Fate/Apocrypha Lost   作:紫 カナメ
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真名バレ、若干ギャグあり


第五節 招かれざる来訪者

ブリジェント_教会。

 

和泉は礼拝堂の十字架の像の前の椅子の上に座り、黒い手帳を読んでいた。礼拝堂内には彼以外誰も居らず、窓から射し込む夕日が礼拝堂内を照らしていた。

 

「……来ましたか。」

 

と、手帳を閉じ、和泉はゆっくりと立ち上がって後ろに振り向いた。

礼拝堂の入り口には、空色のセミロングでゴスロリを着た少女が立っていた。

 

「…はじめまして、かしら?言峰和泉(コトミネイズミ)。」

 

「はい、お初にお目にかかります。私が言峰和泉ですが、…貴女(あなた)は鉄の陣営のマスター、ユミリア・カレミスア・クリスティアですね?」

 

「あら、よく知っているわね。あの男(・・・)から聞いたのかしら?」

 

「えぇ、私の養父、言峰綺礼(ことみねきれい)師から聞いております。何せ、一級魔術師の才能を持つ天才魔術師と…」

 

「…それ、あの男が言ったの?」

 

「はい。」

 

「………じゃあ1つだけ教えてあげる。あの男、言峰綺礼は外道極まりない悪党よ!」

 

ユミリアはぎりっと歯を噛み締めて怒りの表情で和泉に言った。

 

「……悪党、とは、どういう意味なのでしょうか?」

 

「そのまんまの意味よ!あの男は私の父を殺して挙げ句の果てに父を殺した罪を兄に擦り付けた!兄は無実の罪で処刑されて、母は精神を病んで自殺…あいつの所為(せい)で…私の大切なものが壊された!!あいつは善人なんかじゃない…人を操り人形の様に弄ぶ根っからの外道よ!!!!」

 

「……それがどうしたのですか?」

 

「え…?」

 

我が養父(綺礼師)が外道なのはよく聞いております。養父(ちち)は愉悦を求めているだけ、根っからの外道?外道極まりない悪党?それがどうしたのですか?人が快楽を求めるのは当たり前じゃないですか。それと同じです。我が養父が外道極まりない悪党なら、私も貴女も同じ外道ということになるじゃないですか」

 

和泉の発言を聞いて、ユミリアの中で何かがブツンッと切れた。

 

「……あっそう…あなたもあの男と同じ外道なのね…もういい、殺してやる。あの男もあんたも!やりなさい、アーチャーっ!!」

 

と、ユミリアが叫ぶと、和泉に向かって青い炎を纏った矢が飛んできた。

 

「……片付けてください、アサシン。」

 

ジャラリッ

 

矢が和泉に当たりそうになった直後、何処からか長い鎖が伸びてきて矢を弾き飛ばした。

和泉の前に現れたのは、黒いローブを纏い、両足に鎖に繋がれた足枷を着け、鎌の様な形状の槍を持った少年__『(こがね)のアサシン』だった。

 

「チッ…金のアサシン…!」

 

「不意討ちを突くなんて最低な魔術師だね。キミ」

 

「アサシン、手加減をする必要はありません。侵入者を抹殺してください」

 

「っ…アーチャー、命令よ。金のアサシンとあのイカれ糞餓鬼神父を殺しなさい!」

 

と、ユミリアが言うと、彼女の隣に黒髪に褐色の肌、白い服装に弓を携えた少年の様な風貌の弓兵、『(くろがね)のアーチャー』が現れた。

 

「その風貌…インド系の英霊ですか、面白い。ならば、久々に私も本気を出しましょう」

 

和泉はにやりと笑みを浮かべて両袖から紅い剣の様なものを取り出した。

 

「!黒鍵(こっけん)!?まさかあんた…代行者(だいこうしゃ)!?」

 

「はい。では、お覚悟を。ユミリア・カレミスア・クリスティア嬢。私も全力で貴女の首を斬り落とします」

 

 

 

一方、教会の外では__空中に教会を監視しているひとつの影がいた。

背中に大きな紅い蝶の羽根が生え、ゆっくりと羽ばたいていた。

 

金のバーサーカーだった。

 

「…どうやら始まったみたいだな。あの神父はどう対抗するか見物(みもの)だな。………ところで、貴様はいつまでそうしているつもりだ?」

 

バーサーカーの胴体には、ガタガタと震えて青ざめていた白野がしがみついていた。

 

「た…たた、確かに今日中にブリジェントに着いたけど…まさか飛ぶとは思わなかった…今思えば、私高所恐怖症(こうしょきょうふしょう)だったわ…というか、なんで蝶の羽根生えてるの…!?」

 

「いろいろ事情があってな、気にするな。…少し移動するぞ」

 

と、バーサーカーは羽根を羽ばたかせ、ゆっくりと教会の近くにあった建物の屋根の上に移動した。

 

「わわわっ!?ゆ、揺らさないでぇ!!」

 

白野は落ちないように手足に力を込め、がっしりとしがみついた。

 

「そう慌てるな、しっかりと押さえている。落ちたらすぐ拾うから安心しろ」

 

「落とすなよ?絶対に落とさないでよっ!?」

 

「それはフリか?」

 

「違うわっ!!」

 

と、そんな会話をしていると、爆発音と共に教会の屋根に穴が開き、ふたつの人影が現れた。

 

「……一旦降ろすぞ」

 

「…へ?」

 

バーサーカーは白野の服をがしっと掴み、建物の屋根の上に向かって投げ飛ばした。

 

ドサァッ!

 

「あいたぁっ!?っ…何するのバーサーカー!?」

 

「貴様はそこに居ろ。死ぬぞ」

 

戸惑いながらも、白野は教会の屋根の上をよく目を凝らして見ると、鉄のアーチャーと金のアサシンが戦っていた。

 

ガキンガキンと鉄がぶつかり合う音が響き、鉄が擦れて火花が散っていた。

 

「っ…アサシンなのに槍を使うのですか、暗器(あんき)とか使わないのですか?」

 

「…この槍は、僕が生まれた理由でもある槍。それが宝具になっただけ…」

 

「…『不死殺しの槍(ハルペー)』。女怪メドューサの首をはねた伝説の槍…だとすれば貴方の真名はその(宝具)の名前が分かれば理解出来ます。」

 

「……………」

 

黄金の剣を持てる者(クリュサオル)。女怪メドューサの息子であり、ペガサスの双子の兄弟。それが貴方の真名ですね?」

 

「…そういうお前こそ、その弓にその風貌…そして額に埋め込まれている宝石。マハーバーラタの神霊…………

 

シヴァの化身、アシュヴァッターマン」

 

「…おやおや、上手く前髪で隠していたつもりですが、バレちゃいましたか」

 

鉄のアーチャー、アシュヴァッターマンは前髪をかき上げ、額に埋め込まれている青と紫色に輝く宝石を見せた。

 

「同じ神の力を持つ者同士、己の力を相手に見せつけるのも悪くはありませんね。貴方を見ていると私を殺したあの男を思い出しますね」

 

「…確実に仕留める。女怪メドューサ(かあさん)を殺したこの不死殺しの槍(ハルペー)で、お前の首を落とす」

 

「ではこちらも、一生消えることの無い美しくも残酷な復讐の蒼き炎に焼かれて死んでください」

 

ギリシア神話の神霊、インド神話の神霊。果たして勝利の旗を掴むのはどちらか____

 




作者の呟き

サバフェスガチャエドモン欲しい…
コーヒーとか触媒にしたら来るかな…
男鯖の水着どれもカッコいいけどロビンしか持ってない…畜生(´・ω・`)

無涯「Twitterにでも呟いていろ」

有虚「せっかくシリアスな展開になってんのに台無しじゃねぇか。」

ジーク「ええと…こんな作者だが、これからもこの小説をよろしく頼む」

アキレウス「良かったら評価してくれ!」

メドューサ「クリュサオル…頑張ってください…!お母さん応援しています!」

アルジュナ「アシュヴァッターマン…許さんぞぉ…」

カルナ「アシュヴァッターマン…久しいな。しかし、少し背が縮んだか?」

霧隠、由利「「お(やかた)/幸村(ゆきむら)様ぁぁああっ!!」」

キャスギル「喧しいわ馬鹿者っ!!ネタバレは控えろと何度も言っているであろうがぁ!!!」

根津「いや、もうバレているで(そうろう)。」

エドモン「残酷な事だ…」





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