Fate/Apocrypha Lost   作:紫 カナメ
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第九節 怒りと悲しみの蒼炎は消えることなく

数分前、ブリジェント_教会

 

和泉(いずみ)とユミリアの対決はユミリアの負けが目に見えていた。

最初はユミリアが黒魔術を使って遠距離戦で押していたが、隙を突かれて黒鍵(こっけん)を避けたり防いだりしながら免れていたが、和泉は養父、言峰綺礼(ことみねきれい)から教わった『八極拳(はっきょくけん)』を使い、ユミリアの肋骨を二本、右腕の骨一本を折り、腹部を数発殴った。

 

ユミリアは一時、倒れていたが二分後に起き上がり、ふらふらとしながら立っていた。

 

「はぁ…はぁ…や、やるじゃない…流石あの男の息子ね」

 

「血は繋がっていませんが、養父(ちち)は私に黒鍵の扱い方、八極拳についててきぱきといろいろ教えてくれましたから。…さて、もう負けを認めたらどうですか?例え倒すべき敵であっても女性を痛め付けることはあまり好ましくないもので」

 

「…はっ、何紳士ぶってんのよ…外道が、負けは認める、だけどあんたをこの街ごと吹き飛ばして私も死ぬわ」

 

と、ユミリアは令呪がある右手を出し、大声を上げた。

 

「令呪を持って命ずる!宝具を使用し、ブリジェントを住民ごと吹き飛ばせ!!」

 

令呪が一画消えると、教会の屋根の上で戦っていた鉄のアーチャーが笑みを浮かべていた。

 

「承知しました」

 

アーチャーは一本の矢を取り出し、弓を構え、空に向けた。

 

「我が愛する者を奪った愚者に鉄槌を。天空から降り注ぐのは復讐で燃え上がる蒼炎の雨。全てを壊し、全てを焼き尽くせ。『破壊と復讐の閃光流星(ブラフマシラーストラ・リヴェンジアロー)』!」

 

蒼く燃え上がる炎の矢は天高く飛んでいき、見えなくなった瞬間、一本の矢から千本以上の炎の柱と変わり、ブリジェントに向かって降ってきた。

 

「なるほど、炎の雨ですか。街ごと吹き飛ばすなんて、貴女も相当外道ですね」

 

「あはははっ!!これで終わりよ、言峰和泉!あんたとあの男のせいでこの街は吹き飛ぶの!!地獄で罰を受けなさい!!!」

 

「…そろそろ頃合いですか」

 

と、和泉はユミリアを無視して携帯を取り出し、何処かに連絡した。

 

「もう良いですよ、やっちゃってください。フロストさん(・・・・・・)

 

その瞬間、ひとつの閃光の様なものが高速で飛んでいき、炎の柱を次々と爆破させた。

 

「なっ!?」

 

「ふう、事前に電話番号を交換しておいて正解でしたね。」

 

ピッピッ

 

「白野さん、残ったやつは頼みましたよ」

 

ピッ

 

と、言った瞬間、五回爆発音が響き、ユミリアはアーチャーの宝具を防がれたことに驚愕して座り込んだ。

 

 

 

 

一方_白野とバーサーカーは五本の炎の柱を破壊していた。

 

「最初会った時、電話番号を交換してって言われたのはこの為だったのか…」

 

和泉とユミリアが戦っていた時、突然白野の携帯が鳴り、画面を見てみると和泉からの着信だった。和泉は壁に回り込み、攻撃を免れながら白野に電話したのだ、

 

『監視しているのはわかっていますよ。少し頼みたいことがありまして、鉄のアーチャー…アシュヴァッターマンの宝具の中にひとつだけ、対城宝具があります。それが発動すればブリジェントは吹き飛んで多くの犠牲者が出ます。もし、それが発動した場合、残さず全てを破壊してください。

貴女のバーサーカー…真田幸村(さなだゆきむら)の『蟲人(むしびと)』の能力で』

 

「まさか俺の能力を知っているとはな…鉄の鱗粉であの炎の柱を破壊したのは良いが、最初のあの閃光は…」

 

「うん、金のランサーの宝具だね」

 

 

 

 

「嘘よ…だって、破壊と復讐の閃光流星(ブラフマシラーストラ・リヴェンジアロー)は…アーチャー、

アシュヴァッターマンの…」

 

「えぇ、対城宝具です。…ですが私達金の陣営には神霊が三騎いましてね、その中でもランサーは我が陣営で最も最強と言われる神霊なんですよ」

 

「っ…だけど、私のアシュヴァッターマンも神霊なのに…!」

 

「それを遥かに上回るほどの強さを持っているんですよ。()は」

 

「く…」

 

その時、ユミリアは最後の足掻きにナイフを取り出して和泉に斬りかかった。

しかしそれは簡単に避けられてしまった。

 

checkmate(チェックメイト)ですよ。ユミリア・カレミスア・クリスティア」

 

と、和泉は黒鍵を一本取り出し、ユミリアのナイフを持っていた左腕を根元から斬り落とした。ゴトンッと左腕は指先をピクピク動かしながら床に落ちた。傷口からは血が溢れた。

その時、上から三本の矢が降ってきて和泉はそれをかわした。その直後、矢が爆発し、教会内に煙幕が充満した。

 

「……おやおや」

 

煙幕が消えると、そこにユミリアの姿は無く、斬り落とされた左腕だけが残っていた。

 








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