モンスターハンター「俺が主人公だ!」(処女作、凍結) 作:狩る雄
好きなアニメキャライメージしながらなんですけど。
私のお友達
――どんよりとした曇り空の中、
「和」を感じさせる村に、2人のハンターが訪れた。
レイアシリーズ、’緑’の鱗を見に纏い、'緑'の甲殻の弓を背負うハンターの女性。
エスカドラXシリーズ、古龍≪煌黒龍≫の素材を用いた’黒’を基調とする鎧を身につけ、’黒’の大剣と古龍≪大海龍≫の’白’の大剣の2本を背負うハンターの男。
ヘリオスシリーズ 、’白’を基調とする鎧を身につけ、'黒'の角を用いたスラッシュアックスを背負うハンターの男。
そして、3人以外にも多くのハンターが、ここユクモ村に集まっていた。
俺は、戦友に話しかける。
「ゴロウも、来たのか。」
こちらに気づいたようだ。
「ユクモ村は、モガの人たちもよく訪れるんだ。俺も無関係じゃねえんだよ。」
「ところで、お前、いつからナンパできるようになったんだ?」
俺とイロハは首を傾げる。
「「ナンパ?」」
ゴロウは呆れたように言う。
「お前ら、俺より鈍感かよ…」
こいつはモガの村の専属ハンターであるゴロウだ。あまり知られていないが、あの伝説のハンター タロウの子孫だったりする。
モガの村に派遣された当時はまだまだ初心者だったが、その実力はいまや古龍を狩るほどに高い。
俺より水中戦ははるかに強い。「海の主人公」と呼んでやろう。
モガの村を危機に追いやった海竜、そして古龍≪大海龍≫ナバルデウスを協力して狩猟した。とても、大きかった、です。
あとは、俺の目標1体目の古龍’黒のやつ’アルバトリオン狩猟を手伝ってくれた。とても、カオス、でした。
俺は戦友の装備を見ながら言う。
「今回はお互い、本気みたいだな。」
「そーだな。」
「カルロさん、この方は?」
イロハがそう問いかけてきた。俺がそれぞれ紹介しておくか。
「こいつは、戦友だ。イロハは、家族だ。」
ゴロウはなぜか感動しながら言う。
「そうかよ。お前もずいぶん優しい’人’になったじゃねぇか。」
「うるせ。」
「というか、相変わらず、説明が下手だな。」
カルロさんは友人さんと会えたのが嬉しいみたいです。
一歩引いて、談笑してる姿を見ながら、’これから’について考えます。
【特殊クエスト 舞うは風、奏でるは災禍の調べ G★★★★】
依頼主 ユクモ村の村長
~依頼内容~
古龍≪嵐龍≫アマツマガツチ。かつて伝説のハンター タロウによって’討伐’された古龍です。霊峰にて、その姿が確認されました。
傷も完全に癒えているようです。わたくしたちは、古龍に挑み、無事帰還することを信じています。
霊峰。
ユクモ村に近い’渓流’のさらに奥にある山の頂。
嵐を操る古龍が棲むという。≪嵐龍≫の力による、豪雨・竜巻・暴風・落雷によって、’ヒト’が生きられる環境ではない。
アマツマガツチ。
嵐を呼び、その嵐を自在に操る。まさに≪嵐龍≫。白き羽衣を纏うような姿で、泳ぐように空中を舞う。
強い縄張り意識を持ち、今は霊峰が縄張りである。
「イロハ。」
私は、カルロさんの声で顔を上げた。
「イロハは、ユクモ村で待機しておいてほしい。万が一の時は村を頼む。」
私は元気よく返事する。
「はい。わかりました!私、カルロさんを信じて待ってます!」
「ありがとうな。」
カルロさんは、友人さんの所へ向かっていった。
「なんだか。アイシャに無性に会いたくなったぜ。」
そんな声が、聞こえた。
村に集まったハンターたちは、二つに分けられた。
先行して嵐龍を狩る者たちと、万が一のとき村を守る者たちだ。
村から少しだけ離れた林で、木に印をつける。
私は、’あの日’から、日課となっている的当てをする。
命中精度、速射、そして、集中力を鍛えるためだ。
矢を筒から取り出してすぐ、放つ。
あるときは走りながら、あるときは回避行動をしてから。
かなり集中していたのだろうか、
誰かの気配を感じ、咄嗟に弓を構えてしまった。私は弓を構えを解く。そして、頭を下げた。
「ごめんなさい。」「ごめんなさいね。」
「え?」「え?」
ミツネSシリーズ、和服のような白い防具を身に纏った、腰まで長い髪を束ねた女性が話し始めた。私と同じ亜麻色だった。
「ごめんなさいね。練習、してたんでしょ。あなたも弓を使うのね。」
「いえ、こちらこそ、武器を向けてしまって。あなたも、弓を?」
なんだか優しそうな女の人だ。
「ええ。そうよ。私はユクモ村に住んでいる、コトネっていうの。上位ハンターやってます。」
「私は、イロハです。ベルナ村から来ました。ハンターになったばかりの新人です。」
「私も、ここで練習していい?」
「はい、どうぞ。」
私は姉御以外の弓を見たことがない。それに片手剣がメインだ。
だからだろうか、私はコトネさんの姿に見惚れていた。
凛としていて美しい、そんな構え方だった。
私も、構えた。
私たちは近くの地面に揃って座り、汗を拭う。
コトネさんが話しかけてきた。
「イロハちゃんの弓、狩りの中で成長したって感じよね。」
「コトネさんの弓、とても綺麗でした!」
「イロハちゃんは、狩技って知ってる?」
「はい。まだ、使えるわけじゃないんですけどね。」
狩技。
狩猟スタイルと同じく個性を活かした、'技'である。
必殺技や奥義と言い切ってもいいかもしれない。
使えるハンターはあまり多くないが、使える者が誰かに教えることが多いので、だんだん使用者は増えてきた。
コトネさんは立ち、ポーチから、鋼鉄の糸を取り出した。
「これをね、2本の矢に結びつけるの。そして、矢をそれぞれ左斜めと右斜めに、放つ。」
それは、直進する鋼の刃。木の枝が、切断された。
私から声が漏れる
「すごい。」
コトネさんは笑顔で振り向く。
「ありがと、イロハちゃん。」
私たちは、一緒に待機場所へと向かっていった。
カルロさん、私に初めてのお友達ができました!
村の広場にハンターが10人ほど集まっていました。
聞いたところによると、霊峰付近に住んでいたモンスターが嵐から逃げるように渓流へと降りてきたらしいです。
≪青熊獣≫アオアシラ、≪大猪≫ドスファンゴ、≪彩鳥≫クルペッコ、≪雷狼竜≫ジンオウガ、そして、≪尾斧竜≫ドボルベルク亜種
ハンター12人による5頭の大狩猟。
私とコトネさんは下位レベルのジンオウガを担当することになりました。
コトネさんと狩りの準備をしています。コトネさんはどこか浮かない顔です。
「ドボルベルク亜種に、4人。上位レベルって聞くけど、大丈夫かな。」
そう、多くのG級ハンターは霊峰に向かってしまっています。村には下位や上位のハンターしか残っていません。
「私たちも早く狩猟して合流しましょう。」
「うん、そうだね。」
霊峰に向かうには、渓流の険しい山を登らなくてはならない。
G級ハンター10人はいまだ向かう途中だった。嵐を起こせる以上、飛行船は危険で使うことができないのだ。
ゴロウが俺にだけ話しかけてきた。
「こいつら、浮かれてるな。」
「ああ、古龍を、見たことがないんだろう。」
海底遺跡での狩りも、そして’溶岩島’での狩りも鮮明に覚えている。確かに2人だけで狩ったのは確かだ。
だが、前者はゴロウが、後者は俺が、得意なフィールドであったのだ。
霊峰は空気が薄いし、嵐の中の狩りとなる。そして、俺たちは、空を泳ぐ龍に、有効打を持っていない。
私たちとコトネさんは水辺にいるジンオウガを見つけた。
青い鱗と、黄色の甲殻に白色の体毛を持つ牙獣。鋭い牙と爪を持つ。まさに狼である。
そして、電気を操る。周囲の雷光虫に電力を与え、活性化させることでまさに雷を纏う。
私たちは弓を構える。遠距離を得意とするガンナー2人。
手筈は、左右からの同時攻撃。そして、攪乱だ。
狩りが始まった。
私はまず毒瓶を使う。矢尻に毒を塗り、矢を放つ。ジンオウガに刺さり、こちらを向く。私は後退する。
そして、コトネさんに背を向けた。
狩技、『ブレイドワイヤー』。鋼の刃が尻尾を切断した。
ジンオウガは吠える。急激に雷を纏う。だが毒が回ってきたのだろう。動きが少し鈍くなる。
私は、麻痺瓶を使い、矢を放つ。さらに動きが鈍くなる。
コトネさんは水属性の矢を放つ。弱点は、背中、いや、雷光虫。蛍が舞うように、散らばった。
私たちが、とどめを刺すのは時間の問題だった。
5頭すべて無事に狩猟を終えた私たちはお互いを見合った。
「イロハちゃん、お疲れ様。」
「お疲れ様です!」
だけど、
――渓流に嵐が来た。
作者は3GとMHXXのみプレイ済みです。
アスナって名前にすると、細剣使わなきゃとか思ってしまったから、コトネさん。…オリキャラです!
そろそろキャラ設定書こうかと思ってみた。主人公とヒロインだけじゃ明らかに字数足らない状況に陥りそうだったし。