アスナ(偽)が往く、自分(意味深)探しの旅   作:AJITAMA5

5 / 6
ただいま

ふぁっきゅーシリアス


ゲ須郷クリーニング

 キングクリムゾン!なんてことも無く親との話を終わらせた俺氏、アスナ(偽)です。なんか体感で2ヶ月くらい話していたのは嘘だと信じたい。……嘘だよね?

 

 で、今はゲ須郷を部屋に上げている。ゲ須郷の視線は……ナオキです。

 話をしないと進まないので今はとりあえず話をしよう。

 

「では話をしましょうか」

 

 俺はベッドに座り、話す体制に移る。 ゲ須郷? 床に直座りだよ。

 

「ああ、面白い話を期待しているよ?」

 

 ゲ須郷......もう良いや須郷で。 須郷は微笑んで話を促す。 よーし、じゃあ(衝撃の事実を)ぶち込んでやるぜ^~。

 

「面白いかどうかはわかりませんよ。ただ、これだけは約束してください。これから話すことは突飛な事ですが本当です。信じてください。それから絶対に口外しないでください。誓えますか?」

「ああ、誓うよ」

「それじゃあ話す。まずは俺の中身の話からだ」

「......ッ」

 

 口調を変えると須郷が目を見開いた。これは予想していなかったようだな。出し抜けたようでちょっと嬉しい。

 

「俺は転生者だ。今日、漸く意識が覚醒したようだがな」

「……その根拠は?」

「俺はこの世界の事を知っている。と言ったら?」

 

 須郷は数秒ほど考え、再び口を開く。

 

「何か未来の事を教えてくれれば嬉しい......かな。......出来るかい?」

「ああ、出来る。じゃあ話そうか」

「うん、頼むよ」

 

「じゃあ、行くぞ......?まずは――――――

 

 

 

   ◇

 

 

 

 ――――――で、アンタは捕まって、その後は分からないな」

 

「..............................」

 

 バックボーン含め四巻までの話をした。 須郷は俯き固まっている。

 

「なあ」

 

 須郷がすがるような声を俺にかけてきた。 俯いていた顔は少しばかり上がっている。

 

「僕は、そんな馬鹿なことをするのか......?」

 

 震えた声だ。 だが、ここは現実を突きつけて叩き直してやらないといけない気がする。年長者としてと言うより、人として。 前世では俺も工学系を取っていたから、彼の功績が全て社会に蔑ろにされた無念が何となく分かるのだ。

 

 だからこそ俺は言わせてもらう。

 

「ああ、そうだ。近い未来にお前自身が起こすんだ」

「............」

「だが、お前にその気はあるか?犯罪者になる気が」

 

「そんなものあってどうするッ!」

 

「......」

 

「親からの期待は重いし、本家の目は痛い! それに世間は茅場、茅場ッ!! 突然の婚約者は小学生ですだと!? 一体僕が何をしたって言うのさ! いつも割り食ってるのは僕じゃないか! なんで......なんでッ......! 僕はただ、誰かに認められたかっただけなのに......」

 

 正直言ってることは滅茶苦茶だ。 けれど、言いたいことは伝わった。

 

「じゃあさ、ひっくり返してやらないか?世の中を」

「無理だよ......僕じゃあいつに敵わない」

「一人では......だろ? そんなこと言ったら茅場だって神代が、研究メンバー達が付いてる。例え天才でも一人で出来ることなんてタカが知れてんだよ」

「......」

 

 須郷の顔が少しだけ上がった。

 

「お前にあるものはなんだ?何が出来る?」

「......ソフト作成だよ。あいつには劣るけど」

「その考えをまず止めろ。長所を伸ばせ、短所はほっとけ。この世の中で短所の一つや二つ有ったところで、ゲームみたいに弱点突かれて殺される訳でも無ぇ。気にするぐらいなら一つでも茅場を出し抜けるものを作ってしまえ」

「......」

 

 須郷は不安そうにこちらを見た。 目の嫌悪感は、無い。

 

「短所は補えるやつを捕まえろ。ちなみにそっちはどうだ?」

「......ハード設計は苦手だよ。どうも部品がこんがらがるんだ」

「ならそこは俺がやってやろう」

「出来るのかい?君に」

「嘗めんな、これでも元東北大生だ。光ファイバーの研究チームのリーダーをやってたよ」

「それは頼もしいな......」

 

 漸く須郷が笑った。 これなら大丈夫そうだな。

 

「笑ったか……ならもう大丈夫か?」

「ああ、大丈夫だよ。お陰様で勇気が付いたよ。今ならアイツ、茅場晶彦にも勝てる、気がする」

「それは良かった」

 

 俺はニヒルな笑みを浮かべる。

 

「......その表情、なんか凄いミスマッチだな」

「うっせ。俺は俺だ。ミスマッチだろうと関係ないね」

 

 ははは、と須郷は笑い立ち上がり、

 

「さて、僕はこの辺で一度帰る事にするよ。ところで君の事って何て呼べば良いかな」

 

 と聞いてきた。正直名前などどうでも良かったんだが、一応答えておこうか。

 

「前世では朝倉仁と言う名前だった、結城明日奈だ。何とでも呼ぶと良いさ」

「わかった。じゃあ二人きりの時は仁くんと呼ばせてもらうよ」

「二人きりなんてなるかどうか分からんのだが......」

「良いじゃないか、教えてくれたんだから。それと......」

 

 須郷が突然神妙な表情に変わった。 そして。

 

 

「ありがとう」

 

 

 その言葉から一瞬で俺の胸がポカポカした。 恥ずかしい......が、嫌ではないな。

 

「どういたしまして」

 

 そう俺が返すと

 

「ふふっ」

 

 須郷がまた笑った。 良い表情じゃないか。

 

「じゃあまた。次会うのは多分受験の後だから、東大なんか余裕で合格して立派に戻ってこよう」

 

 随分と理想が高く留まっているようだが、まあ良いだろう。 それよりも「じゃあまた」という言葉が心に深く残っていた。

 きっとそれは俺が転生者で、本来孤独であるべきだったからだろう。 だが俺はたったの一日で理解者を作り上げた。 「じゃあまた」の一言が俺にそれを強く実感させたんだろう。だから。

 

「ああ、またな!」

 

俺も全力でそれに答えよう。




アスナ(偽)......若干の性格イケメン要素。本名朝倉仁くん

ゲ須郷→???......これを機にマトモに。多分神無月(ぇ

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。