バトルスピリッツ 欠落   作:蛇マグナ卿

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ふぃ〜!お待たせしました!24話でございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします!!
それではどうぞ〜



Turn-24 俺たちの日

ピピピピッ!ピピピピッ!ピピピピッ!

 

大音量の電子音が一定の間を開けて俺の耳に響く。

これは…恐らく目覚まし時計だな。昨晩俺は設定せずに眠ったから美弥が設定したんだろうな。

そう思いつつ俺は目を擦りながらベッドから降りる。

 

カチッ

 

美弥「ふわぁぁぁ〜」

 

俺の隣の美弥は目覚まし時計を止め、大きなあくびと体を伸ばして目を覚ましていた。

 

美弥「駆君、おはよ〜」

 

駆「おはよう、美弥さん」

 

少し寝ぼけてる美弥の挨拶に俺はしっかりと答える。

 

美弥「ちゃんと眠れた?」

 

駆「バッチリだ」

 

昨日のことがあったからか、美弥が心配してくれた。体の具合は昨日よりはマシだな…体が少し軽く感じる。早めに寝た甲斐があった。

俺は彼女にサムズアップし、洗面所にむかう。

 

洗面所についた俺が先にするのは歯磨きだ。俺は正面の鏡の右隣の棚、上から2番目の歯ブラシスタンドから自分の使用する青色の歯ブラシと黒色のコップ、クリ〇クリーン ホワイトニングの歯磨き粉を取り出す。

コーヒーを飲むとコーヒーの色素が歯につくとインターネットで見たことがある。コーヒーが好物である俺が対策として使っているのがホワイトニングの効果がある歯磨き粉、クリア〇リーン ホワイトニングなのだ。

ちなみに美弥は黄色の歯ブラシ、ピンク色のコップ、クリ〇カの歯磨き粉を使用している。

俺は歯磨き粉を適量、歯ブラシに付け程よい力加減で歯を磨く。

 

シャカシャカシャカシャカ〜

 

朝のスタートはこれに限る。口の中がスッキリするのはとても気持ちがいいからだ。

…ある程度磨いたので俺はコップに水を注ぎ口に入れ、吐き出す。

口の中の粘付きが無くなり、スッキリした感覚を楽しんだら元あった場所に歯ブラシ、コップ、歯磨き粉を戻す。

その後、蛇口を捻り水を出し両手で水をすくったらそれを顔におもいっきりかける。

それを2〜3回繰り返す。

冷たい水が俺の眠気を一気に覚ましてくれる。俺は顔についた水滴を拭き取るために左手の壁の方に掛けてある自分用の青色のタオルを引っ張り出し顔を包む。

洗剤のほのかな香りが鼻をくすぐり、ふんわりとしたタオルのキメ細やかな素材が肌を撫でる。う〜む……とても心地いい。

顔を吹き終えたら次は髪の毛の手入れだ。俺はタオルを元の位置に掛け、棚の3段目の赤色のヘアーブラシを取り出し、サササッと髪を整える。特に説明することは無い。

洗面所でやることはこれで終わりだ。後は着替えと荷物の支度だけだ。

 

駆「美弥さん、待たせたね。洗面所使ってくれ」

 

美弥「うん!」

 

洗面所から出た俺は美弥にそう伝える。

美弥は返事した後に足早に洗面所に向かって行った。

今日は学校のない休みなので着る服は私服だ。

今日はこれにするか。

俺は水色と白のチェック柄のYシャツと黒色のズボンを選択し素早く着替える。そして、デッキや教科書、ノート等をボストンバッグの中に入れる。

休日は学校の寮で過ごしても良し、自宅に帰って過ごしても良しと自由だ。今回、俺達が勉強する場所は俺の家だ。せっかくなので今週の休日は自宅で過ごすことにしよう。学校の寮に戻る労力を持ってないというのも1つの理由だが…

着替えと日用品は学校用と自宅用で分けているので持って帰る必要は無い。自分で言うのもアレだが、用意周到である。

バックに必要な荷物を入れた俺はベッドの乱れを整え、その上にパジャマを畳んで置いておく。俺の準備はこれで完璧だ。部屋の鍵も忘れずにズボンの右ポケットに入れておく。

さて、美弥の準備の進み具合は………なるほど、リビングに姿がいないという事はまだ洗面所にいるらしい。もう少し早めに支度したら良かったか?と反省をしつつ、俺は部屋の時計を見る。集合の時間にまだ余裕があるな…

美弥はこうなることを予想してかなり余裕をもってアラームをセットしたのだろう。

しっかりしているのか、抜けているのか分からない人だな。

とりあえず俺は彼女の支度が終わるまで部屋の外で待っていることにする。

 

駆「美弥さん、俺は外の廊下で君を待つことにするから戸締り等をお願いできるか?」

 

美弥「うん、任せて!」

 

俺の頼みに彼女は答えてくれた。

 

駆「ありがとう」

 

俺は一言感謝を伝え部屋から出る。

後は美弥が部屋から出てくるのを待つだけだな。

 

 

 

 

〜数10分後〜

 

 

 

ガチャ

 

駆「…来たか」

 

美弥「お待たせ、駆君」

 

部屋からペンタンリュックを背負っている、私服姿の美弥が勢いよく出てきた。

ヘアピンのポジションはいつもと変わらないが髪の毛は珍しく、ポニーテールで纏めている。白いYシャツには赤いリボンが結ばれており、その上に紺色のジャケットを着ている。そこから下は薄めの赤いチェック柄のミニスカート、脚には黒色のタイツだった。

そんな彼女に俺は多少違和感を覚えた。理由は至ってシンプルだ。俺は今まで、彼女の制服姿しか見ておらず、俺の中でそれが定着してしまっているからだ。

そう思っていると美弥が申し訳なさそうな表情でこちらを見つめてきた。

 

美弥「ごめんね、待たせちゃって…」

 

と美弥は俺を待たせたと思って謝ってきた。そんなに時間を使ったのか?俺は別に気にしていないから彼女にフォローの一言をかけてあげねばならない。

 

駆「大丈夫。そ、それよりもその服、似合ってるな…」

 

と、俺はフォローにプラスして服装を褒めてあげる。普通に似合っている。俺の本心を直接彼女に話した。

 

美弥「ありがとう、駆君!気合い入れて選んでみた甲斐があったよ!えへへ〜!」

 

美弥はパァっと満面の笑みを浮かべた。もの凄く悩んで服を選んでいたんだろうな。

両手を頬に当てて身体を左右に振って喜んでいる。

 

駆「そんなに嬉しいのか?」

 

美弥「当たり前だよっ!褒めらて嬉しく感じない人はいないと思うけどな〜」

 

駆「……確かに、そうだな」

 

美弥「うん、それにしても駆君って結構明るい色の服着るんだね、黒が似合うなって思ってたからビックリ…!」

 

美弥は俺の服装を見てそう言った。

恐らくは…

 

駆「俺のバトルアーマーの影響だな?」

 

美弥「そ、そうだね!あのバトルアーマー、駆君に似合ってて凄くカッコイイから…」

 

と、動揺して彼女は顔を少し染めている。俺ってそんなに黒が似合うのか…

 

駆「ありがとう、そろそろ時間だ。忘れ物は無いよな?」

 

俺は念の為に美弥に確認の意味を込めて言った。

 

美弥「大丈夫、大丈夫!ほら、行こうよ!!みんな食堂で待ってるかも!!」

 

そんな俺の言葉を振り切って俺の右手を掴んで走り始めた。

 

駆「おい、廊下はあまり走るもんじゃない…!危ないって」

 

俺は美弥に危険だと注意するが彼女は聞く耳を持っていない。

早く皆と会いたい、その一心で食堂に向かっているのだ。周りが見えていないのである。

 

 

 

〜少年、少女移動中〜

 

 

 

食堂についた俺と美弥。結局、俺以外に誰にも迷惑をかける無く辿り着くことが出来たので内心ホッとしている。

 

魔理沙「おーい!駆、美弥こっちだぜ!」

 

すると、奥のテーブルから座っている魔理沙が俺達の存在に気づいて手を振って呼んでいる。

よく見ると、そこには私服の弾、霊夢、早苗も座っている。早いな、既に今日のメンバー全員が揃っているじゃないか。

 

美弥「おはよ〜!!皆!」

 

と美弥は俺より早く魔理沙達の元へ向かう。

俺も少し早く向かうとしよう。

 

霊夢「美弥、駆、おはよう」

 

早苗「おはようございます!」

 

ダン「二人ともおはよう!」

 

魔理沙「おはよう!!」

 

駆「あぁ、おはよう」

 

皆の挨拶に俺は答え、席に座る。

俺の右に美弥、その横に霊夢が座っていて、向かいのテーブル席には俺から見て左から魔理沙、早苗、弾という配置である。

 

駆「もうご飯は食べたのか?」

 

魔理沙「いや、駆達が来るちょっと前に来たからまだだよ」

 

早苗「これから決めようって思った時だったんですよ」

 

ダン「いいタイミングだったよ!」

 

美弥「そうだったんだね!じゃあ皆で一緒に食べよ!」

 

霊夢「なら、早速メニューを決めましょ!」

 

 

 

数分後

俺達はそれぞれの決めた朝食のメニューを席に座って食べている。

俺はフレンチトースト、美弥はミートパスタ、魔理沙はポトフ、弾はチーズカレーライス、早苗は、さば味噌定食で霊夢は焼き鮭をメインとした和風定食をチョイスした。

 

駆「弾君、今日もカレーか?太るぞ?たまには他のものにしたらどうなんだ?」

 

毎日カレーを頬張る弾が気になったので聞いてみた。

 

霊夢「確かに、弾がカレー以外の食べ物を食べてるところ見た事無いわね…」

 

ダン「ん〜ここのカレーの豊富なレパートリーと味が好みなんだよなぁ〜

じゃあカレー以外で何かオススメはないのかな?」

 

この食堂でオススメか、そう言われると参ったな…

俺はまだこの食堂のメニューの味を半分も体験していない。ここは、数少ないリストからオススメするしかないな。

 

霊夢「私は月見うどんがオススメよ!夜はまだ寒いし、温まるには丁度いいと思うわ!」

 

と霊夢はうどんをオススメした

なるほど、麺類か…今までカルボナーラ以外食べていなかったな。

気が向いたらラーメンや蕎麦でも食べてみるか。

まぁ、それはそれとして俺が勧める料理は……これにしよう。

 

駆「俺はそうだな…今食べているフレンチトーストはどうだ?

ふんわりとした食感にほんのりとした卵本来の味と砂糖の甘みがバランス良くマッチしていて口の中でトロ〜リと溶けていくのが中々癖になるぞ?」

 

俺は今、食べているフレンチトーストを勧めた。美弥が美味そうに食べているところを見て試しに今日選んでみたんだが、これが正解だった。

彼女が唸るのも分かる程のうまさだ。

 

ダン「なるほど……月見うどんとフレンチトーストか!今度食べてみるよ」

 

早苗「ふふ、それにしても駆さん。中々の食レポですね!そういうの目指しているんですか?」

 

と早苗が俺にそう訊ねた。別に大したことは言ってないし、そもそも目指してもいないんだが…

 

駆「いや、そういうわけじゃない。ただ俺も料理をしているから勉強になってるってことだ」

 

魔理沙「へぇ〜!駆って料理出来るんだな!」

 

魔理沙が興味津々な目で俺を見つめてきた。なんだか、俺の料理を食べたそうな…そんな感情を彼女の眼差しから受け取った。

 

駆「あぁ、なんなら今日の昼は俺が作ろうか?」

 

美弥「駆君のご飯!楽しみだなぁ〜!」

 

ダン「駆、1つ言っておくが俺はカレーにはうるさいぞ?」

 

とスプーンをペン回し見たいに回してキラリとポーズをとる弾。

…こんな奴だったか?若干俺の中で馬神弾のキャラクターが壊れつつある。

 

駆「安心しろ弾君。カレー以外のものを作るから大丈夫だ」

 

ダン「え〜〜モグモグモグ…」

 

俺がそう言った途端、マジに残念な顔をしながらカレーライスを頬張る弾。

カレーの人って言われてもおかしくないな…こんな顔してるけど一応、未来の世界を救ってるやべーやつなんだぜ?コイツ

 

美弥「あ、駆君そのフレンチトースト1口頂戴!」

 

唐突に右隣にいる美弥が俺のフレンチトーストを食べたいとお願いしてきた。

まぁ断る理由も無いし分けてやるか。

俺は右手に持つナイフで一口サイズにトーストを切る。

 

駆「昨日のが忘れられないようだな。ほら、一口サイズに切ったから取って食べてくれ」

 

美弥「ありがとう、駆君!それじゃあ早速、はむっ…う〜ん、おいひぃ〜!」

 

ミートパスタを食べていた美弥は自分の持つフォークでフレンチトーストを刺して口に運ぶ。その瞬間、美弥は顔が緩んでふにゃふにゃ〜という擬音が似合うくらいにふわふわし始めた。

そんな美弥の姿を見た霊夢と早苗は微笑ましい目で彼女を見つめてこう言った。

 

霊夢「美味しそうに食べるわね〜私も朝食に食べてみようかしら?」

 

早苗「いいですね〜!私も次の朝はそれに決めました!」

 

美弥の美味しそうに食べる姿は周りの人に影響を与えた。

 

美弥「あ、そうだ!駆君、はいこれ!」

 

と美弥は数量のミートパスタを俺の皿に盛った。

 

駆「これ美弥さんのだろ?いいのか?」

 

美弥「だって、駆君のフレンチトースト貰っちゃったからお返しの意味を込めてあげるよ!」

 

駆「別にお返ししなくても良かったんだが…」

 

美弥「私が納得しないの!私だけ貰っちゃって駆君が何も貰ってないなんて不平等でしょ?そんなの嫌だから…」

 

駆「分かった、君のその行為に感謝して頂くよ」

 

俺は美弥から分けてもらったミートパスタを口にする。

麺とよく絡んでいるミートソースはトマトの酸味と甘みが俺の口の中いっぱいに広がり、柔らかなひき肉とゴロッとしたにんじん、シャキっとした玉ねぎの食感が癖になる。最後にパラパラっと上にかかったパルメザンチーズの滑らかな風味が俺の食欲をより一層掻き立てる。

これは美味いな…フォークが止まらなくなってしまうくらいに!

まさか美弥に分けてもらったほんの少しの量だけで、人を虜に出来る料理を作るとは…この料理の美味さの秘訣とはなんだ?どうすれば、この味が出せるんだ?気になる…

 

ガタッ

 

魔理沙「どうしたんだよ駆。いきなり立ち上がって」

 

駆「…てくれ」

 

霊夢「え?何?具合、悪くなったの?」

 

弾「腹でも壊したのか?」

 

といきなり席を立った俺に周りの人達の視線がこちらに集中される。中には心配の声を俺にかけてくれる者もいる。

だが…

 

駆「おい、そこの料理人!俺に料理の秘訣を教えてくれ!!」

 

俺はそんな視線も、心配の声も無視し真っ直ぐに厨房に向かう。

 

早苗「ちょ、ちょっと待ってくださいぃぃ!」

 

と早苗が急いで俺の手を引っ張って引き止めこう言った。

 

早苗「今日は、約束の日ですよ?料理ならまた今度教えてもらいましょうよ!」

 

駆「………すまない、つい熱くなってしまった」

 

早苗に注意された俺は少し気分を落ち着かせる為に一呼吸して席に戻る。

 

駆「心配をかけた…誠に申し訳ない。それと早苗さん、止めてくれてありがとう」

 

早苗「えへへ、そんな気にしないでください。それにいつもクールな、駆さんのレアな一面に周りの皆も驚いていますよ?」

 

早苗にそう言われた俺はテーブルを見渡す。

目を点にして黙っている霊夢と魔理沙。苦笑いをする弾。

 

美弥「熱心だね、駆君!」

 

と何故か俺に関心する美弥。

 

駆「…………この件はもう忘れてくれ」

 

恥ずかしくなってきた俺は静かにそう呟いて残りのフレンチトーストを早急に食い尽くした。

 

駆「ごちそうさまでした」

 

魔理沙「はやっ!?」

 

早苗「駆さん、そんなに詰め込んだら苦しくなりますよ?」

 

早苗の忠告した次の瞬間トーストが喉に詰まった。

 

駆「ぐむっ!?」

 

と情けない声を出す俺。

 

美弥「ほら、水だよ!」

 

美弥から送られてきたコップ1杯の水を一気に飲み干し、喉に詰まってあるトーストを無理やり押し流した。

 

美弥「大丈夫?」

 

駆「すまない…美味くてついな」

 

美弥「あはは!おっちょこちょいだな〜!」

 

そんな俺に美弥は爆笑している

 

駆「俺に言われるまで顔に米粒をつけていた君に言われたくないぞ」

 

魔理沙「え!?そうなの、美弥?」

 

美弥「うぅぅ…!恥ずかしいから言わないでよ〜!」

 

と顔をトマトの如く真っ赤に染め、そしてまるで風船のように頬膨らましてプンプンと怒る美弥。

 

魔理沙「あははは!!」

 

そんなやり取りをみた魔理沙は腹を抱えて爆笑している。

 

ダン「どっちもどっちだな!!ムグムグ…」

 

霊夢「弾、アンタは食べながら喋らないの!」

 

といつもの様に楽しい食事を過ごした…

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

食事を終えた俺達は今、学校を出て人里の街中を歩いている。

 

ダン「カードショップもチラチラと見かけるな…また今度行ってみようかな」

 

人里の風景を眺めながら歩いている弾がふとそう行った。

 

駆「問題は何を売ってるかにもよるけどな」

 

ショップは沢山あってもいいという物じゃない。

そのショップ一つ一つの品揃えも重要だと俺は考えている。

 

ダン「品揃えか…どちらかというと俺は戦いたいんだよ」

 

駆「大会か…君らしいね」

 

美弥「なら駆君は欲しいものでもあるの?」

 

駆「まぁ、改造程度にな」

 

霊夢「なんのデッキ?」

 

駆「それは流石に答えられないな…ここにいる皆があの学校ではライバルなんだ。

そう簡単に敵に教える訳にはいかないな」

 

なんのデッキかを教えて対策をされてしまうのはよろしくない。よって絶対に知られる訳にはいかない。

例え友達と言える仲でもこの世界じゃあかなり貴重な情報となるからだ。

だから、俺は基本1人でカード購入をしている。

 

魔理沙「残念だったな霊夢」

 

霊夢「知っていたけどね〜」

 

駆「しかし、ここはかなり賑わっているな」

 

街中を見渡して俺はそう一言言った。

 

魔理沙「いつもこんな感じさ!ていうか、まるで初めて来たような言い方だな。駆ってさ、外から来たのって最近?」

 

駆「あぁ」

 

早苗「どうやって来たんですか?」

 

と早苗が気になったようで俺に聞いてきた。

 

駆「経緯はあまりいい事じゃない…話すのはやめておくよ」

 

早苗「そう、ですか…ごめんなさい」

 

駆「早苗さんが謝ることは無い。誰にだって色んな過去はあってそれに踏み込んでしまう時もある。

さて、人里を出たら次は森に行くぞ」

 

霊夢「この方向って…」

 

魔理沙「魔法の森?」

 

駆「そうだ」

 

魔理沙「私の家もそこにあるんだぜ」

 

美弥「そうなんだ!じゃあまた今度みんなで行こうよ!」

 

魔理沙「ぐぬ、結構散らかっているからオススメはしないぜ…」

 

魔理沙は苦笑いをしながらそう答えた。

 

霊夢「整理整頓しないから…」

 

そんな魔理沙に呆れる霊夢。

 

魔理沙「夢中になるとつい…」

 

そんな霊夢にアハハと乾いた笑いで答える魔理沙。

 

ダン「魔理沙、分かるよそれ!俺もデッキの構築でいつも散らかるんだよな…」

 

魔理沙「だよな!いつの間にか散らかってるんだよな!!」

 

と魔理沙と弾が意気投合している。デッキ構築で部屋が散らかるのは俺も分かる。と俺はそんな思いを秘めて歩いた。

そして俺達は魔法の森の中の俺の家にたどり着いた。

 

ダン「これが駆の家か!」

 

美弥「洋風!」

 

霊夢「魔理沙の家と似てるわね」

 

早苗「あ、それ思いました!」

 

と上から順に感想言っている。

 

魔理沙「あまり深い場所じゃないんだな」

 

駆「あぁ、すぐに森を抜けられるし人里にも通いやすいから助かっている。

…さて、鍵を開けるから少し待ってくれ」

 

俺はそう言って右ポケットに入っている家の鍵を取りだし鍵穴に刺し込みロックを解除する方向へ回す。

 

ガチャ

 

とロックが外れる音がして扉が手動で開くようになった。

 

駆「中に入ってくれ」

 

と俺は後ろの5人を家に招く。

 

美弥「お邪魔しま〜す!とても綺麗!もしかして買って間もないんじゃないかな?」

 

ダン「結構広いんだな!!」

 

霊夢「羨ましいわぁ〜!私もこれくらいの広さが欲しいわ」

 

魔理沙「おお、中々綺麗!私も見習いたいくらいだ!」

 

早苗「この広さは快適ですね!!」

 

俺の家に入った5人は上から順に感想を言っている。

評価としては結構上らしい。まぁ、悪い気はしないな。この家を提供してくれた女神様に感謝だ。

 

駆「こっち、リビングのテーブルを囲んで勉強会を開こう。

ソファに座るなり、絨毯の方に座るなり好きにしてくれ」

 

俺がそう言うと皆は絨毯の上に座った。

テーブルの高さの方がソファよりも低いとうのがソファに座らなかった理由だろう。

一方の俺は部屋の冷蔵庫を開いて飲み物を確認している。

ここまで歩いてきて少しは疲れただろう。何か冷たいものでも飲んでリフレッシュしてもらわないとな。

 

 

 

〜少年、探索中〜

 

 

 

…う〜ん、色々あるが何が欲しいのか、肝心な事を聞くのを忘れてしまった。仕方ない、1人ずつ聞いていくことにしよう。

 

駆「飲み物は何がいい?コーヒー、オレンジジュース、牛乳、麦茶に赤ワイン……ぬ?なんで酒が冷蔵庫にあるんだ?前に買ってたのかな」

 

ダン「なに?まさかお前、皆に隠れて…」

 

と弾は俺を睨みつけている。そんな彼に俺は圧倒された。

おお、迫力あるな…

 

美弥「え!?駆君、未成年なのにお酒を…?カロリーメイト、レッドブルに追加してお酒をキメたら駆君、体壊しちゃうよ!!」

 

そして美弥は俺の体の心配をしてくれている。

というか、実際に俺は調味料として赤ワインを使うのであって直接飲んだ事は過去1度も無い。とりあえず、疑いを晴らさねば…

 

駆「あ…い、いや料理の調味料で使おうと

 

霊夢「私それにするわ!!」

 

っておい!」

 

俺が言い訳をしようとした時、俺の言葉を遮って霊夢が赤ワインを指名してきた。

 

ダン「というか、霊夢も未成年だろ!?」

 

酒を指名した霊夢に対して声を大にして突っ込む弾。

 

早苗「大丈夫ですよ!そんなに心配しないでください!」

 

とそんな弾を早苗はおさめようとするがそこに美弥も突っ込む。

 

美弥「いやいや!心配するでしょ!?」

 

魔理沙「なんだ?ここは皆、当たり前のように飲んでるぜ?」

 

と、さも当然かのように酒を飲んでることを暴露する魔理沙。いや、それは完全にアウトだろ。

 

駆 美弥 ダン「「「それはダメだろ!(でしょ!)」」」

 

そして魔理沙に俺、美弥、弾は同時に反論した。おお、見事なハモリ具合だな。ここまでの流れが完璧すぎて俺は少しふっと微笑んだ。

 

霊夢「なんでよ〜!」

 

駆「いくらお前達が当たり前に飲んでいようと今日は絶対にダメだ。

酒の中に含まれているアルコールは脳の働きを麻痺させ、集中力や判断力を鈍らせる。今から勉強を始めるのに酔われては困る。分かったなら今日は諦めるんだ」

 

霊夢「わかったわ!そこまで言うなら今日はやめにしておくわ。…麦茶お願いね」

 

駆「分かった。じゃあ他の人は何が欲しい?」

 

早苗「私も霊夢さんと同じ麦茶です!」

 

ダン「俺はオレンジジュースにするかな」

 

魔理沙「アイスコーヒーを頼むぜ」

 

早苗は麦茶、弾はオレンジ、魔理沙はアイスコーヒーか…美弥は何を頼むのだろうか

 

美弥「じゃあ私はコーヒーとミルク合わせてカフェオレ!角砂糖は8個がいいな!」

 

美弥の口から出た注文に俺は驚きを隠せなかった。超激甘コーヒーではないか…

 

魔理沙「ええ!?それはちょっとやりすぎ…」

 

魔理沙も若干引いている。そりゃあそこまで砂糖やミルクを入れないからな…

 

駆「もはやコーヒーでは無いな…」

 

俺も額から汗を流しながら突っ込んだ

 

美弥「いいの、いいの!!私はこれが好きなんだから!」

 

と美弥は頬を膨らましながらそう言った。

ここで激甘コーヒーを注文しているのもコーヒーにだんだんと慣れたいからなのだろうか?

俺も最初はカフェオレから微糖、そしてブラックと少しずつ、ミルクと砂糖を抜いていった。ひょっとしたら彼女はいつかはブラックコーヒーを飲んでみたいと思っているのではないのだろうか?

まぁそんな俺の考察は置いておいて、頼まれた物を取りに行かなくては…

 

駆「わ、わかった。準備してくる。そっちも勉強の用意をしておいてくれ」

 

 

 

〜約1分後〜

 

 

 

注文した飲み物を用意しリビングに行った時にはテーブルにはノート、教科書が広げられていた。もう既に勉強会が始まっていた。

霊夢と魔理沙は国語…漢字をやっているな。

ダン、早苗は科学か…美弥は何やら頭を抱えている。何の教科をやっているんだ?

 

駆「早速始めたのか…ほら、注文されたものだ。受け取ってくれ」

 

俺が皆に飲み物を配っている時、頭を抱えう〜ん…!と唸る美弥。

 

駆「美弥さん、分かるか?」

 

俺は美弥の隣に座り頼まれていた激甘コーヒーを傍に置いて問題を見た。

数学、2乗の因数分解か…授業で中学校の時の復習という名目でやったな。

一応テストにも出すと先生は言っていたな。

 

美弥「これどうすればいいんだろ…?」

 

駆「美弥さん、因数分解はこの4つ公式が使えるぞ」

 

俺は美弥の教科書に公式の載ってあるページを開いて彼女に見せた。

 

美弥「??」

 

が、彼女は首を傾げている。

 

駆「……なら実際に俺がやってみる。説明もするからよく見ておけよ」

 

美弥「うん!」

 

駆「いいか?まずはこの数式を見るんだ。これと対応している公式がこの4つの中のこれだ」

 

俺は教科書に載っている公式の一つに指さす。

 

美弥「ほうほう…」

 

駆「そして、問題の数字を公式に当てはめてやってみると出来るぞ」

 

美弥「なるほど!」

 

駆「わかったか?なら次のこの問題をさっきみたいにやってみろ。勿論、公式によってやり方は違ってくるから注意しろよ」

 

美弥「うん!あ、その前にカフェオレ飲も!」

 

美弥は傍に置いてあったカフェオレを口の中に入れる。

 

美弥「あ〜甘くて美味しいなぁ」

 

そりゃあミルクと角砂糖8個も入れれば甘いよな…

 

美弥「よし!私頑張る!」

 

駆「あぁ、俺も復習を始める。分からないところがあったらいつでも言ってくれ」

 

美弥「ねぇ駆君、これどうすればいいの?」

 

と、俺がそう言った後即座に美弥が困った顔をして尋ねてきた。

どんな問題なのかと思い、俺は美弥が指さす問題を見た。なるほど…これか

 

駆「これはたすき掛けを使う問題だな。すまない、これも教えるべきだった。

たすき掛けというのはな、こうするんだ」

 

美弥「うん、うん…!」

 

駆「そして、この数をこうすれば出来るぞ」

 

美弥「おおお!!」

 

駆「わかってくれたか?」

 

美弥「うん!次は自分でやってみるよ!」

 

駆「頑張れ、美弥さん」

 

問題に面と向かった美弥を応援し、復習に入る。しっかりやって頭に叩き込んでおこう。

 

 

 

〜少年少女、勉強中〜

 

 

 

とりあえず、ここまで数学は復習出来たな。俺はリビングの時計を見て時間を確認した。時計の針はもうすぐ12時を指す所だった。もうすぐ昼、ご飯の用意をしなければな…

 

駆「そろそろ昼食の準備をする。皆はその調子でやっていてくれ。

出来上がり次第呼ぶ」

 

俺は手に持つシャープペンシルを筆箱に戻し席を立ち、台所へ向かう。

 

早苗「私も手伝いましょうか?」

 

駆「気持ちはありがたい。だが、今日は俺が振る舞うと言ったからな」

 

霊夢「駆合わせて6人分よ?大丈夫?」

 

駆「任せろ。いいものをご馳走する」

 

霊夢「わかったわ!楽しみに待ってるからね!」

 

そう言った霊夢に俺は頷いて料理の支度をした。

今回、俺が作ろうと思っているのはオムライスだ。

さて、まずは玉ねぎをみじん切り、鶏もも肉は一口に食べやすいサイズにカット。

そうしたら、フライパンにバターをいれ中火からスタートする。

ジュワ〜というバターが溶けていく音、それと同時にバターの香りが鼻をつく。

バターが溶けてきたら玉ねぎと鶏もも肉を入れ、それぞれの色を見ながら炒める。そこにトマトケチャップを適量加えて絡ませる。

…………よし、このタイミングでいいだろう。俺はスタンバイしていたご飯を追加でフライパンに入れる。

そして、木べらで切るようにして炒めご飯がパラッと且つケチャップに馴染んできたら火を止め1度ボウルに移す。

次は卵だ。別のボウルに卵を2個、牛乳と塩を少々加えて白身と黄身が混ざるまで溶く。

それが出来たら、フライパンにサラダ油を入れて溶いた卵を入れる。火は中火だ。

菜箸でサササッと一部をかき混ぜ、半熟になったら火を止める。

最後にボウルに移してあったチキンライスをさらに適量を盛り付け、その上にトロトロの半熟卵を乗せる。あとはお好みでケチャップを付ければ完成だ。

これをあと5人分作るのだが、卵の消費が半端じゃあない。明日、卵の買い出しに出るか…

 

 

 

〜そして数分後〜

 

 

 

駆「…待たせたな。これで全員分だ」

 

俺は台所の横のテーブルに俺を含めた6人分のオムライスを用意した。

 

ダン「おおお!美味しそうだな!」

 

美弥「…す、凄いよ駆君!勉強も出来て料理も出来るなんて!(うぅ…ほんとに凄いとしか言えないよ…私も料理上手く出来たらなぁ…)」

 

早苗「本格的ですね!!」

 

霊夢「味は…どうなのかしら?」

 

魔理沙「食べてみないと分からないから早速いただきまーす!!」

 

魔理沙は誰よりも先にスプーンを手に取りオムライスをすくって口の中に入れる。

 

駆「どうだ?魔理沙さん」

 

魔理沙「あぁ………美味しい!!」

 

そう一言言った魔理沙は黙々とオムライスを食べている。

 

ダン「なら、俺も!」

 

美弥「いただきまーす!!」

 

魔理沙に続き、弾と美弥もオムライスを食す。

 

ダン「これは美味いよ、駆!」

 

美弥「うん!うん!」

 

早苗「私達も食べましょ!」

 

霊夢「腹が減っては戦は出来ないからね」

 

早苗、霊夢もスプーンを持ちオムライスを食べる。

 

霊夢「美味しい…!」

 

早苗「ぜひ、レシピを教えて欲しいです!」

 

と、早苗がキラキラした目でこちらを見てきた。

 

駆「ハハ、そうか?」

 

早苗「今度一緒に作ってくれませんか!?」

 

駆「俺で良ければ…」

 

早苗「ありがとうございます!!」

 

早苗が満面の笑顔で喜んでいる。そして俺は美味しそうに食べる5人を見ていた。

俺の料理をこんなに美味しく食べてくれる人がいる…とても嬉しいことだ。

 

駆「皆の口にあって良かった。俺も頂こう」

 

俺は1口、ケチャップの乗った卵とチキンライスを同時に頬張った。

 

To be continued…




次回予告
他人に自分を忘れられるという事
俺にとってそれは………

次回、バトルスピリッツ 欠落

Turn-25 心を氷に閉じ込めて

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