バトルスピリッツ 欠落   作:えむ〜ん

37 / 42
どうも!31話を投稿するマグナでございます!
またまた間が空いてしまいましたね…

それでも!!楽しんで読んでくださいね!!


Turn-31 戦火

冷たく、硬い物が俺の全身に触れているのを薄らと感じて徐々に意識が戻ってきた…

窮屈な感じは…しない。むしろ、広々とした場所に俺は前のめりで倒れている。

俺の左頬がその冷たさと硬さを感じているからだ。

 

駆「ここは…何処だ?」

 

倒れたまま、目を動かして確認を行う。

…ぼんやりと何も無い真っ暗な空間が広がっているようにも見える。

とりあえず、この体勢では自分の周りに何があるのかが把握できない。まずは立って辺りを見る必要がある。

俺は薄らとする意識の中、身体を動かして立とうとする。

…が中々力が入らない。

弾とのバトルで放ったブラム・ザンドのソウルドライブの凄まじい反動が原因か…?

 

駆「ぐっ…!うぅ…!!」

 

そう考えながら、いつもより重く感じる身体を無理やり動かして立ち上がろうとする。

 

フラッ

 

しかし、完全に意識が戻っていない状態からか、途中で態勢を崩し倒れそうになってしまう。

 

駆「あっ………」

 

情けない声とともに俺の身体は地面へと近づいていく。

が、そんなことは無く何者かが俺の右脇から腕を通して俺の身体を支えてくれた。

にしても、その腕は冷たくて硬い…まるでロボットの腕のような感触がした。

戻りつつある意識の中、俺は振り返って倒れかけた自分を支えてくれた者が誰なのかを見る。

 

駆「……っ!!?」

 

それを見た瞬間、俺は驚きのあまり支えてくれていた腕を振りほどき、数歩後ろに下がる。

意識は戻ったが身体は鈍っている様でおぼつかない足取りの俺は足を滑らせて倒れてしまう。

硬い地面に尻から倒れてしまったが故に激痛が俺を襲った。

 

駆「痛い……」

 

不意に来た痛みに思わず声が出てしまった。

ジリジリと響く痛みを感じながら俺は何も無い真っ暗な世界に立つそれを見上げる。

この世界に溶け込むような漆黒。人型の全身を覆う鉄壁の装甲。特徴的な1本角の頭部、そして素顔を覆う黒い仮面。

俺を支えてくれた者、それは俺がこの世界に来てからずっと所持してきたバトルアーマーだったのだ。

バトルアーマーはその仮面の間から鈍く光る赤い目で俺を静かに見つめていた。

 

駆「形状がいつものバトルアーマーと違う…まさか、これは…!」

 

俺は弾との戦いでソウルドライブを使った時のことを頭に思い浮かべた。

黒いスーツ、グローブ、ヘルメットのバイザーがぐちゃぐちゃに変形を繰り返し鋼鉄の装甲、仮面を構築した後に俺の自由を奪いソウルコアを砕く姿。

 

駆「ソウルドライブを発動した時に変形した姿か…お前は一体何者なんだ…?」

 

俺は立ち上がりバトルアーマーに質問をする。

 

BA「…………」

 

対するバトルアーマーは何も言わず俺に背を向ける。

そして、1度振り返り俺を数秒見つめた後バックパックのブースターを吹かせ俺では走っても追いつけない程の速さで行ってしまった。

 

駆「おい、待てくれ!」

 

俺は右手を伸ばし制止の声を掛けたがその声は届くことは無かった。

…あのバトルアーマーが何を伝えたかったのか?それは全く分からなかった。

だが、幸いにもバトルアーマーの通った道には赤黒い炎の跡が残っている。

この炎がどうやって現れたのかそんなこと知ったことではないが、とりあえずこれを辿って追いつくことにしよう。

何も分からないまま突っ立っているより、何か1つでも分かることがあるのなら進んで行く方が絶対に良い。

俺はバトルアーマーが残した炎の跡をたどって歩を進める。

 

駆「本当に…何も無いところなんだな…」

 

歩きながら俺は周りを見渡す。

進んでも進んでも何も無い闇が延々と続いている。その不気味さとここが何処なのか分からないという情報の無さ故に俺は進みながらも恐怖している。

いや、逆に恐怖を抱かない方がおかしい状況だ。訳の分からないまま、バトルアーマーに支配され意識を失い挙句の果てに目を覚ましたら真っ暗な場所にいて、今はこうしてバトルアーマーを追いかけているのだ。

いきなりこんなことをされたら誰だって恐怖と困惑で思考が支配されるだろう。

 

駆「どこまで歩いても同じ景色だ。あのバトルアーマー、一体どこまで行ったんだ…?」

 

ポツリとあのバトルアーマーへの愚痴が出る。メッセージ性皆無の行動…本当に意味が分からない。

それにしてもここまで闇が続くとどこまで進んだのか、距離が掴めなくなってくる。

まるでとあるアクションゲームの無限階段を永遠と登っている見たいな…そんな違和感を俺は感じている。

 

スー

 

そんなことを考えていた時だった。俺の右側をゆっくりと四角い額縁の様なものが通り抜けた。

 

駆「ッ!な、何だ!?」

 

いきなりの事だったので俺は驚き咄嗟に振り返った。通り抜けた物が何なのかを見るためだ。

…しかし、その何かはもう真っ暗な景色に溶けて確認は出来なくなっていた。

 

駆「な、何だったんだ…さっきのは」

 

俺はそう一言呟いて止めていた脚を動かし前へ歩を進めた。

どこまで続いてるのか分からない程の長さ…一体どれくらい進んだら俺はあのバトルアーマーに再会できるのだろうか?

気の遠くなる程の道を俺は引き続き進んでいく。

 

スー

 

スー

 

スー

 

まただ、また不意に額縁の様な物が3つ、ゆっくり迫って来た。

今度は焦らず、俺はその額縁の様な物を目に焼き付けるように見ることが出来た。

1つ目、俺から見て右側の額縁には刺々しい鎧を纏った生物の絵が描かれていた。だが、そこに黒い靄がかかっていて正確にその鎧の絵がどのような物なのかは分からなかった。

次は2つ目の額縁。右の物より少し遅れて近づいてきたその額縁の絵には何者かに一方的に殺される生き物達の絵。これにも黒い靄がかかっていた。

最後の3つ目の額縁には4体の生物が並んで立っている絵が描かれていた。

それぞれの生き物の特徴はバラバラでそれぞれが全く種族の違う生き物だということが一目で分かる。しかし、より詳しい情報は黒い靄が阻んで得ることは出来なかった。

 

…戦争の絵なのだろうか?

 

鎧を纏う生物、何者かに虐殺される生き物、4体の生き物の絵から連想して俺はそう推測した。

もしかしたらこの絵とあのバトルアーマーに何かしらの繋がりがある可能性もある。

そう考えるとこれからこの先を進むにつれて現れる額縁を見逃す訳にはいかない。

俺はあのバトルアーマーを知る為に更に続く闇の中へ進んでいった。

 

 

 

side change

 

 

 

カツン、カツン、カツン、カツン…

 

と、靴と地面の接触音。朝の「おはよう」という挨拶を交わす生徒たちの賑やかな声。そして窓から射す太陽の光。

穏やかな朝の学校の廊下を俺、柊木明夢は歩いている。

この時間帯は教室から出ないのだが、今日はA組の教室の人物に用がある。

 

生徒N「あ、明夢君おはよう!今日の朝は珍しいね。どうかしたの?」

 

突然、同じB組の生徒の女子から声をかけられた。

教室からあまり出ることの無い俺が朝の廊下を歩いている。その珍しさ故に声をかけたかと思われる。

全く目立たない地味な俺に話しかけるとは…随分物好きな女だな…

 

明夢「…おはよう。今日はA組に用事があってな…」

 

少し驚いたが、挨拶と質問への回答はしっかりと行う。

 

生徒N「そうなんだ〜!あ、用事があったんだよね…止めてごめん」

 

明夢「…まだ時間はあるから大丈夫だ。では」

 

申し訳なさそうに目の前の女子にフォローを入れその場を去る。

 

生徒N「HRまでには戻ってね!」

 

すると、少し後ろから声がかけられた。

振り返って誰かを確認する。声の主は先程俺に話しかけてくれた生徒Nだった。

 

明夢「あぁ、わかっている」

 

少し離れた彼女に俺は一言、ほんの少し声を張って答える。俺の応えが彼女に聞こえるように配慮したのだ。

それに対し彼女は笑顔で頷く。

それを目視した俺は再度、A組に向けて歩を進める。

 

…奴はもう目を覚ましたか…?

 

 

 

〜少年移動中〜

 

 

 

少し歩いて辿り着いたのはA組の教室の前。

…さて、行くか。

扉を開ける。扉が開く音が廊下と教室に響き、A組の教室の様子が見える。

B組とはまた雰囲気が違う教室に俺は入っていく。

 

魔理沙「おはよう、明夢。ふわぁ〜」

 

俺がA組の雰囲気を感じ取っているところに突如として霧雨が朝の挨拶をしてきた。

 

明夢「おはよう、随分と眠そうな顔をしているな」

 

あくびをする彼女にそう答える。

 

魔理沙「今日は朝からいい天気だからな〜眠くなってくるんだぜ…そう言えば今日はどうしてここに来たんだ?」

 

明夢「あぁ、天童に用があってな…奴はここに居るか?」

 

魔理沙「いや、まだ来ていないんだ。この時間帯ならもう来てるはずなんだけど、たぶんまだ意識が戻ってないと思う…」

 

不安そうに話す霧雨はまだ天童の意識が戻っていないと推測している。

教室に来ていないということはそういう事なのだろう。

俺の方からも確認で保健室に行った方がいいかもしれない。容態が悪化している危険性もあるからな。

天童と話す事はまだ出来ないが俺にはまだここでやることがある。

 

明夢「そうか…なら天野は?」

 

魔理沙「美弥か?あいつならあっちにいるぜ」

 

霧雨は窓から2番目の列の1番後ろに座っているピンク色の髪の女を指さしている。

その傍には赤い髪が特徴の…馬神と金髪のオーバの3人が何やら話をしているようだ。

 

魔理沙「何か用があるのか?」

 

明夢「あぁ…昨日聞き忘れたことがあってな…」

 

魔理沙「聞きたいこと…あ、あのブラム・ザンドの事だな?」

 

明夢「…そのとおりだ」

 

魔理沙「私も一緒に聞いていいか?」

 

明夢「構わない」

 

俺と霧雨は早速、教室の後ろに向かう。

 

レイ「あ、おはよう魔理沙ちゃん、明夢君」

 

俺と霧雨の存在に気がついたオーバが微笑んで挨拶をする。

 

魔理沙「おはよう!レイ、弾、美弥」

 

明夢「…おはよう」

 

オーバの挨拶に対して霧雨は元気に挨拶を返す。

彼女に続いて俺も3人に対して挨拶をしておいた。

 

美弥「おはよう、2人とも」

 

ダン「おはよう魔理沙、明夢」

 

天野に続いて馬神も挨拶を行ってお互いの挨拶は終わる。

やはり、天童のこともあってか天野の挨拶は活気の無い様に感じた。

 

レイ「で、どうしたの?2人揃って…」

 

魔理沙「明夢が美弥に聞きたいことがあってな」

 

美弥「え?…私に?」

 

明夢「あぁそうだ。単刀直入に聞くが、[獄炎の四魔卿ブラム・ザンド]、というアルティメット、系統[邪神]を持つアルティメットのことを知っているか?」

 

美弥「ぶ、ブラム・ザンドと邪神アルティメットのこと…?ちょっとだけど知ってるよ?」

 

あまりにも唐突過ぎただろうか?少し戸惑いながらもブラム・ザンド、邪神アルティメットについての情報を知ってると言った天野。

あのアルティメット達について知っている人間は天童だけだと思っては居たがまさか彼女も知っていたとは…驚きだな。

 

魔理沙「マジ!?」

 

と、隣の霧雨が驚きの声を上げている。可能性が低いと考えていたのだろうか?それ故に彼女が知っていると聞いて驚いているのだろう。

 

美弥「うん。他にも紫、緑、青の四魔卿がいるよ」

 

ダン「…なるほど、[四魔卿]だから他の色の四魔卿も存在するって事か」

 

レイ「それぞれがどんなアルティメットなのかはわかる?」

 

美弥「それはね…ブラム・ザンドと……あ、あれ?なんだったかな?色は覚えてたのにカード名と効果、忘れちゃったよ…」

 

魔理沙「えぇ!?忘れたぁ!?」

 

と食い気味に天野に突っ込む霧雨。もう少しという所で答えを得られなかったのか、ぐぬぬ…と悔しそうな表情をしている。

 

美弥「う、うん。だってそのカード全然見てないし使ってないんだもん…」

 

モジモジしながら申し訳なさそうに答える天野。彼女の知っていることは残る四魔卿の色のみか…

俺にとって四魔卿の情報など、どうでも良い話なのだが、存在を知らなかった霧雨、馬神、オーバにとって非常に重要な情報なのだろう。

そう考えれば霧雨の反応にも納得がいく。彼女達にとって四魔卿とは未知の存在なのだ。仮にそれらと対峙した時に前持った情報を持っておくと多少有利に立ち回ることができるからだ。

 

魔理沙「そうか…それは仕方の無いことだな…誰だって忘れちゃう時もあるし…切り替えてまた情報を集めなきゃな!」

 

ポジティブな精神の持ち主だな。

凹んではすぐに立ち直る彼女を見てそう思った。

それは良い方向に持っていこうという意思の表れ、向上心があるということ。彼女はその心と努力をもってここまで成長してきたのだろうな。

 

明夢「さて、そろそろ引き上げるか…」

 

美弥「え?明夢君もう行くの?」

 

明夢「…用が済んだからな」

 

天野の質問に答えた俺は足速にA組の教室から出る。

まだ、天童が寝ているのであればまた様子を見に行く必要がある。

最悪、容態悪化の可能性もあると考えられるな…そろそろ授業が始まるがタイミングを見計らって見に行くか。

俺はそう考えながらB組の教室へと足を進めた。

 

 

 

side change

 

 

 

…歩き続けて一体どれくらいの時間が立ったのだろうか?

闇の世界、バトルアーマーが残した炎を頼りに歩いている俺はふとそう思った。

ここまで何度もあの額縁の絵を見てきた。

だが、どれも訳の分からない物だったが、一つ一つの絵の中に「戦争」を彷彿とさせるものがあった。

しかし、これといってバトルアーマーに関する有力な情報を手に入れることは出来なかったのは残念なところではある。

 

駆「…あれは?」

 

それを見た瞬間、俺は1つ安堵の意味が込められたため息が出た。

俺が見たそれはなんの脈絡も無くいきなり飛び出していってしまったバトルアーマーのことだ。

俺は走り出し、奴との距離を詰める。

 

駆「…やっと辿り着いた。お前が何をしたかったのかは分からなかったが、まずはお前が何者なのかを教えてくれ」

 

そして目の前に佇むバトルアーマーに俺はそう求めた。

何故こんなことをしたのか、そんな理由はどうでもいい、兎に角このバトルアーマーがなんなのかが知りたいのだ。

行動の理由はそれからだ。

 

BA「………」

 

沈黙を続けるバトルアーマー。

やはり、やはり何も答えてはくれないのか…

と思ったその次の瞬間、バトルアーマーはノンアクションで真っ暗な世界に衝撃波を放つ。

 

駆「っ!!!」

 

俺の身体は反射的に防御の構えをとっていた。衝撃が一瞬で俺の身体全身を駆け抜け、俺はその強さ故に後退してしまう。

下手をすれば数メートルは吹き飛んでいたかもしれない…

それ程の衝撃波に俺は焦りを抱きながらバトルアーマーともう一度向き合おうとした時だった。

俺はそれに気づき、周りを見渡す。

何も無い真っ暗な世界がいつの間にか辺り一面、焼け野原へと変わり果てていたのだ。

木々は倒れ、並ぶ建物は全て破壊され紅蓮の炎に包まれている。まるで、あの夢で見た光景の様だった。

 

駆「これは…これはお前が、お前がやったか…!?」

 

その光景に驚愕した俺は視線をバトルアーマーに向ける。

 

BA「………」

 

相変わらず何も言わないバトルアーマーに俺は呆れそうになりつつもそのバトルアーマーの上の存在に注目する。いつ現れたのか分からない黒い靄を纏った1体の魔物が燃え盛る世界の中で浮かび上がっていた。

そのシルエットは巨大で下半身は屈強な4足で上半身は人間体…それはまるでケンタウロスのようなシルエット。そして顔は角が2本後ろに伸び、龍の様な形をしている。

両手には自身の丈以上の巨剣を1本ずつ持っている。

その魔物は対面する俺を見下すかのようにその緑色に輝く目で真っ直ぐ、射抜くような視線を俺に向けている。

 

駆「…この世界、もはやなんでもアリだな」

 

今までの出来事を振り返りながらこの現状を目の当たりにした時、ポツリとその一言が漏れた。

驚き、疑問、戸惑いを通り越してもう何を考えても、考察しても意味が無いかもしれないと思った時だった。唐突に黒い靄の魔物は段々とバトルアーマーに吸収され始めた。

目の前でさらに始まった謎の現象を俺は見ていることしか出来なかった。

 

BA「………!!」

 

そして、黒い靄の魔物がバトルアーマーへと吸収された時、バトルアーマー本体に変化が起こる。

俺が封印の効果を使った時と同じようにバトルアーマー全身の装甲がスライド、展開される。その後、弾との戦いでソウルドライブを使用した時と同じレッドゴールドの輝きがバトルアーマー全身へと刻みつけられる。

黒の装甲に際立つレッドゴールドのラインは色濃く、鈍い輝きを放つ。

 

不気味

 

それを見た俺が1番最初に抱いた印象だ。

無機質な漆黒の鎧。そこに命を吹き込まれたかのように刻まれた光のラインがまるで人間の身体に張り巡らされている無数の血管のように見えたからだ。

今まで、俺はこのバトルアーマーを着て戦っていたので外見に関しては何も感じることは無かった。

だが今は違う。こいつと対面して俺は恐怖している。それはこのバトルアーマーの全てを加味してだ。故に俺は震える身体でその足で1歩後ろへ下がる。

それに対して、バトルアーマーは大きく俺の方へ向かって一歩前進し、俺との距離を詰める。さっきまでは俺がバトルアーマーを追いかけていたのに、今度はバトルアーマーが俺に近づいてきた。

 

駆「何だ…何なんだ、こいつは…!」

 

燃える炎の世界の中、俺は戸惑いを隠しきれずにそう叫ぶ。不思議と周りの熱さは感じられなかった。思考が困惑から恐怖に塗りつぶされたからか?それとも身体が熱さに慣れてしまったからか?

いや、今はそんなことはどうでもいい。

俺は、俺は今自分の使い続けてきたバトルアーマーに本気の恐怖を感じている。

1歩、また1歩とバトルアーマーは歩を進め俺に向かってくる。

そして次にバトルアーマーは両腕を俺の方へと伸ばし鋼鉄の手は俺の首を掴む。

 

駆「ぐっ!?」

 

俺の首を掴む腕の力は徐々に強くなり、痛みと息苦しさが俺を襲う。

 

駆「や、やめ…ろ…!」

 

俺の首を掴む鋼鉄の腕を掴み力を入れ離そうとするが、ピクリとも動かない。

そもそもな話、人間の俺が未知の力を持つバトルアーマーに単純な力比べで勝てるはずが無い。

しかし、それでも俺はこんな所で死ぬ訳にはいかない。

俺は足掻く。この命を繋ぎ止めるために。

 

BA「…無駄だ。どう足掻いてもお前は俺には勝てない。大人しくその身体を俺に空け渡せ」

 

駆「な、なんだと…!?」

 

ここで、初めてあちら側からコンタクトを取ってきた。

しかし驚く間も無く、締め付けられる痛みと苦しさに意識が遠のいて行く。

その中で俺は青い何かしらの物体を薄らと確認した。

 

 

To be continued……

 




次回予告
「再開」それはとても嬉しいこと。
でも、それを良しとしないことだってある。
彼の場合、それはどちらに当てはまるんだろう…?

次回、バトルスピリッツ 欠落

Turn-32 懐かしき者

お願い…目を覚ましてよ。
駆君…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。