狩人と、ゼロの主従   作:蜜柑ブタ

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ひっさりぶりの投稿。

完全に詰まってた。


今回は、ブラックピアスGを作るため、ハードクラスのバサルモス討伐に挑む。


流血注意。


第六十七話  防具を新調しよう その3

 

 

 

 サイトの怪我が治ってから、話し合い、ハードクラスのバサルモスから、ブラックピアスGの素材となる岩竜の翼を手に入れるために挑むことになった。

「ハードだけに…、やっぱヤベェんですよね?」

「攻撃力も体力も、倍以上だからね。グラビモスの幼体とはいえ、大きいし。」

「それは、もはや幼体って言えるんですか?」

「大きな赤ちゃんもいるってことさ。」

 そんなこんなで、準備を整え、ハードクラスのバサルモス討伐クエストに挑むことにした。

 

 

「もう口酸っぱくして言うけど、こういうクエストって、必ずしもその素材が手に入るとは限らないから。」

 火山エリアに行く途中の馬車の中。セエがそう言った。

「分かってますよ。」

「そうかな~?」

 じ~っと、セエがサイトを見つめた。

 サイトは、居心地悪そうにそっぷを向いた。

 そんな様子を見て、ルイズは、クスッと笑った。

「ルイズもだぞ?」

「え~?」

「油断すると、死ぬからな。なにせ、相手は、毒を持ってるし。」

「あ…。」

「ほら。」

 言わんこっちゃないと、セエは、首を振った。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 やがて、馬車は、火山エリアのキャンプ地に到着した。

 準備を整え、自動マーキングスキルでバサルモスのもとへ向かう。

「さて、どれだ?」

 大きな岩が点在する火山岩で出来た開けた場所。そこがバサルモスの生息区域だということは分かっている。

 バサルモスの生態は、岩に擬態することだ。そのため、近寄ってもピクリとも動かず、こちらが攻撃を仕掛けないと動かない。

 逆に言えば、それは完全なる大きな隙であり、爆弾を仕掛ければ大きなダメージを狙えるのだ。

「ルイズ。どれだ?」

「えーと、地図で見ると、ここ…。」

「あれか。」

 エリアの出入り口から見て、左方向、真ん中。

「じゃ、頑張れ。」

 セエは、傍観に徹するためエリアの端に行き、サイトとルイズは、タル爆弾を用意した。

 そして、動かないバサルモスの傍に、設置できるだけ設置し、小タル爆弾を点火した。

 そして大急ぎで逃げる。

 そして、大爆発。

 そして、地面から姿を現わすバサルモス。

 黒煙が舞う中、大ダメージを受けたバサルモスが黒煙を吐きながら吠え、突進してきた。

 サイトとルイズは、二手に分かれ、それを避ける。

 ルイズは、距離を取ってライトボウガンを構え、サイトは、双剣を抜いた。

 するとバサルモスが、その巨体から紫色のガスを放出した。毒ガスだ。

 風もなく、そしてサイトもギリギリで射程距離に入らなかったため、毒は受けなかった。

 毒ガスが消えたところで、サイトは、接近し、腹を狙ってガキン、ゴキンっと、刃を当てた。

「サイト! バサルモスの攻略法は覚えているか!」

「あ!」

 セエが声をかけ、ハッとしたサイトが剣を収めて、バサルモスに対して背中を向けた。

 その背中を見て、鳴き声を上げて猛ダッシュをかけようとするバサルモス。サイトは、他の岩の方へ向けて走った。

 追って来るバサルモスの体の翼部分が岩に接触し、岩が爆発した。

 バサルモスは、苦しげに鳴き声を上げた。

 ルイズは、水冷弾を撃ち続けていた。

 サイトは、距離を保ちながら、バサルモスの注意を自分に向けさせる。そして突進を誘い、岩へと導く。そして接触させて岩を爆破させ、バサルモスにダメージを与えた。

 やがて岩がなくなり、サイトは、剣を抜いて、バサルモスの下に入り込んで腹を切りつけた。

 爆発が効いたのか、いとも簡単にバサルモスの腹の甲殻が剥がれ落ち、赤い肉が露出した。

 露出した肉に、遠慮無く剣を突き出す。それだけでバサルモスは、悲痛な鳴き声を上げる。

 次の瞬間、バサルモスが睡眠ガスを吐き出した。

「ぐっ…。」

 避ける暇も無くサイトは、ガスを吸い込んでしまい、その場に倒れてしまった。

 そして、続けざまに毒ガスまで吐いた。

「サイト!」

「気にするなルイズ! 撃て!」

 眠っているうえに、毒まで喰らったサイトをルイズが心配するが、セエが攻撃の手を緩めるなと声をあげた。

 やがてサイトが目を覚まし、そして自分が毒をもらっていることに気づきよろめいた。

 そして慌てて解毒薬を飲み込もうとして…、ブオンッと振られたバサルモスの尻尾の攻撃を受け、吹っ飛んだ。

「がっ!」

 サイトは、吐血しながら地面を転がり、立ち上がろうとした。

 バサルモスは、猛ダッシュによる突進をして、サイトを轢いた。

 サイトは、血を流しながら再び地面を転がり、ピクピクっと痙攣した。

「起きろ、サイト!」

「ぐ…ぅ…。」

 猛ダッシュにより、かなり距離が離れたバサルモス。

 動きがのろかったのが幸いした。その隙になんとか起き上がったサイトは、回復薬グレートを飲み込み、解毒薬も飲み込んだ。

 バサルモスが再び猛ダッシュによる突進を仕掛けてきた。

「う、おおおおおおおおおおおお!」

 サイトは、その突進を避け、バサルモスが止まると同時に、バサルモスの露出した肉に剣を再び攻撃を加えた。

 バサルモスは、断末魔の鳴き声を上げ、絶命した。

「っしゃあ!」

「サイト!」

「だいじょうぶだ、ルイズ。」

「さ、剥ぎ取り剥ぎ取り。」

 お互いの無事を確認し合う二人に、セエがそう急かした。

 

 そして、一行は、無事に岩竜の翼を手に入れた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「あとは、王族カナブンがいるわけだけど……。」

 セエは、二人を連れて、農場に来た。

「地道に行くしかないか。」

「……えー。」

「もっと手っ取り早くはできないの?」

「王族カナブンは、希少でね。高い値段で売れるし、中々取れないんだ。けど、農場なら時間はかかるかもしれないけど危険を冒さず採れる。」

「地味ねぇ…。」

「仕方ねぇよ。」

「じゃ、サイト。虫の木、行こうか。」

「げっ!」

 サイトは、大きな虫の木を指差されて、嫌そうに声を漏らした。

「ほら、嫌がるな。地道も大事。」

「分かってますよぉ!」

「ルイズは、そっちの茂みを探してみて。見つかるかもしれないから。」

「はーい…。」

 二人は、不服そうに地味で地道な作業をした。

 

 結局、王族カナブンを必要な数集めるのに、数日をかかった。

 

 さらに、必要素材である、カンタロスの刃羽を手に入れるため、ハードクラスの、巨大昆虫大発生というクエストに挑み、地道に巨大昆虫ランゴスタを退治して、報酬でカンタロスの刃羽を入手した。

 

 

 そうして、ようやく……。

 

「やっと出来たな。」

「ご注文の、ブラックピアスGです。」

「やったな、ルイズ!」

「ええ、サイト!」

 

 やっと、ブラックピアスの上位であるブラックピアスGを作ることが出来たのだった。

 

 




強敵と戦うクエストと、地道に素材集めをする苦行と、どっちが辛いでしょうかね?

微々たるものですが、ルイズの防御力はこれで少し上がりました。

問題は、サイト。ここからどうするか……。
現在リオソウルの初期を装備しています。

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