ラブライブ!サンシャイン 黒澤家長男の日常   作:アドミラルΔ

18 / 77
突然ですがあなたを染め上げます

センチメンタルな日誌

 

日本古来の昔話は大体の話が姫と結ばれてハッピーエンドという話が多い。でもその中で異色を放つ物語がある。

 

 

『かぐや姫物語』

 

竹取物語とも呼ばれる日本最古の物語だ。その内容は光る竹から生まれたかぐや姫の美しさに数多の人が言いよるが最終的には天の住人だったかぐや姫は帝に不死の薬を渡し天に帰るという物語。天の前に人は無力で意気揚々と追い返すと言った大将ですら力なく項垂れたというそんな話もある

 

 

もし…私がかぐや姫の立場ならあの人はどうしてくれるのかな。この世にかぐや姫がいないなら不死になる必要は無いと不死の薬を燃やすのかな。それとも不死になって天の頂きまで迎えに来てくれるのかな。そうだったらいいな…

 

 

────

 

「突然だが梨子お前には田舎に染まってもらう」

 

都会女子などこの内浦には存在しません。梨子を例えるならかえるの中に1人孔雀がいるみたいになってるくらい違う

 

「えっ…と理由を聞いてもいいかな?」

 

嫌なんてことは言えず困り顔の梨子から飛ぶ当然の質問。正直な話俺もこれにはあまり乗り気では無い

 

 

「ずばり!Aqours内の協議によって銀くんが梨子ちゃんを優遇しているぎわくがでているからです!」

 

 

ぴょこっと俺の背中から千歌が顔を出す。俺をダシにして梨子を呼び出しやがった張本人だ。将来の話があるって言って呼び出したのまじで一生許さんぞ。梨子がえらく困ってたからな

 

 

「千歌官房長官決してそのような事実はありません」

 

俺は千歌の方に向き直り答弁を行う

 

まったく俺が梨子を優遇したなど虚言甚だしいな。確かに梨子は都会生まれ都会育ちの都会人だ。そして俺はしがない田舎民ここに優劣の差がありその埋め合わせ的なをしていたことは認めよう。しかしそれはあくまでコンプレックスにおける必然的行動であり梨子からでる都会の輝きと美人さに負けていたとかそういうことでもなければ────ダメだこれ内浦のことdisりすぎでは?……やめよう

 

 

 

 

「でも銀ちゃんが梨子ちゃんを初めて見た時に君は輝いていると手を握って言ったという証拠だってあるんだよ?」

 

 

確かに言いましたはい。仕方ないよ輝いてたもん

 

 

「しかし曜裁判長それあくまで優遇していたという絶対的な証拠にはならないのではないでしょうか」

 

そう俺はあくまで梨子の中にある輝きを見て手を握っただけでそれを優遇しているとは言い難いと思う

 

 

「ぎ、銀ちゃんなかなか言うね」

 

 

いやそんなこいつやりおるみたいな顔してるけど本当にしょうもない寸劇だからなこれ

 

 

「千歌ちゃんも曜ちゃんも銀くんがそんな私を優遇だなんて全然してないよ」

 

 

見かねた梨子が助け舟を出してくれる。ありがとうやっぱり梨子は違「曜ちゃん裁判長!梨子ちゃんはしてきな感情でかばっています!」

 

 

「ち、違うよ…」

 

 

顔を赤くして俯いてしまう梨子…あれ?助け舟が泥舟っぽいやばい沈んでないこれ?

 

というか話が進まなさすぎる

 

「まあその辺で話はおいといて田舎に染まってもらうってのはまあここの暮らしのもっと深いところに慣れて欲しいってだけだからさ」

 

 

「そうそうただこの3人に付き合ってもらうだけだから」

 

 

曜お前自分は最初からその気だったみたいな雰囲気出してるけど寸劇なかなかに乗り気だったろ…

 

 

 

「というわけで梨子トートバッグなんて田舎に存在しないから置いてきな。そんでその靴と服も動きにくいだろ。今から俺たちに付き合うなら濡れて汚れていい服で来た方がいい。俺達は家の前のビーチで待ってるから」

 

────

 

 

ピンクのフリルワンピースに薄青のカーディガンという可愛らしい格好から打って変わってTシャツに短パンというラフな格好になった梨子だがシンプル故の美し「銀ちゃん」曜はなんでつねるのさ

 

 

 

しかしこのビーチも懐かしい。昔はこのビーチでみんなとよく遊んだな特に砂浜相撲と飛び込みをよくやってた気がする。しかし果南ねぇがホント強いんだよ当時は動かなすぎて岩かと思ったね

 

 

 

 

「よっしゃあ!飛び込むぞ!」

 

 

先陣を切って思いっきり飛び込む。

 

深く考え込む時もあるけどそんな時はこういう風に頭の中を空にしてバカみたいに海に飛び込むのも悪くない。単純にみんなと遊ぶのも楽しいしな

 

 

「よーし!私も」

 

 

曜も水泳部らしく綺麗なフォームで海へダイブして犬のように水しぶきを飛ばしながら顔を出す

 

 

「千歌ちゃんも梨子ちゃんも早くおいでよ!」

 

 

千歌は何度もこの光景を見てたから慣れてるだろうけど梨子はまだ流石に遠慮がちか

 

 

「昔は千歌はここを飛び込めなかったよな。今はどうだ?」

 

 

小さい頃の千歌は少し暗めの物静かな子だったからそう思えば本当に変わった方だ。今は輝きが溢れて眩しいくらいだしな

 

 

「今ならいけるよ!だってスクールアイドルだもん!」

 

 

いやそれはさすがに謎理論すぎて返答できねぇよ

 

 

大きな水しぶきをあげて千歌もこちら側へ来た

 

決して綺麗ではないがそれでも勇気ある飛び込みだった。なんというか成長が垣間見れて変な気分になる。あの千歌が本当に変わったんだな…やっぱりスクールアイドルは凄い

 

あとは梨子だけだ

 

 

 

「梨子ちょっと怖いだろ?でも大丈夫だ万が一でも俺が助けるからさ。なんなら目を瞑って飛ぶのもひとつの手だぜ」

 

 

梨子は目をつぶった。あくまで飛ばないという選択肢はないということか。そういう努力家な一面も見てるから俺は精一杯サポートしてるんだけどな…うんちょっと待て目を瞑るのはいいけど飛び込む方向はちゃんと決めてから飛び込まないと───

 

 

頭に飛び膝(無意識)はやばい

 

────

 

あの後散々梨子から謝られたけど焚き付けたのは俺だし梨子は何も悪くない。あの梨子の勇気をむしろ賞賛すべきだろう

 

 

「次は相撲だけど普通にやるとまあ男だし多分俺が勝つから手押し相撲ってのはどうだ?前にも後ろにも足が動いたら負けのやつ」

 

 

 

「ふっスクールアイドルとなった千歌にすきはない。はいぼくをしらせてあげるよ銀くんにね」

 

ほんとそのスクールアイドル神話論はなんなんだ…まったくもってわからんぞ…

 

 

 

……

 

「あぅ負けたぁ」

 

 

目を(><)こんな状態にして後ろへ倒れ込む千歌。いやそりゃあ あんな力任せに俺と押し合いしたら力負けするだろ…隙がないどころか隙しかないじゃねぇか

 

 

「じゃあ私がやろうかな」

 

珍しく梨子自ら立候補してきた。まさか…勝算があるのか?

手押し相撲において内浦の星と呼ばれたこの黒澤銀に勝てるというのか?それなら都会っ子の策略というやつを見せてもらおうか

 

 

「梨子ちゃん対銀くん よーいスタート!」

 

 

なるほどさっきのバカ千歌とは違いそれなりに出来るほうだ。引きや押しなどの駆け引きを絡めつつその本命は押し込みと言ったところか。攻めのかわしかたも上手い気を抜けば俺が前に倒れ込んでしまいそうだ。

 

 

じりじりとした中盤戦が続く

 

 

ここで梨子の押し込みに押し返すと見せて引きのフェイント…を梨子は読んで引いたところを押し込みに来る…そうなれば少し重心が後ろになっているこちらが不利…と見せかけて引きのフェイントすらフェイント引いているように見せかけて実は引いていない!ここで本命の引き!

 

 

押し込み返し読み引きフェイントフェイント読み押し込み読み引き!

 

 

梨子の身体は重心の赴くままに俺の身体へ吸い寄せられていく

 

 

 

梨子の頭がちょうど俺の胸元あたり収まったところでカチャリっと音が

 

 

「はい、梨子ちゃん接触罪ね16:48分現行犯」

 

 

いつの間にやら手錠を所持していた曜にひっとらえられる。そういえば昔は俺がよくみんなに逮捕されてたよな…よく尋問と称して好きな人とか私のチャームポイントは何?とか聞かれたもんだ。いや梨子接触罪とか不当逮捕もいいとこだけどね

 

 

 

「いや…確かに警察ごっこは懐かしいけどこれおもちゃの手錠じゃなくね?重みがやばいんだけど」

 

 

「はいはい続きは署で聞くから梨子ちゃん聞きたいことがあるならその時銀ちゃんになんでも聞いてもいいよ。まあ被疑者にも黙秘権はあるんだけど」

 

 

「中途半端に知識を得たせいでやばく見えるのは気の所為と思いたいんですけど…」

 

 

 

 

(はぁ…銀くんは田舎に染めるって言ってたけどもう十分染まってるよ…)

 

 

「銀くん!桜内警部があなたを取り調べます!」

 

 

「もう!置いてかないでよー!わたしも警察ごっこするー!」

 

 

田舎っていつも卑下するけど、ここの暮らしはこの光景があるから楽しいのだ

 

 

 


 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。