ちなみに今回はちょっと短めです( ^ω^ )
色々と雑なところありけりですけれども見守ってくださると嬉しみが深いです。
それではお楽しみください!
月曜日の朝、教室にて俺は1時間目の授業の準備をしているところだ。
結局のところ美弥と言い合いになってしまった勉強会の日の翌日の朝、俺が目を覚ました頃には彼女は家から出ていってしまったようで彼女の姿は確認でき無かった。
あの日の夜に貸したジャージは綺麗に畳まれリビングのテーブルの上に置かれていた。
その日は不足した卵の買い出しの目的で外出をしただけで特に学校の誰かと偶然出会うこともなかった。帰宅後、弾との対戦で使用するデッキの調整を行っていたのだが、3枚積んでいたとあるカードが1枚しかデッキに入ってなかったことがかなり謎だった。仕方なく、サブプランとして用意していた差し替えカードを使うことにしてデッキは完成した。
あのカードを中心とした戦術は成功しにくくなってしまったが、今回のサブプランを用意しておく事でデッキの戦術は格段に広がった。
彼との対戦ではこのデッキを使おうと思っているのだが、この世界に来てまだ1度も使用していないデッキだ。理想の動きが出来るかは俺の調整と腕、そして運にかかっている。
美弥「みんな、おはよ〜!」
元気に挨拶をしながら美弥が教室に入ってきた。あの日から全く彼女と話はしていない。
部屋の鍵はちゃんと閉めてきたんだろうな?と思いながら俺は数学の教科書、ノートを机の上に置く。
レイ「駆君、おはよ!」
右隣からいきなり俺を呼んでいる声が聞こえたので振り向いた。
そこにはレイが笑顔で挨拶していた。
駆「あぁ、レイさん。おはよう」
俺も右手を振り挨拶をし返す。
レイ「珍しいね、今日は美弥ちゃんと一緒じゃないんだ」
物珍しそうに彼女は言った。
そう言われて俺は教室の廊下側にいる美弥を見た。どうやら霊夢たちと楽しく喋っているようだ。
駆「……まぁな」
俺はレイを見上げていた視線を下に下げた。
レイ「…もしかして、喧嘩でもしちゃったの?」
駆「…ハァ、その通りだ」
俺は1つため息をついてから肯定した。
レイ「…仲直りしないの?」
レイが首を傾げて言ってきた。
仲直りか…したくても出来ないな。
駆「残念ながら、どんなに仲良くしていた人同士であっても分かり合えない時だってある」
俺は俯きながらそう答えた。
レイ「………」
レイはしゅんと悲しい顔をして黙ってしまった。
そりゃそんな答えが帰ってきたらそんな顔をしてしまう。
駆「そろそろ授業の時間だ。席に座って準備をしたらどうだ?」
レイ「そうだね…」
レイは一言小さく言ったあと、自分の席に戻って行った。
キーンコーンカーンコーン
…朝のSHRの時間だ。
マギサ「みんなおはよう!楽しい休日は過ごせたかな?
さぁ!ホームルームを始めるわよ!」
マギサ先生が入ってくると同時に教室の生徒が騒がしく自分の席に座っていく。
マギサ「じゃあまずは点呼をとるわ!」
とマギサ先生はあいうえお順に生徒の名前を呼びはじめる。
休日は楽しく過ごせた?か…楽しくも最悪な休日だったな。まさかあんな事になるとは思わなかった。
今週の休日はゆったりと1人で過ごす事にするか?カードショップに行ってみるのもいいな。
マギサ「天童駆君!」
駆「え…………あ、はい…」
窓の外の景色を見ながら今週の休日をどう過ごすかを考えていたということでどこまで点呼が進んでいるのか把握していなかった。
故にいきなり先生に名前を呼ばれたのに少し驚き、反応が遅れてしまった。
マギサ「朝からボーッとしたらダメよ?シャキッとしないとね!」
駆「そ、そうですね。まぁ生存確認は出来たので問題はないと思いますけど……
あ、点呼を続けてください」
俺は一言そう言ってまた窓の外の世界を見ることにした。
…空は少し曇っていた。
マギサ「じゃあ、これでホームルームは終わりよ。1時間目は数学ね!皆頑張るのよ!」
マギサ先生はそう言って教室を出ていってしまった。
俺が外を見ている間にホームルームが終わっていたようだ。
まぁ、連絡することはそこまで無いだろうし、特に問題は無いだろう。
そろそろ数学の時間か…気を引き締めて取り掛かることにしよう。
〜少年、少女達午前の授業中〜
午前の授業が終わり昼休憩の時間に入った俺は食堂で1人、カロリーメイトチョコレート味とレッドブル1缶を食べている。
駆「…美味いな」
今まで美弥からの制限をくらってきたカロリーメイトとレッドブルだが、久しぶりに食べると美味いものだな。
普通に食堂の料理も絶品なんだが、手軽に栄養を補給できるこれらがやはり1番美味い。美弥から知らないと言われてるし、制限も事実上ない訳だからこれから食べ放題という事だな。
魔理沙「よお!」
霊夢「相席、いいかしら?」
突然、魔理沙と霊夢が尋ねてきた。その手には食堂のご飯を乗せたトレイを持っていた。
駆「魔理沙さんと霊夢さんか、いいぞ座ってくれ」
俺の目の前に霊夢、その右隣に魔理沙が座る。ほう、霊夢はチーズinカレーライス、魔理沙は鶏の唐揚げ定食か…中々いいチョイスをしているな。
魔理沙「今日は1人か?」
霊夢「いつもは美弥と一緒なのにね?」
…今朝レイに突っ込まれた事と同じ事を聞かれた。そんなに違和感があるのか…
駆「ま、まぁな…というかいつも美弥さんと一緒にいると思ったら大間違いだぞ?」
霊夢「そう言われればそうだけどね…」
魔理沙「美弥にもそう言ったんだけど誤魔化されてな。
何かあったのか?私達で良ければ相談に乗るぞ?」
魔理沙が首を傾げてそう言った。彼女の他人に寄り添うその行為に俺は心の中で感謝した。しかし、これは簡単に終わる問題じゃない。
駆「……相談した所で、解決には繋がらないだろう。俺と美弥さんは分かり合えないんだから」
霊夢「…喧嘩でもしたのかしら?」
駆「あぁ…その通りだ。でもこれは仕方のない事だ。もうこれ以上、深く突っ込まないでくれ。知りたければまた直接、美弥さんに聞いてみるといい」
俺はカロリーメイトチョコレート味の最後の一口を口に入れた後、それをレッドブルで流し込み席を立つ。
魔理沙「おい!駆!」
駆「聞いてくれてありがとう。でも俺は美弥さんがいなくても今のままの生活が出来るから問題は無い。それに俺はもう彼女に見捨てられているんだ。仲直りは彼女から願い下げだろう」
俺はそう言い残しレッドブルの缶とゴミをそれぞれのゴミ箱に入れ食堂を出た。
さて、次の授業の準備をしないとな…
〜少年、少女達午後の授業中〜
キーンコーンカーンコーン
駆「…もう、終わりか」
6時間目終了の鈴が鳴ったと同時に俺は小さく呟いた。
集中していたのもあって、そこまで時間の流れを気にしていなかったから授業の時間が短く感じた。
例えるなら、みんなとのゲーム対戦やスポーツ等、楽しい時間はすぐ終わってしまうのに対してお湯を入れたカップラーメンの出来上がる3分間がとても長く感じてしまうってやつだ。
マギサ「みんな、今日もよく頑張ったわね!午後のSHRを始めるわよ!」
と、そんなくだらない事を考えていたらマギサ先生が6時間目担当の先生とすれ違うように教室に入ってきた。
さて、先生の話でも聞きながら荷物の整理でもするか。
マギサ「とは言っても連絡することは一つだけだからすぐ終わるわ!
今日、SHRが終わった後、大体育館にて馬神弾君と天童駆君によるクラス委員長を懸けた試合を行うから是非、見に来てね!それでは以上!
これでSHRを終わります!じゃあ弾と駆君は早めに大体育館で待っていてね!」
ダン「わかりました」
駆「……はい」
マギサ先生による迅速な説明によりSHRは直ぐに終わってしまった。
大体育館に行くか。丁度荷物整理も終わったところだ。
先生の言う通り、先に行って待っていることにしよう。
side change
今日の授業も終わったし寮の部屋に帰ろうかな
レイ「あ、待って美弥ちゃん!」
私が鞄を持って教室から出ようとした時、レイちゃんに呼び止められた。
美弥「ん?どうしたの?レイちゃん」
レイ「今日の駆君と弾君のバトル見に行かないの?」
美弥「私は…もう、いいかな…」
私はレイちゃんから目を逸らしてそう言った。
レイ「え?美弥ちゃんって確か駆君応援してたんじゃ…(私もだけど)」
レイちゃんは首を傾げて私に尋ねてきた。確かに、あの時あの人を推薦したのは私だけど…でも今は…あんな人なんて
美弥「いいの、もうあの人の事なんて…」
レイ「…知ってるよ。今朝駆君から聞いたの。美弥ちゃんと喧嘩になったって」
少し間を置いてからレイちゃんの言葉が返ってきた。
美弥「!!」
驚いたよ、レイちゃんがあの人からあの話を聞いてたんだ。
レイ「…仲直りしようと思わないの?駆君と美弥ちゃん、とても楽しそうにしてたじゃん…」
悲しそうに放たれたレイちゃんのその言葉が私の心の中にグッサリと刺さった。
仲直りなんて……無理だよ。自分からあんなこと言って今更あの人に会いに行って謝って許してもらうなんて、そんな虫のいい話あるわけないよ…!
美弥「む、無理だよ…そんな今更…!!」
私は逃げるように教室から出て行ってしまった。
レイ「あ!美弥ちゃん!!」
私はレイちゃんの呼びかけを無視して寮の部屋に駆け足で帰った。
side change
駆「……外野がうるさいな」
ワー!ワー!と観客席から聞こえる歓声に俺はため息ついて呟いた。
ダン「こんなに人が来るなんて思わなかったよ」
一方、俺の向かいに立っている弾は観客席を見ながら驚いている。
大体育館、第2バトルステージにて今まさに俺と馬神弾の対戦が始まろうとしているところであった。
目的は俺と弾、どちらがクラス委員長になるかというくだらない目的。
にも関わらず、ここまで外野がうるさいとは思わなかった。
誰かがこのことを広めたのだろうか?それに関しては不明だ。集まってしまったのなら仕方は無い。本音を言うなら、あんまり観客がいない方がプレイに集中できるから今の状況はそんなに嬉しくは無い。
マギサ「では!只今より、天童駆君と馬神弾君によるバトルを始めます!
二人とも、バトルアーマーを装着して!」
ダン「いくぞ!バトルアーマーオン!」
弾がソウルコアを天に掲げた時、ソウルコアは光を放ち彼を包みこんだ。
駆「…バトルアーマー、オン……!」
俺もコアケースから取り出したソウルコアを右手で握り締めながら静かに言った。
そして、ソウルコアから溢れんばかりの光が放たれ弾と同様に俺の全身を包み込む。
そして、俺は黒いスーツと装甲、ヘルメットを纏い彼と対峙した。
バトルアーマーをその身にまとった弾はアニメ、ブレイヴと同様の鎧を装着しているが追加して両腕、両膝にも金色の鎧を付けている。そしてその右隣にコアブリットがスタンバイされている。
コアブリット…それはバトルフィールドへの移動手段となる乗り物。単体で移動できる上にプレイシートも完備されている。
ダン「…始めよう。駆」
真剣な目で俺を見る弾。
駆「そうだな」
俺はバトルアーマーのブースターを吹かせ、数メートル上に上昇していく。
一方で弾はコアブリットのコックピットに搭乗し上昇している。
そして、ある程度の高度まで上昇したコアブリットは変形。コックピットが飛び出し、宙に浮いた。
マギサ「二人とも準備はいいわね!?」
駆「えぇ」
ダン「出来てるよ」
マギサ「じゃあ、あの掛け声で行くわよ!ゲートオープン…界放!!!」
マギサ先生がそういった時、観客席のボルテージが最高潮に高まり歓声が上がる。
やりにくいが始まってしまったものはしょうがない。
俺と弾のバトルアーマーから光が溢れ出し、バトルドームを作り出す。
side change
明夢「…天童と…馬神が戦うのか」
やけに大体育館が騒がしいので見に行ってみたらあの2人の対戦が今まさに始まろうとしていた。空いてる席は余裕は無いが座れる場所を見つけたのでそこに座るか。
レイ「あ!明夢君、偶然だね!」
俺の右隣から金髪の女子が話しかけてきた。確か、彼女は…
明夢「オーバか…」
そうだ、詩姫部に一緒で入ったレイ・オーバとかいう少女だったな。
レイ「む!?あなたもオーバって呼ぶの?もっと仲良くしたいから名前で呼び会おうよ!」
明夢「…すまない、慣れていない。だから出来ない…」
レイ「そっかぁ…じゃあ慣れたら名前で呼んでね!」
明夢「あ、あぁ」
魔理沙「あ!レイじゃないか!」
後ろからオーバを呼ぶ声がしたので反射的に俺と彼女は後ろを向いた。
そこには金髪のロングヘアのオーバを呼んでいた女子、赤いリボンが目立つポニーテールの女子、カエルの髪飾りと緑色の髪色が目立つ女子の3人がが横に並んで座っていた。
レイ「え!?そこにいたんだ、魔理沙ちゃん!」
隣のレイが目を丸くして驚いている。
霊夢「私も早苗も一緒よ」
早苗「偶然ですね!レイさん!ん?その隣の方は?」
緑色の髪をした女子が俺を一目見た後、オーバに問いかけている。
いきなり、ライトが当たるものだから少し驚いてしまった。
そんなことはさておき俺はあの3人に自己紹介しないといけない。
レイ「柊木明夢君っていうの!2人目の男の子の詩姫部のマネージャーだよ!」
俺が自己紹介をしようと思ったのだがそれよりも先にレイが俺を紹介してくれた。
まぁ悪い気はしないが…
明夢「柊木明夢だ。3人ともよろしく…」
霊夢「私は博麗霊夢、よろしくね明夢」
魔理沙「明夢って言うんだな!私は霧雨魔理沙!気軽に魔理沙って呼んでくれだぜ!」
早苗「初めまして!東風谷早苗と言います!明夢さん、よろしくお願いします!早苗って呼んでくださいね!」
俺の挨拶に3人が答えてくれた。3人ともとても好感が持てる人間…悪いやつじゃなさそうだ。
明夢「すまない、名前で呼ぶのは慣れていないからまだ出来ない…」
魔理沙「そうなのか…別に強制もしてないから、慣れてからで大丈夫だぜ!」
グッとサムズアップをした金髪の女子……魔理沙と言ったか…彼女は中々フレンドリーな奴だな。
明夢「あ、あぁ……ありがとう。ところで3人はオーバの友達なのか?」
フォローしてくれた霧雨に礼を言うと同時に素朴な疑問を彼女達にぶつけた。
早苗「クラスで一緒になって知り合ったんですよ!」
と俺の疑問に対して緑の…東風谷が答えてくれた。
明夢「そうか…それは良かったな」
俺はそう一言言った。
霊夢「あ、みんな見て!始まったわよ!」
唐突に博麗が第2バトルステージの方を指さす。
俺も彼女たちも第2バトルステージの方を見る。天童と馬神のバトルアーマーがバトルドームを作り上げたようだ。
いよいよ始まるのだな。なら見せてもらおうか、お前達の力を…
side change
俺と弾は互いにデッキからカードを4枚引き手札とする。そして次は…
駆「先攻後攻を決めるぞ」
ダン「あぁ、最初はグー」
駆「ジャンケン、ポン」
駆 グー 勝ち
VS
ダン チョキ 負け
ジャンケンは俺の勝利…先攻後攻を決める権利は今、俺にある。
この手札なら…
駆「俺は先攻を選択する」
ダン「分かった」
駆「行くぞ…ブレイヴ使いの弾君…!」
ダン「来い…駆!!」
俺の声に答えた弾からメラメラと燃えるような闘志を感じる。
そうだ。何時だって俺はテレビに映る彼の戦いに胸を踊らせていた。彼の熱い戦いと真っ直ぐな信念は俺の一つの憧れでもあった。そんな彼と対戦できるこの状況に俺は心から嬉しさと昂りを感じている。
激突王であり、ブレイヴ使いであるこの男を俺のプレイングと俺のデッキでどこまで戦えるのか、楽しみだ…
駆「俺のターン、スタートステップ」
俺は自分のターンの始まりを宣言した。
To be continued……
次回予告
俺のカード、彼のカード、フィールドに舞い上がり熱く、激しくぶつかり合う。
燃え盛る炎が地上の全てを焼き尽くした。
次回、バトルスピリッツ 欠落
Turn-27 ブレイヴ✕ブレイク