Fate/Apocrypha Lost   作:紫 カナメ
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第一章 動き出す黒き影
第一節 名前の無い子羊


__ここはどこなんだろう。

 

なにも、おもいだせない…

 

くらい…つめたい…からだがうごかない…

 

おれは…だれなんだ?

 

 

コポコポッ…

 

 

『……こいつが■■■■のか…良い出来だ』

 

『後は起こして■■■■の力を使うことが出来るか試すのみですな』

 

 

ゴポポッ…

 

 

くるしい…さむい…だれか…だれか、たすけ……

 

し…しにたくない……しにたくない…

 

たのむ…ここからだしてくれ…

 

 

ピシッ…ビキビキッ

 

 

「__仮想宝具(かそうほうぐ)擬似展開(ぎじてんかい)

 

 

バリイィィンッ!!

 

 

はしった。

 

とにかくはしった。

 

こわくて、こわくて、こわくて、こわくて……

 

あたまのなかがまっしろになっていて、

 

ほそくてよわいあしをひっしにうごかして、

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…っ…!」

 

 

きづいたら、おれはよくわからないばしょにいて

 

あしはもううごかず、おれはじめんにたおれた

 

だんだんしかいがかすんできて、からだぜんたいがうごかなくなった。

 

いやだ…こんなところで、しにたくない…

 

いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ…いやだ……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーヴォルバ城塞__庭園。

 

アニムフィスはオニビティスと一緒に庭園に咲いている花の世話をしていた

 

「オニビティスお祖父(じい)様のこの庭園…いつ見ても美しいですね。普段から花の世話とかをしているのですか?」

 

「私ももう年だからな…今では魔術の研究よりも、こうして植物の世話をするのが日課となっているんだ。優しく丁寧に育てると、愛らしく美しい花が咲くんだ」

 

「へぇ、」

 

「いつか、病気で眠っている孫に、この庭園を見せて喜ばせたいんだ。私の孫、ミクシィは生まれついた頃から体が弱く、ほとんど歩けない状態だった。次第に体を動かすこともままならなくなって、今は意識がない状態なんだ」

 

「……では、お祖父様が聖杯にかける願いは…」

 

「あぁ、ミクシィの病気を治す。根源の渦の到達よりも、私は孫を…ミクシィを救いたい」

 

「………」

 

「アニムフィス、お前は聖杯に何を願うんだ?」

 

「……私は___」

 

「マスター!」

 

と、二人の前に現れたのは緑色の外套を着たオレンジ色の髪の青年_アニムフィスのサーヴァント、銀のアーチャーだった。

 

「どうかしたの?アーチャー」

 

「良いから、こっち来て見てくれ」

 

アニムフィスとオニビティスはアーチャーに連れられ、庭園の最奥に辿り着いた。

ふと、アーチャーの足下を見てみると、ひとりの細身の少年が倒れていた。

 

女のような長い黒髪、透き通る様な白い肌、足の裏は血だらけで、ぶかぶかのワイシャツを着ていた。

 

「どうやって…城塞には強力な結界が張ってあるのに…」

 

「おそらく突き破って入ってきたのだろう。他の陣営の刺客……ではなさそうだな」

 

「…っ…うぅ…」

 

「!?…大丈夫ですか?聞こえますか?」

 

と、アニムフィスは座り込んで少年の体を起し、抱き寄せると、少年は苦しそうに魘され、瞼をゆっくりと開け、今にも消えそうな声で言った。

 

「ぁ…たすけ、て……おれは…まだ、しにたく…ない…」

 

少年はまるで舌足らずな子供の様な口調で「たすけて」と言った。そして瞼をゆっくりと閉じ、気を失った。

 

「…で、どうしますか?殺るならサクッと殺りますが」

 

「……アーチャー、すぐに毛布とタオルを持ってきて。オニビティスお祖父様、他の皆さんにはこの事は内密に、何をされるかわかりませんから」

 

「え?お…おう…」

 

「だが…何故だアニムフィス?」

 

「……こんなに傷付くいて倒れて…よっぽど怖い思いをして必死に逃げ出してきたに違いない。こんなか弱い子を見捨てるなんて出来ません。」

 

「…そうか。ならば、協力しよう。待っておれ、すぐにライダーを呼んでくる」

 

「!…ありがとうございます。」

 

「っ…ぅ…うぅぅ……」

 

少年が魘されると、アニムフィスは少年を優しく抱き締めた。

 

「大丈夫。あなたは、私が必ず助けますから……」

 

 




銀のアーチャーの設定変えました







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