魔法使い(笑)の攻略   作:リアム・フォン・スミス

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第12話 魔法使い(笑)な変態

トウヤは『メドローア』でインファント・ドラゴンを吹き飛ばした後、『探索魔法』を使って人目が無い道を選んでダンジョン内から脱出を試みていた。

人目が着かない道を選ぶ理由、それはトウヤが現在パンツ一丁だからだ。流石のトウヤも服の替えなど持って来ていなく、必然的に人の目を避けて移動をする羽目になったのだ。

トウヤがその為に使っている『探索魔法』だが、一応これはトウヤ自身が考えたオリジナルの魔法となる。

『探索魔法』と銘打ってはいるが、これはゲームのマップに似たような魔法だ。だがトウヤの魔法は、それに加えてモンスターのような敵対反応や警戒反応、人の中立反応や友好反応を赤、黄、橙、緑、の点で脳内に表示する、高性能なものだ。

トウヤがダンジョン内を徘徊して一時間近くが経過した。

何度も遠回りをしているせいか、現在地はまだ第七階層だ。そこで、トウヤは一つの友好反応を『探索魔法』で捉えた。

この世界に来てトウヤがまともに会話をしているのは主神であるヘスティアや同ファミリアのベル、後は豊饒の女主人の店員くらいだ。

この中でダンジョンへ潜るのはベルくらいだろう。豊饒の女主人の店員たちは豪傑が集まっているが、あの猛者たちがこんな上層にいるわけがないだろう。

消去法でベルだという結果に行き着き、そこで違和感を覚える。

反応は一つではなく、二つだったのだ。友好反応が一つと、警戒反応が一つ。

そこで思い付いたのは、昨日出会ってしまった小人族(パルゥム)の少女、リリルカ・アーデ。

だが、あの時点でフラグは折れているとトウヤは思っている。

そして次に思い付いたのは、原作では登場していないキャラクター。

だが、ベルはこの世界の主人公だ。謂わば、台風の目のような人物だ。あの程度で簡単に関わりが無くなることがあるだろうか。

トウヤは、無いと断言するだろう。ベル・クラネルは今は弱いが、目で追えないほどのスピードで成長していくのだ。

そんな彼はあの程度の出来事はものともしないだろう。

だから、トウヤは警戒反応をリリルカ・アーデだろうと判断した。何故警戒されているのかが分からないのだが。

そして、トウヤとベルとリリルカ・アーデ(仮)の距離が曲がり角を挟んで二十Mを切った時、トウヤは重大な事を思い出した。

トウヤはパンツ一丁のままだったのだ。

トウヤはベルにパンツ一丁の姿を見られようがどうとも思わないが、リリルカにパンツ一丁の姿を見せるのはどうかと思うのだ。

と言うか、普通にセクハラじゃないだろうか? いや、この世界の女子がアグレッシブな可能性もあるだろうし、女子と言っても一応はサポーターである。ダンジョンでそんなことを気にすることすらしないかもしれない。

トウヤはそう自分に言い聞かせると、曲がり角のど真ん中で仁王立ちを決めて、ベルたちを待った。

 

舞台は同階層の白髪の少年と小柄の少女の視点へ移る。

かつかつ、かつかつ、かつかつ、とダンジョン内を歩く二つの足音が重なり、響く。

ベルとリリである。

現在は昼食を取れる安全地帯を目指して歩いているところだ。

 

「ダンジョンの構造を覚えてるなんて、リリは凄いね。僕はそう言う所はまだ分からなくて……」

 

「リリはサポーターをやって結構経ちますからね。ベル様もすぐにわかるようになりますよ」

 

「そうかなあ」

 

ベルがそう言うとリリもそうですよと返し、ベルは納得がいかないような顔をし、強化された五感によって曲がり角に何かがいることを察知した。

そのベルの様子の変化を捉えたリリも必然と戦いの時の思考にスイッチを切り替えた。

そして、曲がり角を曲がった先には、パンツ一丁のまま仁王立ちをしている変態(トウヤ)の姿があった。




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