バトルスピリッツ 欠落   作:えむ〜ん

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弾VS駆の続きです!
この戦い、どちらか勝利を掴むのか…楽しんでみてください!
それではTurn-29 ブレイヴ✕サバイブをどうぞ!


Turn-29 ブレイヴ✕サバイブ

ダン「いくぞ!アタックステップ!創星龍バイアーでアタック!!」

 

馬神はバイアーに攻撃命令を行い、バイアーはそれに従い天童へと迫っていく。

俺は馬神がこのターンのアタックステップで攻撃を開始することに驚いた。

スピリットの召喚が次の天童のスタートステップまで封じられている。つまり、アタッカーもブロッカーを増やすことが出来ないのにも関わらずアタックに入るとは…余程次の防御に自信があると見える。次の防御は完璧なので場を固めるより天童のライフを1つでも多く削っておこうという考えか…?

…さて俺の推測は一つ置いておき、ここで馬神と天童の戦いがどういう状況になっているのかをまとめておこう…次の下の通りだ。

 

 

BA(駆) デッキ25 手札0

ライフ3 リザーブ1

トラッシュ8

獄炎の四魔卿ブラム・ザンド

LV3 BP16000 (1) 疲労

 

バースト

有り

 

手元

無し

 

 

弾 デッキ8 手札4

ライフ2 リザーブ2 Sコア

トラッシュ2

究極星アルティメット・ゾディアック

LV5 BP33000 (5)

 

創星龍バイアー

LV5 BP9000 (5) 疲労

 

光り輝く大銀河

LV1 (0)

 

灼熱の谷

LV1 (0)

 

バースト

無し

 

手元

無し

 

 

と見てわかると思うが、互いにギリギリの状況だ。

バトルアーマーから何らかの影響を受けている天童はまだデッキ枚数に余裕があり、ライフが3つ…だがフィールドはがら空きで尚且つ手札が0枚なのでフラッシュでの反撃が不可能となっている。今は馬神のバイアーがアタック中…残りのアタッカーのアルティメット・ゾディアックの攻撃を含め全て通れば天童のライフは1となる。

それに対し馬神は手札が4枚でライフが2つ。場にシンボルも並んでいる。その点に関しては安心できるがデッキの枚数が残り8枚。

加えて毎ターンのドローステップでのドロー1枚追加する灼熱の谷を配置しているが故に一気にデッキが減っていく。

そう、灼熱の谷のようなドロー加速は序盤のデッキを高速で回転させ、場を安定させるのに最適なネクサスカードなのだ。

そして[ドローステップでドローする枚数を増やしている]ので[相手の効果により手札が増えた後]のバーストの発動対象にならない点を持つ。

よってグリードサンダーや、馬神の使っていたエグゾーストエンドによる妨害を受けない。

よって灼熱の谷は赤のデッキ等に重宝されている。だが今の状況ではドロー枚数を増やす効果が裏目に出て、デッキアウトを招く危険性を持っている。

オマケに天童のデッキはアルティメットを中心に構成されたデッキ。

邪神アルティメットにも相手のデッキのカードをトラッシュに置く、[Uトリガー]を搭載したカードはある。

となると、馬神は天童のライフを削りきる前にデッキ残り枚数が0…つまりデッキアウトとなり敗北する可能性も有り得る。

 

…ざっとこんなものか?長々と解説するのも楽じゃない。

解説と状況説明は終わったことだ。バトルの続きを見るとしよう。

 

 

 

side change

 

 

 

レベル5のバイアーが俺に迫ってくる。

手札が無い以上俺に反撃の手段は無い。

 

BA「フラッシュタイミングの確認……フラッシュはありません」

 

ダン「こちらもだ!」

 

BA「ではその攻撃はライフで受けます」

 

バトルアーマーはライフで受けることを宣言し、俺のライフを1つ使いレッドゴールドに輝く粒子のフィールドを前方に発生させる。

バイアーは光のエネルギーを収束し右手からゼロ距離で打ち出す。

 

ドゴォォォン!

 

粒子のフィールドはバイアーのエネルギーに耐えきれず粉々に吹き飛び衝撃が俺の身体を襲う。

ライフで受けた時の衝撃もソウルドライブの反動も全て俺の身体が背負うことになるのか…拘束で逃げることも出来ない。極めて理不尽な痛みが俺を襲う。

 

BA(駆)

ライフ3 →2

リザーブ1→2

 

…だが、これで反撃の狼煙は上がった。

 

BA「バースト発動条件、ライフ減少後を確認。バーストを発動します。

マジックカードイビルフレイムを発動」

 

手札がなければバーストで対処すればいい。

バトルアーマーは伏せられていたバーストをオープンする。

そのカードは巨大な闇の爆炎へと変わり、弾のフィールドに広がってバイアーとアルティメット・ゾディアックを襲う。

 

弾「バイアー、アルティメット・ゾディアック!?何だ…あのマジックのバースト効果は!」

 

BA「マジックカード、イビルフレイムのバースト効果によりシンボル1つの相手のスピリット又はアルティメットを2体破壊します」

 

突如現れた無慈悲な爆炎に飲まれたバイアーとアルティメット・ゾディアックは跡形も残すこと無く塵と化してしまう。

アルティメットは耐性を持っているものが少なく、また付与することが難しい為アルティメットを対象とした効果を簡単に受けてしまう。

せっかく、召喚条件と重いコストを乗り越え召喚したアルティメットも今のようにマジック1枚で意図も簡単に沈められてしまう。

例えるなら浜辺で1時間以上かけ、やっとの事で建築した高クオリティの砂の城が不意に押し寄せてきた波で崩れ去る様に。

大袈裟な例えかもしれないがそれくらいアルティメットには脆い所がある。

 

ダン「くっ!(完全に油断した…まさかアルティメットも対象にして破壊できるカードも入れてるとは…駆め、抜け目ないな!)

…アタックステップは終わってターンエンドだ」

 

弾 デッキ9→8 手札5→4

ライフ2 リザーブ12 Sコア

トラッシュ2

 

光り輝く大銀河

LV1 (0)

 

灼熱の谷

LV1 (0)

 

バースト

無し

 

手元

無し

 

まさかイビルフレイムのバースト効果で延命が出来るとは思わなかった。

しかし、俺の手札は0、ライフは2でフィールドにいるのはブラム・ザンド1体のみ…

これでどうやって戦えばいい?俺のターンは回ってくるが、トップドローに全てを掛けなければならない上に今俺を操っているバトルアーマーが何をしでかすか分からない。

痛みもまだ残っていて息苦しい…下手をすれば意識が飛ぶかもしれない。不安要素が多すぎるこの状況…どうにか巻き返せるのか?

 

BA「相手のエンドステップを確認。ターンを取得しました。

スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

BA(駆) デッキ25→24 手札0→1

リザーブ2→11

 

っ!今引いたカード…前世でこんな奇跡が起こったことなんて無かった。

まるでカードアニメの主人公が逆転のために1枚のカードを引き抜いた時のような…とにかくまだ俺にはチャンスはある。もしかしたらこの状況を打開出来るかもしれない。

 

BA「手札から4コスト、イビルドローを使用、デッキからカードを2枚ドローします」

 

イビルドローのカードは黒いエネルギーを俺のバトルアーマーの右手に収束させ黒く塗りつぶす。

コントロールされた俺はその手でデッキトップからカードを2枚ひいた。

 

BA(駆) デッキ24→22 手札0→2

 

BA「そして手札から召喚条件ライフ2以上をクリア。3コストでビートルゴンをコアを2個起き、レベル4で召喚します」

 

またも俺のフィールドに兜の鎧を纏ったドラゴンが飛び出してくる。

 

BA「ビートルゴン、レベル4の効果で赤と緑のシンボルを1つずつ追加します。

続いて召喚条件自分のコスト1以上のスピリット、アルティメット1体以上をクリア。

5コスト赤シンボル1、緑シンボル1、究極シンボル1、3軽減2コストで

 

龍魔皇イビルフリード

 

をコアを1つ乗せレベル3で召喚します。この時、不足したコアはビートルゴンのコアを1つ乗せます。これによりビートルゴンのレベルは3にダウンします」

 

すると地面から漆黒の炎が吹き出し、バトルフィールドを砕いた。そして現れた黒煙の隙間から見えたのは神々しいとさえ感じてしう黒く堕ちたジークフリードの姿だ。

 

ダン「…黒い、ジークフリード…!?」

 

漆黒のジークフリードに弾は驚いている。かつて自分のデッキに入っていたキーカードの1枚だったからだ。

相当な思い出があるが故にそのショックは大きいのかもしれないな。

 

BA「イビルフリードの召喚時効果、[アルティメットトリガー]を発揮します」

 

イビルフリードは黒いエネルギーの衝撃波を弾に向けて放つ。

 

ダン「なっ!」

 

衝撃を受けた弾のデッキトップの1枚が弾け飛ぶ。

 

ダン「トラッシュに置かれたカードは…創星龍バイアー、コストは3だ」

 

BA「こちらのイビルフリードのコストは5よってこの[アルティメットトリガー]は[ヒット]となります」

 

弾 デッキ8→7

 

アルティメットトリガー

龍魔皇イビル・フリード

コスト5

VS

創星龍バイアー

コスト3 負け

 

結果:[ヒット]

 

ダン「こちらのトリガーカウンターは無い!」

 

BA「ではイビルフリードの効果、[アルティメットトリガー]が[ヒット]した時、トラッシュのコア全てをイビルフリードに置きます。

よってレベルは5に上昇します。

さらにイビルフリードのコア4個をブラム・ザンドに置きレベル5、1個をビートルゴンに置きレベルを4にします」

 

ダン「(レベルを上げてきたか!さぁどうする?駆…!)」

 

…さて、ここの状況判断は非常に難しい所だ。弾のフィールドはがら空きで残りライフは3つそれに対してこちらのフィールドには攻撃可能なアルティメットが3体並んでいる。

ここでフルアタックをすればこちらの勝利となるがそれは相手のフラッシュのカードが無ければの話。

弾の手札は4枚、そして使えるコアも十分にある。なのでフラッシュがある可能性は高いと見える。灼熱の谷の効果であちらが自爆するまでこちらが耐え続ける戦法を取る選択肢もあるがきっと弾は次のターンで必ず仕留めにかかるはず…奴のデッキはあと7枚、俺のデッキにあるアルティメットの[アルティメットトリガー]を考慮すれば持って約3、4ターンくらいか…?

この戦法はとっても効果的だが手札は0、防御札が無いので弾の猛攻を耐えられる保証は無いかもしれない。そして肝心のドロー効果のあるイビルフリードでアタックを仕掛けても相手のスピリットを破壊しなければドローは出来ない。

先程も言ったがフルアタックをすればもしかしたら勝てるかもしれないが確率は低い上に次の防御が薄くなってしまう。

だからここの判断はかなり難しいのだ。1歩間違えれば敗北の未来が待っていると言ってもいい。

 

BA「メインステップを終了、続いてアタックステップへ入ります。

ビートルゴンでアタック」

 

BAはここで1つの賭けに出たようだ。ビートルゴンはその翼を羽ばたかせバトルフィールドの空へ飛び立つ。

 

ダン「フラッシュは無い!」

 

BA「フラッシュタイミングの確認…フラッシュはありません」

 

ダン「そのアタック…ライフで受ける!」

 

ビートルゴンそのまま弾の展開されたバリアに突っ込むみ、その大きな角で貫く。

 

バリィィィン!

 

ライフ2→1

リザーブ12 Sコア→13 Sコア

ここでフラッシュが無かった…ここまでの危険な状況なら迷わず防御札を撃つはず……

ならなぜここでフラッシュのカードを使わなかった…?今ここで思い浮かぶ仮説は3つ。

 

1つ、弾の手札には防御カードが無いという事。

 

2つ、ビートルゴンではライフを守れない…つまり防御札を持っていても[コスト3以下]のカードから攻撃を防ぐカードを持っていないという事。

 

3つ、実は防御札を持っていてこちらがまたアタックした時にそのカードを使い、次の弾のターンでこちらの防御を薄くさせ猛攻撃でゲームエンドまでもっていく[引き寄せ]の作戦かもしれないという事。

 

確率は2と3の2つが十分に有り得る。

特に3の[引き寄せ]の作戦に俺は前世で何度も引っかかり敗北をしたことがある。

前世からの教訓だ。きっとこれは引き寄せの作戦…!続けてアタックをしてしまうとこのバトルは確実に負けてしまう…このバトルアーマーは分かっているのだろうか?

俺がバトルアーマーに疑問を抱いている時、身体に動きがあった。

バトルアーマーは俺の右腕を操り、プレボードのイビルフリードのカードに手をかけようとしていた。

ダメだ…!リスクが大きすぎる…ここは攻撃をするべき場面じゃない!やめろ、止まるんだ…!

俺は必死に心の中で好き勝手に動くバトルアーマーに投げ掛けた。

 

BA「……………」

 

俺の投げ掛けが伝わったのかは分からないがバトルアーマーは動きイビルフリードのカードから手を引いた。

…そうだ。それでいい、そしてターンを終了すればいいんだ。これで防御は少しでも厚くはなる。

俺が心の中で安堵した時、バトルアーマーのレッドゴールドの輝きが段々と強くなり光の粒子が周りに舞う。

一体何が起こるのか、そう考えた次の瞬間、俺の頭に強い衝撃が走った…

 

 

 

side change

 

 

 

………俺は何を見せられているのだ?周りの人間たちも困惑して不安そうな顔をしている。

そして天童の対戦相手である馬神も天童に心配の声をかけている。

このあまりにも奇妙な光景を見ている先生方も同じような反応をしているだろう。

天童がいきなりカード、デッキ、コアの置かれてあるプレイボードに自分の頭を思いっきり叩きつけたのだ。

 

レイ「駆君!?え、どうしてそんなことするの!?」

 

魔理沙「あいつ…何やってんだよ…!」

 

天童の…いや、バトルアーマーの謎の行動に取り乱すオーバと霧雨。

 

早苗「落ち着いてください!いつも冷静な駆さんがあんなことすると思いますか!?やっぱり明夢さんの言う通りバトルアーマーに支配されている説が濃厚かと思われます…」

 

と、そこへ2人を落ち着かせるように東風谷が説得を持ちかける。

 

霊夢「…………」

 

それとは別に博麗は無言で天童を見ている。この中でも彼女は割と冷静なのか。

 

魔理沙「駆、さっきので怪我してなきゃいいんだけどな…」

 

明夢「頭を強く打っている。外傷は無くとも念の為に対戦終了後、保健室に行かせた方がいい」

 

魔理沙「そう…だな…」

 

霧雨は途切れ途切れにそう言ったあと天童の方に心配そうな目を向けた。

残念なことにまだバトルは続いている。天童本人もかなり辛いところだろう。

 

 

 

side change

 

 

 

ダン「おい駆…!大丈夫か!?お願いだ、答えてくれよ!駆!!」

 

…何が起こった?このバトルアーマーは何をしたんだ?

微かに弾の俺を心配する声が聞こえる。

頭に走る激痛、頭にダメージを受けたのか意識が薄くなっていく中、俺はそう考えていた。

そして頭から何かしらの液体が俺の顔を伝い流れ落ちているのが分かる。もしかしたら血である可能性が高い。となると頭部のどこかに傷が出来たということになる。終わったら保健室に行かないとな…

すると急に俺の身体は動かされる。薄れた意識の中、俺が見たのは一部が強い衝撃受けたのか大きく凹んでいるプレイボードだった。

バトルアーマーは…自分で自分の頭を打ち付けたというのか。

幸いにも置かれているカードに傷は付くことはなかったのが1番の救いと言える。

 

???「………お前は…俺の物だ」

 

だが安心していたのも束の間で俺の心に響くように誰かがそう訴えかけてきた。バトルアーマーの電子音声とは違う男の声だ。

 

???「お前は…俺の物だ」

 

気味が悪かった。

何度も繰り返されるその言葉は俺の心の中をまるで侵食するかのように入ってくる。俺はこれまでの謎すぎる現象を忘れ、恐怖心でいっぱいになってしまっていた。

 

???「お前は俺の物だ…!」

 

そして俺を操るバトルアーマーはイビルフリードのカードを持ち、アタックをさせた。

 

BA「…アタックステップを継続、龍魔皇イビルフリードで攻撃します」

 

そしてバトルアーマーの指示に従い、イビルフリードはダンのバトルフィールドに向かって飛翔した。

 

 

 

side change

 

 

 

ほう、奴はイビルフリードで仕掛ける選択を取ったか…奴らしいと言えば奴らしいか。

しかし、その選択が吉と出るか凶と出るかは馬神の手札次第だな。しかし、ビートルゴンのアタックをライフで受けた。

ということは…

 

ダン「フラッシュタイミング!4コストでマジック、リミテッドバリアを使用」

 

馬神の周りに白いシールドが展開される。

 

ダン「リミテッドバリアの効果によりコスト4以上の相手のスピリット、アルティメットのアタックでは自分のライフは減らない」

 

…やはり、持っていたか防御マジック。普段の天童なら冷静に考えた後、次の防御を考えてアタックを止めていただろう。

しかし、現実はご覧の通りバトルアーマーが天童を支配しているような形になってしまっているせいか天童自身の判断が出来ず、まんまと馬神の引き寄せにハマってしまい結果として次の防御が薄くなってしまうことになってしまった。

 

BA「フラッシュタイミングの確認…フラッシュはありません」

 

手札が無ければ何も出来ない。フラッシュがないのも当然だ。

 

ダン「こちらもフラッシュは無い。そのアタックはライフで受ける!」

 

馬神のバトルフィールド上空のイビルフリードは馬神目掛けて赤黒い炎を吹き付ける。

しかし、その炎はリミテッドバリアで遮断され馬神のライフを削ることは無かった。

 

BA「アタックステップを終了、エンドステップに移行し、ターンを終了します」

 

BA(駆) デッキ24→22 手札2→0

ライフ2 リザーブ0

トラッシュ0

 

獄炎の四魔卿ブラム・ザンド

LV5 BP26000 (5)

 

ビートルゴン

LV4 BP6000 (3) 疲労

 

龍魔皇イビルフリード

LV5 BP12000 (5) 疲労

 

 

バースト

無し

 

手元

無し

 

 

ダン「スタートステップ、コアステップ、ドローステップで灼熱の谷の効果、自分のドロー枚数を+1枚…よって2枚をドローし、手札を1枚破棄する。俺は天秤造神リブラ・ゴレムを破棄する。そしてリフレッシュステップ、メインステップ」

 

弾 デッキ7→5 手札3→4

リザーブ13 Sコア→16 Sコア

 

ダン「まずは光り輝く大銀河と灼熱の谷にそれぞれコアを一つ置き、レベルを2に上げる。

そして、光り輝く大銀河レベル1、2のメインステップでの効果!

自分の系統光導を持つスピリットカードのコストを5にする。よって5コスト赤2軽減3コストで…

 

龍神の弓、天馬の矢!戦いの嵐を鎮めよ!

光龍騎神サジット・アポロドラゴン

 

を通常コアを4つ、ソウルコアを1つ置き、レベル3で召喚!」

 

馬神は十二宮の神の一体の召喚を宣言。するとダンの後ろのフィールドが灼熱に燃え上がりその中に潜む炎を纏いしケンタウロスの様なドラゴンは光速でフィールドを駆け抜け、馬神のフィールドに射手座の紋章と共に降り立った。

 

ダン「さらに5コスト赤2軽減3コストでトレス・ベルーガを召喚!」

 

フィールドを駆け、馬神の元にやってきたのは四足歩行で3つ首の青い獣であった。

 

ダン「まだまだ!5コスト赤2、青1軽減2コストで輝竜シャイン・ブレイザーを召喚!」

 

さらに空より輝きを放つ赤と白の竜が高速で馬神のフィールドに着陸した。

なるほど、最後は数…か。いくらBPが26000のブラム・ザンドでもブロックできるのは一体のみ。

…これは勝負あったな。

 

ダン「このターンで決める!アタックステップ、トレス・ベルーガでアタック!」

 

馬神の指示をうけたトレス・ベルーガは青いオーラを纏い天童へ突進を仕掛けていく。

 

BA「フラッシュタイミングの確認…フラッシュはありません」

 

ダン「俺も無い」

 

BA「では獄炎の四魔卿ブラム・ザンドでのブロックを宣言」

 

トレス・ベルーガの進路にブラム・ザンドが立ち塞がった。しかし、トレス・ベルーガは自らの意志を曲げること無く、突進を進める。

 

獄炎の四魔卿ブラム・ザンド

LV5 BP26000

VS

トレス・ベルーガ

LV1 BP6000

 

BA「そしてフラッシュタイミングの確認…フラッシュはありません」

 

ダン「こちらもだ」

 

迫り来るトレス・ベルーガに対してブラム・ザンドは口に溜めた赤黒い炎をトレス・ベルーガに発射。

トレス・ベルーガはその炎に包まれ跡形もなく消滅する。

 

獄炎の四魔卿ブラム・ザンド

LV5 BP26000 勝ち

VS

トレス・ベルーガ

LV1 BP6000 負け

 

ダン「続けて飛翔せよ!輝竜シャイン・ブレイザー!アタック!」

 

トレス・ベルガーの攻撃に続きシャイン・ブレイザーは超高速で天童のフィールドを飛行する。

 

BA「そしてフラッシュタイミングの確認…フラッシュはありません」

 

ダン「俺も無いぞ」

 

BA「そのアタックはライフで受けます」

 

もはや今の天童に自分のライフを守る手段は無い。そこへシャイン・ブレイザーが天童のバトルアーマーが展開した粒子フィールドに自身の鋭い翼を叩きつけ、ライフを砕く。

 

バリィィィィン!!

 

 

 

side change

 

 

 

???「お前は俺の物だ…」

 

………何者か分からない正体不明の声をずっと聞かされていくうちに全身に走るソウルドライブによる反動の痛みもこの現状に対する恐怖心も感情も何もかもが段々と薄れてしまっている…いや、このバトルアーマーに自分自身が消されて無くなってきているのがわかる…

何もわからないままで、ただ俺という存在が消えていく。そして心が抜け落ちて抜け殻になってしまった俺の体をこのバトルアーマーが支配することになってしまうのだろうか?

そう考えていた時、俺のライフが砕かれ身体に衝撃が走る。

だが、その衝撃の感覚もいつもより格段に薄くなっているのが…わか…………

 

 

…それさえも分からなくなってきてしまった。

 

 

 

BA(駆)

ライフ2 →1

リザーブ0→1

 

…もはやバトルの勝ち負けや誰が委員長になるかはどうでもいい。この現状を終わらせなければ俺は居なくなる。

だから、俺の心がバトルアーマーに消される前に俺を撃ってくれ…弾。

 

 

 

side change

 

 

 

もう駆には手札も無く、ブロックできるカードもいない。残りライフは1に対し俺がアタックできるカードはサジット1体。このアタックが通れば俺の勝ちだ。お前の身に何が起こっているのかは俺には分からない。

でもお前が黒い鎧の中で苦しんでいるのなら…これで終わりにするよ。駆…!

 

ダン「アタックステップを継続、光龍騎神サジット・アポロドラゴンでアタック!」

 

俺はプレイボードのサジット・アポロドラゴンのカードを横向きにしてアタックした。

 

BA「フラッシュタイミングの確認…フラッシュはありません」

 

ダン「こちらも無い!ならば射抜け!光龍騎神サジット・アポロドラゴン!!」

 

サジットは力一杯に弓を引き、炎を纏わせた1本の矢を放つ。

その紅蓮の矢は真っ直ぐに駆のバトルアーマーが発生したシールドを貫通し駆の最後のライフを捉え貫いた。

 

バリィィィィン!!

 

BA(駆)

ライフ1 →0

リザーブ1→2

 

サジットの一撃で最後のライフを砕かれた駆の黒いバトルアーマーは所々からスパークが発生していた。そして力なく、ゆっくりと地面に降りたバトルアーマーは黒い粒子となって解除され同時に駆はその場にうつ伏せで倒れた。

 

ダン「駆!」

 

俺は急いで地面に降り、バトルアーマーを解除して駆の側へ向かう。

 

ダン「大丈夫か!?駆!」

 

うつ伏せで倒れている駆に俺は何度も呼びかけながら体を仰向けにして彼の様子を見た。

駆のヘアゴムは切れたのか、ポニーテールから解けた髪が広がり、少し赤みのある駆の黒い瞳は光の無い虚ろな黄金色に染まっていた。

そして、バトル中に自分の頭をプレイボードへ叩きつけた時に出来たであろう傷口から真っ赤な血が駆の顔を伝い流れている。

 

ダン「!?」

 

俺はとっさにポケットのハンカチで駆の頭の出血を少しでも止められるようにと傷口を抑えた。

 

ダン「駆…一体お前に何があったんだよ…」

 

駆「……………」

 

俺が駆の顔を目を見て話してかけても駆は俺を見て答えてくれなかった。

…正直なところ驚くしかなかった。バトル中も今この時も駆の身に起こったことがあまりにもありえない事だったから…

その後、俺は駆の額の傷を塞ぎながら何度も彼の名を呼びかけた。呼ばないと駆がここから居なくなりそうな気がして怖かったからだ。

 

…でも駆が俺の呼び掛けに答えることは…無かった。

 

 

To be continued……




次回予告
駆け寄る者達の声。知らされる事実。
何も知らなかった彼女は力に沈んだ彼をただ見守ることしか出来なかった。

次回、バトルスピリッツ 欠落

Turn-30 鎮火

これはなるべくしてなった結果だ。

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