俺が、”ザ・ワールド”だあっ!!    作:阿久間嬉嬉

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 説明が多くて内容が薄く、短いですがどうぞ。


我に返ったら恥ずかしいと思う時ってあるよね。そんな時は・・・酒っ! 飲まずにはいられないっ!

暗い夜の噴水公園から一転、明るい真昼間の森林地帯上空に放り出されれば、誰だろうと驚くだろう。ましてや、相手の計画を不意に出来たと思った矢先、暗闇の地上から一気に陽の照らすはるか上空へ投げ出されるなんて経験をされた日には、思考が知っちゃかめっちゃかになってもおかしくは無い。

 

 

 

(こ、ここっ・・・此処から先は男の世界だ―――っ! 葉っぱが掘れるかってんだよ――っ!!)

 

 

 

 当然の事ながらヘタレな彼では、言っている当人も聞いている此方もわけが分からない言葉を言うのは、当たり前の事と言える。

 

 しかし、貫禄のある姿をしているのだから、そして原作に関わっていく!(キリッ と決意したからには、もうちょいドッシリ構えてほしい。ローブが脱げて元の姿をさらしているのなら尚更に。

 

 

 

(死ぬ―――っ! 地面にぶつかって死ぬ―っ!?)

 

 

 

 お前はスタンドだろうが、空も飛べるしぶつかっても死なねぇよ・・・その事実さえ頭から吹っ飛ぶほど、ザ・ワールドは混乱しているらしい。

 

 傍目から見れば―――未だスカイダイビング中なこの高度で傍目があるかは分からないがともかく―――表情はおろか両手両足を広げた格好も変わっておらず、大物らしく実に堂々としているのがこれまたシュールだ。

 

 内心はビビりまくっているというのに。

 

 

 

 そんな彼の恐怖心はとうとう限界を迎えたらしく、もう目の前の光景を直視できないと目をつぶった。

 

 恐らく心の中では、俺の人生・・・此処で終わった・・・などと考えているのだろうが、絶対にこんな事じゃ終わらないのは明白である。

 

 

 

(次も転生できますように・・・次はちゃんとザ・ワールドを従えていれますように・・・出来れば筆談じゃ無く口で話が出来ますように!!)

 

 

 

 最後の文をしっかり言ったあたり、やっぱり超スピードと高精密性を活かしての筆談も、何かと辛いと想像できよう。障害者の皆さまの辛さが、良く分かるザ・ワールドの願いだ。

 

 

 

(・・・・何か女の子の声が聞こえるなぁ・・・ひょっとして、死に際だから天使が迎えに来てくれたのかなぁ・・・)

 

 

 

 極限を迎え酷く穏やかな気持ちとなっている――――くどいようだが傍目からは何も変わらない――――ザ・ワールドは、手足を広げた姿勢のまま着地しようとして、此処で思わぬアクシデントに見舞われる。

 

 

 それは単純なもので、強風にあおられたのだ。

 

 

 

(どわっ!? た、体勢が崩れっ―――!?)

 

 

 

 ジタバタとみっともなくもがきながら、何時の間にやら上むきになっていた体を何とかひねり、ちょうど拳を振りかぶって体ごとひねり、叩きつけるような動作でやっとこさ元の向きに戻った。

 

 

 

 正にその瞬間、ザ・ワールドは地面に激突し―――――

 

 

 

 

 

 

「この高音・D・グッドマああああっ!?」

「きゃあああっ!?」

「ふええぇぇえええっ!?」

 

 

 

「ぬほおっ!? な、何か降ってきた!」

「なぬ! 新手かっ!?」

「なんなのよっ! これでも手一杯なのに!」

 

(・・・あら?)

 

 

 

 

 

 衝突の勢いで地面を破壊し隆起させ、聞いた事の無い声と聞き覚えのある声を耳に入れながら、ごく普通に生還した。

 

 

 

(そういや俺飛べるじゃん!? しかも最近特訓のお陰かパワーもタフネスも上がってるってのに、何で忘れてた俺!? やっぱり馬鹿!?)

 

 

 

 馬鹿かそうでないかで言えば馬鹿だろう。それもともかく、聞き覚えのある声の正体は・・・と、ザ・ワールドが立ち上がってみると、見覚えのある・・・と言うかばっちり覚えている少女達が目の前にいたのだ。

 

 

 

「って・・・あ、ああああっ!? ディ、ディオの旦那ぁ!!」

「来た! ディオさんアル!」

「くうっ、毎度毎度ちょうどいい所で登場してくれるわね!」

 

 

 

(あ、アスナ少女とカンフー少女! しかもオコジョも居るし!)

 

 

 

 

 何故だか喜んでいる彼女達を、ザ・ワールドは外っ面は無表情で、内心は放心状態で見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、何故先程まで夜だったのに真昼間となっているのか? 何故アスナ達がディオの登場を喜んでいるのか?

 

 

 ざっと数時間ほどさかのぼり、場面はエヴァンジェリオン・・・じゃなかった・・・エヴァンジェリンの用意した、中での二十四時間が外での一時間となる魔法球の中。

 

 超の魔法をばらすと言う目的を阻止する為に、ネギとアスナ達は集まっていた。

 

 そして十分に休息を取り、作戦を練り、いざVS超 鈴音へ! と行こうとした所で・・・彼女等は異変に気が付く。

 

 

 魔法球の外は未だ学園祭の筈なのに、出店もバルーンも飛行機も何もかも無くなっていたのだ。しかも、一般学生や朝早く特訓する部活動が横を通り過ぎるというおまけ付き。

 これはおかしいという事で皆で情報を集めて回った所、なんと彼等が居るのは学園祭から一週間ほどたった麻帆良学園だったと言う事が判明したのだ。

 

 すぐに、ネギも持っていた『カシオペア』と言う名のタイムマシンを、逆に利用されて未来へ飛ばされ、戦わずして敗北した事を悟ったアスナ達は、ダメもとでエヴァンジェリンの屋敷(というよりログハウスに近いが)を訪問。

 

 

 誰も居ない屋敷の中、超の計画は成功してしまい魔法を世界全土が自明の物として受け入れるのは時間の問題だと知った少女達は、その状況でも最悪なのに次なる悲報を受けた。

 

 

 

 それは、ネギが捕まったという事。

 

 

 

 幾ら担任だとはいえ、勿論今回の件はネギ一人の責任ではないし、魔法先生達も罰を負うのだから攻めてもしょうがないが、この状況では最悪に最悪を重ねられる結果となっているのは言うまでもない。

 

 悩んだ末、ネギを救出してカシオペアを起動させ、現代へ戻ろうとアスナ達は決意。途中、魔法先生二人による妨害で、刹那と楓が抜けたものの、合流する術はあるという事で先に進んだ。

 

 

 

 しかし・・・妨害はそれだけでは終わらない。

 

 

 

 アスナ達は今現在、とある情報を得る為に千雨が林道にあった電話ボックスを使い、ネットに繋ごうとしていた。

 

 

 

 

「しっかし・・・なんで世界樹をこよなく愛する会何て、弱小にも程があるサークルのサイトなんざ・・・」

「いいから繋いでくれよ!」

「ちょっとまってろって、時間かかるんだよ」

 

 

 

 カタカタとキーボードで文字を打ち込む音がし、エンターキーを押して後は繋がるのを待つだけ・・・と思った矢先、古菲が何かに感づいて振り返った。

 

 

 

「む・・・この気配ハ・・・!」

 

「お待ちなさい!!!」

 

 

 

 古菲の言葉とほぼ同時、林道の先から幾人もの影人形と、三人の少女が現れる。

 

 

 

「何処の魔界軍団だってんだよアレ!?」

「つーか! あんたウルスラの脱げ女!?」

 

「ぬ、脱げっ・・・!?」

 

 

 

 

 実は立ちはだかった内の一人、一番年上らしき金髪の少女は、まほら武道会にてロボットのビームやらちょっとした事故で、二度も観客の前で全裸を晒す結果となり、少しばかりトラウマを持っているのだ。

 

 が、今回は事が事だからか少し泣くぐらいで済んだ様で、しかし確実に怒っている口調で頭を押さえながら口を開く。

 

 

 

「ま、まあいいです・・・・・・皆さん、大人しく同行してください。しかし抵抗するのならば――――」

 

 

 

 そこで思いっきり息を吸い、ビシッと指差そうとした所で―――――

 

 

 

 

「この高音・D・グッドマああああっ!?」

「きゃあああっ!?」

「ふええぇぇえええっ!?」

 

〔・・・〕

 

「ぬほおっ!? な、何か降ってきた!」

「なぬ! 新手かっ!?」

「なんなのよっ! これでも手一杯なのに!」

 

 

〔・・・〕

 

 

「って・・・あ、ああああっ!? ディ、ディオの旦那ぁ!!」

「来た! ディオさんアル!」

「くうっ、毎度毎度ちょうどいい所で登場してくれるわね!」

 

 

 

 ザ・ワールドが落下してきた状況に至る・・・と言う訳だ。

 




 しっかし・・・ザ・ワールドさえも未来移動へとはめてしまうとは、超鈴音恐るべし。

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