ラブライブ!サンシャイン 黒澤家長男の日常   作:アドミラルΔ

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鹿角理亞は瓜二つ

高海千歌の日誌

 

最近、銀くんsaintsnowの理亞ちゃんとほんとに仲が良いなって思う…やっぱり妹にしか目がないのかなぁ…

 

「よし!いまこそリーダーとしてAqours妹化計画の実行をする時だよ!」

 

────

 

縁側の長い暗闇の中でルビィを見た。少女は気配に気がつくと立ち止まった。夜の冷気が流れこんだ。男は体いっぱいに乗り出して、遠くへ呼ぶように、

「ルビィさあん、ルビィさあん」

と声を遠くに響かせた。暗闇の前で踵をかえしゆっくり木板を踏んで来た女は、ツインテールで赤桃色(カメリア)のつり目を要していた。

 

 

「Oh…理亞来てたのか…」

 

ひとつ言い訳をしたい。ルビィと理亞はよく似ているのだ。優しいルビィとつんつんした理亞は性格のこそ似ていないがその根底には小動物的な弱さが見え隠れしている。分類的には小さくて可愛い妹枠と言ったところか

 

 

 

「誰がルビィって?。このシスコン」

 

眉間に思いっきりシワよせて怒っちゃったよ…でも腕組んで自分を大きく見せようとしてる辺りがめっちゃ可愛い。なんせ俺のみぞおちくらいしか身長が無いからな

 

「ごめんって暗闇で二つ結びの影見せられたらルビィと思うじゃんか」

 

「シスコンの部分は否定しないのね…」

 

「否定しようか?」

 

「いや、いい」

 

うん、だろうな。否定しても善子のヨハネコール並に無視されてるからね。非常に辛いんだ。その俺の答えに少し諦観ぎみの理亞は深いため息を1つついた。そのため息にいくつもの疲労が入っているのが手に取るように分かる。週末の今日に学校が終わってからここに来ようと思うとそれなりの時間がかかるからな。事実として理亞が制服のままでここにいたのもそれが理由だろう。というか服や胸の大きさ少しの髪型の違いで気がつくべきだった。

 

 

「そうだ!理亞。今日の夕飯は姉ちゃんがとびきりのを作ってくれるからホントに美味いと思うぞ。マジで世界一の夕飯だから期待しておけ」

 

うちの姉ちゃんは地元でも評判の美人でなおかつ料理上手だからな…正直非の打ち所がない

 

「うちの姉様の方が料理上手なんだから!食べ比べてみたら絶対に分かる。姉様が1番だって」

 

理亞の言う通り聖良は美人で運動もできてスタイルも良くて作詞作曲も出来る完璧超人それでいて料理上手……なるほど非の打ち所がないですね

 

 

「聖良ってなんでも出来るよな。まさしく超人って感じで」

 

「そんな姉様にも出来ないことがあるの。“恋”とか…」

 

 

都会人曰く恋はするものではなく落ちるものであるそうだ。聖良の場合通っているのが由緒あるお嬢様女子校の

函館聖泉女子高等学院だしそんなやすやすと恋に落ちることなんて無さそうに見える

 

 

「確かに聖良が恋してたらそれはもう地球が回ってるってくらいに驚天動地なことだな」

 

「確かにほんと驚天動地だね。鈍感っていうのは」

 

唇をとがらせて言う理亞の眉間にはずっとしわがよっていた。言いたげなフェイスでこっち睨んでるけど俺は理亞の額に触れ怒りしわを軽く伸ばす

 

 

「眉間にしわ寄せてたらせっかくの可愛い顔がしわしわの婆ちゃんになっちゃうぜ?」

 

「触らないで!」

 

「あ、またシワが寄った」

 

 

顔を真っ赤にして手を払おうとする理亞と無理にでもしわを伸ばしたい俺で2人がもみ合っていたら足がもつれ、

 

 

床ドンという形で理亞を押し倒してしまった。一応理亞の頭は腕で守ることは出来たのだがそのせいで抱き寄せた形になってしまっていた。腕のなかにいる理亞の目がまん丸と開かれ俺の瞳の奥を見つめている。

 

待ってくれこんなとこ誰かに見られようもんなら…

 

 

「け、警察に通報しますわ…」

 

 

こうなるのは必至である。しかしどうしてこうした所しか見られないのか…この世に神はいないのか?

 

 

「姉ちゃん誤解だって!」

 

俺は理亞が頭を打たないようにそっと床に寝かせて素早く飛び起き姉ちゃんに誤解だと必死の弁明をする

 

 

 

が時すでに…遅い

 

 

「「この…ケダモノ〜!」」

 

 

俺の両頬にそれはそれは紅い紅葉が咲き乱れた

 

 

 

────

 

【恋をするのは難しいが落ちることは難しくない】

 

 

恋はするものではなく落ちるものだと、誰かから教えられた気がする。

 

 

それはAqoursと初めて会った神田明神

 

その時私はAqoursの皆さんに対し“遊びのつもりなら辞めた方がいい“と言いました。

 

その次に返ってきたのは、“遊びじゃない 撤回してくれ”との声でした。あまりの迫力に少し気圧されたのを覚えています。彼のことは以前から知っていました。オリンピックも期待されている武道界期待の星でAqoursのマネージャー。2足のわらじというにはあまりに歪で全くもって理解出来ないとその時は思っていました

 

 

その場では撤回し、それでも“今のままではラブライブで優勝するのは厳しい”と言い残しました。

 

 

 

 

驚いたのは次の日

 

 

 

 

休日練習をしていた“北海道の”私達の前に現れ

 

 

膝を地面につけ頭を下げたのです。

 

それは謝罪とともに、“Aqoursに何が足りなかったのか”というものでした。私はおもわず目を丸くしました。あれほどキツい言葉をかけた後の相手に土下座など普通は出来ません。私はその時驚きはしましたが教えることなどありませんと言い放ちました。彼はそれでも引き下がりませんでしたせめて基礎トレーニングのメニューだけでもと懇願され渋々承諾しました。

 

 

それからの彼は真剣でした。私達がメニューをこなすのをずっとメモをとりながら見ていました。

 

 

一通りメニューをこなして“何か私達とAqoursの違いは見つけられましたか?”と問うと

 

 

練習メニューをメモしてからずっと“saintsnow“を見ていたから正直あまり分からなかった。ただアイドルには完璧なダンスだけじゃなくて“光るもの”が必要ってよく言うけどそれがよく分かった。ただひとつ言えるのはうちもそうだが光り方が少し歪だと伝説のスクールアイドルの輝きに比べたらまるで不規則に点滅するランプのようだと言っていました

 

あなたに何がわかるの!と理亞は彼に噛みつきますが

 

私がたしなめます。そう彼は全国の頂点に立ったことがあるのですから、私たちがそこに行くまでに足りないものを彼は持っているかもしれない。そう思ったのです

 

Aqoursと私たちが少なくとも共通してるというのなら何か弱点のひとつでも見つけられたんですか?と私は少し意地の悪い質問をしました。

 

彼はこう答えました。やはりその歪さとかかな?

 

誰しもの輝きは合わせられど等しくはないと彼は言ったのです

 

 

そして逆に長所は愛だと言いました

 

初見の時に歪だと感じたあの2足のわらじ…あれに私は嫌悪感を覚えましたがそれはきっとまだまだ歪な光の私たちを鏡で見たような同族嫌悪だったのかも知れません…本当になるほどな審美眼です。でもお陰でAqoursの力の源が知れたのは大きな収穫ですね

 

 

私は一つだけ彼に助言をしました。これはゼロでは無かった私たちが送るただひとつのメッセージ

 

 

“足りないかどうかは分かりませんが必要なのは【目覚めること】です”と

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は時間に余裕が出来たら私達にアポをとり何度も何度も訪ねてきました。熱心にメニューを調べては質問し観察して自分以上に私達のことを知っているんじゃないかってくらいに。

 

そんな真面目な彼ですが少し面白いと思ったのは武道の合宿という名目で来ているので、親にバレたらはっ倒されると言ってたところです。それから彼はしばらくすると函館に来た際私達と一緒に基礎トレーニングをするようになりました。これでトレーニングしてるからセーフと笑いながら話していたのを覚えています。まあ私たちが告げ口したら一発でアウトなんですけどね

 

 

理亞も三顧の礼を超えるくらいに出向いてくれて私達と真面目に向き合う彼の誠実さに触れ態度が柔らかくなりました。休憩時間などきにこにこと喋りながら2人で笑い合っているところを見ると微笑ましいかぎり…まるで兄妹みたいです。

 

 

 

 

その遠くの彼がこちらを見た時伏し目がちに照れてしまう私がいます。

 

 

 

 

 

そう私は恋の落とし穴にするりと落ちてしまったのです

 

 




また追記します

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