バトルスピリッツ 欠落   作:えむ〜ん

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どうも!前回の投稿からまただいぶ日が経ってしまいました。
なるべく早く皆さんに読んでもらいたいなと思いながら次回も執筆して行こうと思っています。
では!Turn-22をお楽しみください!



Turn-22 聞きたいこと

「ア゙ア゙〜!負けたァァァ!」と嘆きながらバトルステージに降りてきたノア・フルール先輩。

そして、バトルアーマーを解除する明夢。

 

明夢「…対戦、ありがとうございました」

 

ノア「うん、こちらこそありがとう!そして、詩姫部への入部決定おめでとう!

さ、戻ろっか!」

 

明夢「…はい」

 

 

 

 

 

美弥「いや〜!凄かったね、今日の試合!」

 

レイ「うん!ノア先輩と柊木君の攻防が手に汗握るよね!」

 

美弥「特に最後のカウンターは大胆だったよね!」

 

美弥とレイは先程の戦いの感想を言い合っている

 

男子Y「う〜ん…これで俺達の詩姫部の入部が…」

 

男子T「そんなこと言うんじゃないよ。確かに悔しいことは否定出来ないけど、ここは彼を祝おうじゃないか!あのめちゃくちゃ強い先輩に勝ったんだからな!」

 

男子Y「確かに、今のは失言だったな…取り消すよ」

 

男子O「お、噂をすれば彼が来たようだぞ」

 

観客席にノア・フルール先輩と明夢が戻ってきた。

すると、一斉に美弥達が明夢の元に駆け寄る。凄い勢いだったので少し困った表情を見せる明夢。

 

男子O「おめでとう!いい試合だったよ!」

 

明夢「(コクリ)」

 

レイ「これで詩姫部に入部出来るね!」

 

明夢「(コクリ)」

 

美弥「一緒に頑張ろ!」

 

明夢「(コクリ)」

 

男子Y「柊木君おめでとう!これから頑張れよ、俺応援するから!」

 

明夢「(コクリ)」

 

男子T「君の大胆な戦術に感動したよ、あの最後のミストラル・ビットは特にね!あれも君の想定内だったのか?」

 

明夢「…いや、あれは忍魔神でドローした時に引いたからやってやろうと思っていた」

 

美弥「じゃあ、もしミストラル・ビットが引けなかったら?」

 

明夢「ハンドリバースで引いたカードが事故っていたから負けていた」

 

それを聞いた皆は口を揃えて「え!?」と驚愕していた。まさに奇跡のトップドロー、彼は凄まじい引きの持ち主だ。ほぼ負け確定の盤面をひっくり返す力を彼は持っている。それは本当に凄いと思う。

 

マギサ「かなりの接戦だったわね!おめでとう、柊木君」

 

とそれを聞いたマギサ先生が彼を祝う。

 

明夢「ありがとうございます」

 

マギサ「これでノアに勝った後輩は2人ね」

 

サヤ「今年の1年生は凄いですね!」

 

ノア「うん、もしかしたら去年の私たちより凄いかも!!」

 

と先輩達が感心している。

 

明夢「もう1人って…」

 

もう1人の男子入部者が気になったのだろう、明夢が先生に質問をする。

 

マギサ「ポニーテールの彼、天童駆君よ」

 

マギサ先生が俺を指して紹介してくれた。

一方の明夢は俺の方を見つめている。

 

明夢「…君か」

 

駆「………天童駆だ」

 

と俺は目の前の彼に対して自己紹介をする。

 

明夢「…柊木明夢」

 

明夢は自分の名前を言った。彼なりの自己紹介なんだろう。

 

 

 

 

 

 

駆「………………………………………」

 

 

明夢「………………………………………」

 

 

 

 

 

(((((なんだろう…この間は)))))

 

 

 

お互いあまり喋らない性格だからだろうか?対面したまま俺と明夢は何も喋らなくなってしまった。段々と気まずくなってきたので俺は目線を彼から逸らし観客席の無機質なコンクリートに移す。

 

明夢「よろしく……」

 

駆「あ………こちらこそ、よ、よろしく」

 

突然、彼の方からよろしくと挨拶をしてきた。やや反応が遅れた俺はぎこちない挨拶を彼にしてしまった。

これからは互いに協力する部活仲間だ。コミュニケーションは取っていきたい所ではあるが、俺はまだまだ自分から話を切り出すことが出来ない。彼の方から話しかけてきて欲しいという願いもあるのだが、やはり自分自身を変えていかなければならないと感じた。

時間はかかりそうだが、美弥達とこの学校で過ごして行けば俺も変わることが出来るのか?

 

マギサ「さて、貴方達2人にはこれから詩姫部のマネージャーとして活動して貰うわ。二人とも大丈夫?」

 

明夢「…はい」

 

駆「俺も大丈夫です」

 

マギサ先生の質問に対して俺は大丈夫と告げる。俺は詩姫部に入部すると決めたんだ。引き下がる訳ないだろう。

 

マギサ「あ、柊木君」

 

明夢「はい」

 

唐突に明夢に呼びかけた先生は何かのプリントを彼に渡す。

 

マギサ「入部届けよ。受け取ってなかったでしょ?」

 

明夢「…休んでいましたから」

 

マギサ「これを来週の活動日に書いてまた私に渡してね」

 

明夢「わかりました」

 

と彼はマギサ先生から入部届けを受け取った。

 

ノア「天童君〜!」

 

ふいにノア・フルール先輩が俺を呼んだ。

 

駆「はい…!」

 

俺は彼女の方に行く。カードの交換だ。

 

駆「ええと、カードの交換でしたよね」

 

ノア「うん。これグラン・ウォーデンだよ」

 

と彼女は透明スリーブに入ったグラン・ウォーデンREVIVALを取り出した。

 

駆「あ、ちょっと待ってください。今カードを出すので…」

 

俺は鞄からデッキケースを取り出す。そして、その中に入っているジークヴルムREVIVALを取り出す。もちろん、スリーブはちゃんとしている。まぁ、当然の事だ。

 

駆「透明スリーブに入ったまま、受け取ってください」

 

と俺は透明スリーブに入ったままジークヴルムREVIVALのカードを差し出す。

 

ノア「いいの?スリーブごと貰って…」

 

駆「大丈夫です。予備のスリーブはまだ沢山ありますから」

 

ノア「なら、私のもスリーブごと貰ってよ。実は天童君と同じでスリーブの枚数には余裕があるからさ!」

 

駆「…では、早速交換といきましょう」

 

俺は右手に持つジークヴルムREVIVALをノア・フルール先輩に渡し、代わりに彼女から差し出されたグラン・ウォーデンREVIVALを左手で受け取る。

 

駆「ありがとうございます、先輩」

 

ノア「ううん、お礼を言うのはこっちの方だよ。天童君、ありがとう!」

 

と彼女は笑顔で俺に礼を言ってくれた。余程、ジークヴルムREVIVALを入手したことが嬉しかったのだろう。

俺も今回のトレードはかなり良かったと内心思っている。グラン・ウォーデンREVIVALが2枚になることにより、相手の動きを封じた上でラグナ・ロックREVIVAL等の多シンボル持ちで早急にゲームを終わらせることが出来るようになるだろう。何はともあれ、寮の部屋に戻ったら早速武装デッキの編集に取り掛かることにしよう。

 

マギサ「じゃあ今日はもう終わり!ノア、解散にしましょう」

 

ノア「分かりました!新入部員の皆は来週の活動日にダンス教室に来てね!」

 

俺を含めた新入部員はノア・フルール先輩の連絡に返事をしてそれぞれ解散となった。

 

男子O「飯、食いに行くかぁ〜」

 

男子T「食堂だな、私も同行しよう」

 

男子Y「美弥ちゃんにレイちゃん、天童君もどうかな?」

 

とYが俺達を食事に誘ってくれた。

 

レイ「うん、行くよ!誘ってくれてありがとう!」

 

美弥「私も皆と一緒にご飯食べたいな!駆君はどうするの?一緒に食べようよ!」

 

駆「ありがとう、誘ってくれたのは嬉しいが、俺はやることがあるから今日は悪いけど、俺は抜けさせてもらう」

 

と俺はその誘いを断った。そう、俺には今やるべき事がある。封印のギミックを使用した彼、柊木明夢に聞きたいことがある。皆には申し訳ないと思うが俺はこの食事会に参加することができない。

 

美弥「わかった、また今度一緒に食べようね!」

 

また一緒に…そう誘ってくれた美弥に俺は心の中で感謝した。

 

駆「あぁ」

 

俺は彼女にそう言って答えた。

 

レイ「そうだ!皆、柊木君誘わない?」

 

男子O「お、いいな!おーい、柊木君!」

 

レイの意見に賛同したOは明夢の名を叫ぶが、周りに明夢の姿がいない。

先に体育館から出たのか…早いな。

 

男子O「あれ?先に帰ったのか?」

 

男子Y「だったら仕方ないな…また今度誘うことにしよう」

 

レイ「そうだね!」

 

と彼らがそんな話をしている一方で俺は明夢を追うために鞄の荷物を整理している。そんなに時間は経っていないから見失うことは無いだろう。

 

駆「じゃあ俺は先に失礼する」

 

俺は皆に一言そう言って小走りで大体育館から出ていく。

 

 

 

大体育館から出た俺は周りに明夢が居ないかを確認する。

 

彼の姿は見当たらなかった。

どこに行ったんだ?やはり帰る場所なら寮の自室か?はたまた食事をする為に食堂に行ったのか?

他にも色んな場所がこの学校にあるが、この2つが可能性としては高い。まずは寮の方に行ってみるか。俺は急いで寮に向かった。

 

 

 

〜少年移動&捜索中〜

 

 

 

急ぎつつも校舎の周りに明夢が居るかを確認しつつ、寮付近までたどりついたが、ここまで彼の姿は見ることは無かった。

 

駆「それにしても走るのはとてもキツイな…」

 

走るのをやめ、肩で息をしながらも明夢を探しつつ寮に向かって歩いていると今まさに寮に入ろうしている明夢の姿が俺の目に飛び込んできた。

 

駆「柊木君ッ…!!」

 

体力の無い俺はゼェゼェと荒い息を吐いて明夢の方に駆け寄りつつ出ない声を振り絞って彼の名を叫んだ。

 

 

 

 

 

 

明夢「……ん?」

 

明夢との距離はそれなりにあったので俺の声が彼の耳に届くかどうかは自信が無かったが、彼は俺の声が届いたのか寮の入口の前でキョロキョロと辺りを見渡している。

 

駆「柊木君!」

 

俺はもう一度彼を呼んだ。走っているのでどんどんと2人の距離が縮まっていく。

 

明夢「…天童だったのか」

 

俺の存在に気づいた明夢はそう言う。

 

駆「ハァハァ…呼び止めてしまってすまない。君に1つ聞きたいことがある」

 

明夢「ん?…聞きたいこととはなんだ?」

 

と、明夢は少し首を傾げて俺に聞き返してきた。俺は乱れた呼吸を整えて本題に入ることにした。

 

駆「君のバトルアーマーについてだ」

 

明夢「俺のバトルアーマー?」

 

駆「そうだ」

 

明夢「俺のバトルアーマーの何が聞きたいんだ?」

 

駆「封印でソウルコアをバトルアーマーのライフにセットした時、君は何者かに身体のコントロールを奪われたことは無いか?」

 

と俺は彼に質問した。

彼は俺の質問に困惑した表情を浮かべてこう言った。

 

明夢「…なんだ?それは。訳が分からない」

 

…この反応を見るに彼の身体は封印時に俺と同じ現象には見舞われていない様だ。何か分かると思ったが俺の検討違いか…

 

駆「そうか…すまない。変な事を聞いてしまったな」

 

俺がそう謝ると少し間を置いた後に明夢が俺にある問いかけをしてきた。

 

明夢「……………待て、さっき言った質問内容に気になるところがある。聞いていいか?」

 

駆「構わない」

 

明夢「ソウルコアをセットした時に起こる身体のコントロールが奪われるというのはどういうことだ?」

 

駆「俺には封印をした時………ソウルコアをバトルアーマーにセットした時に何者かに身体のコントロールが奪われてしまうんだ」

 

明夢「…身体のコントロールが………一度その現象を見せて欲しい。今から大体育館のバトルステージに行こう」

 

駆「付き合わせてしまってすまない」

 

明夢「…個人的に気になったからだ。部屋に戻ってからは基本暇だから特に問題は無い」

 

駆「…そうか、なら行こう」

 

明夢「あぁ」

 

彼はあまり他人とは関わらなそうな印象をしているが意外に協力的だったので助かるな。俺そう思いながら明夢と2人で大体育館に向かった。

 

 

 

〜少年2人移動中〜

 

 

 

大体育館に着いた俺と明夢は早速バトルステージへと足を運んだ。放課後のバトルステージは基本的に自由に利用することが出来る。今日も何人かの生徒はここを利用している様だ。

 

明夢「まずは実際にバトルアーマーを装着してみてくれ」

 

早々に明夢は俺のバトルアーマーが見たいと言ってきた。

 

駆「分かった、バトルアーマーオン」

 

俺は彼の言われるとおりにソウルコアを取り出し、バトルアーマーの装着を行う。

黒い装甲を包んだ俺が現れる。

 

明夢「これがお前のバトルアーマーか…」

 

駆「そうだ」

 

明夢が黒の装甲を身にまとった俺を見ている。

そして、彼は俺のバトルアーマーの装甲に右手を当てた。

 

 

 

 

明夢「…………………………………………………」

 

 

 

 

そのまま明夢は黙ってしまった。バトルアーマーの装甲に触れただけで何か分かるものが彼にはあるのか?

聞いてみよう。

 

駆「………それで何か分かるのか?」

 

明夢「……いや、わからん」

 

と一言言った明夢は俺のバトルアーマーから手を離した。なんだったんだ今のは…その行為に意味はあったのか?

 

明夢「…さて、俺はさっきお前に起こる現象が見たいと言ったよな?」

 

駆「あぁ」

 

俺が明夢の問いかけにそう答えた瞬間に彼は左手のガントレットにソウルコアをはめ込んだ。

 

明夢「なら……………変身」

 

ガントレットは黒い光となり、明夢を包み込む。そして、それは彼の赤黒い色をしたバトルアーマーへと変化した。

 

明夢「…バトルをして確かめる」

 

駆「…分かった」

 

そして、一定の距離を置いた俺と明夢は空中に移動する。

 

明夢「ゲートオープン…」

 

駆「…界放」

 

俺と明夢のバトルアーマーは光を発し、光のドームを作り上げる。

 

駆「先攻後攻を決めよう」

 

ジャンケンの結果、勝負は俺の先攻で始めることになった。

 

駆 ライフ5 デッキ36 手札4

リザーブ3 Sコア トラッシュ0

 

 

明夢 ライフ5 デッキ36 手札4

リザーブ3 Sコア トラッシュ0

 

駆「スタートステップ、ドローステップ、メインステップ」

 

駆 デッキ36→35 手札4→5

リザーブ3 Sコア

 

ふむ、初手はまぁまぁだな。これからの引き次第で勝敗が左右されるだろう。

 

駆「俺は手札から0コストでコレオンをコアを1個とソウルコアを置きLV2で召喚」

 

俺の場に小さなライオンが現れる。

 

駆「そして、バーストをセット。ターン終了だ」

 

駆 デッキ36→35 手札5→3

ライフ5 リザーブ2

トラッシュ0

コレオン

LV1 BP1000 (1) Sコア

 

バースト

有り

 

手元

無し

 

さて、ここから彼はどう動くか見物だな。

 

明夢「スタートステップ、コアステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

明夢 デッキ36→35 手札4→5

リザーブ3→4 Sコア

 

明夢「0コスト、チキンナイトをレベル1で召喚」

 

明夢のそばに小さな剣を持った鳥の騎士が現れる。

そして、そのチキンナイトは俺のコレオンに威嚇をする。触発されたコレオンも仕返しとばかりに自分を大きく見せようとする。

互いにカードデザインが可愛らしいのでとても微笑ましい空間が完成してしまった。

 

明夢「…4コスト、緑1軽減3コストで辛酉鳥ゲイル・チキンナイトのアクセルを使用。

自分のデッキの上からカードを3枚オープン」

 

オープンカード

緑に飲まれた寺院✕

酉の十二神皇ゲイル・フェニックス〇

辛酉鳥ゲイル・チキンナイト〇

 

明夢「(微妙な内容だな…どうする?新たにサーチを行うか、それともキーカードで一気に攻めるか…とは言っても奴のバーストカードが気になる。ライフ減少であると考えるなら迂闊に攻めることは出来ない。それにデッキ内容も分からない今はバーストの発動を防ぐカードが欲しい。なら…)…俺はこの中の辛酉鳥ゲイル・チキンナイトを手札に加え、残りのカードは全て破棄する」

 

オープンカード手札に加える

緑に飲まれた寺院→破棄

酉の十二神皇ゲイル・フェニックス→破棄

辛酉鳥ゲイル・チキンナイト→手札に加える

 

明夢 デッキ35→32 手札3→4

 

駆「相手の手札が増えた後のバーストを発動」

 

明夢「!」

 

駆「巨神獣ファーゾルトをコストを支払わずに召喚する。コアを2個置いてレベル2だ」

 

巨大な爪と装甲を持つ機械の獣が現れる。このカードは煌臨編第1章 伝説ノ英雄 に収録された白のスピリットカード。何回か俺が召喚しているので効果の詳細は不要だろう。それにしても彼の反応、あれはバーストを読み間違えたと見える。

心の中で微笑みながら俺はファーゾルトのさらなる効果を発揮させる。

 

駆「さらにこのターンの間、このスピリットは相手の効果を受けない」

 

ファーゾルトの周りに白く神秘的な霧が発生する。これでこのターン、ファーゾルトが除去されることは無い。

 

明夢「…ターン終了だ」

 

明夢 デッキ35→32 手札3→4

ライフ5 リザーブSコア

トラッシュ3

チキンナイト

LV1 BP2000 (1)

 

バースト

無し

 

手元

辛酉鳥ゲイル・チキンナイト

 

駆「スタートステップ、コアステップ、そしてここでファーゾルトのレベル1、2の効果。自分のコアステップをもう1回行う。この効果はターンに1回しか使用できない。

よってもう一度コアステップ、次にドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

駆 デッキ35→34 手札3→4

リザーブ0→2

 

バーストは無しか…手札に握っているならセットするはずだが、俺のバースト破棄効果を警戒して伏せていないのか?それとも手札にバーストが無いからか?

なんにせよ、相手にバーストが無いということは相手の妨害カードを気にせずにこのターンを過ごすことが出来る。これはチャンスだ。

 

駆「俺は手札から3コスト、赤1白1軽減1コストで甲獣キャノン・ピューマをレベル1で召喚。召喚コストはファーゾルトのコアを1個使用。乗せるコアはコレオンのソウルコアだ。

これにより、ファーゾルト並びにコレオンのレベルが2から1に下がる」

 

俺の場に一体のピューマが現れる。その背中にはキャノン砲が装備されている。何とも物騒なスピリットだ。

 

駆「続けて4コスト、赤2軽減2コストで甲寅獣リボル・コレオンのアクセルを使用。

効果により、俺はデッキからカードを3枚オープン。その中の系統異魔神を持つブレイヴカード1枚と系統神皇、十冠を持つスピリットカードを1枚手札に加える」

 

オープンカード

幻魔神〇

砲凰竜フェニック・キャノンREVIVAL〇

寅の十二神皇リボル・ティーガ〇

 

おお…!思ったより引き運がいいな。系統神皇を持つリボル・ティーガは確定で手札に引き込める。

…が、幻魔神とフェニック・キャノンREVIVALは両方とも系統異魔神を持つブレイヴカードでリボル・コレオンの対象になっているのだが、効果によりどちらか1枚しか手札に加えることが出来ない。

 

駆「……すまない、少し考えさせてくれないか?」

 

明夢「構わない」

 

考える時間をくれた明夢に感謝しつつ、俺はどちらの異魔神を手札に加えるかを考える。

う〜む………これは非常に迷う所だな。左右で異なる色の[超装甲]を合体したスピリットに与え、安定した場を作り出せる幻魔神か、相手の場のスピリット、ネクサスを破壊か赤の異魔神をノーコストで召喚するフェニック・キャノンREVIVAL。どちらも強力なカードだ。

 

 

駆「………………ここは、幻魔神を手札に加える。残ったカードは破棄」

 

オープンカード手札に加える

幻魔神→手札に加える

砲凰竜フェニック・キャノンREVIVAL→破棄

寅の十二神皇リボル・ティーガ→手札に加える

 

駆 デッキ34→31 手札2→4

 

駆「バーストをセットして、アタックステップに…甲獣キャノン・ピューマでアタック」

 

キャノン・ピューマは戦闘態勢に入る。

 

駆「レベル1、2、3のアタック時効果により、自分のデッキの上からカードを1枚ドローする」

 

駆 デッキ31→30 手札3→4

 

明夢「こちらのフラッシュは無いぞ」

 

駆「こちらも無い」

 

明夢「(フラッシュは無かったか…キャノン・ピューマレベル1のBPは3000。対するチキンナイトはレベル1で2000で勝つことは出来ない。ここは無駄にシンボルを無くすよりもライフで受け、コアを確保しておいた方が良さそうだ)

そのアタック、ライフで受ける」

 

キャノン・ピューマはその背中のキャノン砲から弾丸を1発撃ち放つ。

その弾丸はしっかりと明夢の展開したバリアに命中し、彼のライフを1つ粉々に打ち砕く。

 

明夢

ライフ5→4

リザーブSコア→1 Sコア

 

駆「俺はこれでターン終了だ」

 

駆 デッキ31→30 手札3→4

ライフ5 リザーブ0

トラッシュ3

コレオン

LV1 BP1000 (1)

 

甲獣キャノン・ピューマ

LV1 BP3000 Sコア 疲労

 

巨神獣ファーゾルト

LV1 BP8000 (1)

 

バースト

有り

 

手元

甲寅獣リボル・コレオン

 

よし、まずは1つ明夢のライフを削ることが出来た。それにキャノン・ピューマの効果で手札も増えたので次のターンで色んなことが出来そうだ。うん、このターンは個人的に満足出来るものである。

…さて、気になるのは次の彼の行動だ。ライフを1つ失った代わりにコア1つが増えた。緑の特性でコアを一気に増やし爪鳥のスピリット達を展開してくると思っておいた方がいいかもしれない。

 

明夢「…俺のターン。スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

明夢 デッキ32→31 手札4→5

リザーブ2 Sコア→5 Sコア

 

明夢「4コスト、緑1軽減3コスト。ネクサス、白雲に茂る天翼樹を配置」

 

明夢の場が緑の大樹が出現する。

 

明夢「このネクサスの配置時効果により、ボイドからコアを1個リザーブに置く。

さらに、系統爪鳥を自分のスピリットがいるとき、ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

俺の場には系統爪鳥を持つチキンナイトがいるのでコアを2個リザーブに置く」

 

明夢 手札5→4 リザーブ2 Sコア→4 Sコア

 

明夢「そして、手札から4コスト2軽減アクセル、辛酉鳥ゲイル・チキンナイトを使用し、デッキからカードを3枚オープンし、その中の異魔神を持つブレイヴをカード1枚と系統神皇、十冠を持つスピリットカード1枚を手札に加える」

 

オープンカード

忍魔神〇

古の十二神皇 神鳥のガルダーラ〇

破壊の魔獣バトラ✕

 

明夢「俺は忍魔神と古の十二神皇 神鳥のガルダーラを手札に加え、残った破壊の魔獣バトラは破棄する」

 

オープンカード手札に加える

忍魔神→手札に加える

古の十二神皇 神鳥のガルダーラ→手札に加える

破壊の魔獣バトラ→破棄

 

明夢 デッキ31→28 手札3→5

 

明夢「バーストをセット。俺はこれでターンを終わる」

 

明夢 デッキ31→28 手札5→4

ライフ5 リザーブ2 Sコア

トラッシュ5

チキンナイト

LV1 BP2000 (1)

 

白雲に茂る天翼樹 LV1 (0)

 

バースト

有り

 

手元

辛酉鳥ゲイル・チキンナイト

 

辛酉鳥ゲイル・チキンナイト

 

駆「…ターンを貰う。スタートステップ、コアステップをファーゾルトの効果で2回行い、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

駆 デッキ30→29 手札4→5

リザーブ0→5

 

サーチをしてバーストをセットしただけか…確か、サーチして手札にカードを加えた時に古の十二神皇 神鳥のガルダーラがあったな。あのカードは封印時に発動出来るバーストを持っている。彼は今、そのカードを伏せている可能性が高いかもしれない。

逆にガルダーラと思わせておいて違うカードを伏せている可能性は無きにしも非ず。

とは言っても、彼のデッキ内容から恐らくバーストはガルダーラかミストラルフィニッシュの2種類と考えて行動するとしよう。

 

駆「俺は手元のリボル・コレオンを4コスト赤2軽減でリザーブのコアを1個乗せレベル1で召喚する」

 

するとコレオンの右隣に寅の十二神皇リボル・ティーガのコスプレをしたコレオンが現れる。

それを見たコレオンは指を咥え、羨ましそうに隣のリボル・コレオンのコスプレ装備を眺めている。その後、そのコレオンは俺の方を見て目をうるうるさせている。

 

駆「あれが欲しいのか?」

 

俺はそう問いかけるとコレオンは「うん!うん!」と頷いている。

 

駆「そうか……大丈夫、君もきっと彼の様にリボル・ティーガのコスプレが出来るようになる日が来る。

今はこの戦いに専念しよう」

 

と俺はそう答えた。一方のコレオンは頷いた後、闘志を燃やし明夢の方を見る。

 

駆「…すまない、続ける。ここでリボル・コレオンの召喚時効果を発動。

このカードを手元から召喚した時、自分の手札にある系統異魔神を持つブレイヴカードを1枚をコストを支払わずに召喚する。

よって手札から幻魔神を召喚」

 

俺の場に白い身体を持つ異魔神が召喚される。

 

駆「そして、ファーゾルトに幻魔神を右合体、リボルコレオンに左合体する」

 

幻魔神は左右の腕から光を発射、ファーゾルトとリボル・コレオンに纏わせる。

これにより、2体のスピリットのBPは強化される。

 

巨神獣ファーゾルト

LV1 BP8000+3000=11000

 

甲寅獣リボル・コレオン

LV1 BP3000+3000=6000

 

明夢「…ファーゾルトには[超装甲緑]か、厄介だな」

 

そう、彼の言う通り幻魔神の右合体時には合体したスピリットに[超装甲緑、白、黄]を与える効果がある。

そして、[超装甲]は指定している色によって相手のスピリット、アルティメット、ネクサス、マジックの効果を受けないという効果がある。

つまり、今幻魔神と右合体しているファーゾルトは緑、白、黄のスピリット、アルティメット、ネクサス、マジックの効果を受けなくなっている。

それに対して幻魔神と左合体しているリボル・コレオンには[超装甲赤、紫、青]が付与されている。

 

駆「ファーゾルトとキャノン・ピューマにリザーブのコアを1個ずつ乗せレベルを上げる。そして、アタックステップ。甲獣キャノン・ピューマでアタック、レベル1、2、3の効果でワンドロー」

 

駆 デッキ29→28 手札4→5

 

明夢「フラッシュは無い」

 

駆「俺も無い」

 

明夢「そのアタックはチキンナイトでブロックする」

 

チキンナイトは明夢の命令を受け、キャノン・ピューマに向かって突き進む。

……この瞬間、俺は明夢のバーストが何なのかが理解できた。

 

甲獣キャノン・ピューマ

LV2 BP5000

VS

チキンナイト

LV1 BP2000

 

明夢「フラッシュは無い」

 

駆「……俺もだ」

 

真っ直ぐこちらに突き進んでくるチキンナイトに向かってキャノン・ピューマは背中のキャノン砲をから弾丸を発射。

それをチキンナイトは装備している盾で防ぐが、その盾はキャノン砲の凄まじい威力で粉々に砕かれてしまう。

防御が出来なくなったチキンナイトにキャノン・ピューマは容赦なく弾丸を発射する。その弾丸を真っ直ぐチキンナイトの身体を貫く。

 

甲獣キャノン・ピューマ

LV2 BP5000 勝利

VS

チキンナイト

LV1 BP2000 敗北

 

明夢「相手による自分のスピリットの破壊後によるバーストを発動。

ミストラルフィニッシュのバースト効果でデッキからカードを3枚オープンする」

 

オープンカード

乙の白騎士アルパイン・ビット〇

超風魔神〇

ダンデラビットREVIVAL〇

 

明夢「その中の緑のブレイヴカードと系統神皇、十冠を持つ緑のスピリットカードをコストを支払わずに好きなだけ召喚する。召喚をしない場合はデッキの上に戻すのだが、オープンされたカードは全てミストラルフィニッシュの対象カードなので召喚する。アルパインビットにはソウルコアと通常のコアを1個ずつ、ダンデラビットREVIVALにはコアを1個だけ乗せる。異魔神ブレイヴである超風魔神にコアは必要ないのでそのまま召喚する」

 

オープンカード召喚

乙の白騎士アルパイン・ビット→召喚

超風魔神→召喚

ダンデラビットREVIVAL→召喚

 

明夢 デッキ28→25

 

神速の速さで現れるアルパイン・ビットにぴょんぴょん小さなジャンプをして現れたダンデラビット。

そして、吹き荒れる大竜巻を発生させながら2つの巨大な槍を携えた翡翠の戦士が現れる。超風魔神、それはアニメバトルスピリッツ ダブルドライブの登場人物、ヨク・アルバトロサが使用した緑の異魔神ブレイヴで神皇編 第4章 のキャンペーンカードとして収録されたカードだ。

 

明夢「ダンデラビットの召喚時効果によりボイドからコアを1個リザーブに置く。さらに自分のフィールドにこのカード以外の系統星魂、十冠を持つスピリットカードにボイドからコアを1個置く。

よってアルパイン・ビットにコアを1個置く。これによりアルパイン・ビットはレベル2に上がる」

 

駆「これでターン終了だ」

 

駆 デッキ29→28 手札4→5

ライフ5 リザーブ0

トラッシュ2

巨神獣ファーゾルト

LV2 BP13000 (2)

右合体

幻魔神

BP+3000

 

甲寅獣リボル・コレオン

LV1 BP3000 (1)

左合体

幻魔神

BP+3000

 

甲獣キャノン・ピューマ

LV2 BP5000 (2) 疲労

 

コレオン

LV1 BP1000 (1)

 

バースト

有り

 

手元

無し

 

明夢「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

明夢 デッキ25→24 手札4→5

リザーブ2→8

 

参ったな…超風魔神を処理できずに彼にターンを渡してしまった。

次のターンに一気に決めよう。その前にこのターンを何とかしなければいけない。

 

明夢「俺はまず、コスト0で手札のチキンナイトをレベル1で召喚する」

 

先程、キャノン・ピューマが破壊したカードがもう1枚登場した。

 

明夢「そして、チキンナイトの効果で自分の手札にある系統神皇を持つ緑のスピリットカードを召喚する時そのスピリットのコストを−1する。

よって7コストからいち引いて6、6コスト緑4軽減2コストで

 

その翡翠の翼、羽ばたかせ、大いなる不死鳥の力で敵を圧倒せよ

 

召喚。

 

酉の十二神皇ゲイル・フェニックス

 

レベルは2、リザーブのコアを全てとアルパイン・ビットの通常のコアを1個、そしてソウルコアをゲイル・フェニックスに置く」

 

すると、緑の突風がバトルフィールド全体に吹き荒れる。そして美しくも雄々しい不死鳥が明夢の元に舞い降りた。

これが彼のデッキを象徴する切り札だろう。

 

明夢「そして、超風魔神をゲイル・フェニックスに右合体、アルパイン・ビットを左合体させる」

 

超風魔神が発生させたオーラはゲイル・フェニックスとアルパイン・ビットを包み込み、力を与える。

超風魔神が合体したスピリットに加算させるBPは5000。よってゲイル・フェニックスとアルパイン・ビットの2体にその5000が加算される。

 

酉の十二神皇ゲイル・フェニックス

LV2 BP13000+5000=18000

 

乙の白騎士アルパイン・ビット

LV1 BP5000+5000=10000

 

明夢「バーストをセットしてアタックステップ」

 

やはり来るか…

 

明夢「ゲイル・フェニックスもとい、右合体スピリットでアタック!」

 

超風魔神の恩恵を受けたゲイル・フェニックスが咆哮。俺のフィールドに向けて翡翠の翼を羽ばたかせた。

 

To be continued…




次回予告
バトルアーマーの謎を解き明かすために行ったバトル。
彼のくり出した不死鳥は完全に俺を仕留めるという強い意思を持って俺のフィールドに舞い降りた…

次回、バトルスピリッツ 欠落

Turn-23 こたえ

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