

駆「…な、ならレイさんと呼ぶことにしよう」

 

レイ「わかった!じゃあ私も駆君って呼ぶからよろしくね!あと美弥ちゃんも!」

 

…別に名前で呼ばれるのに抵抗はない。むしろ姓でも名前でもどちらの呼び方でも構わないのだ。ただ、名前で呼ばれると少し恥ずかしくなってしまうことがある。大した問題ではないんだけどな。

そう思っている間でも美弥とレイはすぐに打ち解け合っている。二人ともフレンドリーで元気な性格だからだろうか。出会って数分で仲良く話をしている。

 

駆「そういえば、レイさん。さっき、君が言ってた入試6位で有名ってどういうことだ?」

 

入試1位なら有名になるのは分かるのだが6位でも有名になるのかが疑問だ。他に理由はあるはず…

 

レイ「駆君が入試6位になったのも理由だけど、何よりも実技試験で試験官を容赦なく倒したって有名だよ?知らなかったの?」

 

と彼女は首を傾げて言う。そして、逆に何故今まで知らなかったと言う表情をしている。ついでに隣にいる美弥も知らなかったらしくオーバーなリアクションを取り驚いている様子だ。

 

駆「あぁ…君にそう言われるまではね。まさか、周囲にそんな目で見られていたなんて知らなかった」

 

レイ「でも、ホントに凄かったよ?霊夢ちゃんの時だってもうダメかと思ってた所からの逆転勝利は私、興奮しちゃった!」

 

とキラキラした目で俺を見るレイ。そう言って貰って悪い気はしないのだが、外の世界だと「相手にホコが付いてなくて良かったなw」なんて言われそうだ。

ちなみに[ホコ]というのは地球神剣ガイアノホコの略称で外の世界で俺が住んでいた地域ではその略称で言われていた。

 

美弥「駆君、レイちゃん!見学メンバーが集まったよ!」

 

と美弥の掛け声で俺とレイは見学メンバーの方に顔を向ける。

比率としてはやはり女子の方が多い。当たり前だ、女子しか入れない部活だからな。だが、その中に3人の男子が居た。その人たちと一瞬目が会い次の瞬間、3人の男子の中の眼鏡をかけた1人が俺に指を指しそしてこう言った。

 

男子O「何故、入試6位の天童君がここに!?まさか君も俺達と同士だと言うのか!?兎に角、訳を聞かせてもらおうか!」

 

物凄い勢いで眼鏡の男子は俺に問いかける。その勢いに少し引いてしまったが質問にはちゃんと答えないと行けない。

 

駆「…実を言うと入りたい部活も興味のある部活も無くて困っていた所に友達がここを見学しに行かないかと誘いを受けて見学に来たんだ。

見学だけなら男子でも女子でも構わないだろう?」

 

と俺が答えた所、眼鏡の男子の右横の少し大柄の男子が俺の両肩を掴み物凄い勢いで揺らす。

 

男子Y「貴様ァ!そんな理由で詩姫部の見学に来るなんて、それでも我ら詩姫を愛するドルオタか!?」

 

そして耳に響くほどの大きな声で俺に言う。その声で周りの人の注目は俺たちに集まる。それに加えてもう1人の少し背の低い男子がダメ出しをくり出す。

 

男子T「まさか、私達のクラスにそんな中途半端な同士がいたとは…君はドルオタの風上にも置けん!お前ら、目の前の奴は修正対象だ!奴をバトルで拘束せよ!」

 

と目の前のアイドルオタク(推測)三人衆は自らのデッキを取り出して俺にバトルを申し込まんとしている。

 

駆「待て、今は時と場合を考えろ。好きな事で熱くなるのはとてもいいことだが、俺たちは今から部活動の見学に行くんだぞ?それに他の見学者に迷惑をかける訳にはいかない。ここは穏便に済まさないか?」

 

すると3人は我に返ったように自分のデッキを片付ける。

 

男子O「すまない。またいつもの癖が出てしまったな」

 

男子T「確かに私達が騒いで周りに迷惑をかけるのはいけませんね。申し訳ない」

 

男子Y「くっ!また熱くなってしまったか…悪い事をしたな、天童君」

 

3人はそれぞれ反省してくれていたようだ。

素直な3人で良かったと俺は胸をなで下ろした。

 

駆「あぁ、分かってくれたならそれでいい」

 

男子T「なら、私達も見学に行くとしよう。あと、天童君。もし時間があったらまた別の機会にバトルしてくれよ」

 

駆「もちろん。その時はよろしく頼む」

 

その言葉を最後に3人は戻って言った。なんというか、ハリケーンみたいな人達だったな。

それが彼らに抱いた俺の第一印象だ。

好きな事で熱くなり周りが見えなくなってしまいがちの様だが、悪い人では無さそうだ。

俺はそう思いながら、移動を開始している見学メンバーについて行った。

 

 

少年、少女達移動中

 

 

しばらくの間学校内を見て回りつつ俺たちは詩姫部が活動している部屋に辿り着いた。

名をダンス教室と書いており、教室の壁越しから何人かの女性の掛け声が聞こえてくる。詩姫部の彼女たちは来るべき発表に向けて必死に練習をしている真っ最中の様だ。そして、見学を行うために美弥がダンス教室のドアを3回叩く。

すると、壁越しから聞こえていた女性の掛け声が止みダンス教室のドアが開かれる。

 

???「え〜と、あ!君たちが新入生の見学者たちなんだね!さぁ、入って!」

 

ダンス教室の内側からドアを開けたのは俺がよく知る人…いや、カードだった。

赤い髪色にツインテール、緑色の瞳…圧倒的に情報量は少ないが一瞬、あのカードを彷彿させた。間違いない、チームシャイニーハーツの永遠のセンターと言っても過言ではない人気っぷりに加え、デザインの元となったカードは美しくもかっこいいイラスト、そしてインパクトのある効果でバトスピユーザー達の心を鷲掴みにした超神星龍ジークヴルム・ノヴァ。となればもう分かるのではないか?

 

 

 

そう、ダンス教室のドアを開けたのは詩姫のノア・フルールだった。

彼女の活力溢れる歓迎を受け、俺を含めた新入生の部活見学者は次々にダンス教室に入っていく。

…やはり、女子の比率が圧倒的な為入室に若干の戸惑いが発生するのだが、見学希望にここを選んでしまったため腹を括って入るしかない。俺は覚悟を決め詩姫部のダンス教室に入室した。

ダンス教室全体は外の世界でも見た事のある。と言ってもテレビの番組でだが普通のダンス教室の構造だった。そして、壁の大きくも曇りなき鏡が少しばかり緊張気味の俺達と詩姫部の先輩達の全身を見事に映している。そして、俺たち以外のクラスの人もこの部活を見学しているようだ。しかし、男は俺とドルオタ三人衆だけであった。

俺は周りを見てから前を見る。そこにはノア・フルールを合わせた6人の女性の先輩達が立っている。

ノア・フルールやレイ・オーバ、フォン・ニーナなどは分かるのだが、俺もそこまで詩姫に詳しくないし、ノア・フルール以外の他の先輩が系統詩姫を持ったカードと言い切ることは出来ない。外の世界で少し知識をつけておくべきだったか?いや、そんなことを考えても仕方は無い。分からないならいくら考えたって分からないままだ。まぁ、先輩の人達が自己紹介をしてくれると思うしその面については大丈夫だろう。そういえば、さっきから顧問の先生が居ないのが気になってしまった。一体その先生は何をしているのだ?とりあえずは先輩に聞いてみるとするか。スゥっと俺は手を挙げた。

それに気づいたノア・フルールが俺の方を向く。

 

ノア「ん?男子の服を着たポニテの女の子、何かに気になることがあるの?」

 

と彼女は言った。だが、彼女の発言には大きな間違いがあり、俺の髪型のポニーテールのせいで女性に見えてしまうのだが、俺は男である。

恐らく彼女は、ポニーテールは普通女子がするヘアスタイルで男子はしないだろうという思い込みがあったのだろう。だからさっきの発言が出来たのだと思う。

とそんなことは置いてまずは間違いを正さなければいけない。

 

駆「はい。それもあるのですがその前に自分は女では無く、男です。

こんな髪型なので間違えられることは時々あるのですよ。紛らわしくて申し訳ないです」

 

ノア「えぇ!?君はポニテの男の子なんだ!間違えちゃってごめんね?」

 

と、ノア・フルールは俺に謝り、驚いているのだが、目はキラキラとしている。

どうやら男子が女子の髪型をしている所に興味を示しているようだ。

 

???「ノア、彼の質問に答えないといけないだろ?と言いたいところだけど、君のポニーテールに夢中な様だ。

まぁいい、君の質問は私が代わりに答えよう。」

 

と代わりにノアの左隣にいた黒髪のロングに輪を作っている先輩がノア・フルールの代わりに答えるらしい。

 

駆「では、詩姫部に見学に来たのですが、ダンス教室に、居たのは貴女達先輩方のみ…顧問の先生の姿が無いのですがどうしたのですか?」

 

???「あぁ、それは先生の都合が悪くてね、今出張に行っているんだ。

だから、今日は私達がこの部活の紹介をすることになっているんだ」

 

駆「そうだったのですか、ありがとうございます」

 

???「礼には及ばないよ。さて、そろそろ部活紹介を始めよう。

ほら、ノア。始めるぞ?」

 

ノア「そうだね!じゃあこれから詩姫部の説明を始める…その前に、まずは部員の紹介をするね!

 

私は2年生のノア・フルール!この詩姫部のキャプテンを務めているよ、よろしくね!」

 

とノア・フルールは俺たちの前でとても元気な挨拶をした。

俺たちはパチパチと拍手をしていく。

 

セイナ「私もノアと同じで2年生のセイナ・リューミン。この部活の副キャプテンを務めているんだ。よろしく」

 

自己紹介した彼女はさっき俺の質問に答えた大人の雰囲気と落ち着きを感じさせる人だった。

そして今思い出したのだが、彼女もノアと同じ、詩姫のカードだ。モデルとなったカードは烈の覇王セイリュービ。専用キーワードの[烈神速]は覇王編の環境以降、制限、禁止まで凄まじい猛威を奮ったパワーカードの1枚。そして現在では禁止カードとなり公式大会等での使用は不可能だが、究極編にてアルティメット・セイリュービとなり、[烈神速]が再来した。

と考えていると他のメンバーの紹介が始まった。せっかく先輩方が紹介をしているんだ、真面目に聞いておかなければいけない。

 

ラビィ「私も2年生!名前はラビィ・ダーリン。可愛い私をよろしく!」

 

次は青いリボンにツインテールのとてもテンションの高い少女が自己紹介をした…というか、彼女も系統詩姫を持つカードだ。

彼女のモデルとなったのはダンデラビットという星座編で登場した緑のスピリットカードだ。このカードはコアブーストが主な効果になっていて昔はよく助けられたものだ。そして、この詩姫の効果にもダンデラビットの効果を彷彿とさせるコアブーストの効果がある。

そして次の先輩は…大人しいと言うより恥ずかしさで緊張をしているのだろうか?

 

サヤ「…次は私ですね。わ、私はに、同じく2年生のサヤ・シャインです。よろしくお願いします…」

 

緊張により呂律が回らないのだろうか。それと心無しか声が小さく聞こえるような気がする。とそんな控えめな彼女もプロモーションカードのサンク・シャインをモチーフにしている詩姫だ。

サンク・シャインは防御を得意とするカード。詩姫のサヤ・シャインにもモチーフとなったカード効果の面影はある。

 

グリーフィア「はぁ〜い、私も皆と同じ2年生のグリーフィア・ダルク。後輩の皆、よろしくね!」

 

といかにも黒皇機獣ダークネス・グリフォンを思い浮かばせる髪飾りをしている彼女はいかにもそのカードのモデルとなった詩姫のカードだ。

おっとり?としたお嬢様系の少女は召喚時にバウンスやドローを兼ね揃え剣編、究極編にて白紫の主軸となり猛威を奮ったダークネス・グリフォンの面影を残している。

そして次で先輩方最後の自己紹介となる。

 

ラン「私も2年生のラン・ブレイセア!よろしくね!」

 

と最後の紹介を閉めるのはラン・ブレイセア。彼女もブレイドラという低コストでかつ不足コストの確保でよく消滅することで有名なカードがモチーフの詩姫のスピリットカード。そしてチームシャイニーハーツの足元を支える低コストの詩姫の一体だ。

性格は…ドジっ娘らしい。(Wikiより)

俺は彼女の最後の自己紹介で先程自己紹介をした彼女達が全員詩姫且つチームシャイニーハーツのメンバーであるのとに気がついた。そして、そこに驚かざるを得なかった。

 

ノア「メンバーの自己紹介が終わったところで本格的にこの部活のことを紹介するね!」

 

とラン・ブレイセアの自己紹介が終わり一息着いたところでキャプテンであるノア・フルールが部活の紹介を始める。

そう言えばこの部活の部員、3年生が居ない何故だろう?何か事情があって3年生が居ないと思う。

後でまた聞いてみるとするか。

 

ノア「今日配られた簡単な紹介の冊子にも書いてあると通りでこの部活は人里や文化祭でライブをするの!それに向けての発声練習やダンスの練習を行っているの!

で、気になった子もいると思うから先に言っておくね、実はこの部活、去年、つまり私達が1年生の時に誕生した部活なんだ!

だから、部員に3年生が居ないの。

でも、私達が今まで頑張って来たから人里じゃあ私たちはとても人気だよ!」

 

とノア・フルールは詳しくかやるこの部活を紹介する。それに気になっていたことも先輩が言ってくれたのでスッキリしている。

俺の周りの美弥やレイはなるほど、と頷きながら彼女の説明を聞いている。

そして、先程騒がしかったアイドルオタク三人衆も静かに説明を聞いてるいるが目をキラキラとさせている。

憧れのアイドルが目の前にいるのだ。興奮しない方がおかしいという訳か。

俺は俺でたった6人でしかも1年という短い年月で人里で有名になれるほどにのし上がってきた。それは血が滲むほどの努力の結晶ともいえるだろう。

俺もここまでやってきた彼女たちを凄いと思っている。このまま頑張って欲しいと思うのだが彼女達はいずれ引退してしまう。故に後輩が必要なのだ。そうでないと部活として成り立たなくなるからだ。部員が少ない詩姫部にとってこれは大きな課題となっているはずだ。

 

ノア「で!残念だけどこの部活は女の子じゃないと入ることができないの!ごめんね!男子諸君」

 

とノアが謝る。女子で行っているスクールアイドルなら当然の事だ。

 

サヤ「で、でもノアちゃん。力がある男の子とか、バトルが強い子が欲しいって言ってなかった?」

 

ノア「………あ、そうだった!てへっ!」

 

ノアは数秒間フリーズしてからハッとして舌を出す。その先輩の姿に俺たち後輩はザワついてしまっている。

 

女子E「そ、それってどういうことですか!?」

 

と俺と同学年の女子が先輩達に混乱しながら説明を求めている。

 

セイナ「…私達は冊子に男子もマネージャーとして入部するならOKの記入をうっかり忘れてしまっていたのだ。

つまり、男子でもマネージャーとしてならこの部活に入ることが可能ということだ」

 

…なんと、まさかあちら側の記入ミスとは思わなかった。今、俺は正直かなり驚いている。

そしてこの部活に入ることが出来るとわかったドルオタ三人衆は静かに感動の涙を流している。

 

セイナ「ただし、定員は2人だ」

 

とキッパリと先輩は言う。確かに、女子メインの部活に男子が何人も入るとなるとそれはそれで迷惑だ。

マネージャーなので2人くらいの人数がこの部活にとって丁度いいのだろう。

そして、感動の涙を流していたドルオタ三人衆の涙は枯れ、え?と口をポカーンと開けている。

 

美弥「すみません。さっきサヤ先輩が言っていた強い子が欲しいってどういうことですか?」

 

その一方で美弥が手を挙げて質問をする。

 

ラビィ「それはね、部費を他の部活より多く手に入れるためのバトルに勝つ為なの。

この部活って結構お金かかるのよ。例えるならこの可愛い衣装とかにね」

 

美弥「そうなのですか、ありがとうございます!」

 

その質問にラビィ・ダーリンは真剣な顔で答えた。他校との勝負の他に同じ学校の違う部活同士でそんな争いがあるとはな。

 

男子O「では、フルール先輩。どうやって男子マネージャーを決めるのですか?」

 

そこで、ドルオタ三人衆の1人が先輩に質問をする。その質問は俺もしようと思っていた内容のものだ。正直助かる。

 

ノア「う〜ん。冊子には女の子だけって書いちゃってるからなぁ…見学に来てくれた男の子、4人の中から2人決めようと思ってるよ。

決め方は必ず1回私達メンバーの中の1人と勝負して勝った人2人が入部出来るようにするよ!なお、2人以上勝ったら又、2人以上負けちゃったらジャンケンで決定するね!時間は明日の放課後、体育館のバトルステージ2で行うよ!忘れずに来てね!」

 

とノア・フルールは言った。…特に入るつもりも無いので辞退しようと思っていたのだが、バトルする羽目になってしまった。

断ってもよかったが、まぁいい。勝負した後で辞退すればいいのだから。そう、結局俺は先輩と勝負がしたいが為に彼女の案に乗るのだ。

とにかく、明日の放課後は先輩達と勝負だ。彼女達の実力が一体どれほどのものなのか期待が膨らむ。

 

 

そして、その説明を受けた後、俺達は先輩達が毎日行っている練習を見学したり、歌声を聞いていたりとして放課後を過ごした。

今夜は美弥の勉強を手伝う予定。彼女はまたオーバーヒート仕掛けていたがそれなりに理解出来たという。だがまだ学ぶべき課題は多い。彼女には是非頑張って貰いたいものだ。

 

 

To be continued…

 




次回予告

友達との何気無い会話で笑い、授業で難しい問題に取り組み、部活で先輩、後輩と交流をする。



この繰り返しの日々が本来俺が外の世界で体験するはずだった。

次回、バトルスピリッツ 欠落

Turn-15 開幕 超新星アイドル

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