(没作品集) 異世界転生譚-1st. World Trigger   作:無狼

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RE:第一章
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⦅EXECUTION:DELETE⦆

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私は観測者。

同時に監視者でもある。

私の役目は、この世界の観察を行うこと。

 

さまざまな世界線に散り、集団意識に融解した彼。

一つの世界に飛び、縛られる生を授かった彼女。

人の技を極め、開眼せし先を更に求めし者。

憐み嘆く中、居場所を求めた者。

そして、まだ見知らぬ者ども。

 

我が名はニャルラトホテプ。

この修正不可能なバグに陥った世界を壊し、

目の前の視聴者に新たな物語を「お見せする」者。

無限に等しき我が柱のうちの、一つがワタシである。

 

また憐れな男は、集束する運命と因果に耐えきれず、

世界も霧散していってしまったようだ。

我が作者は実に、飽き性だ。諦めも早い。

感情を大事にするこの者は、不要と感じればすぐに切る。

 

その気紛れに、また「忘却の世界」に生きる彼は、

怠惰なる忘却へと融かされてしまった。

我はまた、彼の記憶と世界を奪い、また与える。

 

「傲慢の世界」に生きる彼女は、己の道を信じて進むが、

探し人の為だけに、他者の犠牲を無碍にするだろう。

 

次の世界は「義憤」。正直過ぎた頑固者は、ついに目醒め、次の世界へと意図せず顕現する。

その者は、人は神になれぬが、神殺しの資格を持つにふさわしい。

我と、我があるじ、魔王アザトースの元では塵に過ぎぬが。

 

だが、嗤い、愉しませたもうならば、我は御命を持って応えん。

さぁ、更に苦しむが良い。建悟よ?

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それから、俺は多くの世界を渡り歩いてきた。

今の俺はじきに、記憶を失うだろう。

 

それと…この記録は残るか分からないが、

少なくともワールドトリガーの世界、

兵器が闊歩する絶望の世界から、

希望のファンタジーな世界まで。

今の俺は歩んできた記憶がある。

 

間も無く俺は消えるんだろう。

次の世界は…どこだ?

初めてワートリの世界に生まれてから、

もうどれぐらい経ったのだろうか。

ワートリは原作通りだったし、

後2つか3つぐらいは、見覚えのあるものだった。

ある一定の条件をクリアすると、

もう次の世界に意識が飛んで、スタートしていた。

 

…戻る事もできない。

俺は死んだ事がないが、死んだらどうなるのだろうか?

運良くずっと生きてきただけなんだ、チート設定で。

じゃあ、自殺したらどうなる?

…試したくなったんだ。

 

消える前にこの手紙を見つけた貴方へ。

ワガママですが、この手紙を渡してくれませんか?

 

…急に消えてしまってごめんなさい、

先往く事をお許しください。

初めて訪れた世界が、ここで幸せでした。

 

レミリア・スカーレットへ

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「統べて、役者とは対にして唯一である。」

「唯一であれば絶対のパラドックスに苛まれ、」

「双神であれば対の闘争と平和が生まれ、」

「三神であれば互いに牽制し、補完する。」

「もしそれ以上存るならば」

「混乱を極め、やがて秩序に還る。」

 

「彼は数多の生と死を経て、ここに至る。」

「全ては記録。記憶は呼び覚まし、遺伝は情報を伝播させる。」

「結合反応が連鎖を起こし、αからβ、Ωへと移ろい変わる。」

 

「建悟という存在は一体何者なのか?」

「私にはわからない。」

「ただ、」

「私にかかわる何かだった、ということが、事実として残っている。」

 

「斯くいう私は、たった一回の生を得たに過ぎない。」

「だけれども、私にはわかる。八百万の伝奇が残されている。」

「残された者は紐解かねばならない。」

「隠された真実に虚構の方程式を、虚数を正数に。」

 

「私は、願いを祈りに捧ぐ。」

「死者に弔いの調べを聞かせよう。」

「過去を照らし、死んだ事すら忘却した御霊に鎮魂歌を。」

「私の役目は、彼を眠らせるために。」

 

「…だが、彼は私にとって…?」

 

 

「分からない。…けど、あたいは、もう死んじゃった。」

「今は消えゆくあたい。…小神林としての私は、ここで終わる。」

「記憶を託しても。その後はどうなるか、分からない。」

 

「けど、終わりのキッカケになれるのなら…それで、いい。」

「繰り返される悲劇は、もうイヤだ。」

「私は、あたいは、最後まで、考える。」

 

「ーーー(ノイズで聞こえない)。」

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また一つの世界が消えていく。

いいえ、建悟が「別の世界」へと落ちて迷い込んだ。

 

用無しの世界はひっそりと、誰にも知られず消えていく。

次は、「建悟そのものが存在しなかった世界」。

 

…ワタシはつくづく、にやけが止まらないですねぇ…?

 

外なる神の嘲笑いがまた、ひっそりと木霊する。

白痴の魔神もまた、のたうちまわり、玉座に座る。


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